個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法

個人事業主として順調に売上が上がってくると、納める税金の多さにびっくりするかもしれません。お金を稼いだら税金を納めるのは国民の義務ですから仕方ないとして、働けば働くほど、より多くの税金が取られていくのは何だか切ない気持ちになります。もちろん、その税金が世の中のために使われるのであれば問題ありませんが・・・これ以上は言及するのは本題からずれてしまうのでやめておきましょう。

個人事業主の人たちは稼げば稼ぐほど、より多くの税金(所得税)が取られてしまいます。最大で45%です。住民税が10%だと考えると、個人事業主でたくさん稼ぐ人(4,000万円以上)は半分以上の55%が税金で取られているという切ない状態なわけですね。所得税の税率はこちらで詳しくみることが出来ます。

そこで今回は個人事業主の人たちが税金対策をするために、どのような工夫が出来るのかについて考えていきたいと思います。特に個人事業主の人たちが経費を最大限活用して税金対策する方法を見ていきましょう。

ちなみに、税金対策や節税について、より具体的に深く知りたい方は、信頼のおける税理士の先生がまとめている「絶対節税の裏技77」という情報も参考にしてみて下さい。

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◆個人事業主が納める税金の種類

もうすでに紹介しましたが、個人事業主が納める税金の種類確認していきましょう。税金対策するにしても、どんな税金を納めているのか明確にしておく必要があると思うからです。個人事業主が納める税金は、所得税に住民税に事業税、消費税といったものがあります。

所得税

所得税は私たちの所得(乱暴に説明するなら収入)にかかる税金です。サラリーマンのような勤め人であればお給料から所得税が差し引かれています。個人事業主のような事業主であれば売上から経費を差し引いた利益に対して所得税の税率がかかってきます。

住民税

住民税は、その地域に住んでいる人たちに対してかかる税金です。前の年の収入に応じて、翌年の6月に税金の額が決定するようなイメージです。個人事業主であれば、課税所得(売上から経費を差し引いた利益)に応じて住民税の額が決まるわけなので、税金対策として、しっかり経費を計上することによって結果的に住民税に対する税金対策になっていると言えるでしょう。

事業税

個人事業主が事業を行うにあたってかかる税金です。業種によって税率が変わってきます。ただ年間で290万円の控除がありますので、事業の税金がかかる所得が290万円以下であれば事業税はかかりません。ざっくりとしたイメージで説明するならば売上から経費を差し引いた利益が290万円以下であれば税金がかからないといった感じです。

消費税

消費税は、モノやサービスを消費した時にかかる税金です。国に直接納めるわけではないので、間接税と呼ばれていますが、個人事業主の場合はモノやサービスを提供して、消費税を含めた金額をお客様から頂きます。その消費税は個人事業主が一時的に預かっているだけなので、計算をして国に納めなければなりません。ちなみに、二年前の売上が1,000万円以下の個人事業主は消費税を納めなくていい特別ルールがあったりします。

◆税金の計算のされ方

個人事業主が経費を最大限活用して税金対策の方法を知るために、まずは所得税の計算方法についてカンタンに整理しておきましょう。そして、個人事業主が経費を活用して税金対策をするためには青色申告を利用しなければなりませんので、そちらも見ていきます。

確定申告で所得税の計算方法は以下のような流れで進みます。

①収入ー必要経費ー各種控除額=課税される所得金額
②所得金額×税率ー課税控除額=所得税額

このような流れで対策をするわけです。まずは、一年間の収入から必要経費を差し引きます。そうすると利益が出てきまして、そこから控除される金額を差し引いていきます。控除とは差し引くという意味で、青色申告特別控除など一定のルールに基づいた控除があります。このタイミングで控除されるものを所得控除と言ったりします。所得控除の種類については、こちらのページで紹介されています。

そうすると課税される所得金額が出てきますので、そこに所得税率をかけて所得税を出します。そこからさらに、所得税から控除される金額などがある場合は、ここでさらに控除金額を差し引きます。このタイミングで差し引かれる控除のことを税額控除と言ったりします。税額控除の種類についてはこちらのページで紹介されています。こうして、納めるべき所得税の金額を出していくわけです。

◆税金を少なくするための考え方

いかがでしょうか。ここまで個人事業主にはどんな税金がかかるのかですとか、税金の計算方法を説明させて頂きました。次に、これらの税金を抑えるために工夫できることについて考えていきましょう。具体的には経費をしっかりと計上することによる税金対策と、控除をしっかりと利用した税金対策の大きく二つに分けることができます。

経費を最大限活用する

個人事業主が税金対策を始める時にまず考えるのは、事業で使っている経費をしっかりと計上することが第一歩目です。自分で確定申告をしていればなおさら、以外と経費の計上漏れがあったりするものです。それをしっかりと計上することで、納める所得税を抑える事が出来ますし、結果的に翌年の住民税も抑えることが出来ます。また、細かいことを言えば納める消費税にも影響があることなので、丁寧に確定申告をしておきたいところです。

