株式会社設立後に提出する貸借対照表って何?

株式会社設立をしたら次に税務署に会社ができましたと報告する書類や、これからこの会社にはこのような税金のルールを適用して下さいと申請する書類を提出しなければなりません。株式会社設立をするのにもたくさんの書類をつくったのに、また書類か・・・と事務作業が苦手ま人は疲れ果てているかもしれませんね。少しでもそうした方の労力を少なくできるよう頑張ります。

その税務署へ提出する書類の中に貸借対照表を提出してください、というものがあります。株式会社設立してまだ会社が動いてないのに、貸借対照表ってどういうこと?と頭を悩ませる方もいるかもしれませんので、今回は株式会社設立後に提出する貸借対照表について詳しくみていこうと思います。

◆貸借対照表とは何でしょうか?

貸借対照表と損益計算書

簿記の勉強をしたことのある方なら聞いたことがあると思いますが、聞いたことがない方は「え!?かしかりたいしょうひょう?」みたいなチンプンカンプンなキーワードかと思います。これは、「たいしゃくたいしょうひょう」と読みまして、会社の財政状態を表す書類になります。

会社は日々、いろいろな事業活動を行うわけですが、それを書類を使って第三者に伝えようと考えると大変です。日々の活動(会社のお金の動き)を記録して、ある時点で会社にある現金や預金がいくらあるのか表にまとめなければなりません、この会社の財政状態をまとめた表を貸借対照表と呼びます。ちなみに、会社の一定期間の儲けはいくらだったのか把握するための書類を損益計算書(そんえきけいさんしょ)と言って、この二つが会社の健康状態を把握するための書類として作らないといけないわけですね。

貸借対照表の読み方をカンタンに解説!

この貸借対照表ですけれど、ただの数字の羅列なので数学が苦手で仕方なかった私は見つめているだけでだんだんと眠くなってくるような、さらに見ているとだんだんと頭が痛くなるそんな書類でした。とはいえ、これから経営者になる皆さんは最低限、この数字の並んでいる意味ぐらいは知っておいて欲しいと思いますので、株式会社設立後に提出する貸借対照表の説明をする下準備として読み方をカンタンにイメージ出来るようになってくださいね。

すべての取引は右と左に分けて整理されます。

簿記の勉強をしていると借方(かりかた)だの、貸方(かしかた)などよく分からない単語で、右だの左だのルールが細かいのですが、要するに会社の活動を書類に落とし込んだ時に一つの事実に対して二つの側面で記入することです。例を出しますと私が鉛筆を100円で買ったとします。これには鉛筆という資産が増えたということと、100円という現金が減ったということの二つの意味があります。これを右と左に分けて書くことを仕訳けというんですね。

貸借対照表の左は資産で、右が総資本(負債と資本)です。

 貸借対照表の左側が資産、右が負債と資本です、と言った瞬間から数字が苦手な人からギブアップという心の声が聞こえてきそうです。かなりざっくり説明してしまうと、貸借対照表の左側は会社が資産をどういう状態で持っているのかを記載して、右側にはその資産をどうやって集めたのかを書くわけですね。

株式会社設立してスグの貸借対照表はあまり書くことがなさそうです。ちなみに、資産とは会社がお金をどういう状態で持っているのかを表し、負債とは返さないといけない借金のことです。そして資本は出資してもらった借金ではないお金のことですね。

◆株式会社設立後に税務署に提出する書類を整理してみましょう。

はい、ここまでで貸借対照表についてはイメージを持っていただけたかと思います。では、話を本題に戻しまして、株式会社設立をした後の税務署に提出する書類を整理していきましょう。この税務署に提出書類の中に貸借対照表を一緒に出してくれと言われているわけです。

本来は税務署だけではなく、都道府県や市区町村にも提出する書類はあるのですが、ここでは税務署に提出するものをみていきましょう。

法人設立届出書

税務署に株式会社設立しました、と報告する書類です。税務署ではこの届出を元に会社のことを把握します。ですので、会社をつくった後に税務署から毎年税金の手続きにかかる書類が送られてくるのですが、この届出を出さないと送られてきません。ときどき出しても送られてこないという噂も聞きますが、そしたら直接税務署に問い合わせるしかないですね。とはいえ、株式会社設立後にすみやかに法人設立届出書を出します。その際に、いろいろと一緒に出さなきゃいけない書類があるのですが、そこに株式会社設立時の貸借対照表が含まれています。ここについては後半でもお伝えしますね。

青色申告の承認申請書

青色申告は聞いたことがあると思うのですが、これは難しい処理の仕方で税務申告をすると税務署が税金を少し優遇してくれるというものです。申告の方法にはカンタンな方法と、難しい方法がありまして、カンタンな方だと厳密にはお金の流れを税務署で書類上把握することができないんですよね。そこで、難しい方法で申告してもらった方が税務署としてはありがたいということで、申告する人にも負担があるから税金を優遇するメリットを与えましょうというわけです。この難しい申告を青色申告と言いまして、それを申請する書類です。

