株式会社設立の登記申請に必要な全手順

株式会社設立をするには、登記申請がかならず必要です。登記申請とは、「会社をつくりますよ」ということを法務局に申請することです。法務局について、すごく単純に説明すると私たちが生活を送るときに、みんながルールを守ってスムーズに物事が進むようにそのルールとして法律が存在します。法律に基づいて会社をつくったり、不動産やら、相続などの手続き等をしてくれるところです。意外と私たちの生活に関わることが多いですよね。

今回はその法務局の仕事の一つである株式会社の登記申請について、その手順も含めて詳しくみていきたいと思います。

◆登記申請っていうけど、そもそも登記とはどういう意味?

株式会社設立の登記申請とふつうに言いましたが、登記なんて言葉はよく使うものの、その意味を具体的に考えたこともありませんでした。そもそも、登記とはどういう意味なのかをまずは考えていきましょう。

私たちが日常の生活を何の不自由もなくすることができるのも、法律というルールがあるからです。その上で、「この家や土地(不動産)は私のものです」とか「会社をつくる(存在を証明する)」など目に見えない権利や義務を明確にしないといけません。

「登記」とはそれを法務局という役所で証明してくれるものなんですね。お墨付きをもらうことで、何か問題やトラブルが起きたときにも、何が誰のもので、どこにどんな責任があるのか明確になっているというわけです。法務局にその申請をする手続きのことを登記申請と呼びます。

◆株式会社設立における登記申請の流れ

それでは、カンタンに株式会社設立における登記申請の流れをみていきたいと思います。全体像を理解してから、具体的な書類などのつくり方へと入っていきましょう。

①株式会社設立に必要な書類を作成します。

会社をつくるには、その会社の条件を決めてそれに沿った書類をつくっていきます。会社の名前や住所、どんな仕事内容をして、お金を出資する人は誰でいくら出すのか、経営をする人は誰にして、株をどれだけ発行するのかなど細かいルールを決めていきます。それを書類のフォーマットに沿ってつくりあげていくのです。

②株式会社設立書類の該当箇所に押印をします。

登記申請のための書類をつくったら、次に該当箇所に印鑑を押していきます。誰の印鑑をどこに押すのかが決まっていますので、間違えないように注意してくださいね。捨印も忘れずに押すようにしましょう。

③公証役場で定款認証をします。

次に定款の認証です。これは、定款と呼ばれるその会社の根本ルールを決めた書類があるのですが、これに対して「ちゃんとした法律によって手続きをしっかり踏んでつくられていますよ、内容に問題ありませんよ」というお墨付きを公証役場からもらわないといけないんですね。それを公証役場の定款認証と言います。

④資本金を発起人の口座に振り込みます。

定款の作成が終わったら、次に資本金を発起人の口座に振り込みます。これは、まだ法人口座が出来ないので、代わりに会社のお金を出資する発起人の個人口座に資本金を振り込んでおくのです。複数の発起人がいるときには、それぞれ出資する金額を一人の発起人の口座に集めると良いと思います。その通帳の印字面のコピーを書類と一緒に閉じて法務局に資本金を証明する書類として提出するのです。

⑤法務局へ登記申請をします。

そしていよいよ法務局への登記申請ですね。これまで作った株式会社設立書類を管轄の法務局へ提出をします。この書類を受け取ってもらった日が会社設立日となるわけですね。直接持っていってもいいですし、郵送で送ったり、少し準備が必要ですがオンライン申請という方法もあります。

この登記申請日(=会社設立日)からだいたい一週間後ぐらいに登記の完了となります。登記が完了すると、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)という会社の存在を証明してくれる書類を受け取れるようになります。

◆株式会社設立時の登記申請に必要な書類

なんとなく、登記申請の流れはつかんでいただけたでしょうか。イメージが湧いていただけましたら、次に登記申請に必要な書類を一つ一つみていきたいと思います。株式会社設立はたくさんの書類をつくることになりますので気合をいれて頑張りましょうね。

まず基本的な登記申請の書類は法務局のサイトにありますので、こちらから対象となる株式会社設立用の書類をダウンロードして下さい。
商業・法人登記の申請書様式

1、登記申請書

登記申請書

登記申請書とは、法務局に対してこうした内容で会社設立の手続きをしますね、という申請書類になります。書類の必要な空欄の箇所を埋めておき、貼付書類についても何が何通あるのかを記載していきます。

