税金対策のために従業員の賞与(ボーナス)や決算賞与をフル活用するノウハウ!

年末年始になるとサラリーマンの賞与(ボーナス)が話題に上がることが多いです。その中で従業員に対して支払う決算賞与(決算時のボーナス)が税金対策になるというお話を聞いたことはありますか?

税金対策を単純に税額を抑えるための手法と考えた時には、決算時に臨時で支払える決算賞与というものは便利かもしれません。ただし、よく考えて税金対策をしないと自分の首を絞めかねませんのでメリット・デメリットをよく吟味しましょう。

今回は従業員に対する決算賞与(決算時のボーナス)に関する税金対策についてまとめてみました。

◆賞与(ボーナス)に関して

まずは賞与や決算賞与の言葉の意味について整理しておきましょう。

賞与(ボーナス)とは

賞与は会社で働く従業員の人たちが毎月のお給料以外で支給される特別なお給料の事です。日本だと夏や冬にもらえる事が多いですし、その金額も給与の数か月分と会社によって様々です。場合によっては支給しない会社もあったりします。また、賞与の事をボーナスと表現したりしますが、ほとんど同じ意味で使われます。

・賞与も所得税が差し引かれる

賞与を受け取った場合には、お給料と同じように一定の金額を所得税として差し引かれます。少し細かいお話をすると前月の給与の額を、賞与を計算する税率の表に照らし合わせて税額を決定しますので、普通のお給料の税金の計算の仕方とは若干違いがあります。

決算賞与(決算月のボーナス)とは

決算賞与はよく決算時の税金対策の手法の一つとして話題に上ることが多いです。普通の賞与は、どのタイミングで支払われるかは明確なのに対して、決算賞与は会社の業績が良かった時に従業員に対して支給するかどうかを自由に決められる賞与になります。ですので、会社に利益がたくさん出て税金を払うくらいなら従業員に還元しようという事で決算賞与が税金対策と従業員のモチベーションアップに用いられる事もあります。

◆賞与や決算賞与を支給するとどんな税金対策になるの?

決算とは・・・!?

そもそも決算とは、決算日とか決算月とか言ったりしますよね。こちらの「会社設立日と決算日を決める上でのポイントを整理しました」に詳細がありますので、参考にしてみて下さい。

簡単に説明してしまうと、会社は事業年度と呼ばれる一年間の成績を集計して税金の金額を決めています。決算月とは、その事業年度が終わる最後の月です。決算月に大きな利益が残っている場合の税金対策方法は限られていますが、決算賞与の支給というのがこのタイミングで税金対策出来る一つの方法です。

従業員への決算賞与が税金対策となるために・・・

今回紹介している税金対策の仕組みはシンプルに経費を増やして会社の利益が少なくなる事で結果的に会社が支払う税金が低くなるという内容です。ですから、賞与として支給する金額も、決算賞与として支給する金額も会社からしたら経費になるかどうかがポイントなわけです。

・基本的な賞与も決算賞与は従業員へ賞与を支払った時に経費となる

基本ルールは賞与も決算賞与も支給したタイミングで経費計上するという事です。普通の賞与は支給時期は事前に決まっているからこそ、特に問題ないと思います。決算賞与も、決算時期の利益によって出す出さないか決まるもので、毎年決まったタイミングで運用されているような仕組み化されたものであれば焦る必要はなさそうですね。危険なのが、決算月にも関わらず利益がたくさん発生していて、あわてて決算賞与を支給するという場合です。

・決算賞与は三つの点に注意しておけば支給が事業年度内に間に合わなくても大丈夫

会社は事業年度の成績を元に税金を計算しますが、事業年度最後の月にバタバタと決算賞与の支給を決めてしまった場合、事業年度をまたぐ可能性が出てくるわけですね。そうすると、決算賞与は経費にできるはずが、次の事業年度の経費になってしまいかねません。ですが、以下の三つに注意をしておけば決算月を越えても一カ月以内であれば、その事業年度の経費に出来るのです。

1、決算賞与(決算時の臨時ボーナス)の支給日と支給金額を各従業員に通知する
2、通知した金額を事業年度内に損金として会計処理をする
3、通知した金額を一カ月以内(決算日の翌月末まで)に従業員へ支給をする

・決算賞与(決算時のボーナス)を年度を越えて支給する時の具体的注意点

さらに踏み込んで説明をすると、まず一番目の注意にあるように必ず支給対象の全従業員に通知しないといけません。通知した証拠となるような書面やメールなどを税務調査対策で残しておいても良いと思います。支払いも一カ月以内に対象となる全ての従業員に支払っているという証拠があると良いので振込なら大丈夫ですが、現金支給の場合は書面を残すなど気を付けておきましょう。

