起業・独立をしたら名刺を作ると思います。その時、自分の名刺の肩書き・役職をどうすれば良いのか悩んだことはありませんか?
株式会社や合同会社なら有名ですが、一般社団法人とかNPO法人とか少しニッチな組織の場合は肩書きや役職はどうなるのでしょうか。ましてや個人事業主の名刺に載せる肩書きなんてイメージしづらいですよね。
そこで今回は名刺に使える肩書きを一覧として紹介します。
・名刺に使える各法人・組織・個人業主の肩書き&役職一覧
◆名刺で使うための法律で定められた役職や肩書き一覧
名刺に使う肩書きなんて何でも良いと思っていませんか?実は会社について定めた法律の中に肩書きや役職に紐づく文言が決められているものがあります。
法律で禁止されているわけではないのですが、名刺交換をした時に相手に誤解を与えかねない肩書きや役職もあるので注意したいところです。
(1)株式会社の役職や肩書き一覧「代表取締役・取締役」
会社と聞いて真っ先にイメージするのは株式会社かもしれません。
株式会社で経営に携わる人を取締役と言います。取締役は一つの会社に複数いる場合もあります。その中から代表になる取締役を代表取締役とするわけです。
代表取締役とか、取締役という肩書き・役職は株式会社でしか使えないのです。代表取締役と名乗りたいからという理由だけで株式会社設立を選択する人がいるくらいです。
・株式会社を経営する人⇒取締役
・取締役の中で会社を代表する人⇒代表取締役
※取締役や代表取締役は複数人いても大丈夫!
株式会社でつかう「代表取締役」と、合同会社で使う「代表社員」の具体的な違いは知っていますか?合同会社の人が、代表取締役となのってリスクは無いのか…考えてみました。
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(2)合同会社の役職や肩書き一覧「代表社員・社員・業務執行社員」
合同会社を設立するときに資本金の準備をする人を社員と言います。この社員は、世間でつかわれる従業員という意味ではないので混乱しないようにして下さいね。
合同会社の社員は基本的に会社の経営に携わります。会社経営に携わる社員は業務執行権を持つ社員ということで業務執行社員と言います。
業務執行社員が複数いる場合は、その中から代表社員を決めます。代表社員という肩書きや役職を名刺に書くのがダサいと思う経営者もいるみたいです。社長とか代表とだけ名刺に記載して対応する人もいるようです。
・合同会社を経営する人⇒業務執行社員(社員)
・業務執行社員の中で会社を代表する人⇒代表社員
※業務執行社員や代表社員は複数いても大丈夫!
(3)一般社団法人の役職や肩書き一覧「代表理事(理事長・会長)・理事」
一般社団法人とは「営利を目的としない会社」、つまり非営利企業です。利益を出してはダメという意味ではなく、利益が出ても分配してはダメというのが非営利の意味です。
たとえば株式会社は利益が出たら株主に配分することができます。合同会社も利益が出れば利益を配分することができます。一般社団法人は利益が出ても配当することはできません。
一般社団法人の場合は取締役とか業務執行社員と呼ばずに「理事」を経営に従事する立場の人に使います。また一般社団法人では理事会を設置しているかどうかで少し組織の仕組みに違いがあります。
1、理事会を設置していない一般社団法人の場合
理事の一人一人に業務執行権という経営に関する物事を決める権利があります。理事が2名以上いる場合は多数決で経営に関することを決めていきます。
基本的に理事の一人一人が代表権を持つことになるので、理事会を設置していなければ、それぞれの理事が代表理事という立場になります。
2、理事会を設置している一般社団法人の場合
理事会を設置する場合は3名以上の理事が存在しないといけません。そして理事会の中から一般社団法人を代表する代表理事を選任するのです。
選ばれた代表理事に加え残りの理事で、業務執行権を持つ場合は業務執行理事となるわけです。ただし名刺には代表理事と記載したり、理事と書いたりすることが多いです。
理事長とか会長とか一般社団法人の名刺の肩書きや役職で聞いたことがあるかもしれませんが、法律で定められたものではないので正式には代表理事や理事ですが、会長とか理事長を使っても問題はありません。
(4)社会福祉法人の役職や肩書き一覧「代表理事・理事」
社会福祉法人とは「社会福祉事業を行うために設立された法人」のことを言います。たとえば児童養護施設だったり、老人ホームだったり、凄い稼げるわけではないけど絶対に世の中に必要なものです。国が税金でやるべき事柄のようにも見えますが、もちろん国が税金でやることを前提に、それでも手の届かない人達を担うイメージでしょうか。
そのため公共性の高い事業になりますし、非営利の事業であれば税金が安くなったり、国から補助を受けれたりするのがメリットです。
1、社会福祉法人の組織に関して
社会福祉法人は6名以上の理事と2名以上の監事がいないといけません。それだけでも社会福祉法人を立ち上げる難易度がわかると思います。もちろん理事会が設置されますので、そこを代表する人が代表理事となります。
また、諮問機関として評議員会が置かれますので、その中に評議員という立場の人も存在することになります。
2、社会福祉法人の肩書きや役職は?
