私募債による税金対策の注意点と資金調達の可能性

債権という言葉を聞いたことはありますか?今回は少人数私募債という聞きなれないキーワードを扱っていければと思います。今ではほとんど税金対策としての効果を出せなくなってしまった少人数私募債ですが、会社経営をする上で社債に関するメリット・デメリット、今後の資金調達の方法としての社債の可能性は知っておいていただきたいと思います。

そこで今回は私募債による税金対策の仕組みと資金調達の可能性について情報を整理していきたいと思います。

ちなみに自分自身で税金対策(節税)を行うには、どうしても限界があります。税金のプロである税理士の方が秘密にしておきたい裏技を余すところなく教えてくれている情報がありますので、興味のある方は以下をご覧ください。

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◆私募債(しぼさい)に関して情報の整理

1、社債(しゃさい)とは

社債とは会社がお金を調達するために発行する債券です。

もっと簡単に言ってしまえば、会社がお金を借りるために複数の人たちに呼びかけます。そして貸してくれるという人がいたら社債と呼ばれる〇〇円借りました!という証明書のようなものを発行するわけです。お金を返すまでの間、会社側は貸してくれた人に対して金利を支払うという仕組みです。

よく国が借金するために国債を発行すると聞いたことはありませんか?それも同じような仕組みです。国債の会社バージョンが社債なわけですね。

2、私募債(しぼさい)とは

・私募債は社債の中のひとつの種類

私募債とは社債の種類の一つです。社債もいくつか種類があります。「少人数私募債」「信用保証協会の保証による社債」「金融機関の引受けによる社債」「社債担保証券」です。ひとつひとつ細かい説明は省きますが、中小企業では少人数時募債が一番使い勝手がいい社債と言われています。今回は、この私募債が税金対策との関わりで理解が必要ですので

・少人数私募債とは

少人数私募債というは、社債の引受人が会社の社長や、親戚、知人、取引先などに限られているものです。社債を引き受けるということは、ざっくり説明してしまえば会社にお金を貸す立場になるということです。少人数私募債の場合は、発行できる社債の金額が1億円に限られているのと、引受人は50名未満でなくてはいけないという制限があります。

この条件を満たしていれば、他の社債で必要な面倒な手続きはせずに、会社側に自由に社債を発行して資金調達することが出来るようになります。

◆昔は少人数私募債で税金対策が可能でした

実は昔であれば少人数私募債を利用することで個人の所得税に関して税金対策をすることが可能でした。そこに対して法律が変わってしまい、実質税金対策としての効果がほとんどない状態になっています。

念のため、法律改正の前後を比べながらどのような税金対策の仕組みだったのか確認しておきましょう。

昔の少人数私募債は税金対策に使えた

会社が資金集めをするために、「会社が社長から直接お金を借りるパターン」と「会社が少人数私募債を発行し社長に買ってもらう」の二つのパターンが考えられます。社長がすでに何千万も収入のある人で、所得税率が40%とかになっていると私募債を利用することで昔は税金対策の可能性があったわけですね。

1、社長が普通に会社にお金を貸して金利を受け取る場合

社長が会社に資金繰りを良くするために5,000万円を貸したとします。金利を3%とすると社長は会社に5,000万円を貸してあげることで利息を150万円得ることになります。

利息は社長の収入にとってはプラスですから、ちゃんと確定申告して150万円に対する税金を納めないといけません。利息として得た収入は、雑所得に分類されるのですが、基本的に社長の年収と合算してそれに対する所得税率が適用されるわけです。

たとえば社長が年収たくさんもらっていて所得税率40%であれば利息150万円にも所得税率40%が適用されて60万円が税金として取られていたわけです。

2、社長が少人数私募債を買って利息を受け取る場合

それに対して社長が少人数私募債5000万円分を引き受けて利息を受け取ったとます。金利3%で考えると同じく150万円が年間で社長が手にすることになります。そして昔の少人数私募債のルールは私募債による利息は一律で20%で計算して、社長がどれぐらい収入もらっていようと、40%の所得税率が課税されていようと関係なかったんですね。ですから少人数私募債であれば150万円から20%の30まん延が所得税として捉えるだけです。これを難しい言葉で申告分離課税と呼んでいます。

つまり同じ5000万円に対する利息150万円でも、貸した場合は60万円を取られ、少人数私募債にした場合は30万円ですむ。30万円分の税金対策としての効果があったわけですね。

3、法律が変わり少人数私募債では申告分離課税が適用されなくなりました

税金の計算方法の違いを利用した税金対策だったのですが、少人数私募債による利息を別枠で20%で税金計算するという方法が使えなくなり、一律通常の金利のように合算して計算してくださいということになりました。つまり一年全部の収入を一緒にして、それに紐づく所得税率で税金計算しますとなったのです。所得税率は現在最大で45%なので、その範囲の人であれば45%の税率が適用されるわけです。

◆税金対策ではなく資金調達としての少人数私募債の可能性

少人数私募債は税金対策としての効果はなくなってしまいましたが、会社の資金繰りにおけるメリットがあるので資金繰りで悩んでいる人には一つの選択肢として参考になるのではないかと思っています。

少人数私募債は資金繰りを良くする柔軟な資金調達方法

資金調達となると普通は金融機関からの借り入れとなります。ただ、金利が高かったり、返済の期限が決まっていたりと、場合によっては資金繰りに関して厳しい一面も持ち合わせているわけです。それに対して少人数私募債には以下のようなメリットがあります。

少人数私募債のメリット1:無担保でもOK

身近な人に私募債を買ってもらうわけなので、基本的に相手がOKならば無担保であっても問題ありません。多額の資金調達が無担保でも大丈夫なわけですね。

少人数私募債のメリット2:返す期間や利率は自由に設定できる

資金繰りに良いのは、このお金を返す期間や利率が自由という点です。借入の一番の悩みは返済期間と返済金額についてです。これを自由に決めれることほど嬉しいことはありません。

少人数私募債のメリット3:簡単に始めることが出来る

身近な人にお金を貸してくれるという人がいれば、一定の条件があるものの、簡単に少人数私募債として手続きすることが出来ます。金融機関や保証協会に対しての手続きも一切必要ありません。

少人数私募債のメリット4:社債権者は議決権を持たない

株式会社の場合、株式として出資してもらう場合は議決権を持つことになるので、少なからず会社への影響力を持つことになりました。ただし、少人数私募債の場合は純粋に社債を引き受けるだけにすぎません。

少人数私募債のメリット5:満期一括返済なので資金繰りに余裕がある

普通の金融機関からの借り入れは毎月借金を返済していきます。少人数私募債は満期になったら一括で返済するたぐいのものですから、それまでの間の資金繰りには余裕が生まれます。

◆私募債による税金対策の注意点と資金調達の可能性のまとめ

いかがでしたでしょうか。私募債に関する税金対策の注意点としては、もう税金対策としての仕組みは通用しないの一点に尽きるのではないかと思います。

税金対策としては使えなくなった私募債ですがよくよく見てみると資金繰りの一つの方法としてはとても魅力的なことがわかります。

事業が軌道に乗って、さらに拡大・成長していくための事業への投資に資金が必要な場合なんか金融機関から借りるだけでなく、こうした少人数私募債を検討してみると良いのではないかと思います。

資金繰りという観点で、そもそも株式会社設立時の資本金は最低でもいくらにしておけば創業時にお金に困りにくいのかを考えてみました。こちらの「健全な経営のため最低でも株式会社設立時の資本金はいくら必要?」という記事で詳しく紹介しているので良かったらご覧ください。

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2018.03.04