個人事業主が税金対策を税理士にお願いするメリット・デメリット

個人事業主が税金対策を考える時、本で調べたり、ネットで調べたり様々な方法で情報を集めるかと思います。これが、専門家に一任して自分の事業や売上、経費の状況におけるベストな税金対策を考えてくれたらどんなに楽だろうかと考えたことはありませんか?

税金の専門家といえば税理士です。であれば、ベストな税金対策の方法は税理士にお願いするのが一番良い方法ではないかと思います。とはいえ、税理士にもピンからキリまで。具体的に税理士に税金対策をお願いするとなると、もちろんメリットもありますが、その分デメリットも考えておかなければなりません。

そこで今回は、税理士に税金対策をお願いする時のメリットとデメリットを整理してみたので、参考になればと思います。

◆税金対策のために、どんな税理士を選らべばいいのか?

個人事業主の人たちが自分で税務・会計処理をするのではなく税理士に依頼をして税金対策をするためには、どんな税理士を選べばいいのか確認しておきましょう。

まず切り口として、グレーな経費は認めないとか怪しい税金対策は行わないという厳しい税理士がいます。逆に比較的どんな経費も認めてくれてゆるめの税理士もいたりします。それぞれにメリットとデメリットがあるので先に整理をしておきます。

厳しい税理士のメリットとデメリット

・厳しい税理士に税金対策をお願いするメリット

厳しい税理士にお願いするメリットは兎にも角にも税務調査を安心して迎えられるという点だと思います。とにかく、怪しい経費は計上せずという性格ですし、グレーな税金対策は絶対に行いません。きっと税務調査が入ったとしても、調査官からはこの調子で引き続きしっかりと会計処理をしていきましょう、と言われて終わりといったイメージでしょうか。

・厳しい税理士に税金対策をお願いするデメリット

厳しい税理士に税金対策をお願いすると、まるで税理士が税務調査官かのように厳しいチェックが入るでしょう。他で聞きかじったグレーな税金対策を提案するようであれば、断られるのが関の山です。安全・安心な分、本来であれば税金対策としてもっと効果を出せたかもしれないものまで対応が仕切れないかもしれないという可能性があります。他の人がやっているのに、対応してくれないという気持ちに駆られるかもしれません。

優しい税理士のメリットとデメリット

・優しい税理士に税金対策をお願いするメリット

優しい税理士は例えばこちらが提示する経費はなんでも計上してくれたり、攻めた税金対策もグイグイ提案してきてくれるかもしれません。厳し税理士と比べたら、本来あってはいけない事ですが若干の納税額に違いがあるかもしれません。税金は公平性がないといけないですから。建前はそれでも、現実には対応する人によって結果が違うのも事実です。

・優しい税理士に税金対策をお願いするデメリット

優しい税理士と表現しましたが、何でもかんでも経費にして、危険な橋を渡るには相応のリスクがありますよね。やはり税務調査の時に詳細に調べられた時に、経費を認めてもらえなかったり、実施した税金対策を認めてもらえなかったりという事があるかもしれません。こういった場合には、税理士側は明確な間違いが無いかぎり責任は取ってくれません。あくまでも、こちら側が提示した情報に沿って処理を行ったまでといったスタンスなのではないかと思います。

結局どのような税理士を選べばいいのか

厳しい税理士も、優しい税理士も極端な例を挙げさせてもらいましたがどちらも一長一短です。それでは、どのような税理士を選べば良いのでしょうか。正解はありませんが、あくまで私の価値観でご紹介させて頂きます。

・リスクと対策を全て説明してくれる人

税金対策はグレーゾーンもたくさんあります。個人事業主で言えば事業用の経費なのか、それともプライベートの経費なのかはっきりしないものもたくさんあります。そうした曖昧な税金対策方法でも、リスクを明確に説明してくれる税理士だと安心できます。起こりうるリスクを把握できれば、その上でやるかやらないかの判断はこちらの責任で出来るからです。また、出来る限り税金対策の効果を高めるために税務調査に向けた証拠として、今のうちにどんな対策を取っておくと良いのか戦略的に教えてくれる人だとなお良いですね。

