起業を目指して一歩踏み出したものの、ふと「どうせ自分なんて…」とネガティブに陥ってしまう。たとえば、育休中に副業を考えている20代女性や、会社を辞めて独立したばかりの30代男性など、そんな気持ちに襲われた経験はありませんか？
誰にでもある自己否定の瞬間。でも、その思考に飲み込まれてしまうか、それとも前向きに立て直せるかで、起業家としての未来は大きく変わります。
本記事では、自己否定を乗り越えて起業家として前に進むための「マインドチェンジ」の具体的方法を、心理学的な知見と実例を交えて紹介します。焦らず、優しく、自分自身と向き合うきっかけにしてください。
「どうせ自分なんて…」の正体｜自己否定の心理メカニズム
起業という未知の世界に踏み出すと、誰しも不安や恐れを抱きます。その感情が積もると、やがて「自分には無理かも」という自己否定に繋がることがあります。
起業家によくあるネガティブ思考のパターン
たとえば「まだ経験がないから無理だ」「他の人はもっと優秀に見える」など、自分を他人と比べて劣っているように感じることがあります。これは起業家に限らず、挑戦の場にいる人なら誰しもが通る道です。
実際に、ある起業塾の参加者・佐伯さん（30代・女性）は、「他の人がキラキラ見えて、自分だけが場違いに思えた」と話していました。けれどその“場違い感”こそが、変化の一歩を踏み出す合図だったのです。
不安や劣等感が出てきたら「本気で挑戦している証拠」だと捉えてみましょう。最初から自信満々な人なんていません。
「自己否定」の裏にあるものとは？脳と心の仕組み
心理学では、人間の脳は変化や未知に対して警戒心を持つ性質があると言われています。これは“自己保存”の本能によるもの。つまり、「やめておこう」「無理に決まってる」といったネガティブ思考は、ある意味で“自分を守るための反応”なのです。
これを知っておくだけでも、自分を責める必要はないと感じられるはずです。
「自分が弱いからじゃなくて、脳がそういうふうに働いてるだけ」と気づけると、ぐっと楽になりますよ。
ネガティブ思考が起業に与える影響とは？【事例あり】
自己否定が強まると、行動そのものが止まってしまうリスクがあります。
たとえば「営業が怖い」と感じていた山本さん（40代・男性）は、「断られるのが怖い」という思考から、半年以上サービスをリリースできずにいました。
その間に類似サービスが先に市場を取ってしまい、機会損失を経験。後悔しながらも、「あの時の自分を責めても仕方がない。今できることを始める」と再スタートを切っています。
大事なのは「気づいた時に立ち止まらず、小さくても行動を起こすこと」です。
ネガティブ思考を変える！マインドチェンジ実践法
「ネガティブになるな」と言われても、感情はそう簡単に切り替えられません。でも、思考のクセを少しずつ変えていくことは誰にでも可能です。
「言葉」が現実をつくる｜セルフトークの力を知る
脳は、主語を理解せず“言葉の内容”をそのまま受け取る傾向があります。
たとえば「どうせ自分なんて」と口にすれば、その言葉が自分の現実になる。一方で「大丈夫、今は準備中なだけ」と言い換えれば、脳も少しずつ前向きに切り替わっていきます。
これは「セルフトーク（自己対話）」と呼ばれ、NLP（神経言語プログラミング）でも活用されている方法です。NLPは、脳の思考パターンと言語の使い方を最適化する心理技術の一つで、たとえば「脳はパソコンのOSのようなもので、どんな言葉をインストールするかで動き方が変わる」と考えるとわかりやすいでしょう。
ひいろのコメント：ネガティブな言葉を言いそうになったら、「いま、自分にどんな言葉を贈ると元気になれるかな？」と問い直してみましょう。
認知行動療法・NLPから学ぶマインド転換のテクニック
心理療法の一種である「認知行動療法」では、ネガティブな思い込みを客観的に書き出し、事実と照らし合わせて考え直すトレーニングがあります。
