代表取締役と代表社員の違いを理解して、スムーズに事業スタート!

会社設立を検討する時に、一般的には株式会社と合同会社のどちらにするか悩む人が多いと思います。それぞれにメリットやデメリットがあるので、一概には良い・悪いを判断できないことが多いです。

そこで、株式会社と合同会社のどちらで会社設立をすれば良いのか検討する一つの軸として、代表取締役と代表社員の違いに焦点を当ててみました。

株式会社と合同会社のそれぞれの法人組織の代表の事を代表取締役や代表社員と表現します。株式会社と合同会社の違い以上に、代表取締役と代表社員にはどのような違いがあるのでしょうか?

◆株式会社と代表取締役について

代表取締役と代表社員について整理する前に、株式会社について確認しておきましょう。その流れで一緒に代表取締役を整理できればと思います。

株式会社を理解するための2つのステップ

1、お金を出資する人=株主、経営をする人=取締役

株式会社について基本的なところを理解してもらうために、簡単に説明させてもらいますね。株式会社の特徴は、お金を出資する株主と経営をする取締役で役割が分かれている点です。とはいえ、株主と取締役が同一人物の場合もあります。

ここでは、お金を出資する人=株主、経営をする人=取締役と理解しておいて下さい。

2、取締役の中で一番偉い人=代表取締役

株式会社を経営する立場である取締役は複数人いる場合があります。何人もエラい人がいると会社の舵取りが大変になるので、ほとんどの場合が、その中から代表になる人を決めます。その代表が、代表取締役となるわけですね。その呼び方の通り、「会社を代表する取締役」の事です。

株式会社の歴史を紐解いてみる

・株式会社は大航海時代から始まった

株式会社の歴史を知ることでさらに理解が深まるかもしれません。昔々、大航海時代と言われた時代がありました。当時は新しい大陸を発見したり、植民地を増やして物資などを自国に調達してくることが国としての大きな利益だったんですね。そこで積極的に航海に乗り出したいのですが、海には危険がつきものです。海賊に襲われる危険もありますし、嵐や大波で船が沈没してしまうかもしれません。専門的な技術や能力もいるでしょうし、何より船を用意したり何日間もたくさんの人を用意するには、たくさんのお金がかかります。

そこでたくさんの人たちから少額ずつお金を出してもらい、航海をするための資金に当てたのです。航海が失敗してもたくさんの人で少額ずつの出資ですから、リスクは少ないですよね。そして航海が成功して利益が得られれば出資してくれている人たちにお返しすればいいわけなので、とっても便利で効率的な仕組みが出来上がりました。これが株式会社の始まりとなります。船が会社であり、航海が事業といったイメージでしょうか。

・株主と取締役を分けるのは効率的だから

つまり株式会社は、「お金を出す人=株主」と「会社を運営する人=代表取締役(取締役)・社員」で役割を分担して、世の中に付加価値を提供してお金をいただく。手にした利益は株主に還元します、という仕組みなのです。

とはいえ、今言った話は上場するような大きな会社の場合に実感するものです。これから会社設立をしようと考えている人たちや、会社設立から間もない人はもしかしたら1名ないし、数名で会社設立をした方が多いのではないでしょうか。そんな会社はじつは株主と代表取締役(取締役)が同じことがほとんどです。そうすると、今お伝えしたお金を出す人と経営する人が別という実感を持ちにくいことが多いです。

・中小企業のほとんどの会社が株主は取締役も兼ねている

ですので、会社設立したばかりの小さな規模でやっている会社は事業がうまくいかなかったときのリスク(出資したお金が戻ってこない等)も経営者(代表取締役・取締役)が負っているのです。

このように、株式会社を経営する立場の人たちを取締役と良い、その会社の取締役が一人だけな自動的に代表取締役になりますし、複数の取締役がいればその中から一人を代表取締役として選びます(複数人を代表取締役にすることも可能です)。

◆合同会社と代表社員について

株式会社と代表取締役について理解できたら、次に合同会社と代表社員について見ていく事にしましょう。二つが明確になることで、違いが浮かび上がってくるはずです。

合同会社ってどんな法人なのでしょうか?

・合同会社とは日本における新しい会社形態の一つ

合同会社も株式会社も共に「会社形態」を表す組織の事です。組織を人とみなすことを「法人」と言いますが、合同会社はいくつかある法人の種類の中でも比較的新しい会社形態なわけです。何が新しいかと言えば直近の2006年の会社法改正によって設立できるようになったものだからです。ちなみに、合同会社の事を「Limited Liability Company」と英語では表現し、LLCと読んだりします。

・認知度は低かったが少しずつ人気の出てきた合同会社

この合同会社ですが最近では認知も上がってきたのか設立の件数も増えてきているようです。有名なところで言えばアップルの日本法人が合同会社だったり、スーパーマーケットの西友も合同会社です。最近では年間で設立される法人の内訳をみると年々合同会社の割合が増えてきています。

具体的に合同会社の特徴を確認していきましょう!