・責任の所在を明確にしてくれる人

無理で無茶な税金対策でも曖昧なまま進めるよりもリスクをはっきり伝えてくれた上でダメなものはダメとはっきり言ってくれる方が話が進めやすいです。明確にリスクを線引きしてくれさえすれば、やるやらないの判断はこちらの責任で出来るからです。

・わかりやすい言葉で説明してくれる人

これが出来る人、意外と少ないかもしれません。専門職はどうしても難しい専門用語で説明してしまいがちです。私たちのような素人が理解しやすいように噛み砕いて説明してくれる税理士を探しましょう。難しい言葉で言いくるめられて、わからない事は税理士に丸投げではなくて、経営者である自分自身が会社の数字や税金の事をしっかり理解して対等に税理士と話合えるぐらいの気持ちが必要だと思います。

・約束を守ってくれる人

これは税理士というよりも、仕事人として最低限の事です。だけど、出来ない人が多いというのもこの約束を守るという行為だと思います。約束を守るというのは、シンプルに「やると言ったことをやる」という事です。出来ないことを出来ないという人も約束を守る人です。期限を守る人も約束を守る人ですね。言い訳をしない人でもあります。

・間違いに対するリカバリーの早い人

人間であれば誰しも間違いは起こします。絶対に間違いを起こさない人はどこにもいません。ですから、間違いを起こした後のリカバリーが徹底的に出来るのかが大切です。税理士の業務でも間違いに対するリカバリーの速さや熱量で仕事に対する向き合い方がわかります。

◆個人事業主が税金対策を税理士に依頼するメリット・デメリット

どんな税理士が良いのか悪いのか、何となくイメージはついたと思います。次に具体的に個人事業主が税理士にお願いするとどんな良い事があるのでしょうか。自分自身でもやろうと思えば出来る確定申告業務などを税理士にお願いするメリット・デメリットを整理してみました。

個人事業主が税理士に依頼するメリット

・経理処理をしていた時間を売上に直結する時間に充てられる

個人事業主が税理士にお願いする事でまず大きなメリットは自分で行っていた経理処理を専門家に丸投げ出来るという事です。自分で経理処理をした事がある人ならわかると思いますが、この経理処理は面倒です。規模が大きくなればなるほど、作業量も多くなりますし、面倒だからといって後ろ倒しにすると確定申告時期に地獄を見ることいなります。この時間を専門家に丸投げできれば、その分売上に直結する活動に時間を使うことが出来るので非常にメリットがあると思われます。

・経理担当者一人を雇うより低コスト

毎月の経理関係の処理が大変だからといって担当者をアルバイトや派遣を雇うと月でも10万円以上はかかるかと思います。それと比べれば税理士や会計士に経理処理の代行をお願いした方が安くつく事がほとんどです。

・毎月のほぼリアルな数字を把握できる

毎月の経理処理をしっかりと依頼しておけば、税理士事務所や会計士事務所では資料を出してから1週間から2週間で事業に関する数字を出してくれます。資料を出すタイミングにもよりますが、その月の事業の結果が2から4週間後には把握できます。なるべく早いタイミングで事業の数字を把握できれば、それだけ税額の見立てや経営の判断がしやすいという事です。

・事業の数字を元にした専門家からのアドバイスをもらえる

個人事業主はある意味で孤独な戦いだとも言えます。腹を割って全てを相談できる相手がいないからです。税理士や会計士と関わる事によって、事業の健康状態がわかる数字を元に自分では気づかないような指摘をしてもらえるかもしれませんし、そもそも数字を読めない人にとっては数字に関するアドバイスをくれる心強い味方になるはずです。

個人事業主が税理士に依頼するデメリット

次に個人事業主が税理士に税金対策を依頼する上でのデメリットを考えておきましょう。

・税理士に依頼する費用がかかる

これは自分で確定申告をしていた個人事業主が税理士に丸投げすることを検討した時に、今までかかっていなかった費用が発生するという意味でコスト面での負担が増えます。ただし、経理作業の手間をなくして、ミスを減らすことが出来て、専門家に相談できる点をコストと比較してどう捉えるかにもよると思います。

