4万円がお得になる!電子定款を利用して株式会社設立をする方法

株式会社設立を検討する時に、自分の力で手続きをするか、代行してくれる業者に依頼するのかのどちらかになるでしょう。

株式会社設立の手続きの中で定款認証という段取りがありますが、実はこれを紙の定款で行うか電子定款で行うかで4万円のコストの差が出てきます。初めての株式会社設立の方で何を言っているのかわからない方は本文をご覧いただければと思います。

創業当初はあの手この手で、かかるコストを削減したいものです。

電子定款を利用するだけで4万円もコストを抑えられるなんてスゴイですよね。ただし、電子定款は準備に手間とお金がかかります。実際に電子定款を利用して株式会社設立の手続きをどうやってやるのか詳しく知ることによって、どちらの方法が自分にとって一番メリットのある方法かを見極めてください。

それでは、今回は株式会社設立における電子定款を利用した手続きについて詳しくみていくことにしましょう。

◆株式会社設立の流れとポイントを簡単に確認

電子定款による株式会社設立を見る前に、簡単に株式会社設立の流れをおさらいしておきましょう。

株式会社設立の流れ

1、株式会社の名前や住所などの要件を決める
2、要件に沿って株式会社設立の書類を作る
3、株式会社設立の必要書類へ押印
4、公証役場で定款の認証を受ける(電子定款or紙の定款)
5、資本金の振込作業を行い書類作って押印
6、法務局に書類を提出して株式会社設立完了

定款とは何でしょう?

定款とは、会社を運営していくルールを細かく決めた原則をまとめた書類です。会社の憲法のようなものですね。株式会社設立時に原子定款というものを作成して、会社の組織や規定が変わる度に定款も変更していきます。例えるならば、その会社の憲法のようなものですね。

◆株式会社設立に必要な定款認証について

株式会社設立時に作成する定款は、いうなれば会社の根本ルールを決める大事な書類です。大事な書類ですから、ちゃんと法律に則して作られているかとか、ちゃんとした手続きを踏んでいるか、などを第三者の人にチェックしてもらわなければなりません。

それをしてくれるのが、公証役場というところですね。公証役場から認証を受けた定款でないと、法務局に株式会社設立の手続きをしようと思っても認めてくれません。それぐらい、定款とは会社にとって大事な書類なわけですね。

電子定款とは

それでは、本題の電子定款について見ていきましょう。電子定款は、読んで字のごとく電子の定款です。通常は紙に印刷した定款を綴じたものですが、それを電磁記録媒体に記録したもの(電子化した)定款ものを電子定款というわけですね。

難しい言葉で説明しましたが、定款をPDF化してデータとして公証役場で手続きをする事です。それを公証役場で認証を受けるので、電子定款の認証手続きなんて言ったりします。電子定款を利用することのメリットとデメリットを考えていましょう。

電子定款を使って株式会社設立をするメリット

・電子定款を利用するメリット1:収入印紙代4万円が節約できる

電子定款を利用するメリットは何よりも印紙代の4万円がかからない事です。文書にかかる税金なんて訳がわかりませんが、株式会社設立時にこの4万円を節約出来るのは大きいです。

電子定款を使って株式会社設立をするデメリット

・電子定款を利用するデメリット1:環境を準備するのに手間がかかる

ここまで、定款の認証に収入印紙代4万円がかからずに済むのであれば、電子定款を利用するしかないと思いがちです。ただ、電子定款を使って認証する環境を整える手間とコストがかかってきます。唯一のデメリットがあるとしたらこちらですね。電子証明書を取得したり、ICカードリーダを準備したりと、自分で株式会社設立をしようと思うと、人生で恐らく一回だけの手続きのために色々と準備しないといけないわけですね。

・電子定款を利用するデメリット2:環境を準備するのにコストがかかる

電子定款を使える環境を準備するのにコストも発生します。

1、Adobe Acrobat:約35,000円(電子認証用にPDF化するためのソフト)
2、ICカードリーダ:約3,000円(住民基本台帳を読み込むカードリーダ)
3、住民基本台帳ICカード:約500円

・電子定款を利用するデメリット3:公証役場へ行かなければならない

電子定款を利用して、公証役場で電子認証・・・と聞くと全てインターネット上で出来てしまいそうな気がしてしまいますよね。

実は電子定款を利用しても、電子認証を利用しても結局は公証役場へ直接行かないと手続きを全て完了する事は出来ません。電子定款を利用することで、作業がラクになる!と期待していた人にとってはデメリットですよね。