例：
- 思い込み：「自分はいつも失敗する」
- 事実確認：「先月のセミナーは満席だった」
また、NLPの「アンカリング」という技術では、自分が前向きになれた過去の瞬間を思い出し、そのときの感情や姿勢を今に再現することで、意識を切り替えることができます。
紙に書いて見える化するだけで、頭の中がスッキリすることも多いですよ。
5分でできる！自己否定を脱する具体ワーク3選
- 感謝リストを3つ書く：毎日違うものを書くのがポイント
- 「今日できたこと」を1行メモ：どんなに小さなことでもOK
- 未来の自分から手紙を書く：「がんばってるね」と優しく声をかける
これらは科学的にも「自己肯定感の回復に効果がある」とされるアプローチで、数多くの研究結果も存在します。
大事なのは「続けること」です。1回で劇的に変わる必要はありません。
自己否定から脱却した起業家のストーリーと共通点
理論も大事ですが、リアルな事例はもっと力になります。ここでは自己否定を乗り越えた2人の起業家のストーリーを紹介します。
「自分なんて」が口癖だった起業家の転機とは？【ストーリー紹介】
元保育士の高橋さん（女性・30代）は、起業に興味はあったものの「何のスキルもない」と思い込んで一歩を踏み出せずにいました。
しかし、あるとき起業仲間に「それ、あなたの強みだよ」と言われたことがきっかけで、オンライン保育相談サービスをスタート。
今では月商30万円を安定して稼ぐまでになりました。「あの一言がなければ、私は今も動けていなかったと思う」と語ります。
「他人にとっては当たり前でも、自分にとっては大切な強み」ってあるんですよね。
乗り越えた人が実践していた共通マインドとは？
自己否定を乗り越えた起業家たちに共通していたのは、次の3点でした（これはGROWモデルでいう「Reality（現状の理解）」と「Options（選択肢の模索）」を丁寧に行っていたともいえます。また、キャリアアンカーでいうと「自律・独立志向」や「サービス・社会貢献志向」にもつながるマインドです）：
- 自分の言葉に耳を傾ける「セルフリスニング」
- 小さな成功体験を積む「スモールステップ」
- 支えてくれる人の存在を大切にする「関係性」
特に「自分の声に耳を傾けること」は、コーチングでも最重要とされる技術です。自分の内側にある声を、否定せずに聞いてあげることで、前に進む力が湧いてくるのです。
「誰かに褒められる」よりも、「自分が自分を認める」ことが、いちばんのエネルギーになります。
読者に贈る｜今日からできる一歩の踏み出し方
- 今の気持ちを紙に書く（ネガティブでもOK）
- 小さな行動目標を1つ決めてみる
- 「がんばらなくていい。まずは試してみよう」と言葉をかける
起業は、常に“わからないこと”との出会いです。不安があって当然。その中で、一歩だけでも踏み出した自分を褒めてあげてください。
「踏み出せた一歩」こそ、あなたが“冒険者”である証です。
まとめ｜「どうせ自分なんて…」は変えられる
自己否定は誰の中にもあるもの。だからこそ、その感情とどう付き合っていくかが、起業家としての未来を分ける大きな鍵になります。
今回紹介したように、脳の仕組みを知ること、セルフトークや心理ワークを取り入れること、他人との比較ではなく「自分自身と向き合う」こと。
そして何より、「それでも一歩踏み出す自分」を大切にすること。それらができれば、たとえ不安や否定感がよみがえっても、また立ち上がる力になります。
起業という冒険には、不安も孤独もつきものです。でも、この記事が少しでもあなたの背中をそっと押す存在になれたなら、これ以上の喜びはありません。誰かにこの言葉を届けたいと思ったら、ぜひシェアしていただけたら嬉しいです。
「どうせ自分なんて…」という言葉が出てきたら、「それでもやってみたい自分がいる」と声をかけてみてください。その一歩が、未来を変えていきます。
コメント