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会社設立時の資本金はいくらにすべき?株式会社と合同会社で異なる決め方

会社を作るときにまず悩むのが「資本金をいくらにするか?」という問題です。 この記事では、「資本金ってそもそも何?」「1円でもいいって本当?」「どのくらいが普通?」といった起業初心者の方が抱きがちな疑問を、できるだけわかりやすく解説していきます。

会社形態(株式会社・合同会社)による違いや、出資額がどんな影響を持つのか、さらには資本金と税金の関係まで、実務的なポイントもカバーしています。

専門用語には丁寧な補足をつけ、身近なたとえ話も交えながら、「読んで納得、すぐ使える」内容にしています。これから起業を考えている方、会社設立の準備をしている方にとって、資本金の決め方に迷わなくなる“完全ガイド”として、ぜひ最後までご覧ください。

目次

資本金の基本と最低額はいくらから?

資本金とは何か?出資と経営・議決権の関係

資本金とは、会社を設立するときに「会社に預けるお金」のことです。会社の活動をスタートするための“元手”であり、「この会社には〇〇円の資金力がありますよ」という対外的なアピールにもなります。

たとえば、あなたが友達と一緒にお店を始めるとき、「最初にいくら出し合う?」という相談をすることがあると思います。それがまさに“資本金”のイメージです。

株式会社では、出資した割合に応じて「どれだけ発言力(=議決権)があるか」が決まります。たとえば100万円のうち50万円を出した人は、発言力も50%というわけです。

一方、合同会社では、出資するとそのまま“経営メンバー”になるのが原則です。誰がどのくらい経営に関わるかは、自由に取り決めることができます(定款で決めることが多いです)。

株式会社は「出資したお金の多さが発言力になる仕組みのクラブ」 合同会社は「お金を出した人は全員でお店を切り盛りする仲間」といったイメージです。

資本金は1円でも設立可能?現実的な「最低額」の考え方

法律的には、資本金は1円でも会社は作れます。これは2006年に会社法が変わってから可能になりました。

でも実際に1円で事業が成り立つかというと、そうはいきませんよね。たとえば、オフィスを借りる・チラシを作る・HPを作る・仕入れをする…こういった出費を考えると、最低でも10万〜100万円くらいは必要とされるのが一般的です。

「資本金=初期の体力」と考えて、最低でも数か月分の運転資金があると安心です。

資本金0円はNG?よくある誤解と“見せ金”リスク

「0円で会社を作れる」と思っている方もいますが、それは誤解です。たとえ1円でも、実際に会社名義の口座へ振り込む必要があります。

そして気をつけたいのが“見せ金”。これは、一時的にお金を振り込んで、すぐに引き出してしまうケースをいいます。帳簿上だけお金があるように見せるのは、違法になることもあるので注意しましょう。

登録免許税にも影響!資本金によって変わる設立費用の仕組み

資本金の金額によって、会社設立にかかる「登録免許税」も変わります。

株式会社の場合、登録免許税は資本金の0.7%(ただし最低15万円)です。たとえば資本金100万円だと0.7%=7,000円…ですが、15万円が最低額なので結局15万円かかります。

つまり、資本金が少なくても、最低額はしっかりかかる点には注意が必要です。

資本金が少なすぎると法人口座が作れない?実態と金融機関の見方

「資本金が少ないと法人口座が作れない」という話、耳にしたことはありませんか?これは一部は本当で、一部は誤解です。

たとえば、資本金が1万円などの少額だと、「本当に事業をやるつもりがあるのかな?」「会社の実態はあるの?」と銀行側に疑問を持たれる可能性があります。特にメガバンクなどでは、慎重に審査されることがあります。

でも、実際には資本金が少なくても法人口座を作れているケースもたくさんあります。大事なのは「会社の実体があることをきちんと説明できるか」です。

オフィスがあるか、名刺があるか、事業計画があるか、ホームページがあるか…こういった“信頼できる証拠”を見せられるかどうかで判断が変わります。

金額の大きさよりも「信頼できる会社かどうか」が重要。資本金が少ない場合は、それ以外の準備でカバーしよう!

株式会社と合同会社で資本金の決め方はどう違う?

法人形態で変わる設立時の考え方|信用力・対外的な印象の違い

株式会社と合同会社では、資本金の“見られ方”や“必要性”が少し違います。

たとえば、株式会社は「しっかりした会社」という印象を与えやすいので、資本金は少し高めの100万円〜300万円くらいが一般的です。これは、銀行や取引先が「この会社は信用できそう」と思ってくれやすいからです。

一方で合同会社は、設立費用も安く、運営も柔軟なので、10万円〜50万円くらいで始める人が多いです。個人事業の延長でスタートしたい人にぴったりです。

株式会社は「名刺交換で少し構えるタイプ」 合同会社は「フットワークの軽い、気さくなタイプ」

複数人で設立する場合の注意点|合同会社は出資者全員が経営者になる?

