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会社員は副業が赤字でも確定申告した方が良い!サラリーマンの個人事業で還付金受けて節税する方法

これから副業・兼業・パラレルキャリアと一人のサラリーマン・会社員が一度に複数の仕事をしている事もめずらしくなくなると思います。実際に政府としても副業・兼業を後押しする動きが広がっています。

そのためサラリーマン・会社員としてお給料をもらいつつ、副業や兼業で確定申告をする人も増えていくと思います。その前提で、ネット上では様々な節税対策が囁けれていますが、意図的に副業を赤字にして損益通算をして還付金を受けることの危険性と対方法について整理したいと思います。

この記事でわかること

・サラリーマンや会社員が副業・兼業にて損益通算をして還付金を受ける危険性
・本来サラリーマンや会社員が行うべき副業・兼業における節税対策

目次

◆個人事業主やサラリーマン(会社員)の税金を納める仕組み

日本では働いて収入を得たらその金額に合わせて税金を納めます。税金の種類としては以下です。

個人事業主やサラリーマン(会社員)が納める税金
  • 所得税:働いて稼いだお金にかかる税金です。
  • 事業税:個人事業主の行なっている業種によってかかる税金です。
  • 住民税:収入のある人が住んでいる地域に納める税金です。
  • 消費税:すべての人が物を買ったり、サービスを受けたら発生する税金です。
  • 社会保険料:税金ではないですが健康保険や年金の財源となるお金です。

このように私たちの周りにはたくさんの種類の税金がありますが、個人事業主の場合とサラリーマン(会社員)の場合では税金の計算の仕方や納める手続きの方法が違うので改めて確認しておきましょう。

特に会社勤めの人たちは自動的に会社が税金の手続きをしてくれるので、改めて自分の納めている税金について考えてみる機会にしてください。

(1)個人事業主は確定申告をして税金を決定するところからスタート

個人事業主はサラリーマンと違って自分で確定申告という手続きをして税金を払います。

1、個人事業主とは?確定申告とは?

どの会社にも雇われず、自分で商売をしてお金を稼いでいる人が個人事業主です。毎年1月から12月までの売上や経費を計算して納めるべき所得税や事業税を翌年の3月15日までに決定します。

税務署へ申告するという意味なのですが、この作業を確定申告と言います。税理士を雇わない時は自分で会計ソフトのfreee(フリー)などを使って申告をします。

2、個人事業主の住民税に関して

確定申告で決定した情報が、それぞれ居住する市区町村に情報が送られ住民税が計算されます。だいたい6月までに決定した住民税の振込用紙が個人事業主のお手元に届くはずです。

ごはんつぶ
住民税が去年の収入に紐づいていると言われるのは、こうした手続における半年ぐらいのズレがあるからなんだね。

(2)サラリーマン(会社員)の税金は源泉徴収されて年末調整で決定

サラリーマン(会社員)は会社の方で自動的に税金の手続きをしてくれます。

1、会社員・サラリーマンの所得税は源泉徴収される

わかりやすくサラリーマンを想像すると、この人たちは毎月お給料をもらっているわけです。そして、お給料から所得税を差し引かれた金額が支給されているはずです。元々のお給料(源泉)から税金を差し引く(徴収)という意味で源泉徴収と言ったりします。

2、住民税も基本的にお給料から天引きされる

サラリーマン(会社員)の住民税も基本的にはお給料から天引きされているはずです。一部では会社を介さず個人で直接納めている人もいますが、今は基本的に各自治体が会社から徴収して会社がお給料から天引きするスタイルのはずです。

3、年末に調整するから年末調整

お給料から源泉徴収される所得税はルールに沿って徴収されています。でも、一人ひとりの扶養控除や生命保険の控除などは加味されていません。そこで年末に再計算して正確な所得税の金額を決定するのです。

サラリーマンが副業している時の税金の手続き

サラリーマン(会社員)が副業をしている時は二種類の収入がある状態です。会社からもらっているお給料は所得税が天引きされて、副業で稼いだ分は確定申告をして税金を決定するわけです。

