【決定版】起業時の融資による資金調達を成功させる7つのポイント

起業を志す者にとって経営の一つの目的は事業を永続させる事だと思います。変化の激しい世の中で、社会の役立つモノやサービスを提供し続ける事以外で永続させる事は出来ないからです。

そして起業をして事業を進める上で何よりも大切なのは資金です。会社の血液と例えられる事も多いお金ですが、健康な経営を目指すためにも上手に循環させなくてはいけません。

起業のタイミングであれば多くの資金が必要な事が多いですので、どのように資金調達をするのかが成功を決める一つの要因にもなります。そこで今回は起業時の融資による資金調達について絶対成功させるためのポイントを紹介したいと思います。

◆起業時の融資における資金調達方法

起業時の資金調達としての融資には大きく分けてえ二種類があります。日本政策金融公庫を使った融資による資金調達と市区町村でサポートしてくれる制度融資による資金調達の二つです。

1、日本政策金融公庫の創業融資

まずは起業家たちのほとんどが、創業時に融資を検討する時に一番最初に思い浮かぶのが日本政策金融公庫の創業融資だと思います。

・日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫とは公庫と略されることも多いですが、国が100%の株を保有する金融機関になります。国が運営していると言っても差し支えない公庫ですが、民間の金融機関が出来ないような創業者向けの融資制度が充実しています。

・公庫の創業融資について

通常の民間金融機関から融資を受けようと思うと、まだ実績のない起業家へは融資をしてくれません。売上が上がるのかわからないので、リスクが大きいためです。それに対して公庫であれば誤解を恐れず言えば何かあえば税金でまかなえるので積極的に起業家に向けて融資をするための枠組みが用意されているのです。それを創業融資と言ったりします。

2、行政による制度融資

起業時に検討できる融資制度としては創業融資の他に、市区町村でサポートを実施している制度融資というものがあります。

・保証協会付き融資に関して

制度融資について説明するために保証協会付き融資について理解しておきましょう。制度融資を利用するためには、民間の金融機関から融資を受けることになります。ただ、起業時は民間の金融機関は融資を受け付けてくれません。融資を実行するには、保証協会の保証を付けてくれと言われるわけです。保証協会は、金融機関への返済が出来なくなってしまった時に肩代わりしてくれる機関です。これを保証協会付き融資と言ったりします。

・制度融資とは

制度融資を受けるには、まず保証協会付き融資を受ける事が前提となります。その上で各市区町村で行っているサポートを受ける事ができるのです。

わかりやすいように、渋谷区の制度融資を例に見てみましょう。渋谷区のホームページを見ると「創業支援金」という名前の制度融資の仕組みがあります。融資の上限額は1,500万円ですが、申し込むみは半分の自己資金は手元に無いといけないようですね。つまり200万円の制度融資を申し込むには100万円の自己資金が必要といった具合です。

渋谷区は金利が1.7%のところ1.3%も区が負担してくれます。つまり起業家の実質的な金利の負担は0.4%で済むわけです。日本政策金融公庫の創業融資の金利が2%以上なことを考えると圧倒的な差ですよね。

◆起業時にどのくらいの融資が必要なのか明確にする方法

起業家にとっては、いくらぐらいの資金調達が必要なのか頭を悩ませるところです。融資の実行金額を決めるために、正確な事業計画書と数値計画書を作成するのをオススメしています。

事業計画書を作成する

事業計画書とは、自分が起業する事業を説明するための書類です。特に決まったフォーマットがあるわけではなく、比較的自由に作成することになります。資金調達のための融資を受けるという点で考えれば、第三者にわかりやすく事業を説明でき、将来性を論理的に説明できるような内容が良いでしょう。簡単な作り方の手順を紹介します。

1、お客様を明確にする

まずは自分達の提供する物やサービスを購入してくれるお客様は誰なのかを明確にします。どこにいる誰なのか、具体的であればある程良いでしょう。

2、自社のサービスを明確にする(競合も明確にする)

次に自社のサービスを明確にします。この時、何もわからない人が理解できるように自社のビジネスはなるべくシンプルにわかりやすく表現するようにしましょう。注意したいのは、他者との差別化や独自性のポイントも明確になるようにしておく事です。結果的に競合が誰で、競合の特徴なんかも洗い出す必要があるでしょう。

3、販売するチャネルを明確にする(協力者も明確にする)

お客様も明確になって、自社のサービスも明確になったら、そのサービスをどのようにしてお客様に届けるのかを明確にしましょう。数ある商品のラインナップから何をつかって誰に売るのかをわかりやすく説明出来るようにしておきます。インターネットを使うのか、ダイレクトメールを使うのか、デパートに置いてもらうのか、実店舗を構えるのか、口コミで販売するのか等です。その時に、紹介をしてくたり、売上の助けとなるような協力者もピックアップしておくと良いでしょう。