・税理士の質が様々

税理士に依頼するといっても、質が様々です。税理士の資格を持っていない人が担当としてつく場合もあります。とはいえ、実務経験の無い税理士もいるので、その場合は実務経験の長い無資格の担当者の方が良い場合もあります。また、コミュニケーションが苦手な人もいるので、事前の見極めは十分にしたいところです。

◆個人事業主の税理士の探し方

それでは最後に個人事業主が税金対策をするための税理士の探し方について簡単に紹介して終わりにしたいと思います。

信頼のおける経営者からの紹介

まずは信頼のおける経営者仲間からの税理士紹介があると良いと思います。すでに良い税理士という実績があるので、安心してお願いすることが出来るでしょう。ただし、一人当たりの税理士が請け負える顧客数にもキャパがあるので必ず紹介された方が見てくれるという確証がないのが悩みどころです。

気心の知れた友人・親戚に税理士がいないかどうか

これもある程度、税理士の人となりがわかっているという点で安心感があると思います。関係性があるからこそ、少しばかりの融通もきくかもしれません。ただし、友人や親戚に自分の収入や事業の数字が全て把握されてしまうことに少しばかり複雑な気持ちがあるのも事実です。

ネットで税理士を探す

それでは、税理士の探し方でも多いのがネットを利用する方法ではないでしょうか。その際の注意点や工夫点をまとめてみました。

・一度必ず訪問して税理士の人となりを確認する

ネット経由で税理士を探す際は電話等で終わらせず、必ず一度は訪問して税理士の人なりを確認するようにして下さい。窓口で対応してくれる人と、実際に担当する人が違う場合には、相手が許せば出来れば会ってお話をしたいところです。雰囲気や仕草などから安心感があるのか、自分と感覚が合うかどうかを見極めるようにしましょう。

・具体的な質問をすることで相手の反応を確認する

実際にお会いする時の工夫点ですが、具体的な質問をいくつか用意しておく事です。出来れば簡単なものと、複雑な質問を用意しておくと良いでしょう。たとえば簡単な質問には、一言で済まさずに背景などわかりやすい言葉で自分の理解に沿って話てくれるかどうかを見たり、難しい質問ではその場で答えられない時の対応の仕方や、実際に調べ直して教えてくれるのであれば、そのスピード感などを確認します。そうすることで、普段やりとりする時のイメージが湧くでしょう。

・税理士資格だけが全てではない

最後に税理士資格だけが全てではない事を知っておくと良いでしょう。大きな税理士事務所なんかは、働きながら税理士資格を目指している人が担当として付く事があります。実務経験が豊富で人間性が良いのであれば、税理士資格がなくても安心して仕事を任せて大丈夫だと思います。税理士資格を持っていて実務経験が無い人よりも、税理士資格は無くても実務経験がある人を、その能力や人間性でフラットに見極めていくようにしてみるのはいかがでしょうか。

◆個人事業主が税金対策を税理士にお願いするメリット・デメリット

いかがでしたでしょうか。個人事業主が税金対策を税理士にお願いするメリットとデメリットについては少しは整理が出来たと思います。

最後に、税理士に依頼する事を決めた時に、税務・会計や日々の経理処理については専門家にお願いして丸投げしているから、自分は結果だけ把握しているだけで良いと考えているのであれば少し注意した方が良いかもしれません。

丸投げしていると言っても、事業に関わる数字については経営者だからこそしっかりと情報を把握しておいた方が良いと思うのです。税金対策の方法も税理士に任せているから大丈夫ではなく、自分でも積極的に情報を取りにいきながら、税理士に逆に提案するぐらいの熱量がある方が税理士も緊張感を持って対応してくれるはずです。

経営者であれば、いかに手元に現金を残すのかは非常に大切な事です。税理士の先生と相談するのはもちろんの事、自分でも情報を仕入れるという観点では、こちらの「たくさん取られる税金をしっかり税金対策して手元に現金を残す方法」の記事も参考にしてみて下さい。