◆副業が赤字の場合に税金対策できる「損益通算」の注意点

サラリーマンが副業をしている時に「損益通算」をする税金対策方法をネット上で聞くことがあります。

(1)副業が赤字の時に使える損益通算とは

損益通算とは副業の確定申告で出た赤字を、会社員で稼いでいるお給料で相殺して税金対策する方法です。

会社に勤めてお給料をもらっているAさんが居るとします。Aさんは毎月のお給料から所得税が天引きされています。Aさんは今年から副業を始めました。軌道にのるまで売上は伸びないため今年は赤字です。確定申告をした時に副業で発生した赤字を相殺することでお給料をもらう時に天引きされていた所得税が還付されるのです。

(2)副業を赤字にして税金対策する時は事業所得として認めさせないと危険

副業の収入の種類として雑所得と事業所得の二種類があります。副業を赤字にして税金対策する損益通算をするためには雑所得ではなく、事業所得として認めさせないといけません。

1、雑所得とは何でしょう?

雑所得とは「税務署で分類している収入の種類のどれにも当てはまらないもの」の事です。副業で得たちょっとした収入やらFXやアフィリエイトなどで得た収入も事業規模でなければ雑所得になると言われています。副業における収入が雑所得とみなされてしまうと、二つの大きなデメリットがあります。

副業が雑所得となった場合の二つのデメリット

【1】青色申告の恩恵を受けれない

青色申告という方法で確定申告の手続きをすると、税金が安くなる特別ルールが適用されます。雑所得の場合は、そうした特定の恩恵を受けれなくなってしまいます。特に青色申告特別控除というルールが使えないのは残念です。

【2】副業を赤字にした損益通算が使えない

今回のメインテーマである損益通算は副業が雑所得とみなされてしまうと使えません。あくまで、次で説明する事業所得だからこそ、利用できるルールなわけです。

2、事業所得とは何でしょう?

事業所得とは事業における所得、つまり売上のことです。どうすれば事業所得としての条件がそろうのでしょうか?これに関しては明確に法律などで定義されているわけではないので、過去の事例などに基づいて考えなくてはなりません。

過去の裁判例では「自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有するもの」とされています。個人事業主の開業届を出しただけでは事業所得としては認めてもらえず、税務調査の時に雑所得とみなされてしまったなんてこともあるぐらいです。

(3)赤字を損益通算するために事業所得として認められるための条件とは?

残念ながら国税庁側では何をもって事業所得となるのかのボーダーラインは明確に定められていません。ちなみにマイナビニュースが国税庁に「会社員が副業を事業所得として確定申告する目安」を確認した時の回答は以下です。

事業所得としての副業は、営利性・有償性・継続性・反復性があるか、精神的あるいは肉体的労力の程度や人的・物的設備があるか、また、社会的地位・生活の状況などを考慮して判断します。加えて、その事業が生活の糧となるものか、一般的に職業として認知できるかも判断材料となります。(国税局)

一つ一つ具体的に見ていきましょう。

1、収入の規模が事業といえるものかどうか

副業による収入が事業と言える規模かどうかが一つの基準です。ただし、どれぐらいの売上があれば事業規模だと言えるかは明言されていません。趣味の延長とか、お小遣い程度しか稼げていないのであれば、事業規模へ成長していく道筋を明確に示せた方が良いでしょう。

2、取引が継続されたり、反復されているかどうか

たまたま一瞬大きく売上が発生したような場合は、事業収入とみなされない可能性が高いです。事業として成り立つには継続的に売上が発生して、その仕事が存続しなければいけませんよね。FXなんかは投機性が高いので、事業収入として認められない事がほとんどです。過去の判例でもNGでした。

3、本業とのバランス

本業とのバランスとは、生活の基盤が本業に依存しているかどうかです。本業に依存していれば、副業はあくまでサブ的な扱いで事業としてみなされない可能性がゼロではないという事です。これも基準があるわけではないので、あくまでそうした見方があるという事で認識しておいて下さい。

4、稼ぐ気があるかどうか・趣味ではないかどうか

これも趣味的な感じで片手間でやっていないか、といった観点で見られるようです。趣味でも稼げば立派な仕事じゃん!と思うかもしれないですが、やはり税務署は「社会通念上仕事と言えるかどうか」という視点で見て来るようです。とはいえ、何を持って仕事と言えるかは、曖昧なラインですから明確に出来ないのが残念なところです。

5、行き過ぎた税金対策が目的の事業ではないか?