4、一枚の紙に落とし込んで図や絵で説明できる状態にする

これまでの内容を紙に全部書き出したら図や絵に落とし込んで説明できるようにしておいて下さい。これが後々、融資を申し込む時に役に立ってきます。自分のビジネスを何もわからない第三者にわかりやすく伝える方法は100万通りありますから、様々な工夫をして最高の事業計画書を作成しましょう。

数値計画書を作成する

事業計画書でビジネスの輪郭が出来たら、そこに血を通わせるために数値計画を作ります。

1、売上の推移の計画を作成する

まずは売上の推移を作成します。どれぐらいの売上が向こう3年から5年をかけて見込めるのかを作ります。まずは、堅実に今あるリソースで売上を立てるとどれぐらいになるのか、作成して見てください。もしかしたら、あまりの売上の少なさに愕然とするかもしれません。それを感じれただけでも、数値計画を立てた意味があるのですが、そこから具体的などんな行動をとる事で売上が最大化出来るのか色付けしていきます。このようにして、未来の売上の予想図を作っていくわけです。

2、経費の推移の計画を立てる

次に経費の推移を計画します。売上よりも計画は立てやすいかもしれません。まずは固定費と言われる大きな変動のない経費を計算しましょう。家賃や光熱費などの固定費をまずはざっくりと計算したら、売上の推移によって変わるような変動費も計算してみましょう。仕入れとか、広告費とか売上の増減によって増減する経費の事ですね。ポイントはざっくりとなるべく多めに経費を設定しておく事です。

3、資金繰りの計画を作成し融資受ける見込み金額を明確にする

すると起業して最初の頃は売上が少なく、経費が多い時期が続くと思います。どこかのタイミングで経費を売上が超えてくる時期がきます。それが黒字に変わるタイミングです。売上でなんとか事業を運転できるようになるタイミングですね。ただ、それまでは赤字の状態ですから、自己資金でまかなわなくてはいけません。自己資金で足りない部分は、融資等で資金調達しなければいけない金額となるわけです。

現金商売であれば、当月で売上が現金として入ってきますが、売上が数ヶ月後に入ってくるなどのビジネスモデルの時は、見込みの売上ではなく実際に通帳を行き来する具体的な現金の数字で表現する資金繰り計画表も作ることをオススメします。

◆起業時の融資による資金調達を絶対に成功させる7つのポイント

1、自己資金を上手になるべく多く貯めておく

・創業融資も制度融資も自己資金が必要

起業タイミングでの融資に共通している事は、会社の過去の実績がないため自己資金の金額が大きな要因になるという事です。創業融資も制度融資も自己資金でしばりが設けられています。創業融資であれば、HPでは融資金額の10分の1の自己資金が必要と書いてありますが、実質は2分の1から3分の1ぐらいあった方が安心です。制度融資も融資実行金額の半分ぐらいの自己資金で設定しているところが多いと思います。

・自己資金はコツコツ貯めていた方が評価が良いかもしれません

創業融資も制度融資も自己資金に要件があるため、自己資金を貯めた通帳を見せてくれと言われます。その時に、一気にどかんと100万円が入金されているよりも、5万円をコツコツ毎月貯めているような人の方が印象が高いです。コツコツ行動出来る人の方が融資の返済もコツコツ返してくれると思われているのでしょうか。

2、起業家が自分の事業をわかりやすく伝えられるかどうか

起業家が自分のビジネスをわかりやすく伝えられるかどうかがポイントとなります。自分はその分野に精通していても、融資を決定する相手は、そのビジネスについては詳しくない素人です。だからこそ、いかにそのビジネスが可能性があり、有望なのかをわかりやすく伝えるようにしましょう。事業計画書で作成した図式化して一枚にまとめる事も効果的だと思います。

3、社長の経歴やプロフィールを充実させる

起業時の融資は過去の実績が無い分、社長の過去の経歴や実績が重要視されます。そのため、社長の経歴やプロフィールは詳細に書いた方が良いでしょう。たとえば公庫の創業融資には創業計画書という融資を申し込む時のフォーマットがありますが、そこに記載する社長の経歴は少ししか情報を書けません。そんな時には蔑視参照としてもらい、ワードか何かで詳細な経歴やプロフィールによって、その社長がやるからこそ事業が成功すると思わせるような資料に仕上げましょう。

4、返済原資がちゃんと発生する数値計画を立てる

融資を受けるための数値計画や事業計画で金融機関はどんな点を見ているかと言えば返済原資がちゃんと確保出来るかどうかです。言い換えれば貸した金を返せるぐらいの利益がちゃんと出せるかどうかです。数値計画は気をつけないと数字遊びになりがちですので、相手が納得するようなストーリーが大切です。