受付番号表貼付欄

株式会社設立登記申請書

1、商号

1、本店

1、登記の事由   平成○年○月○日 発起設立の手続終了

1、登記すべき事項 別添CD−Rのとおり

1、課税標準金額  金○○万円

1、登録免許税   金○○万円

1、貼付書類

定款                          通
発起人の同意書                     通
設立時代表取締役を選定したことを証する書面       通
設立時取締役の就任承諾書                通
印鑑証明書                       通
本人確認証明書                     通
設立時取締役の調査報告書及び及びその付属書類      通
払込みを証する書面                   通
資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書    通
委任状                         通

上記のとおり登記の申請をします。

  平成○年○月○日

申請人

代表取締役

連絡先の電話番号

法務局○○支局 御中

登録免許税の収入印紙を貼る台紙

書類の雛形の方にもあるのですが、収入印紙貼付台紙と書いてものに、登記をすための手数料である15万円の収入印紙を貼ります。これは上の登記申請書と一緒にホッチキスで綴じて割印を押しておきます。

2、登記すべき事項を保存したCD−R

登記すべき事項と呼ばれるいわば登記簿謄本に反映される情報をCD−Rに保存して、それを法務局に提出します。例として出させていただいたものは、雛形はこちらから取得することができます。ちなみに、これは取締役3名と監査役1名の取締役会設置会社というかたちで株式会社設立をしているケースです。会社の状況に合わせて書き換えてください。

「商号」○○商事株式会社
「本店」○県○市○町○丁目○番○号
「広告をする方法」官報に掲載してする。
「目的」
1○○の製造販売
2○○の売買
3前各号に附帯関連する一切の事業
「発行可能株式総数」〇〇株
「発行株式の総数」〇〇株
「資本金の額」金〇〇万円
「株式の譲渡制限に関する規定」
当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を受けなければならない。
「株券を発行する旨の定め」
当会社は株券を発行する。
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」法務太郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」法務一郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」法務次郎
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「住所」○県○市○町○丁目○番○号
「氏名」法務太郎
「役員に関する事項」
「資格」監査役
「氏名」法務花子
「取締役会設置会社に関する事項」
取締役会設置会社
「監査役設置会社に関する事項」
監査役設置会社
「登記記録に関する事項」設立

3、定款

会社のルールを決めるのがこの定款です。事業年度がいつからいつまでとか、株主総会はどうやって開くのか、などが決められています。

4、発起人の決定書

発起人が会社所在地や発起人が出資する金額や発行する株数を決める書類です。

5、取締役の就任承諾書

会社の経営を任せる取締役を決めるための就任承諾書です。複数の取締役がいる場合には、その人数分の就任承諾書を作成します。

就任承諾書

 

私は、平成〇年〇月〇日、貴社の設立時取締役に選任されたので、その就任を承諾します。

 

 

 

平成〇年〇月〇日

〇県〇市〇町〇丁目〇番〇号
法務 太郎  

6、代表取締役の就任承諾書

取締役が一人だけなら、その人がそのまま代表取締役になるのですが、取締役が複数いる場合にはその中から代表取締役を選ぶことになります。その代表取締役を決めたら就任承諾書を作って法務局に提出するわけですね。

7、取締役全員の印鑑証明書

取締役の人たち一人ひとりの印鑑証明書を法務局に一通ずつ提出しなければいけません。発行から一ヶ月以内の印鑑証明書なので注意をしてくださいね。

8、払込を証する書面

株式会社設立時に出資をする発起人が、資本金の金額をちゃんと支払いましたよ、ということを証明するための書類です。設立のタイミングだとまだ法人の口座が出来ていないので、個人の口座に発起人が出資する金額を振り込んでいきます。その通帳のコピーを綴じて法務局に提出するのです。

9、印鑑届出書

個人が印鑑を届け出るのと同じように、会社も印鑑を届け出て印鑑証明書をつくることになります。そのための書類です。

◆株式会社設立の登記申請に必要な全手順、のまとめ

いかがでしたでしょうか。株式会社の登記申請をするにあたり、たくさんの書類をつくらなければいけないですし、流れにも気をつけないといけないので自分一人でやるには少し大変かもしれませんね。管轄の法務局では相談をすると丁寧に教えてくれるので、何かつまずく箇所があったら自分一人で抱え込まずにすぐに相談するといいかもしれません。

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