控除を効果的に利用する

所得税は所得に税率をかけて計算します。所得が小さくなれば、納める所得税が小さくなるわけなんですが、控除というのはこの所得を小さくすることを言います。控除は読んで字のごとく、控えて除くという意味なので、所得から一定の金額を差し引くという意味なのです。個人事業主に適用される色んな控除があるので、これを最大限活用して税金対策をしていくというのが一つのテーマになると思います。ちなみに、後半で説明しますが、この控除を活用するためにも個人事業主の人たちは青色申告をすることが一般的に一番税金対策としての効果があると言われています。それでは、具体的に個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法について見ていきましょう。

 ◆青色申告を活用する

経費を上手に使って税金対策するにしても、控除を上手に使って税金対策するにしても、青色申告を利用しないわけにはいきません。まずは、青色申告に関してひも解いてみましょう。

青色申告を極めて税金対策をする

個人事業主が確定申告をするとき、申告方法を二種類の中から選ぶことになります。青色申告と白色申告です。ざっくりと説明すると白色申告がカンタンな申告の仕方で手間を最小限に抑えられます。青色申告の方は複雑な処理を求められるので手間がかかります。

では、なぜこの二種類があるのかというと、白色申告はカンタンな処理な分、税務署が申告書を見てもお金の流れを理解しずらいんですね。青色申告は複雑な処理をしている分、事業の健康状態は一目瞭然でお金の流れなんかも書面をみて理解できるので、税務署からしたら青色申告で申告して欲しいわけです。

とはいえ、手間がかかる青色申告を義務付けるわけにもいかないので、青色申告をしてくれたら、税金上のメリット(税金が安くなるような特別ルール)を与えますよ、としているわけです。

青色申告はどうしたら利用できるの?

青色申告を利用するためには、事前に税務署に青色申告をすると届出ておかないといけません。これがなされていないと自動的に白色申告になってしまいます。具体的には、個人事業主として開業をしたら、2ヶ月以内に届出を出さないといけません。(法人の場合は3ヵ月以内です)。

また、今まで白色で確定申告をしていた人は、申告する前の年の3月15日までに届出を出さなければいけません。少しわかりづらいのですが、個人事業主はその年の1月~12月の事業に関して翌年3月15日までに確定申告をします。たとえば2017年1月~12月のものは2018年に確定申告をします。2018年の確定申告をこれまで白色申告だった人が青色申告に切り替える場合には2017年の3月15日までに届出を出さないといけないわけです。

具体的な青色申告による税金対策の中身は?

それでは、一つずつ青色申告をすることによって、どのような税務的なメリットを享受できるのか見ていきましょう。

・最大65万円の所得控除を受けることができる。

青色申告であれば、最大で65万円の所得控除を受けることができます。所得税を計算する所得から65万円を差し引けるのは大きな税金対策となります。お金を使っていないのに経費のような役割をしてくれるわけですね。ただ、このためには複式簿記という難しい処理で経理をして、確定申告書には貸借対照表と呼ばれる事業の健康状態がわかる書類も一緒に出さなければなりません。これができないと10万円の控除になってしまいます。

・一緒の生計である家族へのお給料を経費にすることができる。

個人事業主の家族(生計を一緒にしている人)に対しては、お給料を渡しても原則は経費となりません。ただし、青色専従者給与の特例というものがありまして、事前に青色申告の届出と共に、青色専従者給与の届出を出しておくことによって、それも経費として見ることが出来るわけです。ただし、専従者となっているので、専らその業務に従事する人のことを指します。学生や他で仕事をしている家族にお給与を支払っても経費として認めてくれないので注意して下さい。他にも、事務作業しかさせていないのに、毎月50万円を渡しているなど、その職種の一般的な給与相場からかけはなれた金額を渡してしまうのもダメですので注意してください。

・純損失の繰越控除を利用することが出来る。

繰越控除というのは、純損失を繰越して控除するということです。その年が赤字だった場合、普通なら次の1月からは全く新しいゼロからのスタートです。ただ、前の年の赤字を繰越て、今年の黒字と相殺できますよ、というのが純損失の繰越控除というものです。前年までの赤字と、今年の黒字を相殺できれば、その分所得税が抑えられますよね、ということです。青色申告であれば、向こう3年間にわたって赤字を繰り越すことが可能です。

・貸倒引当金を経費で計上することが出来る。

貸倒引当金とは、モノやサービスを販売し提供しているけど、まだお金をもらっていない場合でしかも、相手が倒産するなどして売上を回収できそうに無い場合にあらかじめ一定の金額を損失に入れてしまい経費のように扱ってしまおうというものです。状況によって、損失として計上される金額が変わっているので、詳細はまた別の機会で説明させて頂きます。