給与支払事務所等の開設届出書

これは会社が従業員を雇ってお給与(役員報酬含む)を支払いますよ、ということを税務署にお伝えする書類です。会社に雇われたことのある人なら知っていると思いますが、給与明細をみるとお給与から所得税というものが引かれて手取りとして支給されていますよね。これは会社が所得税を毎月従業員から集めているんですね。それを基本的に毎月、会社が収めているわけです。そして、この書類を提出することで会社に所得税を納めるための書類が届くのですね。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

さきほど、従業員おお給与から所得税を先に差し引いておくとお伝えしましたが、それを源泉所得税と言います。従業員のお給与の源泉(みなもと)から差し引いた所得税という意味ですね。そして基本的にこれは毎月国に納めるのですが、9人以下の会社であれば手続きが手間でしょう、ということでこの書類を出しておけば半年分をまとめて納付することに切り替えることが出来ます。半年分を1月と7月に手続きをすればいいので、だいぶ手続きがラクになりますよね。

棚卸資産の評価方法の届出書

もし在庫などを抱えるビジネスモデルであれば、その在庫などがどれぐらいあるのかを確認する棚卸(たなおろし)という作業が必要になります。そして、棚卸する資産の計算方法にいくつか種類があるので、それを決める書類です。その会社にとって損か得かは変わってくるので関わりのある税理士の先生に相談して決めるようにしましょう。

減価償却資産の償却方法の届出書

普通、会社で使う経費はお金を出した月にすぐ経費となるはずです。会社でものを買ったとき、もしそれが10万円以上の物だったら場合には、基本的に数年に分けて経費にしていかないといけない税金のルールがあるのです。

それが減価償却といいます。毎年どれぐら経費にするかのルールが二つあるので、どちらを適用するか選ぶ書類ですね。

◆株式会社設立後の法人設立届出書に添付する貸借対照表のポイント

さて、株式会社設立後に税務署にさまざまな書類を提出しなければいけないことはご理解いただけたかと思います。その中で貸借対照表を添付しなければいけないのが、法人設立届出書になります。

まずは添付書類を確認しましょう!

それでは、法人設立届出書に添付しなければいけまい書類にはどんなものがあるのでしょうか?以下にみていきたいと思います。

①定款のコピー

定款は会社のルールを決めた大事な書類でしたよね。定款のコピーは会社設立の手続きで作成した定款をコピーしてそのまま添付すれば大丈夫です。

②履歴事項全部証明書

株式会社設立後に法務局で受け取ることができます。他の手続きでも使うことが多いので複数枚発行してもらうと便利でしょう。

③株主名簿

今は株券を発行することはほとんど無いので、誰が株主なのかは会社の方で株主名簿を作成して管理します。この株主名簿も一緒に提出します。

④株式会社設立時の貸借対照表

こちらが今回のメインテーマでした。株式会社設立時の貸借対照表とは、会社ができた瞬間の財産状況を税務署に知らせて下さい、という意味ですね。

株式会社設立時の貸借対照表について

貸借対照表とは、会社の財産状態をまとめた書類でした。株式会社設立時点での、会社の財産状態を提出しなければいけないわけですね。とはいえ、株式会社設立したばかりのタイミングであれば、事業が動いていないことがほとんどなので、記載する内容もいたってシンプルです。株式会社設立のタイミングは、きっと資本金ぐらいしか会社のお金として存在しないと思います。貸借対照表の見方のところで解説しましたが、左側が「どういう状態で資産が存在しているのか」を表して、右側が「どういう方法で資産を集めたのか」をあらわしていました。

ですので、今回例えば100万円の資本金で株式会社設立をしたとして、その会社の設立時の貸借対照表は左側にまず現金として100万円がありますよ、ということで「現金及び預金:100万円」と記載します。右側には、その100万円は資本金として集めましたという意味をあらわしたいので、「資本金100万円」と記載するのです。左側と右側が一致するのが貸借対照表なので、今回の場合も両方100万円で一致できたのでこれで問題ありません。

ただし、これが現物出資という、物をお金の価値に置き換えて資本金として出資する方法があるのですが、そうしたやり方をしていると貸借対照表への書き方も少し変わってくるので注意が必要です。

◆株式会社設立後に提出する貸借対照表って何?のまとめ

いかがでしたでしょうか。株式会社設立後にも税務署や市区町村などへの手続きはたくさんあります。特に青色申告の承認申請書は株式会社設立してから3ヶ月以内に提出しなければ、そのあと一年間青色申告のメリットを享受できないので、本当に気をつけたいところです。

株式会社設立時の貸借対照表は、法人設立届出書を税務署に出すときだけに必要なものですので、カンタンに作成ができます。ただ、難しそうなイメージがつきまとうので、後回しにしがちですね。しっかりと内容を理解して気持ち良く事業をスタートできる準備をしましょう!

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