合同会社の代表社員は雇用保険に加入できるの?
結論から言えば「会社の経営者は雇用保険に加入できない」のです。だから合同会社の代表社員も雇用保険には加入できないんですね。
本当にそうなんです。雇用保険は雇用される従業員のための保険だから経営者は NGなんです。ただ、経営に関わる人も雇用保険に入れるケースもあったりするので今回はその辺も合わせてみていきましょう!
◆代表社員はなぜ雇用保険に入れないのか
それでは、まず代表社員が雇用保険に加入できない理由について考えていきましょう。そのために雇用保険に関する基本事項の理解からスタートします。
(1)まずは雇用保険の概要を理解
そうだね。雇用保険は会社で働く人たちは必ず加入しないといけない保険なんだ。じゃあ雇用保険は何のために存在するかと言えば「雇用される人のための保険」なんです。会社の従業員のことですね。
1、失業したときに従業員の生活を守るのが雇用保険
一般的に雇用する側よりも、雇用される側の立場が弱いです。雇用保険は失業など職を失ったときのリスクを最小限にするためのものだから、従業員はみんな強制的に加入するわけです。
一応会社を辞めた時にいくつか条件がありますが失業給付金(失業保険)をもらって、次の仕事へ求職活動中の生活の足しにしてくれってルールはありますね。
2、従業員の失業を予防するのにも雇用保険は活躍!
他にも失業を予防するって観点から従業員が資格をとったりする時に必要な金額の一部を雇用保険から出してくれるありがたい制度もあるので意識高い従業員はぜひ活用して欲しいですね。
今紹介した以外にも、育児とか介護でお仕事を休んだ時にもらえるお金があったりします。雇用保険は大きな意味で働く人たちの雇用を安定させるための保険と考えていて大丈夫です。
3、働く人たちを守る保険は労災保険もあります
よく労災って言いますが、これも働く人を守る保険で全員必ず入らないといけません。仕事中や通勤途中でケガや病気をした時には、この労災保険で病院のお金を工面してくれます。
従業員の人たちが必ず入らないといけない雇用保険と労災保険をまとめて「労働保険」と言います。これら公的保険の概要は「会社設立をした後に加入する公的保険(社会保険・労働保険)について」をご覧いただくとさらに理解が深まると思います。
(2)会社の役員は経営する立場なので雇用保険は加入できない
・合同会社の代表社員は雇用保険に加入できない
そうなんです。一応、経営者は雇用する立場の人なので雇用保険の対象にはならないんです。これは合同会社でも、株式会社でも一緒です。
合同会社を代表するのは代表社員ですから、まずは代表社員は雇用保険の対象からはずれますね。
・合同会社の社員(業務執行社員)も雇用保険に加入できない
そうそう、少しわかりにくいんだけど合同会社の社員も経営する立場にいる人だから雇用保険には加入できないんです。合同会社の社員は従業員とは違う意味で業務執行社員と言ったりします。
私たちが通常イメージする社員は従業員だと思ってしまいますが、合同会社で言うところの社員は取締役みたいな立場なんです。
詳しい違いについてはこちらの「社員や代表社員や業務執行社員・・・何がどう違うのか徹底解説!」の記事をご覧ください。
(3)会社経営者は失業や倒産のリスクにどう対処すればいいの?
すると、合同会社の代表社員は会社が倒産したりして失業者になっても失業保険はもらえないんですよね。雇用保険に加入していないから。
・民間の保険(私保険)を検討する
最終的に合同会社の代表社員をはじめ、会社役員が倒産など失業のリスクをカバーするには民間の保険会社が提供してくれる保険に加入するしかありません。
ただ、世の中にはたくさんの保険が存在しますから迷いますよね。世界67カ国TOP6%の FPの『保険田マイケル』を私は使って保険に入りました。さすが世界トップクラスの実績があるFPだけあって、納得のいくまでフォローしてくれて安心感があります。
◆合同会社の役員でも雇用保険に加入できることがある!
実は役員でも雇用保険に入れる場合があるんです。
ただ、ちゃんと条件が揃っていないとダメだから役員が雇用保険に加入する時のルールを見ておきましょう。ちなみに会社の役員で雇用保険に入れる可能性のある人を使用人兼務役員と言うんです。
(1)使用人兼務役員は雇用保険に加入できる
1、使用人兼務役員とは何ですか?
従業員のことを別の言い方で「使用人」って言ったりします。ですので、使用人(従業員)を兼務する役員のことですね。
例えば取締役営業部長って肩書きの人は取締役という経営側の立場と、営業部長という使用人の立場があります。営業部長という仕事の領域について雇用保険を認めましょうってお話になるわけです。
2、どんな人が使用人兼務役員になれるの?
実はこの使用人兼務役員の判断って難しいんですね。肩書きを取締役営業部長にしたからと言って使用人兼務役員になれるわけじゃないんです。実際にその人が働いている内容が経営に関することだけなら使用人としての立場は認めてもらえないんですね。
そうなんです。それに実例で行くと経理業務や採用業務など使用人としての仕事と思えそうな部分でも、経営者の仕事の一部としてみなされる可能性があるから注意が必要だね。
そうなんです。実態を見られるからこそ、使用人兼務役員のルールを適用する時には税理士や公認会計士にアドバイスをもらうようにした方が絶対に良いんです。最初のルール決めの時に法律に即して対応すべき事柄なんですね。
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3、代表社員は使用人兼務役員になれない
さらに注意したいのは会社の最高責任者は使用人兼務役員になることができないんです。株式会社でいえば代表取締役ですし、合同会社でいえば代表社員ですね。
4、業務執行社員が雇用保険に加入するのは要注意
合同会社の業務執行社員が雇用保険に加入できるかどうかは、使用人兼務役員として認められるかどうかにかかっています。すでに上でご紹介した厳しいルールがあるので注意が必要です。
◆まとめ
残念ながら合同会社の代表社員は雇用保険に加入できません。それに会社の役員の立場の人たちも基本的には雇用保険の加入はできません。合同会社でいうところの業務執行社員(社員って言ったりします)ですね。
ただ、もし役員の中でも使用人(従業員)としての側面があるなら「使用人兼務役員」として従業員の部分を雇用保険の加入が認められるんですね。ただ、人事面や経理面をはじめとした経営に関わる分野だと使用人としての側面が認められないので注意が必要です。
使用人兼務役員の判断については実態で判断されますので、一般論を見て自分で判断するよりも税理士や公認会計士に個別相談する方が安心だと思います。
▼合同会社設立した後の社会保険(健康保険や厚生年金)について知りたい方は、こちらの「合同会社代表社員の健康保険の仕組みはどなる?メリットとデメリットを調査」の記事をご覧ください。
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