これは後半にも説明しますが、損益通算を第一の目的として意図的に副業を赤字にする事はダメです。税務署も、こうした動きは敏感に察知するようです。ウワサによると、損益通算する時には、副業の事業内容を細かく聞かれる事もあるようです。まぁ、事業として立ち上がらせようとしているのに、何年も赤字を出し続ける事は、通常では考えられないですからね。そうした動きには注意が必要です。

6、ちゃんと労力をかけているかどうか

これも事業であるからこそ、一定の労力、つまり時間をかけて運営をしているかどうかも一つの判断材料となるようです。仕事終わりにちょっとだけ。土日に本の数分だけ、みたいな感じだと事業として成り立たせる労力をかけたかどうか疑いをかけられてしまいそうです。

ごはんつぶ
なんだよー、細かくみていっても、結局ふわっとしてわかりにくいじゃんかよ!お小遣い程度の稼ぎだと、雑所得になりそうだけど、事業としての成長の途中だと考えれば事業所得でも良さそうじゃんかよー。

そうですね。私も念のため税務署に電話で問い合わせてみたのですが、確定申告時には税務署側で所得がどこになるのかの判断をするのではなく、あくまで事業主に任せるみたいな話をしていました。

ごはんつぶ
それじゃ、事前に相談して曖昧な感じで事業所得で進めてしまったら、数年後に税務調査が入って結局ダメでした・・・なんて可能性も十分あるじゃん。そんなのズルいよ!

そうですね結局のところ入るかどうかわからない税務調査の時に明確になるわけですよね。本当にサラリーマンとして副業を事業として進めるのであれば、税理士ドットコムなどで税理士を探して相談しながら確定申告をするのも一つの方法だと思います。来たるべき税務調査を戦うために専門家と準備をして臨むわけです。

◆副業を赤字にして還付金を受け取って税金対策をする危険性

副業を赤字にして税金対策を意図的に行う事についてのリスクを念のため共有しておきたいと思います。

(1)副業をわざと赤字にして税金対策をして還付金をもらう危険性

還付金を受け取るためだけに副業をすることは脱税と言われかねない可能性があるので十分気をつけて下さい。

1、損益通算は裏技でも何でも無い

副業が赤字の場合は翌年以降に赤字を繰り越して税金対策することは王道の方法です。給与の収入と事業所得の赤字を相殺して損益通算をすることは広く知られた方法です。ただし例えばサラリーマンが脱サラして飲食業を始めた時などは一年目は赤字になることがほとんどです。その赤字をサラリマーマン時代にもらっていたその年のお給料と相殺して還付を受けるのは何ら悪いことではありません。

2、損益通算のために副業をでっち上げ赤字にして還付金を受けるのは犯罪行為

なぜこれが危険な税金対策かというと過去に副業をでっちあげて還付金をもらい逮捕者が出ているためです。まっとうに副業を事業として初めて、店舗準備など設備資金でどうしても赤字になってしまう場合だったりなら問題ないです。意図的に副業をでっちあげて赤字にして還付金を受けとることは脱税行為ですのでおすすめしません。

ごはんつぶ
確かに、向こう何年もずーっと赤字続きの事業なんて、普通なら存続しないし、ボランティアじゃないんだから存在する意味なんか無いよね。

3、過去に副業を赤字にして税金対策を進めたコンサルが逮捕されたこともあります

副業を赤字にして還付金を受け取る税金対策ですが、過去に逮捕者も出ている危険な方法です。2013年2月にコンサルとして複数のサラリーマンに対して趣味などを副業として見立て赤字を出して確定申告をさせ還付金を受け取るという方法をした方が所得税法違反で逮捕されました。

