会社を設立する際、何かと登場するのが「印鑑証明書」。でも、「誰の印鑑証明書が必要なの?」「どうやって取ればいいの?」といった疑問を持つ方も多いはずです。この記事では、会社設立に必要な印鑑証明書について、初心者でもわかりやすく解説します。株式会社と合同会社の違いや、個人と法人の印鑑証明の違いも取り上げながら、手続きでつまずかないようにお伝えします。
会社設立に必要な書類と印鑑証明の関係とは
会社設立には、いくつかの必要書類があります。その中で重要な役割を果たすのが「印鑑証明書」です。では、それがどんなタイミングで、なぜ必要になるのでしょうか?
会社設立で必要な書類一覧と役割の全体像
会社設立時に必要な主な書類には、以下のようなものがあります。
- 定款(会社のルールを記したもの)
- 設立登記申請書
- 出資者の同意書や就任承諾書
- 印鑑届書
- 発起人や役員の印鑑証明書
これらの書類は法務局に提出され、登記手続きに使われます。
たとえるなら、会社設立のための「入学願書」を提出するようなもの。それぞれの書類が身分証明書や推薦状のような役割を果たし、印鑑証明書は「この人、本当に本人ですよ」という証拠になります。

よく「印鑑証明書だけ持っていけば設立できる」と勘違いする方もいますが、実際はそれだけでは不十分。印鑑証明は“信頼できる人物が関与している”ことを証明する補足書類なんです。
印鑑証明書はなぜ必要?どの場面で使うのか
印鑑証明書は、登記申請時に添付することで「この署名・押印は本人によるものです」という証拠になります。特に以下の書類に添付されます:
- 発起人の出資証明書類
- 役員の就任承諾書
- 会社実印の届出(印鑑届書)
設立後も、銀行口座開設や契約書の提出など、多くの場面で印鑑証明書が求められます。
これは言ってみれば、「このサインは間違いなくこの人のものですよ」という保証書のような存在。重要な手続きには、やはり本人確認が欠かせないのです。
なお、「設立の手続きをオンラインで手軽に進めたい」という方は、会社設立のクラウドサービスを活用するのもおすすめです。たとえば freee会社設立(https://yes-hero.com/freeee/)を使えば、印鑑証明の必要書類を含む設立準備をガイドに沿って効率よく進めることができます。
個人の印鑑証明書と法人の印鑑証明書の違いとは?
個人の印鑑証明書は、市区町村に登録した「実印」に対して発行されます。一方、法人の印鑑証明書は、会社の登記が完了した後に、法務局に登録した「会社実印」に対して発行されるものです。
イメージとしては、個人の印鑑証明書は「あなた自身を証明するもの」、法人の印鑑証明書は「あなたの会社の正体を証明するもの」といえます。
両者は似ているようで、まったく別の証明書。設立時に必要なのは基本的に“個人”の印鑑証明書ですが、設立後すぐに“法人”の印鑑証明書を使うシーンも出てくるので、違いは知っておきましょう。



法人の印鑑証明書は「法務局」でしか取れません。個人のものは「役所」、この違いはしっかり押さえておきたいポイント!
印鑑証明書は誰が出す?会社形態と設立パターン別に解説
印鑑証明書が必要になる“人”は、会社の種類や設立の仕方によって変わります。ここではその違いを整理してみましょう。
発起人・取締役・社員…印鑑証明が必要な人は誰?
原則として、以下の人が印鑑証明書を提出する必要があります。
- 株式会社:発起人全員、就任予定の取締役全員
- 合同会社:出資者(=社員)全員
例えるなら、株式会社は「出資する人(発起人)」と「経営を任される人(取締役)」が分かれているパターン。一方、合同会社は「出資する人」と「経営する人」が同じことが多いイメージです。