複数人で合同会社を作ると、全員が基本的に“経営者(業務執行社員)”になります。つまり、お金を出した人は経営にも関わる立場になるのです。

「出資はしたいけど経営には関わりたくない」という人がいる場合は、株式会社の方が合っているかもしれません。

ただし、合同会社でも定款(会社のルール)を工夫すれば、経営の関わり方に差をつけることもできます。

株式会社/合同会社それぞれで多い資本金額の傾向と相場

  • 株式会社:100万円〜500万円(信用重視、金融機関対応)
  • 合同会社:10万円〜100万円(コスト重視、身軽な起業に向く)

「少し大きめのビジネスを想定している」「資金調達も視野に入れている」なら株式会社、「まずは小さく始めて試してみたい」なら合同会社がおすすめです。

資本金額と出資比率・持株比率の考え方(分配・意思決定への影響)

株式会社では、出資額に応じて“株の持ち分”が決まります。これが「持株比率」と呼ばれ、発言力や利益配分にも影響します。

たとえば、100万円のうち50万円出した人は、持株比率が50%。会社の意思決定でも半分の力を持つイメージです。

合同会社は、原則として出資者全員が経営者になるので、出資比率だけでは決まらないことも多いです。ただし、これも定款で細かく決められるので、柔軟に対応できます。

ポイント

株式会社=出資額がそのまま“発言力”に 合同会社=定款しだいで“自由な設計”ができる

資本金をいくらにするべきか?実務上の判断ポイントと注意点

資本金100万円・300万円・1000万円…どう考えればいい?

  • 100万円:はじめての起業や小規模ビジネスにはちょうどよい額。信用面とコスト面のバランスが取れています。
  • 300万円:赤字が数ヶ月続く可能性がある業種、あるいは広告費や設備投資が必要な場合は、このくらいあると安心です。
  • 1000万円:この金額を超えると、税務面でのルールが変わります(消費税の納税義務が即発生するなど)。慎重な判断が必要です。

資本金は“登山に持っていく水と食料”のようなもの。登る山(ビジネスの大きさ)に合わせて、しっかり準備しよう!

資本金1000万円超の「消費税課税」ラインとインボイス制度の考慮点

資本金が1000万円を超えると、会社を設立した初年度から消費税の納税義務が生じます。

一方、資本金が1000万円未満でも、インボイス制度により「インボイス発行事業者」を選択すると、消費税の納税義務が発生します。

「どうせインボイスを出すなら、最初から課税事業者になっても変わらない」と考える人もいれば、「免税期間を活かしたいから、あえて資本金を抑える」という人もいます。

ポイント

資本金1000万円は「消費税の境界線」。ただし、インボイス登録の有無もセットで考えることが大事!

運転資金と初期費用から逆算する「必要資金ベース」の資本金設計

資本金を決めるときは、「どれくらいあれば会社が回るか?」という視点がとても大切です。

たとえば、家賃が月10万円、人件費が月20万円、その他諸経費が月10万円かかるとしたら、月40万円。これを3ヶ月持たせるには120万円が必要です。

そこにオフィスの初期費用やホームページ制作費用なども考えると、必要な資本金のイメージが具体的になります。

「初期費用+3〜6ヶ月分の運転資金」=資本金の目安!

融資・補助金・金融機関の印象にも影響する資本金の「見られ方」

銀行や日本政策金融公庫、補助金の審査などでは、「資本金がどのくらいか?」も評価ポイントになります。

資本金があまりにも少ないと、「資金力に不安がある」「本気で事業をやる気があるのか?」と思われることも。逆に高すぎても、無理してかき集めた印象を持たれるかもしれません。

大切なのは“納得できる理由”があること。 「なぜその金額にしたのか?」を説明できると、信頼感はぐっと高まります。

まとめ|資本金は“対外印象・実務・税務”の3軸で判断しよう!

資本金を決めるときに大切なのは、「正解の金額」を探すことではなく、「自分のビジネスに合った金額」を見つけることです。

以下の3つの視点でバランスよく考えてみましょう:

  • 🏢 対外的な印象:株式会社なら100万円以上あると信頼性アップ。取引先や金融機関への印象にもつながります。
  • 💰 実務面:初期費用+3〜6ヶ月分の運転資金を確保できるか?倒れない“体力”としての資本金。
  • 🧾 税務面:消費税の課税/免税やインボイス制度の影響をチェック。

「資本金は会社の“スタートダッシュの燃料”です。無理なく、でも本気度が伝わる設計を意識して!」

迷ったら、信頼できる専門家に相談するのも大事な選択肢です。資本金は“金額”以上に“経営の姿勢”が表れる部分。しっかり考えて、納得感のある一歩を踏み出しましょう!

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