そのコンサルタントの顧客は自分の得意分野に合わせてスポーツインストラクターや塾講師、グラフィックデザイナーなどの副業をし、家賃や携帯代、自動車などを積極的に経費にして意図的に赤字にしていたようです。それぞれの顧客は本業では会社員として給与収入を得ていたわけで、その収入と相殺して還付金を受け取っていたわけなんですね。

このように副業をでっち上げて赤字にする方法は完全にアウトなので気をつけて下さい。

(2)事業用経費がどこまで認められるか問題

副業が事業所得になると自信を持って言える状況でも、どこまで経費を認めて大丈夫なのかという問題もあります。

たとえば自宅を事務所兼住居で使っていたとしても100%経費にすることはできません。自動車を事業とプライベート両方で使っている場合も全額経費には無理があります。

個人事業主が経費を活用して税金対策する方法

個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法や考え方をまとめてみました。詳しくは「個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法」の記事をご覧ください。

実はプライベートと事業と混在する経費については法律では明確な線引きはありません。ここで紹介する裁判の事例などは申告をしなくて争われたり、高級車を経費にしてすごい高い金額を計上して目立っていたり極端な例がベースになっています。ただ説明を求められた時に相手に納得をしてもらえるような説明の準備をしておくことが大切です。

1、インターネットの通信費は経費に入れるのに厳しい判断がされている

平成25年3月7日の大阪国税不服審判所の判決では通信費は経費にできないと判断されています。正確には「通信費には業務上の経費が含まれていることは認めているが、明確にプライベートと事業を区分できないので全額必要経費にしないという処分はOKです」としているのです。この裁決では、パソコン購入費や電話利用料金も同様に経費にできないとしています。

2、自宅の家賃や水道光熱費も過去の判例では認められないケースもある

東京地裁平成25年10月17日判決では、自宅で保険代理店を営む納税者が払った家賃も経費として認めないとしています。この住宅は2階建の3LDK住宅で構造上、居住用部分と事業用部分とに明確に区分ができないと指摘がありました。住宅の中に納税者が主張する業務専用のスペースを認めることができないと判断したわけです。

3、車両関連費も経費にする時はちゃんと記録を残さないと厳しい

勤務医兼医療コンサルタントを営む納税者が車両の経費を70%で計算していたところ税務署から約31%に直されました。不服として裁判を起こしたらさらに少なくなって9%しか経費として認められなかったという事例もあります。

税務署の時は週で車を使用している日数の割合で経費に再計算しました。しかし裁判では運行記録など基準となる記録がないため一年間のうち業務のみでしか車を使っていない日だけで再計算したところ9%にしかならないとしたのです。

ここで紹介した判例はあくまで極端な事例かもしれませが、雑に会計や税務の処理をしていると自分にも起こりかねない事だと思います。税理士を雇うほどでなくても会計ソフトのfreee(フリー)などを使えば比較的カンタンに処理ができてしまいます。

もし税理士に積極的に相談をしたいのであれば税理士ドットコムで自分に合った税理士を探してみるのも良いでしょう。

◆「副業を赤字にした税金対策」まとめ

サラリーマンが副業をして赤字の時に税金対策をする場合は気をつけてくださいね。

もちろん度を過ぎた税金対策は時として犯罪になる可能性もあります。ただし、原則や仕組みを理解して、気をつけるポイントを踏まえた上で負うリスクは何も知らずに負うリスクとは雲泥の差があります。

まとめ

・サラリーマンである自分の副業が雑所得なのか事業所得なのか判断する。
・意図的に副業をでっちあげて赤字を作って損益計算するのは脱税と理解する。
・副業の事業所得でも経費にする時には最新の注意を払って経費にする。

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