株式会社設立で必要な調査報告書のつくり方

調査報告書とは、すべての株式会社設立で必要になるわけではないのですが、現物出資というやり方で株式会社設立をする時に必要になります。現物出資も調査報告書もあまり聞きなれない言葉ですよね。そこで、今回は株式会社設立において調査報告書が必要な場面と、その作り方について見ていきたいと思います。

◆現物出資とは、どういうことでしょうか?

株式会社を経営するということについて

株式会社で会社を経営するということは、株主からお金を出資してもらい、経営者が中心となってモノやサービスを提供して売上をあげます。利益が出れば、それを会社のために使ったり、株主に還元したりします。会社が事業を進めていくためのお金のベースになるのが資本金というわけですね。

現物出資をして会社を設立することの意味

株式会社設立をするとき、ふつうなら現金を出資してもらい、会社を立ち上げます。ただ、資本金を出資してもらうとき、それが必ずしも現金でなくてもいいんですね。モノを資本金の代わりに出資して株式会社設立をすることが出来るのです。それを現物出資と言います。

たとえば、私がトラック運送業の事業で株式会社設立をしたとして、現金だけでなく事業で使う予定のトラックをすでに持っていたとして、そのトラックを現物出資して資本金に入れることができるのです。現金100万円とトラックの評価額である100万円の合計200万円を資本金として株式会社設立をすることが出来るわけですね。

そして、その現物出資をして株式会社設立をするときに、今回のテーマである調査報告書が必要となるわけです。ふつうの株式会社設立に必要な書類に追加して、調査報告書をつくって法務局に一緒に提出するわけですね。

◆調査報告書について詳しくみていきましょう!

まず、株式会社設立について考えたとき、調査報告書は現物出資で会社をつくる時に必要となる書類です。昔はすべての株式会社設立で調査報告書をつくらなければなりませんでしたが、法律が変わり現物出資をするときに出さなけばいけないように内容が変わったんですね。その上で、調査報告書について詳しく見ていきたいと思います。

株式会社設立時に必要な調査報告書とは何なのでしょうか?

かんたんに説明すると、株式会社設立のときに、ちゃんと出資してくれた人に株が割り当てられているか、とか資本金のお金や現物出資としてのモノが出されていて、ちゃんとルールを守られて出資されているのか等を取締役が調査をして報告書としてまとめたものを言います。

基本的に現物出資をして株式会社設立をするときに、調査報告書を一緒に出すのですが現物出資のモノがちゃんとした金額で設定されているかどうかなどを、しっかりとルールにのっとって進められたかを調査し報告する必要があるんですね。

それでは次は具体的に現物出資をして株式会社設立するときにつくる調査報告書のつくり方・書き方をみていきましょう。

株式会社設立時に必要な調査報告書の雛形とつくり方

それでは、実際の調査報告書の雛形と書き方をみていきましょう。雛形はこちらのページの法務局の会社設立書類のまとまっているページに存在します。下にも引用させて頂きますね。

ちなみに、現物出資で株式会社設立する場合は、現物出資の金額が500万円以内であれば、調査報告書だけで大丈夫ですが、500万円を超えると検査役という専門家にお願いしなければならないなど、少し面倒になります。今回の調査報告書のつくり方は現物出資500万円以内を想定しています。

 調査報告書

調査報告書

平成○年○月○日○○商事株式会社(設立中)の取締役に選任されたので,会社 法第46条の規定に基づいて調査をした。その結果は次のとおりである。

調査事項

1 定款に記載された現物出資財産の価額に関する事項(会社法第33条第10 項第1号及び第2号に該当する事項)
定款に定めた,現物出資をする者は発起人○○であり,出資の目的たる財産, その価額並びにこれに対し割り当てる設立時発行株式の種類及び数は下記のとお りである。

イ 何県何市何町何番何の 宅地  ○○㎡  
定款に記載された価額 金○○円
これに対し割り当てる設立時発行株式 普通株式 ○○株
ロ 何株式会社普通株式 ○○株 価額 金○○円
これに対し割り当てる設立時発行株式 普通株式 ○○株

① 上記イについては,時価金○円と見積もられるべきところ,定款に記載した 評価価額はその約4分の3の金○円であり,これに対し割り当てる設立時発行 株式の数は○○株であることから,当該定款の定めは正当なものと認める。
② 上記ロにつき,当該有価証券の価額は,時価○円以上であり,当該定款の定 める価額は相当であることを認める。

2 発起人○○の引受けにかかる○株について,平成○年○月○日現物出資の目的 たる財産の給付があったことは,別紙財産引継書により認める。 

3 平成○年○月○日までに払込みが完了していることは株式会社○○銀行の払金 受入証明書により認める。 

4 上記事項以外の設立に関する手続が法令又は定款に違反していないことを認め る。

上記のとおり会社法の規定に従い報告する。

平成○年○月○日 

 ○○商事株式会社 
設立時取締役 法務 太郎 ㊞
同 法務 一郎 ㊞

株式会社設立時の調査報告書の書き方

上に記載した雛形をもとに、それぞれの項目や空欄の書き方について解説していきますね!

①日付、会社の名前を入力してください。今回は取締役が作成する調査報告書というかたちで書類の例を出しています(場合によって監査役などを含むときにはそちらを記載します)。

②現物出資をする発起人(出資をする人)の名前を書いてください。

③今回現物出資をする財産とその金額を書く項目です。財産引継書というものもつくるのですが、それと同じ内容を書いてください。

④財産引継書に書いてある日付と同じになるようにしてください。

⑤払込証明書と同じ日付を入れるようにしてください。

⑥調査報告書を作成した日付を入れてください。④と⑤の手続きが終わったあとに調査報告書をつくるわけですので、その日より後ろの日付にしましょう。

⑦設立するときの取締役全員の名前を書いて、印を押すようにして下さい。

◆株式会社設立で必要な調査報告書のつくり方、のまとめ

いかがでしたでしょうか。株式会社設立時の調査報告書を書くのは、このように現物出資をするときぐらいです。もし、自分の設立を予定する会社で、なにかモノとかを資本金にして入れたいなという場合には通常の株式会社設立で準備する書類とは変わる部分があるので注意してくださいね。

こちらの記事もご覧ください。
株式会社設立時に提出する貸借対照表って何?