5、融資の借り入れ金額は甲案と乙案を作成する

数値計画はあくまでも計画なので、いかに説得力をもたせようとも金融機関は結構シビアに見てくる事もあるそうです。売上がこんなに伸びるから融資して下さいと言っても足元を見てくる可能性もあります。1000万円の融資は無理だけど、500万円の融資可能性があるなら両方のパターンで事業が成り立つ事を証明する甲案と乙案を出すと良いかもしれません。満額ならこの計画が可能ですが、満額でなくてもこのような計画で事業の遂行ができます、みたいな感じです。

6、担当者を味方につける

融資を申し込む時に、自分と金融機関の窓口となるのは融資担当者です。まずはこの担当者を味方につける事で少しでも融資可能性を引き上げる事が出来るかもしれません。金融機関では担当者と相談を重ね面談をして申請をした書類を担当者が稟議をあげて決裁者が融資をするかどうか決めます。すると担当者が決裁者に良いプレゼンをするかどうかにかかっているわけですね。

7、売上の立つ見込みの証拠をかき集める

やはり融資を受けるにあたり売上の予測が実態に即している事を客観的に説明するための資料は多いに越したことはありません。見込み顧客が購入を約束してくれたメールやアンケート。実際に事前購入してくれた情報や、仮の契約書など売上の証拠となる情報はあればある程良いでしょう。

◆融資以外の起業時の資金調達方法

最後に起業家が融資以外で資金調達する方法を調べてみました。

起業時に受けれる補助金・助成金で資金調達

資金調達という点では、起業時に受けれる補助金・助成金を活用する事が挙げられるでしょう。国としても、欧米並みの起業率にしたいと考えていますので、今後も継続的に起業家を支援する補助金や助成金がリリースされると思います。

起業時に受けれるという意味で、株式会社設立前後で対象となる補助金や助成金についてまとめた「補助金や助成金を活用して株式会社設立後の事業のスタートダッシュをかける方法」をご覧下さい。

クラウドファンディングで起業を応援してもらって資金調達

最近ですとクラウドファンディングを利用した資金調達も流行っています。新しいモノやサービスについて共感してもらうことでお金を集めます。日本では購入型のクラウドファンディングが主流ですので、支援してくれた金額によって新しいモノやサービスの事前購入をしてもらうといったイメージです。これによって資金調達だけでなく、見込み顧客の調査などマーケティング等にも活用できます。

家族・友人へ起業時の事業計画を持参して資金調達

起業して融資だけでなく資金調達を本気で考えるのであれば、家族・友人・知人に協力を仰ぐというのも忘れてはいけない一つの方法です。ただ、お願いするだけでなく、いかに事業に可能性があるのか事業計画書も持参してお願いし、できれば事業計画に対する率直な意見をもらいながらブラッシュアップも出来ると良いです。

起業時の私募債を利用した資金調達

起業して株式会社を設立している場合には私募債という形で資金調達を募ることも可能です。他の資金調達の方法と比べても少し難しさはあります。詳細についてはこちらの「私募債による税金対策の注意点と資金調達の可能性」の記事をご覧ください。

ビジネスコンテストによる資金調達

様々な場所で行われているビジネスコンテストで優勝・入賞する事で賞金を資金調達に充てたり、特別な融資を受けれるものもあったりします。起業時の資金調達を検討する時には可能性があるかどうか探るようにましょう。

倒産防止共済(セーフティ共済)の融資を利用した資金調達

倒産防止共済という通称セーフティ共済というものがあります。取引先が倒産したことにより、連鎖倒産が発生するのを防ぐ意図があります。その中で倒産防止共済で解約手当金の95%を臨時に事業資金として借り入れすることが出来る点です。起業してすぐというわけにはいかないかもしれませんが、事業が起動にのっているうちに税金対策としてセーフティ共済に掛け金を支払っておき、もしもの時いは一時金の借り入れや、掛け金の取り崩しという方法も検討可能です。

◆【決定版】起業時に融資による資金調達を成功させる7つのポイント、のまとめ

いかがでしたでしょうか。起業時の資金調達として融資に関する情報をまとめさせていただきました。具体的には創業融資と制度融資の可能性を上げるための7つの方法を中心に紹介しましたが、事業において現金は血液ですから、それを無くさないように計画的に事業を運営する必要があります。

ただし、計画通りに行かないのが経営というものですから、常に改善行動を素早しスピードで実施し続けることも非常に大切です。頭で考えて計画を立てながら、体で行動して次々結果を出していくバランスがうまく取れた時に事業がうまくいくのだと思います。

起業時の融資という観点でいえば株式会社設立後の融資についてまとめさせて頂いた「株式会社設立後に融資を受ける可能性を飛躍的に上げる方法」という記事をご覧下さい。