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年末調整と扶養控除等申告書について小学生でもわかるように説明します!個人事業主や経営者は必読

会社員だったことのある人なら、年末になると「扶養控除等申告書」なるものを書いた覚えがあるのではないでしょうか。

そして年末調整といいながら、わけもわからず会社に書類を出すと還付金が出て少しトクした気分になれる。勤め人なら、それぐらい受け身の感覚で問題ないと思います。

しかし個人事業主や経営者であれば、この年末調整の仕組みや、扶養控除等申告書との関係は理解しておきたいものです。

そこで脳みそちぎれるぐらい考えて、小学生でもわかるように年末調整と扶養控除等申告書について説明したいと思います。

この記事でわかること

・扶養控除等申告書を毎年提出する理由や意味。
・年末調整をすることで還付金が戻ってくる仕組み。

目次

◆扶養控除等申告書とは?提出する意味や対象者は誰?

年末調整や扶養控除等申告書の役割を理解するためには、お給料をもらっている人たちの税金を納める仕組みから整理するとわかりやすいです。

年末調整も、扶養控除等申告書も、会社員など働き手が正しく税金を納めるたに必要な手続きなのです。

(1)会社員の給与から源泉徴収される所得税の仕組み

会社員でもアルバイトでも、お給料をもらっている人は所得税を払っています。所得税は収入に紐づく税金です。

これは国が税金の取りっぱぐれが無いように、あらかじめ会社側にお給料から税金分を差し引くように命令しているわけです。

お給料の額面から、所得税を天引きしたものを受け取っているんですね。こうやって会社員など働くサラリーマンの所得税は徴収されています。

(2)扶養控除等申告書の提出によって甲乙が決まる意義

お給料から天引きする所得税は、源泉徴収税額表という毎年国税庁から出される早見表で計算します。

毎月の給与計算の作業がラクになるように、この早見表を使って概算で計算できます。そして源泉徴収する金額は大きく分けて「甲」と「乙」の二種類です。

おおもりくん

源泉徴収する金額の種類を「1」とか「2」ではなく、「甲」とか「乙」で表現するのは日本的だね。

1、扶養控除等申告書を出せば安い方の「甲」で源泉徴収

安い方の金額で源泉徴収するには「扶養控除等申告書」を会社側に提出しておかないといけません。

会社側はこの扶養控除等申告書を受け取ることで、「甲」の金額を当てはめて源泉徴収をすることができるようになります。

おおもりくん

ボクも会社に入社した日に、この書類を書いて出してって言われたけど安い方の源泉徴収額を使うためだったんだ。

2、扶養控除等申告書を出せないときは「乙」で源泉徴収

この扶養控除等申告書を出していないと高い源泉徴収額である「乙」を使って計算します。

これは従業員の人が提出してくれないケースや、会社側がたまたまもらうのを忘れてしまうことが考えられるかもしれません。

一番多い「乙」で源泉徴収する理由は、従業員が二ヶ所以上の会社からお給料をもらっているパターンです。

(3)扶養控除等申告書は一人一枚しか提出することはできません

二ヶ所以上で働いている従業員に対して高い方の源泉徴収税額である「乙」を利用するのは、扶養控除申告書は一人一枚しか提出することができないからです。

たとえば私が株式会社Aで働いていたとします。土曜日はアルバイトで株式会社Bで働いています。A社とB社の両方からお給料をもらっているのです。

扶養控除等申告書は、一人一枚しか出せないので、私はA社かB社のどちらかにしか提出できません。そして提出したA社で「甲」の金額で源泉徴収されます。提出していないB社では「乙」の金額で源泉徴収されるのです。