なぜ電子定款を利用すると収入印紙代がかからないのか

・印紙税は文書にかかる税金のこと

紙の定款を認証の手続きをするには、収入印紙代4万円が必要です。この収入印紙がやたら高いんですが、なんで紙の定款を認証するだけで、認証手数料とは別に印紙代が4万円がかかるのか不思議でなりませんよね。一応政府の見解は以下のようになっているらしいです。

「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税である」
(平成17年第162号国会櫻井参議院議員の質問に対する小泉総理の答弁)

ようするに、文書の作成によって取引したという事実が明確になったり、法律がどう適用されるかなど定まるわけなので、良い事があるわけだから少しばかり税金を負担してよ、ってことですね。定款についても、定款に認証手続きには手数料がかかるにも関わらず、紙で認証するだけで4万円もかかるのは非常に高い気もしますね。

・電子定款は文書ではないので印紙税がかからない

そして、この印紙税は紙の文書にかかるものなので、電子定款は紙ではないですから、この印紙税の範囲には入らないのですね。ですから電子定款を利用することで4万円の収入印紙代を削減できるのです。ここだけ切り取って考えると、電子定款を利用するしかないと思ってしまいます。逆にデメリットも次で紹介しておきましょう。

無駄なコストをかけたく無い場合には専門家へ依頼する選択肢も

会社設立を代行してくれる会社もあるので、そちらにお願いする方法もあります。代行してくれる司法書士事務所や、行政書士事務所、税理士事務所や会計士事務所は探せばたくさんあります。そして、そのほとんどが電子定款で認証の手続きをしてくれるはずです。もちろん収入印紙代4万円はかかりませんが、その分手数料が発生するでしょう。手続きの手間を全部省けて、印紙代も節約できるけど株式会社設立の手数料がかかることを天秤にかけてよく考えてください。ちなみに、税理士事務所や会計士事務所や、顧問契約を前提としているので手数料0円だったり、割引なんかしてくるところも多くみかけます。

◆電子定款を利用して株式会社設立をする方法

それでは、具体的に株式会社設立をする際に、どうやって電子定款を利用するのか、その手続きの流れについて見ていきましょう。まずは、電子定款を作成する環境を準備するところから始めます。

1、定款の書類を作成する

まずは法務局で共有されているフォーマットに沿って定款を作成していきます。会社の要件もここで決めなければなりませんので、しっかりと考えた上で定款作成をして下さいね。

2、定款をPDF化する

Wordで定款を作成することになると思うのですが、そちらをPDFに変換しなければなりません。ただPDFにするだけでなく、そのPDFに「電子署名挿入機能」が付いていなくてはなりません。そちらに対応しているPDFソフトが「Adove Acrobat」というものです。スタンダード版で3万円以上する代物です。

3、電子証明書を取得する

電子定款で認証の手続きをするために、PDFにした定款に署名をつける必要があります。印鑑の電子バージョンみたいなものですね。まずは代表の方の住民基本台帳カードを手に入れてください。住民票のある自治体で取得するようにしましょう。同じく市区町村で電子証明書というものを取得することが出来ます。この電子証明書は、印鑑証明書のようなものですで、こちらを取得するようにしてください。

4、ICカードリーダライタを準備

これまで手続きをした住基カードの中に電子証明書がありますので、それを読み取って電子定款にくっつける作業になります。ICカードリーダライタというもので住基カードから電子証明書を読み取ることが可能です。そして、法務省のホームページに電子署名プラグインソフトというものがありますので、そちらをダウンロードして電子証明書を電子定款にくっつけるわけですね。

◆電子定款を利用して株式会社設立をする方法、のまとめ

いかがでしたでしょうか。株式会社設立の際に電子定款を使って、認証の手続きをすることによって収入印紙代4万円がかからずに済むのですが、自分一人で電子定款を作成する環境を準備するとなると機器を購入したり、手続きをしたりと時間とコストが結構かかってしまいそうです。その後もその電子定款を電子認証するときには、法務省から専用のソフトウェアをダウンロードして手続きを踏まないといけません。トータルで考えると、かなりの手間がかかりますので、代行することも視野に入れて検討いただくと良いかもしれません。

株式会社設立を代行する時のポイントをまとめたのが、こちらの「どこが一番安い?株式会社設立の代行をお願いするパターン完全網羅」の記事です。良かったらご覧下さい。