土地や住宅を活用して贈与税の税金対策をする方法

相続税と贈与税には、とても深い関係があります。実は相続税に関する法律が変わったことによって、相続税を支払う可能性のある対象者が増えました。

そのため、相続税を税金対策して支払う税金をなるべく少なく抑えようと考える人たちが増えて来ていると思います。

基本的な税金対策には相続税を抑えるには相続する財産を事前に贈与しておくというとがあります。財産を減らしておくことで、それにかかる相続税が少なくなることを意図しているわけですね。

ただし、事前に財産を贈与するにあたり贈与税がかかるのです。今回は、こうした財産を贈与する際にかかる贈与税に対して、土地や住宅にからめてどんな税金対策が考えられるのかを整理してみました。

◆贈与税についての情報を整理

贈与税とは

お金や価値のある物をもらった時にかかる税金です。1月から12月の年間で、一人の人からもらった総額が110万円以上の場合にかかる税金です。最近では贈与税がかからないようにする特別ルールもあったりするの、その点に関しては後半でご紹介します。

相続税とは

相続税とは、亡くなった方から財産を受け継いだ場合に、金額が大きいとかかる税金です。なぜ、配偶者や子どもといった親族に自分の築いた資産を受け継ぐだけで、税金を課せられるのかといてば「富の再分配」という機能を期待してのことです。相続税が無いと、富める者は富続け、貧乏の人は貧乏なまま、それが世代を超えて受け継がれ続けてしまうのが、不公平という考えのためです。誰でも平等にチャンスを与えましょうと、国は考えているわけですね。

贈与税と相続税の関係とは

簡潔に言ってしまえば、生きている人から財産を受け取る時は贈与になり、贈与税がかかる。亡くなった人から財産を受け取る時には相続となり、相続税がかかるといったイメージです。相続税を回避するために生前に贈与する人が増えると、対策する人とそうでない人と不公平になってしまうので、贈与した場合には税金のかかる贈与税が課税されるといった考え方になります。

◆贈与税を少なくするためにどうやって税金対策をするのか?

贈与税の税金対策を考える前に、大きな流れを捉えておきましょう。まず、法律が変わり相続税の対象となる人が増えました→相続税の税金対策するためには相続財産を贈与すること→贈与すると贈与税がかかってしまうから、贈与税を何とか税金対策できないか。というわけで、贈与税の税金対策のお話をさせてもらっています。

相続税の税金対策をする王道は資産の評価額を下げること

すでにお話が出ましたが相続税対策は評価額を下げる事にあります。その上で、現金を土地や住宅の状態にしておくと、相続税の評価額が下がるなどの税金対策ポイントがあります。それらの点については、「土地やマンションでどんな税金対策ができるのでしょうか?」の記事をご覧ください。ポイントを以下に紹介します。

・相続する財産が現金ではなく土地の方が税金対策になる

相続する財産が土地の場合は、相続税を計算するために一応の金額を評価額としてつけなくてはいけません。その金額は、「路線価」という基準となる金額を利用します。そしてその路線価で割り出す土地の値段は、実際に土地の売買をされる時の時価よりも低く見積もられています。土地にしておくことで、実際の価値よりも評価額が低いという事は相続税がその分低くなるため税金対策になる可能性があるわけです。

・相続財産を賃貸用アパートの住宅などにしておくとさらに評価額が低くなる

たとえば相続が発生する前に現金1億円で賃貸用の住宅に利用する土地を購入したとします。路線価として大体80%になるので、土地の評価額は1億円のものが8,000万円です。さらに賃貸用の住宅のために利用するという制限を儲けているので、さらに20%分が評価額から差し引かれることになります。これを計算すると6,400万円です。1億円の時価の土地を6,400万円の評価額まで下げることができたのでその分、相続税の税金対策の可能性があるわけです。

◆土地や住宅を利用して贈与税が非課税になるケース

これまで、相続財産を土地や住宅にする事で評価額を下げて税金対策が出来るというお話をさせて頂きました。次に、相続が発生する前の生前に財産を贈与しておく事で相続財産を減らし相続税対策が出来るというお話に移りたいと思います。この状態だと生前に大きな金額を贈与してしまうと贈与税がかかってしまいますが、一部特別ルールが適用されて非課税になる場合があるんです。

住宅を取得するための資金の贈与に贈与税がかからない特別ルール

・どんな人が対象になるの?

