会社設立日と決算日を決める上でのポイントを整理しました。

会社設立日と決算日の違いってわかるようでよくわからない・・・、そんなわけで会社設立日と決算日について整理してみました。会社設立時に知っておくだけでも、事業の進めやすさに違いがあったり、節税につながる情報もあったりしますので、この会社設立日と決算日の関係や決めるときのポイントや注意点を一緒に考えていければと思います。

◆会社設立日と決算日の関係

まずは会社設立日と決算日の関係についてみていきましょう。すでに知っているよ!という方もおさらいの意味を込めて、一緒に考えていければと思います。

会社設立日とは何でしょうか?

会社設立日とは、カンタンに説明してしまうと会社設立書類を法務局に受け取ってもらった日です。ですので、ホームページに会社設立日を記載したり、取引先と契約を結んだりするのは会社設立日以降にするようにしてくださいね。

さらに厳密に整理すると、法務局に会社設立書類を渡して一週間後ぐらいに登記簿謄本を取得できるようになります。これは、会社がこの世に存在しますよ、というのを証明する書類なんですが、そこに「会社成立の日」という項目で会社設立日が記載されています。

より詳しく会社設立日を調べる方法を知りたい場合は、こちらの「スグわかる!会社設立日を調べてみました!」という記事のページを良かったら参考にしてみて下さい。

決算日とは何でしょうか?

よく「決算日だから忙しいなー」とか「決算セール実施中!」とか、普段でも決算日(決算)という言葉を耳にすることは多いのではないでしょうか。決算とは会社の一年間の成績(売上やら経費やら)をまとめて整理して、その年に支払う税金の金額を決定することを言います。厳密には決算の申告って言ったりしますね。

その事業年度の最後の月を決算月といいますし、決算月の中でも最後の日を決算日と言います。この決算日までの数字をひとつの区切りとして、そこから2ヶ月以内に決算の申告をして税金を支払うのです。

会社設立日と決算日の関係

会社設立日と決算日をご理解いただいたところで、この二つの関係はどうなっているのか、みておきましょう。

・決算日は一年以内なら自由に決めることが出来ます

まず会社設立日を決めてしまうと、自動的に決算日が決まってしまうと思っている方がいらっしゃるのですが、決してそういうわけではありません。

会社設立日から一年以内であれば基本的に決算日は自由に決めて大丈夫です。4月5日が会社設立日だとしたら、5月31日を決算日として良いわけです。

・多くの起業家は基本的に一年間を事業年度とします

決算日をいつにするのかは自由に決められるとお伝えしましたが、ほとんどの方が丸々一年間が事業年度になるように設定します。ですので、会社設立日と自動的に決算日が決まってしまうと思っている方がいらっしゃるのかもしれませんね。

丸々一年間が事業年度になるようにする方が多いのは、税金的なメリットがあるからです。後半でも説明しますが、消費税を払わなくて良い期間を長くできたりします。4月5日が会社設立日だとしたら翌年3月31日を決算日にするといった具合です。

・決算日は何日に設定しても大丈夫ですが、ほとんどが月末に設定します

そして基本的には決算日は月末に設定することが多いですが、他の日にちでも大丈夫です。ただし、決算日で事業年度の一つの区切りとしますし、ほとんどの企業が月ごとで売上や経費を管理していることが多いですので、決算日は月末に設定されていることが多いというわけですね。

決算日の決め方

決算日は会社設立をする手続きの中で決めます。具体的には、定款の中に決算日(決算月)を書く項目があるので、そこへ記載するわけです。定款のフォーマットの中には以下のような項目があります。

(最初の事業年度)

第26条 当会社の最初の事業年度は,当会社成立の日から平成○年3月31日までとする。

この例でいけば、3月31日を決算日とする3月決算の会社を設立したことになりますね。決算日をいつにするかは、後半でお伝えするメリット・デメリットを考慮した上で決めるようにしましょう。

会社設立日は一度決まってしまうと、その先どんなことがあろうと変更することが出来ません。ただ、決算日は後半でも詳細をお伝えしますが会社を設立した後でも自由に変更ができるんですね。

実際に事業を行ってみて、自分に合った決算日があるかもしれません。ただ、会社設立時に決める決算日も会社の運営面や税金面でとても大切な役割があるので注意しましょう。

◆決算日(決算月)を決める時の注意点

それでは、決算日(決算月)を決める時の注意点を整理していきましょう。会社設立時に知っておくことで、トクになることもあるかもしれないので、参考にしてみて下さい。

1、消費税の免除される期間が長くなるように決算日を設定する

資本金を1,000万円以下で会社設立をすると基本的に一期目と二期目の最大で二年間が消費税を納めなくても良い特別ルールが適用されます。

厳密にいうとさらに要件があるのですが、まずはこの一期目・二期目を最大24ヶ月しっかりとるように決算日を設定するようにしましょう。具体的には一期目の決算日を会社摂理日から12ヶ月目にするわけですね。

事業年度の設定や決算日の設定によって、消費税の課税を免除されるには他の条件も抑えておきましょう。どうしても、条件に当てはまることが出来ない会社でも裏ワザ的な手法もありますので、消費税免除に関する詳細はこちらの「消費税免除を上手に活用して株式会社設立をする方法」の記事をご覧ください。

