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会社設立をした後に加入する社会保険と労働保険についてわかりやすく解説してみました。

会社設立後に対応しないといけない、社会保険や労働保険についてルールがわからず頭を悩ませる人が多いみたいですね。

おおもりくん

似たような単語がたくさん出てきて混乱しているよ。社会保険、労働保険、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、公的保険…。

しゃもじい

しっかり整理するとシンプルでわかりやすいんじゃ。羅列すると似たような言葉で混乱してしまうぞい。

この記事でわかること

・会社設立後に対応すべき公的保険の中身について。
・社会保険や労働保険をわかりやすく説明します。

目次

◆会社設立後に対応する公的保険の全体像を理解する

会社を設立したあとに対応することに「公的保険」の加入というものがあります。

公的な保険ということですから、国が加入を義務づけている保険のことです。条件に当てはまれば必ず入らないといけません。

これに対して、よくCMとかで流れているガン保険とか死亡したらいくらもらえる生命保険というのは一般企業が提供している民間保険です。私的保険とも言ったりしますね。

(1)公的保険とは社会保険と労働保険のこと

まず「公的保険」とは一番大きな概念の単語だと考えてください。

公的保険の中に「社会保険」と「労働保険」が存在すると考えればわかりやすいのではないでしょうか。

社会保険とは国民が安心して暮らせる社会を保障してくれるものです。それに対して労働保険は働く人たちを守ってくれる保険です。

(2)社会保険は健康保険と厚生年金保険のことです

社会保険のことを、もう少しつっこんで説明すると健康保険と厚生年金をあわせた概念を「社会保険」と呼ぶことが多いです。

私たちが安心して暮らせる世の中であるためには、病気やケガをしたら安心して治療を受けられた方が良いですよね。これを健康保険がカバーしてくれます。

老後は働けなくなっても、生活できるぐらいのお金が必要です。厚生年金保険に加入しておくことで、老後に厚生年金を受け取ることができます。

また、40歳以上になると介護保険というものに入らないといけません。国が行う介護サービスを支えるためのもので、社会保険の仲間になります。

(3)雇用保険と労災保険を合わせて労働保険と呼びます

労働者を守ってくれるというものが労働保険です。守るという意味は、働く人たちが失業したときの生活を守ったり、働き続けられるような仕組みを作って労働者を守るという意味です。

しゃもじい

雇用保険と労災保険を合わせた概念を「労働保険」と呼んでいるんじゃよ。

雇用保険は雇われて働いている人が加入する保険です。雇用保険があるおかげで、たとえば不況で失業した場合でも「失業手当」というかたちで何とか生活できる状態をつくることができます。他にも資格取得を国が支援してくれる制度も雇用保険のお金で行われています。

労災保険は、働いているときにケガや病気をした時に適用される保険です。プライベートでケガや病気をしたら健康保険を使って、仕事上でケガや病気をしたら労災保険が使えるイメージです。

◆会社設立後に加入する社会保険(健康保険・厚生年金保険)

株式会社や合同会社を設立して、条件を満たすのであれば社会保険には加入しないといけません。

すでに説明しましたが、社会保険は健康保険と労働保険のことを指しています。

(1)会社設立後にどんな条件を満たすと社会保険に入る必要がある?

会社設立した後に自分の会社が社会保険に入るかどうかは次の二つを基準に考えてください。

1、役員報酬を払っているかどうか。
2、従業員がお給料をもらっているかどうか。

まずは、これが第一段階です。

1、役員報酬を払っているかどうか。

会社の経営層にお給料を払うのであれば、それは役員報酬と言います。株式会社であれば代表取締役や取締役、合同会社であれば代表社員や業務執行社員に払うお金は役員報酬です。

この役員報酬が発生しているのであれば、役員は社会保険に入らないといけません。

2、従業員がお給料をもらっているかどうか

従業員が社会保険に加入するかどうかを判断するときは、少し複雑です。

まずはフルタイムで働く従業員は必ず社会保険には加入します。

フルタイムでない従業員、つまりアルバイトやパートで働いている人たちは働く時間に基準があります。

フルタイムで働く人の4分の3以上を働く人ならアルバイトやパートでも社会保険に入らないといけません。たとえば正社員の人が週40時間(1日8時間を週5勤務です)の場合は、アルバイト・パートが週30時間働くのであれば社会保険加入です。

従業員数501名以上の大企業は要注意

社会保険に関する法律が少し変わりまして、501名以上の大企業で働いている人は加入する条件の範囲が広くなっているので注意してくださいね。

1、週の労働時間が20時間以上
2、月のお給料が8.8万円以上
3、1年以上そこで働く見込みがあること
4、学生でないこと

501名以上の会社で働いている人ならたぶん人事部とかから注意喚起されていると思いますが、自分でも条件の違いに目を光らせておきましょう。

3、40歳以上になったら入る介護保険

社会保険は健康保険と厚生年金保険を合わせたものと説明をしましたが、40歳以上になると介護保険も仲間入りします。

介護保険とは、将来介護サービスを受けられるようにするための保険です。これから高齢化社会が加速するなかで、大切な保険制度の一つです。

(2)会社設立後に労働保険に入るのはどんな法人?