・合同会社の特徴は早い、旨い、安い

合同会社の特徴は、株式会社よりも設立の手続きが簡単で、会社運営も比較的ラク、さらに設立にかかる費用も安い点です。個人事業主から法人にすることを検討している人で、株式会社でなくてはいけない理由の無い人は合同会社を選ぶのも一つの手です。

・合同会社は安く会社設立できる

合同会社は株式会社と比べて設立にかかる費用が安いです。登録免許税だけでいえば、株式会社が15万円なのに対して、合同会社は4万円です。定款と呼ばれる会社の憲法のような役割を持つ書類も、公証役場で認証をする必要がないので、それにかかる費用である約5万2000円はかからないで済みます。設立時の費用をなるべく安くしたいという方は合同会社が適しているかもしれません。

・合同会社は定款で大切な事を自由に決める

たとえば株式会社であれば議決権は出資している株式の数に準じます。しかし、合同会社であれば出資している比率に関わらず定款で決めた多数決によって会社の大切な事を決めることが可能です。他にも利益の配分は株式会社であれば出資している金額に紐付きますが、合同会社は定款できまますので、比較的会社の運用が柔軟になります。

合同会社における代表社員はどんな人か

・合同会社の社員はただの社員ではない

合同会社で使われる社員という言葉は、私たちが普段使っている従業員という意味の社員とは違います。これは、厳密に説明するとお金を出資した人のことを法律では社員と表現しているわけです。そして、合同会社の場合は基本的に出資をしたら経営に携わる事になりますので、社員のことを業務執行社員と表現したりもします。つまり、株式会社でいうところの株主と取締役の両方の意味を兼ね揃えているのが合同会社でいうところの社員というわけです。

このあたりの詳しい内容については、「社員や代表社員や業務執行社員・・・何がどう違うのか徹底解説!」の記事を参考にしてみて下さい。

・合同会社で社員を代表する人=代表社員

合同会社での社員が取締役のような役割があるので、それを代表する人はそのまま代表社員と表現します。代表取締役のように、一人だけであれば自動的に代表社員になりますし、複数の社員がいれば、その中から代表社員を選ぶことになります。

◆株式会社と合同会社の違い

株式会社の代表取締役、合同会社の代表社員について理解が出来たところで、次はそもそも株式会社と合同会社の違いについて簡単に理解していきましょう。わかりやすい動画があるので、こちらをご覧ください。

次に大きく分けると株式会社と合同会社の違いには三種類あると思っています。一つ一つ、簡単にではありますが見ていきましょう。

1、会社設立費用の違い

会社設立費用は合同会社の方が圧倒的に安いです。まず法務局に払う費用(登録免許税と言います)が6万円だけなのに対して株式会社は15万円もします。しかも、株式会社は定款の認証という作業をしなければいけなくて、これに5万2000円ですね。収入印紙を貼るともなると、さらに4万円かかると考えると合同会社は6万円、株式会社は24万2000円もかかるとなると圧倒的に合同会社の方が安いです。設立費用については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

2、信頼性の違い

どうしてもまだ会社設立と言うと株式会社をイメージする人が多いです。そんなに多く無いと思いますが、合同会社である事が取引に影響を当てることも事もあるでしょう。それぐらい信頼性が業界によって違う可能性もあるのです。ただ、会社設立数はまだまだ株式会社の方が多いですが、合同会社の設立数も急激に伸びています。それだけ、だんだんと認知も多くなってきたのではないでしょうか。

3、会社の運営方法や利益の配分等の違い

株式会社と合同会社には運営方法の違いがあります。たとえば株式会社で物事を決めようとすると、取締役会や株主総会で決めないといけません。合同会社の場合は物事の決め方が定款で自由に決められるので、たくさん業務執行社員がいても、全部代表社員が決めるという風にする事もできるのです。同じように利益の配分は株式会社は株主の持っている株数の比率によりますが、合同会社はこれも定款で自由に決めれるのです。

◆代表取締役と代表社員の違い

株式会社と代表取締役、合同会社と代表社員、これらの関係については整理ができたと思いますので、次に具体的な代表取締役と代表社員の違いについて確認していきましょう。

代表取締役と代表社員の肩書きに関する違いについて

代表取締役と代表社員の肩書きに関する違いに関して確認しておきましょう。会社設立のルールの中では、会社を経営する立場の人を株式会社であれば代表取締役、合同会社であれば社員や業務執行社員と決められています。それぞれを代表する人が代表取締役であったり、代表社員となるわけです。ですから、合同会社の代表が代表取締役と名乗る事は、相手を勘違いさせてしまうので、やめておいた方が良いでしょう。