2、お金が通帳に残ってる時期の2カ月前を決算日に設定する

会社を設立したら一年に一回、決算の申告ということで納める税金を明確にして税務署へ納めないといけません。

・税金を納めるタイミングと会社の大きな出費が重なると資金繰りが大変

もし、大きく利益の出ている会社であれば納める税金も大きくなることでしょう。ただ、その税金を収めるタイミングが従業員へボーナスを支払う時期とか、たくさんの仕入れと重なるだとかで大きな出費をする時期と重なったら資金繰りが大変になってしまいます。ですので、決算日を決めるタイミングは会社のお金の流れをよく検討した方がよさそうです。

・税金を納めるタイミングは決算日から2か月後

会社設立した年であれば会社設立日からその事業年度の決算日が一つの期間となります。その決算日を一区切りにして売上や経費やらを計算して会社が納める税金を決定するわけですね。

いつまでに決算申告をして税金を納めるかといえば決算日から2カ月以内です。上記の注意ポイントからいけば決算日から2カ月後の決算申告のタイミングは会社の通帳にお金が残っている時期になるように工夫しましょう、ということですね。

3、繁忙期を決算日と一緒にする?それとも別にする?

次に繁忙期と決算日の関係はどのように調整したら良いでしょうか。どちらもメリット・デメリットがあるので、それぞれ紹介します。

・繁忙期と決算日は一緒にした方が良いパターン

繁忙期だから売上を絶対に確保しなければいけないという会社の場合は、わざと繁忙期と決算日を重ねる場合があります。

決算日という最後の区切りの月があることで、従業員の人たちのモチベーションを上げてより一層の売上を意図してとのことです。営業会社に多そうなイメージですよね。

・繁忙期と決算日は別にした方が良いというパターン

すでにお伝えしたように決算日から2カ月以内に決算申告をして税金を納めないといけません。この決算申告という作業が面倒で、基本的には専門家である税理士が行ってくれます。ただ、足りない資料を渡したり、追加で色々と質問を受けたり、他にも資料を揃えてくれと依頼が来たり、実は決算申告に向けて会社側もバタバタと忙しいのです。

決算申告で忙しくなる時期と、本業での繁忙期が重なってしまうとかなり大変になってしまいます。そのような事を避けるために決算日から2カ月以内の期間が繁忙期と重ならないように設定する会社はよく見かけます。

4、売上が大きくなる月を決算日にしない

これは繁忙期と重なる事が多いと思うのですが、売上が最大になる月と決算日を一緒にしない方が節税の観点からメリットがあるかもしれません。

事業年度の最後の月が決算日とお伝えしまして、その日が会社としての一区切りとなるわけですね。最後の月に売上がドカンと入ってきたら、しかもその金額が大きいと税金対策をする時間もなくなってしまい、みすみす高い税金を払わなければいけないなんてことも起こりかねません

ですので、売上が上がる月と決算日は別にした方が良いというのはよく言われることですね。

5、棚卸資産や在庫が少ない月を決算日にするとラク!

決算申告をするための作業に、棚卸や在庫の確認・整理をする必要があります。もし、決算日が仕入れをたくさんする時期と重なったり、棚卸資産や在庫がまだまだたくさん残っている時期になるようなら、決算申告の作業が少し大変になってしまうわけですね。あまり優先順位は高くないのかもしれませんが、そういった時期は決算日にしない方が賢明かもしれません。

◆決算日(決算月)の変更の仕方

会社設立日は一度決めてしまうと変えることはできませんが、決算日(決算月)は途中で変更することが可能です。

それでは、決算日(決算月)の変更は具体的にどうやってやるのかをここでは確認していければと思います。

1、株主総会を開く

まずは、会社の定款(会社の根本的なルールを決めた憲法のようなもの)に、事業年度が記載しています。その定款の内容を変更する必要があるのです。この定款の変更には株主総会(この場合は臨時株主総会)といって株主でものごとを決めるためのミーティングを開きます。そして、議事録という記録をとって保管しておきます。

議事録のフォーマットはこちらから確認することができます。

2、税務署へ届け出を出す

株主総会を開いたら、税務署に「異動届出書」を提出します。その際には議事録のコピーも一緒に添付して出すようにしましょう。他には税務署以外に、都県税事務所と、市役所にも届け出を出すことになります。

これだけで決算日の変更手続きはおしまいです。

◆会社設立日と決算日を決める上でのポイント、のまとめ

いかがでしたでしょうか。会社設立日と決算日の関係と、それぞれ決める上でのポイントを整理してきましたが、知っているか知らないかでほんの少し、会社の運営のしやすさが変わるかもしれませんね。中には、節税につながるポイントもあったりしますので、注意しておきたいところです。

ここまでお伝えしてきた中で決算日と事業年度は実は深いつながりがある事をお気づきになったかもしれません。会社設立日と決算日について、より深く理解するためにも事業年度についてもよく知ってもらえると良いかもしれません。事業年度に関しては、こちらの「会社設立日と事業年度にはどんな関係があるのでしょうか?」という記事で詳しく紹介していますので、良かったら参考にしてみて下さい。