対象になるのは自分の父親・母親・祖父・祖母の直系尊属から住宅用の資金を贈与される場合です。直系尊属について少し解説すると、直系とは家系図でいうところの父・母・子などの縦の動きです。兄弟などの横の動きは直系にはなりません。さらに尊属というのは自分より上の世代の事になりますので、直系尊属は自分より上の縦の列、つまり父親・母親・祖父・祖母になるわけですね。この人たちから住宅用の資金をもらった時には一定の金額までは贈与税がかからないという特別ルールが期間限定であるわけです。

・対象になる期間と贈与税のかからない金額の上限に関して

贈与税が非課税になるには、対象となる期間と上限の金額が決まっています。その枠に収まるように注意して準備をしましょう。

住宅にかかる消費税が10%でない場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 省エネ等の住宅 左記以外の住宅
〜平成27年12月31日 1,500万円 1,000万円
平成28年1月1日〜平成32年3月31日 1,200万円 700万円
平成32年4月1日〜平成33年3月31日 1,000万円 500万円
平成33年4月1日〜平成33年12月31日 800万円 300万円

住宅にかかる消費税が10%の場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 省エネ等の住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日〜平成32年3月31日 3,000万円 2,500万円
平成32年4月1日〜平成33年3月31日 1,500万円 1,000万円
平成33年4月1日〜平成33年12月31日 1,200万円  700万円

住宅が省エネであるかどうかだったり、購入する時の消費税が10%になっているかどうかだったりを含め贈与を受ける時期によって非課税の上限が変わりますので、専門家などのアドバイスを受けながら慎重に計画を立てるようにしましょう。

・贈与税を非課税にするためのその他の要件に関して

住宅等の購入によって贈与税を非課税にする要件について、その他の部分を簡単に確認しておきましょう。

1、住宅を購入するためのお金を贈与してもらい、ちゃんと住宅にそのお金を使うこと
2、贈与を受ける人は20歳以上であること
3、贈与を受ける人お所得が2,000万円以下であること
4、贈与を受けた翌年の3月15日までに居住しているか、それが確実であること
5、住宅の登記簿上の面積が50㎡以上240㎡以下であること
6、中古住宅の場合は、マンション等耐火建築物であれば25年以内で木造等耐火建築物であれば20年以内の築年数であること
7、住宅などを受け取る相手が親族などの特別な関係でないこと
8、平成21年から平成28年までに住宅購入用の贈与税の非課税の制度を利用していないこと
9、贈与のあった翌年に贈与税の確定申告をすること

◆土地や住宅を活用して贈与税の税金対策をする方法、のまとめ

いかがでしたでしょうか。一定の制限はあるものの、土地や住宅を活用することで贈与税がかからずに親などから資金を受け取ることで税金対策ができるわけです。日本では、若い世代よりも親や祖父母などの年齢層の高い世代の方が貯金を持っていると言われています。

相続税の法律が変わった事により、対象になる人たちが増える事が見込まれますので、生きている内に積極的に若い世代へ資金を動かして経済への刺激になることが意図されているのかもしれませんね。

とはいえ、贈与税の非課税枠を土地や住宅を利用して税金対策することは、ルールが複雑なので実施を検討する時には必ず専門家と一緒に計画を立てるように気をつけて下さい。

相続税の対策に関しては法人を設立する事で税金対策となる可能性もあります。その点の詳しい内容はこちらの「相続対策のための株式会社設立について徹底解説」の記事をご覧下さい。