現物出資をして株式会社設立をするメリットとデメリット

現物出資という言葉を聞いたことありますか?株式会社設立をするときに、資本金が必要ですが普通、資本金は現金で用意すると思われがちです。これを自動車やパソコン、不動産など会社で利用するモノをお金の価値に置き換えて資本金にする方法があるんです。とはいえ、なんでこのような方法があるのか、何かしらのメリットがあるからですよね。そこで今回は株式会社を設立するときの、現物出資のメリットとデメリットを考えていきたいと思います。

◆はじめに、資本金について

まず、現物出資をみていく前に、資本金についてみていきましょう。資本金は会社の元手となるお金です。商売はモノを仕入れて売るとか、サービスを提供するとか、業種や業態、ビジネスモデルによって様々ですけど、必ずお金が必要となりますよね。株式会社設立時にそれに充てるお金が資本金です。また、何かあったときにその資本金が使われるわけですから、その会社と取り引きにある人を守るという意味合いもあります。今は1円の資本金からでも株式会社設立はできるようになりましたけど、安心安全な取り引きや経済活動をするためにも資本金って大事なんですね。

また、株式会社設立時には発起人がお金を出資します。そして、出資したお金はそのまま株となり、発起人は株主となるわけですね。株主は会社の持ち主で、株主総会などを通して実質的に会社に影響を与えることができます。お金を出資するということは、その会社の株主になるということも押さえておきましょう。

◆現物出資とは何か?

そこで現物出資なのですが、お金ではなくてモノを資本金にすることです。パソコンや自動車などのモノを時価に置き換えて資本金にするわけですね。時価というのは辞書で調べてみると「その時々の値段」とあります。今、この瞬間に売買するとしたらいくらになるのかってことですね。自動車やパソコンであれば今の中古販売の価格を調べてそれを資本金の額にするというわけですね。とはいえ、この株式会社設立時に行う現物出資は、ふつうに現金のみで株式会社設立をするよりも手続きが少し面倒くさいです。なぜ、それをするのかと言えば煩雑な手続きよりも大きなメリットがあるからですね。次は、この株式会社設立時の現物出資のメリットとデメリットをみていきましょう。

◆株式会社設立時の現物出資のメリットとデメリット

現物出資のメリット

資本金の額を増やすことができる

まずは現物出資をすることで、手持ちの現金だけで株式会社設立をしようと思っているよりも資本金を増やすことができます。資本金が大きくなることで、対外的な信用が高まりますので事業を進めやすくなるでしょう。融資を受けるとき、新しく取り引きを増やすための営業活動、優秀な人を雇うための採用活動、これらもろもろの会社としての活動に資本金という信用が増すことでぐっと底上げがされるわけですね。とはいえ、ハリボテの会社では意味がありませんから、しっかりと信頼にたる能力・技術・人間力が一番の資本と言えると思います。

税金を安くすることが出来るかもしれない

これは、現物出資するものを経費として考えることが出来るかもしれないということです。かもしれない、ということは出来ないかもしれないという点に気をつけて下さいね。これは現物出資したものが減価償却できる場合に当てはまるものです。ん?減価償却って何?という声が聞こえてきそうですけど、減価償却とは、ある一定のモノについて買った際に一度に経費にするのではなく減価償却のルールにのっとって数年に分けて経費にしていくことです。つまり、私が10万円以上のパソコンを買ったとして、その耐用年数は4年ですから10万円を4年に分けて経費にしていくわけですね。すでに経費として全て計上し終えているものだと対象にならないのですが、まだ減価償却中で経費にできる余地が残っている!というモノでしたら株式会社設立時に現物出資することで、残りの分を減価償却して会社の経費として乗っけることができるわけですね。

現物出資のデメリット

税金を追加で求められるかもしれない

現物出資をして株式会社設立のデメリットとしてまず考えられることは、税金を追加で納めないといけなくなるかもしれないということです。出資をする人が会社に現物出資のものを買い取ってもらうという扱いですかあ譲渡益が発生して、その金額が大きいと税金が課されてしまうかもしれないわけですね。たとえば現物出資するのが不動産で、時価で会社に出資するので不動産の価値が上がっている状態であれば、その分譲渡益が出てそこに課税されるかもしれないというわけですね。

ちゃんと手続きしないと発起人や取締役に責任がくる

現物出資はあくまで時価を手続きする側が調べてそれで書類を作って株式会社設立の手続きをします。本来は、その価値がないのに、あたかも高い金額で現物出資をして実態とかけはなれていることがわかった場合は、発起人や取締役で責任をとって下さいね、ということになります。つまり、足りない分は発起人や取締役で資本金として現金を入れておいて下さいね、なんてことになってしまいます。

株式会社設立の手間がかかる

最後の現物出資で株式会社設立をするデメリットは、手続きの手間がかかるということでしょうか。通常の株式会社設立の手続きよりも追加で作る書類などもあり少し面倒になります。現物出資するモノの時価も調べなくてはいけなくなりますし、メリットをあまり享受できないわりに時間がかかって大変だったなんてことにならないように気をつけて下さい。

◆株式会社設立時の現物出資のルール

現物出資できるモノの範囲

現物出資できるものは、貸借対照表という帳簿に載せられるものと言われています。自動車やパソコンや機材や設備などから、商品の原材料まで、他にも有価証券だったり土地や家などの不動産、営業権などの知的財産権や無形固定資産など多岐にわたります。ほとんどのモノが現物出資の対象となると考えていいでしょう。

現物出資するモノの価格

現物出資するモノの価格は時価とされています。今、この瞬間に世の中で売買されている値段のことですね。自動車なども同じ型番で中古で流通している金額を参考にするといった具合です。

検査役に調べてもらわなくてはいけないケース

現物出資の金額が500万円以下の場合には問題ないのですが、500万円を超えてくるときには検査役と呼ばれる人たちに現物出資するモノの金額が妥当かどうかをチェックしてもらわないといけません。この検査役と呼ばれる人は裁判所の選んだ弁護士や公認会計士のことを指します。

◆現物出資をして株式会社設立を行うときのメリットとデメリッット、のまとめ

いかがでしたでしょうか。現物出資で株式会社設立するということは、手間が普段よりもかかる分、資本金を大きくしたりできる等の面でメリットはあります。もちろん資本金の役割を考えると大きいに越したことはないですが、現物出資の場合、実体とかけ離れるとペナルティがあるので注意が必要です。実際に会社の本来の目的を忘れることなく誠心誠意、市場と向き合っていくことが会社反映の本流ですので気をつけていきたいものです。

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