労働保険とは、雇用保険と労災保険のことを言います。つまり、労働者を守るための保険ですね。

だから労働者が存在すれば必ず入らないといけません。逆に労働者がいなければ入らなくて良いのが労働保険です。

そうなんです。例えば一人会社設立をしたら従業員はいなくても例えば代表取締役だけの会社ってのは存在します。でも法律では代表取締役をはじめとした経営者は従業員とみなさないんです。だから役員だけの会社は労働保険には加入しないんだよね。

(1)従業員が存在すれば必ず雇用保険と労災保険に入らないとダメです

雇用保険と労災保険は、労働者のことですから従業員がいれば必ず入らないといけません。

雇用保険に入っておくことで、従業員は職がなくなっても失業手当がもらえたり、資格取得が技術を身につけるのに国が支援してくれるので安心して働いてもらうことができます。

しかも会社側からしたら雇用保険に入っておくことで、助成金をもらえる可能性が広がりますから、もちろん義務なんですけど必ず加入するようにしましょう。

労災保険は仕事で病気やケガをさせてしまった時に従業員を守るものです。たとえば従業員がケガをして労災保険に入っていないことを裁判なんかで争われたら、目ん玉飛び出るぐらいのお金を払わないといけないかもしれません。

経営上のリスクを最小限にするためにも、従業員を雇ってるなら雇用保険と労働保険は必ず入るようにしましょう。(義務ですからね。)

アルバイトやパートも雇用保険に入るの?

労災保険については、従業員一人一人が加入するというよりも、従業員を抱える法人が会社として加入するものです。ですので、労災保険に入っている人がいて、あの人は加入してない、なんてことはありません。

雇用保険の場合は、アルバイトやパート社員は加入の条件があります。

「31日以上働く見込みがあること」
「週20時間以上働いていること」
「学生でないこと」

この三つを当てはめてみて、アルバイトやパート社員でも雇用保険の加入が必要かどうかを判断してください。

(2)会社経営者は労働保険に加入しないといけないの?

「私は経営者だから雇用保険に加入できるんじゃないか?」「代表取締役だけど、仕事中のケガが怖いから労災保険に入りたい」

会社設立をした後の経営者は、こう考える人も少なくないはずです。

だって経営層として労働していますもんね。労働者として保険に入って何かあったときの保障を受けたって良いじゃないか!と思う気持ちはわかります。

でも、会社経営者は労働保険には入れないのです。雇用保険や労災保険への加入はできないのです。

おおもりくん

会社の社長も頑張って働いているのに、雇用保険とか労災保険に入れないのってかわいそうだね。

しゃもじい

だからこそ、会社経営者は自分の身は自分で守らんといけんのじゃ。公的保険が使えないのであれば、民間の保険を使うわけじゃよ。

保険コネクトなら雇用保険や労災保険に代わるものを教えてくれるじゃろう。

◆「会社設立後の社会保険と労働保険」まとめ

会社設立後には、自分に当てはまるのであれば速やかに社会保険や労働保険に加入しましょう。

この社会保険や労働保険は、支払う保険料の半分は会社が負担しないといけません。会社設立後に社会保険に加入することで、資金繰りを圧迫することになるのです。

そのため中には、法人で従業員がいるにも関わらず社会保険に加入しない!なんて経営者も見たことがあります。

残念ながら、そのような社長の会社はうまくいかないことが多いです。会社を設立して、人を雇って世の中に価値を提供するということは、社会保険料や雇用保険料を払えるぐらいの利益を出して、やっとスタートラインに立てるぐらいに思ってください。

そんな綺麗事で飯が食えるか!と怒られてしまいそうですが、その課題ぐらい乗り越えられないぐらいだと人を雇う資格がないと言われてしまいます。うまく行っている会社は創意工夫をして当たり前のこととして社会保険や雇用保険に加入していることを心に刻みましょう。

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