株式会社と合同会社では、設立時に印鑑証明を出す対象が違うって意外と知られていません。「自分一人だから大丈夫」と思っていたら、他の人の分も必要だった…というミスもあります!
株式会社と合同会社で異なる印鑑証明の範囲
株式会社では、発起人と取締役が別の場合、それぞれの印鑑証明書が必要です。たとえば、Aさんが出資者(発起人)で、Bさんが取締役に就任する場合、AさんとBさんの両方の印鑑証明書が必要になります。
一方、合同会社では、出資者と業務執行者が同じ人物であることが多く、基本的に出資者全員の印鑑証明書が必要です。
一人会社・複数人設立によっても変わる必要書類
設立する会社が一人で完結する場合(いわゆる一人会社)であれば、その人の印鑑証明書だけで足ります。しかし、共同出資や共同経営をする場合は、関係するすべての人の印鑑証明書が必要です。
たとえば、友人2人で合同会社を設立するなら、2人分の印鑑証明書が必要です。
よくある誤解とトラブル事例|印鑑証明を準備していなくて困るケース
印鑑証明書には有効期限そのものはありませんが、会社設立登記では「発行後3ヶ月以内」のものが必要という明確なルールがあります。
つまり、「以前に取ったものをまだ使えるはず」と思って提出すると、法務局で受理されないケースがあります。提出直前に取り直すのが安全です。
たとえばこんなトラブルも…:
- 「急いで登記したいのに、同僚の印鑑証明がまだ届かない!」
- 「引っ越し後に印鑑登録が無効になっていて、再登録からやり直し…」
このように、印鑑証明書の準備が遅れて登記スケジュールが後ろ倒しになるケースは少なくありません。



印鑑証明書って、「明日取ればいいや」と後回しにされがち。でも、登記に使えるのは“発行から3ヶ月以内”のものに限られるって知っていましたか?古いものだと受理されないので、スケジュールを逆算して取得しましょう!
個人の印鑑証明書の取り方と手続きの注意点
では、実際に印鑑証明書を取るにはどうすればよいのでしょうか?ここでは取得手順と注意点を、初心者でもわかりやすく説明します。
実印の登録はどこで?印鑑証明書を取るまでの流れ
印鑑証明書を取得するには、まず「実印」として使いたい印鑑を、市区町村に登録する必要があります。これは「印鑑登録」と呼ばれ、多くの自治体で窓口手続きが必要です。
登録後に発行される「印鑑登録証(カード)」を持っていくと、印鑑証明書を交付してもらえます。
たとえるなら、実印は「あなたの公式サイン」、印鑑登録証は「身分証明書」、印鑑証明書は「このサインは間違いなく本人のもの」という証明書のようなものです。
コンビニで印鑑証明書を取れる?マイナンバーカード活用法
最近では、マイナンバーカードを使えば、印鑑登録が済んでいればコンビニで印鑑証明書が取れる自治体も増えています。
ただし注意点として、
- 事前にマイナンバーカードの「署名用電子証明書」が有効である必要がある
- 自治体がコンビニ交付に対応している必要がある
このあたりは、お住まいの市区町村の公式サイトで事前に確認しましょう。



コンビニ交付は便利だけど、「対応してると思ってたら使えなかった…」という話もよく聞きます。準備は計画的に!
設立時は“発行から3ヶ月以内”がルール!忘れずに再確認
繰り返しになりますが、会社設立の際に提出する印鑑証明書は、発行日から3ヶ月以内のものに限るという明確なルールがあります。
「1ヶ月前に取ってあるから大丈夫」ではなく、登記日を見越して、なるべく直前に取得するのが鉄則です。



設立日が決まったら、印鑑証明書の発行日もカレンダーにセットしておくのがプロのやり方!
まとめ|印鑑証明書の準備は「誰が」「いつ」必要かを押さえよう
会社設立には多くの書類が必要ですが、その中でも印鑑証明書は“人に関する信用”を示す重要書類です。
株式会社か合同会社か、一人設立か共同設立か、発起人や役員の構成によって必要な人数分が変わります。また、設立時には個人の印鑑証明書、設立後には法人の印鑑証明書もすぐに必要になる場面があります。
さらに、印鑑証明書は「発行から3ヶ月以内」のものしか使えないという厳格なルールもあるため、発行タイミングを間違えると全体のスケジュールが狂うことも。
だからこそ、この記事を参考にして、「誰の印鑑証明書が必要か」「いつ取るべきか」をしっかり押さえたうえで、万全の準備で会社設立に臨みましょう!



印鑑証明書ひとつでも、ちゃんと理解して準備すれば会社設立はグッとスムーズになります。この記事があなたの冒険の一歩になればうれしいです!
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