代表取締役と代表社員の名刺に記載する内容の違いについて

それでは、名刺に書くときは代表取締役と代表社員それぞれどのようにすれば良いのでしょうか。まず、名刺は第三者に対して私はこういう人ですとアピールするものですので、厳密なルールが法律によって決まっているわけではありません。基本的に、株式会社であれば代表取締役、合同会社であれば代表社員と記載します。合同会社の代表は、名刺には代表社員と書いたり何か代表社員と書くのはダサいなと思う人は代表とだけ名刺に書く人もいます。このあたりの詳しい内容は「信頼を倍増!合同会社の代表社員の肩書き・役職の表記の仕方」という記事で詳しくまとめています。

意外と「代表社員」はダサくて、「代表取締役」を名乗りたいからという理由で、合同会社ではなく、株式会社の設立を決められる人もいます。

代表取締役と代表社員の給与に違いはあるのか?

代表取締役と代表社員を比べた時に、給与に関するルールに違いはありません。ただし両方とも役員報酬というかたちを取りますので、普通の従業員の給与とは扱い方が違うので注意が必要かもしれませんね。

・普通の従業員の給与に関して

会社に雇われる立場の人たちは毎月給与を受け取る事になります。この給与は、基本給という形で決まった金額が支払われると思いますが、手当の内容や残業の状態によっては毎月支払われる給与の額に変動があるはずです。会社側の立場からすれば、月々どんなに変動があったとしても従業員に支払う給与は経費にする事が出来るというのがポイントです。

・代表取締役や代表社員の役員報酬に関して

代表取締役も代表社員は一度お給料(正確には役員報酬と言います)を決めたら一年間は基本的に変更が出来ません。これは、基本的に会社の税金は一年間の売上に経費を差し引いて利益を計算して税金の金額を出します。急に思いがけない大きな売上が出てしまったとき、その分多くの税金が発生してしまうのですが、それを例えば経営者にボーナスを出すことによって会社の利益を小さくして納める税金を少なくしたいと思うの人もいるのです。従業員にボーナスを出して使う経費を大きくするのはいいのですが、代表社員や代表取締役、その他にも経営に携わる取締役や社員に対して月のお給料を変動させることは基本的に禁止されているのです。

・代表取締役と代表社員の任期の違い

代表取締役(取締役)は任期というのが決まっています。代表取締役としての期間ですが、イメージするとしたら内閣総理大臣の任期のようなものです。最後まで勤め上げれば選挙をして、違う人が当選するかもしれないし、同じ人がそのまま続けるかもしれません。株式会社の場合も設定した期間の年数ごとに、選挙をして代表取締役(取締役)を決め直さないといけないのです。立ち上げたばかりの小さな会社であれば、同じ人が継続してなり続けるというのがほとんどです。この場合、代表取締役(取締役)が変わったとしても法務局に変更登記の手続きといって、お金を払って登記し直さなければなりません。同じ人が継続して代表取締役(取締役)になったとしても、これもまた再任の手続きをお金を払って法務局にしなければなりません。合同会社の場合は、代表社員には任期というものはないので、これまでに説明した代表取締役に必要な面倒な手続きはする必要がないのです。

◆代表取締役と代表社員の違いを理解して、スムーズに事業スタート!のまとめ

いかがでしたでしょうか。代表取締役と代表社員の違いについてはイメージが出来たかと思います。いざ、会社設立をしよう!と思うと株式会社と合同会社で迷う事が良くあります。多角的に様々なメリット・デメリットがあるので良く検討して決めて欲しいですが、一風変わった代表取締役と代表社員の違いというも理解した上で、どちらにするか決めるのも大切だと思います。

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1、株式会社設立と合同会社設立のメリット・デメリット

株式会社や合同会社、さらには個人事業主の違いを含めてメリット・デメリットを会社設立の視点から整理しています。こちらの記事も併せてご覧下さい。

2、代表取締役も代表社員も役員報酬の決め方には要注意

代表取締役も代表社員も共通しているのは、会社から受け取る収入は役員報酬になるという事です。この役員報酬はルールにがんじがらめで、気を付けないと税金的に損をしてしまう可能性すらあるのです。そうならないためにもこちらの記事を熟読して下さい。

3、代表取締役も代表社員も名刺に付ける肩書きについて悩んだら・・・

代表取締役も代表社員も肩書きについては、色んな方法があります。代表社員と名刺に書くのがダサくて嫌な人は違う方法もあるのです。そんな情報をまとめたのがコチラの記事になります。良かったらご覧ください。