◆従業員への決算賞与を利用した税金対策のメリット・デメリット

それでは従業員への決算賞与(決算時のボーナス)についてのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

決算賞与を従業員に支給するメリット

・税金対策に活用出来る

すでに説明したように決算時の税金対策の一つとしての活用があります。決算月ギリギリになっても対応しやすい数少ない税金対策方法です。

・従業員のモチベーションが上がる

よく言われる事ですが、決算賞与が出せるぐらい利益が出たのは従業員の頑張りも大きいわけです。その頑張りに応じて決算賞与が支給される仕組みの場合は従業員からすると次も頑張ろうと働くモチベーションにつながる可能性があります。

決算賞与を従業員に支給するデメリット

・会社の現金が減る

決算賞与による税金対策をする事で、結果的に納める税金は小さくなりますが、その分従業員に現金を支払っているわけですから会社に残る現金は減るわけです。現金は会社経営上とても大切な指標です。現金が無いと小さな会社は何も出来ません。だからこそ、税金払うぐらいだったら従業員に決算賞与として還元したいという経営者の気持ちはわかりますが、しっかりと会社の健全な運営も視野に入れて無理の無い決算賞与の支給をするようにして下さい。

・従業員のモチベーションの維持に課題

これは決算賞与の問題ではないかもしれませんが、従業員が決算賞与に動機付けされすぎた時、与えられて当たり前という状態になると逆にやる気を削ぐ可能性があるという事です。こればかりは、企業文化に紐づく部分でもありますが、一人ひとりの従業員が仕事の責任者として自分たちの上げる売上により決算賞与の支給や額に影響を与えるという事を強く認識してもらう必要があるでしょう。

◆賞与や決算賞与は役員に支給しても税金対策にはなりません

最後に簡単な注意事項になりますが、役員には賞与やボーナスを支給しても会社の経費として計上する事は出来ませんのでその注意点にだけ触れておきます。

会社の役員は基本的に賞与を経費に出来ない

会社の役員は定期同額給与といって毎月同じ金額でないと経費にする事が出来ません。事業年度がスタートして月の報酬を30万円と決めたら毎月30万円を支払い、それを超えた金額は経費にできませんという厳しいルールがあるわけです。そのため、決算賞与は一時的に対象月だけ支給される金額が増えるので、賞与分は経費にすることが出来ないわけです。ちなみに事業年度スタートしてから3カ月以内であれば変更は可能です。

社長の奥さんに賞与を支給する時も経費に出来ない

会社の社長の奥さんは従業員という扱いで、役員になっていないケースもあると思います。その場合でも従業員である奥様の給与には、みなし役員といって役員と同じルールを適用しなければならないのです。奥さんは従業員だからといって、報酬を上げ下げしたり、ボーナスや決算賞与を渡したりしていると痛い目に合うので気を付けて下さい。

役員に賞与を支給する方法はあるけど面倒

これまで説明してきたように基本的には役員への賞与(ボーナス)の支給はダメなのですが、事前に届出を出していれば一部例外を認めるルールもあります。ただし、厳しめのルールですので利用する時には気を付けましょう。

・事前届出確定給与という書類を事前に提出

事業年度が始まって4カ月以内に税務署に届出をします。事前にいくらボーナスとして支給するのか、最初に決めておかないといけないわけです。

・少しでも支給月がズレたり、額が違ったりするとダメ

事前に届出をした通りにボーナスを支払わないと、結局経費として認めてくれないという厳しいルールがあります。後から会社の利益に応じて決めることが出来ないし、届出出すのが面倒だし、その通りに実務をしないといけないしで、いろいろと面倒な方法です。

◆税金対策のために従業員の賞与や決算賞与をフル活用するノウハウ!のまとめ

いかがでしたでしょうか。従業員への決算賞与(決算時のボーナス)が税金対策になる可能性についてはご理解いただけたかと思います。この方法は結果的に会社に残る現金は減ってしまうわけですから、いかに上手に従業員へのモチベーションへと動機付け出来るかがポイントのような気がします。

何のために税金対策をするのか、会社の現金が減ってでも従業員へ臨時のボーナスを支払うならば、投資した費用分のリターンが返ってくるようにしたいものです。

決算賞与以外の会社の税金対策方法については、こちらの「【決定版】スグ出来る!法人の税金対策を完全網羅」の記事を参考にしてみて下さい。