二ヶ所以上で働いている人は、メインで働いている職場に扶養控除等申告書を出します。

これまでの説明を読むと、「乙」の方で源泉徴収されてしまったら損をしているように見えますよね。

でも最終的には二ヶ所以上で働く人は、確定申告するので正しい税金で払っている状態になります。

◆お給料が一ヶ所なら年末調整で、二ヶ所以上なら確定申告

年末調整とは、「年末に従業員の所得税を再計算して調整する」ことを指します。一ヶ所だけからお給料をもらっている人はみんな会社が年末調整をしてくれるのです。

しゃもじい

本来はみんな、確定申告をして正しい税金を納めることになるんじゃが、そんなことをしたら税務署はパンクしてしまうぞい。

おおもりくん

そっかぁ、だから一ヶ所でお給料もらっている人は、会社の方で年末調整をしてあげることで確定申告をしなくて済むようにしてあげているんだね。

(1)年末調整とは年末に所得税を再計算して調整すること

年末調整は12月のタイミングで正しい所得税に再計算してあげます。

サラリーマンの所得税は、毎月のお給料から天引きされています。給与計算の負担を少なくするために、概算で天引きしていて、これを源泉徴収と言います。

毎月源泉徴収している所得税は、一人一人の状況に照らし合わせて計算していません。

扶養家族がいたり、配偶者がいたり、生命保険に加入していたりすると、所得税が安くなるのです。

こうした個々人の状況に合わせて年末に調整することを「年末調整」と読んでいるのです。

おおもりくん

年末調整をして、所得税を払いすぎていたら還付金として戻ってくるんだね。

しゃもじい

あまりないけど、源泉徴収している所得税がなにかの間違いとかで足りないときは、逆に徴収されることもあるぞい。

年末調整の続き

年末調整によって毎年12月に一年分の収入に対する所得税が計算できたら、次に会社から従業員に対して「源泉徴収票」が渡されます。

これは、あなたがこの一年間でどれぐらいの収入があって、所得がどれぐらいか証明する大切な書類なので捨てずに大切に保管しましょう。

さらに会社は、あなたの住んでいる市区町村へ年収や所得を報告します。これを「給与支払報告」と言うのですが、この報告を受けた市区町村が翌年のあなた住民税を決めるのです。

ちなみに、なんで年末にこのような作業をするのでしょうか?それは年末にならないと年収が決まらないからです。

しかも生命保険をトータルでいくら払うとか、年の途中で結婚して配偶者控除ができるようになるとか、個々人の状況が確定する年末に所得税を再計算しないといけないわけです。

会社の社長も年末調整は必要

よく質問されるのですが、社長をはじめ会社役員として役員報酬を受け取っている人たちも、毎月源泉徴収で所得税が天引きされています。

従業員と同じように、一ヶ所だけのお給与なら扶養控除等の申告書を出して必ず年末調整するようにしましょう。

(2)二ヶ所以上で働いている人は年末調整でなく確定申告

確定申告とは一年分の収入などから計算して、所得税をこの金額で確定して納めます!ということを税務署に行う作業です。毎年3月15日までに対応します。

1、二ヶ所以上からお給料をもらっていれば確定申告

サラリーマンまで確定申告すると、税務署がキャパオーバーになってしまうので年末調整で会社ごとに完結する仕組みをとっていました。

ただし、二ヶ所以上からお給料をもらっている人は会社側で正しい収入を把握することができません。

そこで二ヶ所以上のお給料をもらっていれば、確定申告するように言われるわけです。

2、乙で源泉徴収されていても確定申告で正しい金額に再計算

先ほど、高い方の源泉徴収税額である「乙」で計算していたら損しているのでは?というお話がありました。

これは確定申告をすることで、結果的に正確な収入に対する所得税が計算されるので損することはないです。(あくまで、納め過ぎてしまうことはなくなる、という意味です。)

たとえばA社で500万円の給与をもらっているとします。B社から100万円のお給料をもらっています。それぞれの会社から源泉徴収されているのですが、合計した600万円に対して年末調整をすることができないのです。

A社もB社も全く別の会社だから当たり前ですよね。

そのため自分でA社とB社から合わせて600万円の収入があるとことを、税務署へ確定申告で正しい所得税を計算するんですね。

おおもりくん

ちなみに個人事業主は扶養控除等申告書は出さないといけないのかな?

しゃもじい

個人事業主は源泉徴収されているわけではないし、どうせ必ず確定申告するからわざわざ扶養控除等申告書は提出しなくてよいのじゃ。

◆「扶養控除等申告書と年末調整」まとめ

扶養控除等申告書を出しておくことで、源泉徴収で安い方の金額(甲)で計算することができるようになります。

そして年末に正しい金額で所得税を再計算するために年末調整をするのです。

この扶養控除等申告書は一ヶ所にしか提出できないので、二ヶ所以上で働いている人は、メインで働く会社にしか出せません。

二ヶ所目のサブで働いている会社には扶養控除等申告書を提出できないので、高い方の金額(乙)で源泉徴収されるわけですね。

でも二ヶ所以上で働いている人は、必ず確定申告をしないといけないので最終的には正しい税額が出てします。安心してください、損はしてませんよ。

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