・30万円未満の物品を一括で経費にすることが出来る。

10万円以上の物品を買った場合には、基本的に一括で経費にすることはできません。法律で決まった年数に分けて経費にしていかなければならないルールがあるのです。本来であれば20万円をその年に支払っているのに、例えば5年に分けて4万円ずつでしか経費にすることが出来ないのは不利な話です。ただ、青色申告をしているのであれば、30万円未満の物品であれば一括で経費にして良いという特別ルールがあるわけです。何年かに分けて経費にするよりも、全額経費にした方がもちろん節税の効果が高いですし、税金対策となるわけです。

 ◆個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法

すでに青色申告の項目で説明したものを含めて、原則に立ち戻り、事業に使った経費を上手に計上して税金対策する方法と、使える控除を活用して税金対策する方法と整理していければと思います。

経費による税金対策

事業に紐づく経費を改めて再確認

まず最初に事業にも使っていて経費に出来るけど、経費にしていないものを計上していくのが基本中の基本になります。自宅兼事務所なら事務所利用分の割合を経費計上しているか、とか電気・水道代や自動車を事業で使っていたら、その経費も割合に応じて経費にした方が良いでしょう。プライベートと事業で混在して利用しているものは注意が必要なので、携帯電話代やインターネット代なども細かく按分していくと馬鹿にならない金額が経費として出てくるかもしれません。

青色申告による10万円以上30万円以下の物品を一括で経費化

減価償却といって、10万円以上の物品は決まった年数で経費にしていかなければなりません。青色申告なら30万円以下であれば一括で経費にすることが出来ます。その年で経費に出来る金額が大きくなるわけなので、税金対策の一つとして考えておきたいところです。

中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)による掛け金の経費化

こちらは取引先が倒産して、その影響で中小企業の事業が傾いたり、連鎖倒産するのを防ぐための制度です。もちろんその効果を期待して加入している人もいますが、実体としては税金対策に目を向けた使い方がほとんどだと思います。

具体的には毎月5,000円から20万円までの金額を支払っていき、その金額が経費となります。40カ月以上納付を続ければ解約した時に100%戻ってきます。ただ、上限金額である800万円に達するとそれ以上掛けれなくなります。

セーフティ共済を解約して、これまで掛けていた金額を受け取る時には会社の売上となりますので、あくまでもこの対策方法は利益の先送りのようなものになります。計画的に大きな出費があるタイミング等で解約するなどの工夫が必要になります。また、会社設立をしてから一年以上たっていないと加入できない点にも注意が必要です。

控除による税金対策

小規模企業共済による所得控除

小規模企業共済とはイメージとして個人事業主の退職金や年金の代わりとなる資金を積み立てていく制度です。良いところは毎月1,000円から7万円まで500円単位で掛け金を設定することが出来、掛けた金額は全額所得控除として計算してくれるところです。

しかも65歳以上で15年以上加入している人であれば事業を辞めた場合に退職金または年金として給付を受けれる点で税金対策としての効果が大きいものになります。退職所得や年金における税金の計算は、普通にお給料やボーナスをもらうときの税金の計算よりも安く計算がされるためです。

青色申告による65万円控除の活用

これはすでに説明させて頂きましたが、青色申告をすることによって、65万円(または10万円)の所得控除を受けることが可能です。

寄付金控除の活用

ふるさと納税もそうですが、決められた団体への寄付は所得控除もくは税額控除の対象として計算されます(全額控除されるわけではありませんのでご注意)。寄付という形で手元からお金が出ていくわけですので、純粋に税金対策によって手元の現金が増えているわけではありませんが、寄付という形で社会貢献したお金が少しでも税金を抑える効果があるということを知っておきましょう。

医療費控除

家族で利用した治療費や医療費の合計が年間で10万円を超えた場合には、医療費控除として所得控除をすることが出来ます。どんな医療費が控除の対象となるかはルールが決められているので、注意が必要なところです。

住宅ローン控除

家を購入して住宅ローンを支払い始めたら、一定の金額の所得税・住民税が安くなる制度です。新築や中古の物件の購入だけでなくリフォームをした場合でも対象となりますので、住宅ローンを組む時にはこの控除を最大限活用しましょう。

生命保険料控除

民間の生命保険に加入した際に、一定の金額を控除されるものです。一般の生命保険料控除と介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の三種類があります。

 ◆税金対策のため法人成りも検討する

さて、ここまで個人事業主として最大限経費や控除を活用して税金対策するアイデアを紹介してきました。それでもまだ納める税金が高い場合には恐らく個人事業主から法人へと切り替えることを検討する必要があるかもしれません。一定の売上を超えるようであれば、個人事業主から法人成りをした方が税金対策になるのは明らかですから、関わりのある税理士の先生にシミュレーションを立ててもらいましょう。

法人成りに関して詳しい解説はこちらのページでも紹介していますので、参考にしてみて下さい。

◆個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法、のまとめ

いかがでしたでしょうか。個人業主が経費を最大限活用して税金対策する方法について紹介させて頂きました。すでにご存じの内容も多かったと思いますが、基本がちゃんと徹底されているかを確認しておくことも大切なことだと思います。

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2018.03.04