株式会社設立後の給与や役員報酬に関して注意したい〇〇のこと

代表取締役を含めた取締役を役員と言います。役員の人たちが受け取る給与のことを「役員報酬」と呼ぶわけですが、この役員報酬は色々なルールでがんじがらめになっています。是非、株式会社設立をする際には注意しておきたいポイントもたくさんあるので、今回は株式会社設立後の給与や役員報酬について注意しておくべきことをまとめてみたいと思います。

◆株式会社設立後に決める給与や役員報酬のルール

会社を経営する立場にいる人たちのことを役員と呼びます。株式会社で言えば、取締役(代表取締役含む)や監査役なども役員に含まれます。

他にも細かいルールをみていくと役員に当てはまる人たちが出てくるのですが、まずは役員の人たちの給与(役員報酬)に関するルールについて見ていきたいと思います。

役員に対する給与(役員報酬)は基本的に一年間変更できません。

役員は誰のことをいうのか、について整理させて頂きました。この役員についてお給与(役員報酬)は一度決めてしまったら、途中で変更することが出来ないのです。ですので、私が株式会社設立をしたとして、代表取締役になったとします。10月に会社を立ちあげて給与を60万円と決めたら、その後は一年間60万円から変更することが出来ないのです。

もし、半年後に売上が大きく跳ね上がったのでボーナスとして100万円を追加した合計160万円を給与(役員報酬)として渡したとしても100万円の部分は経費としてカウントしてもらえないのです。一度給与を決めてしまったら次の事業年度までは変えられないことを注意して下さい。

会社設立後の給与(役員報酬)はいつから払い始めるのでしょうか?

基本的なルールとして役員の給与(役員報酬)は期首から3ヵ月以内に決めなければなりません。事業年度のスタート月から3ヵ月以内ですね。ですので、株式会社設立をしたばかりの会社でも期首から3ヵ月以内に役員の給与(役員報酬)は決定しておいた方が良いでしょう。

ですので、例えば6月に会社を設立したのであれば8月末までには役員の給与(役員報酬)は決めておきます。それ以降に役員報酬を変更したいのであれば、翌年6月から3ヵ月以内に株主総会を開いて役員の給与(役員報酬)をいくらにしますよ、という決議をして変更をするようにします。

なぜ、役員の給与(役員報酬)に関するルールは厳しいのでしょうか。

ここで、疑問に思うのは、なぜ役員のお給与(役員報酬)はここまでルールが厳しいのでしょうか。普通の雇われている従業員であれば残業代をしたり、手当や歩合がついたり、ボーナス・賞与をもらえたりで毎月の給与に変動があって当たり前です。そしてその全ては経費にできるわけです。

これが役員の給与が一年間同じ額でないといけないのは、利益操作をさせないためであります。例えば株式会社設立後に想定していない売上が大きく出て、利益が大きくなり納める税金が大きくなるのであれば役員に渡す給与を大きくして会社として納める税金を小さくするなんてことも出来てしまいますよね。税務署としてはそうした利益調整をされることを嫌うので、役員の給与(役員報酬)は一年間変更できなかったり、ルールを厳しくしているのです。

◆株式会社設立後の給与や役員報酬はいくらがいいの?

これまでに株式会社設立後の役員の給与(役員報酬)のルールについては何となくでもイメージはついてきたかと思います。次に、給与(役員報酬)の金額はいくらがいいのか、についてみていきたいと思います。

会社にお金を残す場合

まず、株式会社設立をしたばかりだと売上の見込みがどれぐらいなのかはまだわからないと思います。これが二期目や三期目とかだと、大体の売上の推移から見込み額を予測できる場合もあるのですが、設立1期目ともなるとわからないことがほとんです。

そこで、役員の給与(役員報酬)としては、生活に必要な最低限の金額を設定しておいて残りは会社に残しておくという方法です。法人税として税金は取られてしまいますが、会社にお金が残ることによって、急な出費が必要になった場合とか、事業に投資する資金などに充てることができるのです。

会社にお金を残さない場合

また、株式会社設立後すぐにすることは難しいかもしれませんが、一方で会社に出る利益のほとんどを役員報酬として受け取るという方法もあります。例えば推定される年間の会社の利益が600万円であれば月額にして50万円を役員の給与(役員報酬)として設定する方法です。法人税を収める必要もありませんし、会社の役員がポケットマネーとして現金を持っておくことによって会社にお金が必要になった時とかは、役員から会社に対してお金を貸すなんてこともできたりします。

ただし、利益が大きくなりすぎると役員報酬も大きくなりますが、実はここに対して所得税がかかってくるので気をつけたいところです。所得税は受け取る給与(役員報酬)が大きくなればなるほど最大で45%もかかってくるものですので、利益が大きい場合はバランス良く会社にお金を残しておくことで節税になるケースなんかも発生します。

自分の事業において、役員の給与(役員報酬)がどれぐらいが一番節税になるのかは関わりのある税理士の先生に相談してシミュレーションを立ててもらった方が間違いないでしょう。

◆他にもあります、株式会社設立後の給与や役員報酬について注意すること

奥様に給与を渡す時には要注意

上でも少し説明しましたが、会社に利益が大きく出たので工夫して節税をしたいと考えた時、一番始めやすのは給与(役員報酬)に関してかもしれません。もし、奥様に給与を渡そうと考えているのであれば注意が必要です。

役員に対する給与(役員報酬)は一年間変えることが出来ないというお話をさせて頂きましたが、役員でなかったとしても奥様を従業員という扱いで普通の給与を渡したとしても、この給与に関するルールに対して役員と同じルールを適用することになっているのです。役員とみなして、通常の給与ではなく役員報酬のルールを適用します。こうした役員でない奥様をみなし役員と呼んだりします。

ですので、私が会社を立ち上げたとして、妻を役員に登記しなかったとします。通常の従業員として事務作業を手伝ってもらったので、株式会社設立した月に20万支払い、そこから毎月20万円の給与でしたが半年後からは売上も良かったので40万円支払うようにしたとすると、妻はみなし役員となりますので、最初の20万円で役員報酬が設定されていますので、半年後に40万円に給与を上げてしまうと、差額の20万円は経費に出来ないということになってしまうのです。

所得税や社会保険料にも気を付けましょう。

株式会社設立後の役員の給与を決めるにあたり、報酬の額が大きくなればなるほどその人の受け取る金額が大きくなるので良いかと思いますが、その分役員の人が受け取る金額が増えれば増える程、所得税や社会保険料、もっというと住民税も多くなってきますので注意をしておくと良いでしょう。

特に社会保険料は半分は個人の負担で、もう半分は会社の負担になりますので、役員が複数人いて多くの役員報酬を与えるとすると会社が負担する社会保険料も大きくなりますし、個人が負担する社会保険料も多くなってしまいます。あまり無理のある給与(役員報酬)の設定はしないよう慎重に進めた方がいいでしょう。

◆株式会社設立後の給与や役員報酬について注意したいこと、のまとめ

いかがでしたでしょうか。株式会社設立後の給与(役員報酬)の決め方について気を付けないといけないルールがたくさんありました。収める税金にも関わる部分が大きいので、よく調べながら慎重に給与や役員報酬は決めるようにして下さい。

・株式会社設立後の役員の給与(役員報酬)は、一度決めたら一年間変更することが出来ない。
・株式会社設立後の役員の給与(役員報酬)は、事業年度ごとに3ヶ月以内に決めなければならない。
・自分の妻を従業員にした場合、みなし役員という扱いになるので要注意。

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