会社設立をする代わりに休眠会社を利用するメリットとデメリット

会社設立というとゼロから新しく作るものというイメージがあります。ただ、稀ではありますが、休眠会社を利用して新しく会社設立する代わりにするケースもあります。

低コストで事業を始めることができたり、事業を始めるまでのスピード感みたいな点でメリットはありそうなんですが、それ以上にデメリットに目を向けておいた方が良いと思います。

今回はそうした会社設立をする代わりに休眠会社を利用するときのメリット・デメリットを整理してみました。

この記事でわかること

・会社設立時に休眠会社を利用するメリットとデメリット

◆会社設立ではなく休眠会社を利用するメリットとデメリット

ごはんつぶ君
会社設立をするのではなく、休眠会社を譲ってもらって事業を始めるってこともできるんだね。初めて聞いたよ。
先生
確かに休眠会社を上手に使えば、自分で会社設立するよりも良い条件で事業をスタートできるかもしれません。ただ、それ以上にデメリットもあるので休眠会社を利用する時は普段以上に慎重検討するようにしてくださいね。

休眠会社とは、会社を休眠させることです。一時的に会社の運営をストップすることで、廃業は会社の事業自体がなくなることですが、休眠は会社も事業も一時停止の状態です。

この休眠会社を譲ってもらい、新しく事業を始める会社の器として活用する選択肢もあります。ただし、そのメリット・デメリットをよく吟味して行うようにしてくださいね。

休眠会社の豆知識

会社を休眠させるためには税務署等へ届出を提出すればOKです。休眠会社には売上は発生しないのですが、毎年申告しないといけません。二年間無申告だと青色申告の権利が取り消されてしまうので要注意です。

また会社が存在することで発生する法人住民税も払う必要は出てきますが、自治体によっては払わなくて大丈夫な地域もあるので必ず確認するようにしましょう。

(1)ゼロから会社設立をせずに休眠会社を利用するメリット

まずは休眠会社を使って事業を再スタートするときのメリットを見てみましょう。

1、会社の信用を引き継ぐことができる

休眠会社を利用する一番のメリットは、元の会社の信用を引き継ぐことができる点です。たとえば会社の社歴なんかは休眠会社を利用することで手に入る信用の一つです。また、資本金の大きな休眠会社もあったりするので、その点も会社の信用につながる可能性はあります。

2、休眠会社を利用することで許認可がカンタンに手に入るかも

仕事内容の中には行政から許認可をもらわないとできない仕事があります。許認可の種類によって様々なのですが、資本金の条件があったり、面倒な手続きがあったり、意外と大変です。休眠中の会社がもし許認可を持っていたら復活させて利用した方が効率的な場合があるかもしれません。

会社設立時の許認可については「会社設立時に注意すべき許認可のルール!」の記事でまとめています。

3、会社の過去の赤字を活用して節税できるかもしれない

休眠会社が毎年ちゃんと申告の業務をしていれば、その休眠会社が持っている赤字を活用して節税対策ができるかもしれません。

青色申告の権利があれば赤字は10年間繰越すことができます。休眠会社を利用して事業を立ち上げた時にスグ利益がでる場合は、休眠会社が持っている赤字と相殺ができるわけです。

(2)ゼロから会社設立をせずに休眠会社を利用するデメリット

一番注目すべきは休眠会社を利用するときのリスクについてです。デメリットに関して整理してみました。

1、休眠会社が債務を抱えている可能性

もし会社設立の代わりに譲ってもらった休眠会社に表には出ていなかったけど、返済すべき債務等(簿外債務や未納の税金)があったらその責任を負わないといけません。休眠会社を自分のものにするということは、会社に紐づく一切の責任も譲ってもらうわけです。

2、休眠会社が金融機関のブラックリストに載っている

休眠会社が過去に金融機関からお金を借りて返済をしていなければブラックリストに載っている場合があります。そうなると融資を申し込んでもNGという結果になってしまいます。

3、青色申告が取り消されている可能性がある

二期連続で申告をしないと青色申告が取り消されてしまいます。そのため、会社設立の代わりに利用しようとする休眠会社がずっと無申告(申告をしていない)状態だと青色申告を利用できないので注意が必要です。

法人の青色申告について

青色申告とは申告方法の一つで、面倒な処理をするかわりに税務署からは税金的な特典をもらえることになっています。様々な特典を受けるためにほとんどの法人は青色申告を行っていますが、詳細は「会社設立をしたら青色申告の届出はいつまでに出せばいい?メリットや期限について解説」の記事をご覧ください。

4、登記の変更にコストが発生する

新しく会社を設立するのにも費用はかかりますが、休眠会社を譲ってもらい新しく事業をする場合も登記簿謄本(登記事項証明書)に記載してある内容を変更する必要があると思います。

たとえば商号(会社名)や住所、役員の変更などです。これらを変更するのに自分で法務局に行って対応したとしても実費で数万円から十数万円が発生すると考えた方が良いでしょう。コストだけで休眠会社利用を考えているのであれば合同会社を設立した方が安くつくと思います。

参考:「最も安い金額で会社設立できる方法を徹底調査!株式会社・合同会社の格安設立方法」

◆「会社設立の代わりに休眠会社を利用」のまとめ

会社設立の代わりに休眠会社を譲ってもらい事業をスタートするのは起業方法の一つです。ただし、休眠会社を利用しなくてはいけない明確な理由がない場合は休眠会社を利用しないことをオススメします。

起業時はあらゆるリスクを最小限にして欲しいからです。不確定なものについてはコントロールがききません。表に出てこない負債があったら?金融機関のブラックリストに載っていたら?休眠会社を使った場合のあらゆるデメリットを払拭できないのであれば新しく会社を設立しましょう。

まとめ

・休眠会社を利用する時はメリット以上にデメリットを全て払拭できるか慎重に検討すること。