見せ金で株式会社設立はしなよう気を付けて下さい!

会社をつくる時、せっかく作るのだから資本金は大きい方がいい、と思う方もいるかもしれません。株式会社設立の際の資本金については、対外的に大きい方が良いのですが無いお金を本来あるように見せて手続きをしてしまうと、いろいろと問題が発生してしまいます。俗に言う見せ金というものについて、株式会社設立にどのような影響があるのか、そもそも見せ金ってどんなことを言うのか、について見ていきたいと思います。

◆見せ金とは?

資本金について

見せ金を考える前に、資本金について見なおしてみましょう。資本金とは、会社が事業を始めた時に持っている資金のことです。売上が上がる前に色々と経費やら何やらお金がかかるので、この資本金から使っていくことになります。

事業の元手となるお金ですね。そして、この資本金は大きければ大きいほど、会社の規模や安心感を対外的に与えるので良いとされています。(会社設立時は資本金が1000万円を超える場合は、設立当初から消費税を納めなくてはならなくなるので注意が必要です)。

見せ金とは何でしょうか?

すると、見せ金とは何なのでしょうか?見せ金は、本当には無いお金をあたかもあるかのように見せることです。実際にどのように、こうした見せ金という方法が使われるのかについても見ていきましょう。

株式会社設立時の資本金の手続きの仕方について

まずは株式会社設立時の資本金の扱い方から考えていきましょう。会社を設立する人を発起人と言いましたよね。会社のことについて色々と決めて、資本金も発起人が出します。株式会社設立時には、まだ法人の口座が無いので、発起人個人の口座に資本金の金額を振り込んでおくのです。たとえば私が資本金100万円の会社を作ろうと思ったら、私個人がプライベートに使っている銀行口座に100万円を振込み、その通帳の印字したページを証拠書類として出すわけです。

見せ金で株式会社設立をするということはどういうこと?

見せ金で株式会社設立をするというのは、上の例で説明すると私が100万円の資本金で会社を作りたいと思っても100万円が無かったとします。仕方がないので友人にスグに返すという約束で一時的に100万円を借り、それを自分の口座に振り込み会社設立をしたとします。会社が出来た後には、その100万円をそのまま友人に返すとき、それは見せ金というかたちになるわけですね。借りたお金をスグ返してしまうことがダメですので、資本金は事業のために使いつつも、借りている分はあくまでも個人で100万円を借りてるわけですから、株式会社設立後に受け取る役員報酬から何年かに分けて少しずつ返していくのであれば問題はありません。

◆見せ金で株式会社設立をするとどんな問題があるのか。

税務的な処理についての問題

まずは税務的なところから考えていきましょう。私が100万円を借りてそれを資本金にして会社を作り、設立後に100万円すべて返してしまったとします。資本金100万円で株式会社設立をしたということは、それはもう会社のお金ということです。それを私が引き出して、友人に返したとなると、私が会社から100万円を借りるというかたちでお金を出したというわけですね。つまり、設立当初から社長に対して100万円の借金のある会社というわけです。そんな状態であれば対外的にみて会社の評価は悪くなってしまいますし、融資を受けようと考えていればもちろん影響が大きいです。また、会社が社長にお金を貸しているという扱いなので、いつまでも返済されないでいると、会社から社長に100万円が支給されたともみれますよね。それが社長への賞与としてみられて課税される可能性も考えなくてはいけません。

手続き的な問題

本来あるべきお金がないわけで、それをあたかもあるかのように株式会社設立の手続きをするということは、最悪の場合、公正証書原本不実記載等罪にあたってしまうかもしれません。そうした件の責任については、会社法でも明文化されています。

(出資の履行を仮装した場合の責任等)
第52条の2

1、発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。

一  第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
二  第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)

2、前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

3、発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。

4、発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。

5、前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。

資本金をあたかもあるかのように、している場合は、ちゃんとその資本金を払い込んで下さいということが書かれています。

◆見せ金で株式会社設立をしないよう気をつけて下さい!のまとめ

こうして見ていくと、見せ金で株式会社設立することは結構なリスクがありますよね。とはいえ、こうした見せ金で会社を大きく見せようと手続きをした会社も多いのだはないかと予測しています。ひと昔前では資本金に条件がついていたので、こうしたケースはあったかもしれませんが、今は1円の資本金からでも事業を立ち上げることができるようになりました。また、これからは世の中から本物の信頼を獲得しないと、どんなに良い事業でも立ち行かなくなってきているとひしひしと感じております。自分がお天道様に顔向けできる誇らしい事業の進め方を心がけたいものです。

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