役職や肩書きには「理事」を使いますし、理事会を代表する人は「代表理事」となります。時々わかりやすく「理事長」と肩書きを名刺に使う人もいるみたいです。
(5)医療法人の役職や肩書き一覧「理事長・理事」
医療行為を行うときには普通の法人ではできません。医療法人を設立する必要があるのですが、この役員を「理事」と言います。理事は3名以上置かないといけません。
名刺の肩書きは理事を使うのがほとんどですね。その理事の中で医療法人を代表する方は「理事長」という役職で、名刺にはそのまま理事長の肩書きを使っています。
(6)合名会社の役職や肩書き一覧「社員・(社長・代表)」
合名会社は一応法律上、ひとつの法人のかたちではあるものの、その特徴から合名会社を設立する人をほとんど聞いたことがないのが実態です。
1、合名会社とは何か?
合名会社は株式会社や合同会社と比べ無限責任である点に大きな特徴があります。株式会社や合同会社や有限責任なのですが、ものすごく噛み砕いて説明すると株式会社や合同会社は、出資している範囲で責任を負う「有限責任」です。会社を清算する時にいくら負債があろうとも出資している中で責任を取れば良いわけです。
合名会社は無限責任ですから、会社を責任しようと、会社で負った負債はどこまでも個人に付いて回ることになります。この無限責任を負った無限責任社員で構成されてりうのが合名会社ということです。イメージとしては個人事業主の集団のような監事です。
2、合名会社の役職や肩書きは?
合名会社は無限責任社員で構成されているので、法律で定められた役職を考えるのであれば無限責任社員とか社員になります。
そのため名刺に記載する肩書き・役職名は「社員」ということになるのですが、一般的には従業員と社員を混同してしまいがちなので、名刺に使って差し障りのない「社長」とか「代表」を使うことが多いと思います。
(7)合資会社の役職や肩書き一覧「代表社員・社員」
合資会社もほとんどお目にかかる機会が少ないのですが、法律上で定められた法人の一つです。
1、合資会社とは何か?
合資会社とは有限責任社員と無限責任社員の両方で構成された組織を言います。有限責任社員は出資している中で責任を負えば良いのですが、もう一人の無限責任社員は何かあったら無限で責任を負わないといけません。
2、合資会社の肩書きや役職は?
合資会社は有限責任社員と無限責任社員の「社員」で組織されます。そして2名以上の社員が存在するので、その中から代表社員を決めることになります。
(8)NPO法人の役職や肩書き一覧「代表理事・理事」
NPO法人のNPOとは「Non Profit Organization」の略です。日本語にすると非営利組織と訳せます。
1、NPO法人(特定非営利活動法人)とは何か?
特定非営利活動法(NPO法)というものがありまして、この法律にのっとって設立する法人がNPO法人というわけです。法律では20種類の活動においてNPO法人を設立できると定めているので、比較的ハードル高めの組織ということになります。
2、NPO法人(特定非営利活動法人)の役職や肩書きは?
NPO法人の役員は理事になりますから、これまでと同様に「理事」が名刺の肩書きとなります。理事を代表する者として「代表理事」を使うことになります。
(9)有限会社の役職・肩書き一覧「取締役・(代表取締役)」
有限会社は会社法が変わり今はもう設立することはできなくなりましたが、昔に設立した有限会社は引き続き存在します。
1、有限会社とは何か?
昔の法律だと株式会社設立するにはとてもハードルが高かったです。有限会社なら資本金300万円からで大丈夫だし、他にもハードルが低いので手軽に設立できるのが有限会社でした。
2、有限会社における役職・肩書きとは?
有限会社は経営に従事する人を取締役と設定します。株式会社は一名だけしか取締役がいなければ自動的に代表取締役となりますが、有限会社は取締役のままです。
有限会社に取締役が複数名いれば、その中から代表取締役を選任することも可能です。
(10)一般財団法人の役職・肩書き一覧「理事」
一般財団法人とは「財産」に法人格を与えた組織です。基本的には寄付された財産を運用するなどして事業を運営します。
自分の財産を効果的に社会貢献のために使いたい場合などに、一般財団法人を設立することがあります。一般社団法人と同じく基本的に理事が事業を取り仕切ります。
(11)個人事業主の役職・肩書き一覧
個人事業主の肩書きで一般的なものは「代表」だと思います。士業などは事務所を構えるので「所長」と表現したりもします。他には自分の資格や能力を表現する肩書きの人が多いです。「中小企業診断士」とかの資格を付けたり、「カウンセラー」のような能力を付けることが可能です。
代表取締役や取締役とか理事長みたいに法律により設定している役職は肩書きとして名刺に利用するのは避けておいた方が良いでしょう。
どんな肩書きや役職にするか決めたら次は名刺のwhooで豊富オシャレデザインから格安なものを選んで下さい。
◆法律に縛られていない誰でも名刺で使える役職や肩書き
法律で定められている役職や肩書き以外で比較的自由に使えるものをピックアップしてみました。
起業後に自分に合った役職や肩書きを選んで名刺作成すると良いでしょう。
(1)社長・代表
「社長」とか「代表」は比較的利用しやすい役職・肩書きだと思います。たとえば合同会社や合資会社では会社を代表する人を「代表社員」と表します。
何も知らない人からすると 「え?社員?」みたいに混乱を与えてしまうかもしれません。そこで「代表」とか「社長」を名刺の肩書き・役職として記載する方をよく目にします。
社長と聞けばその組織のトップだと勝手に判断できますし、代表はそのままの意味でその組織の代表として認識してもらえるので一番名刺に使いやすい役職・肩書きだと思います。
(2)CEO
CEOは比較的最近使われるようになってきた役職・肩書きだと思いますが、「Chief Excutive Officer」の略で最高経営責任者の略として使われます。
名刺に書くのは仰々しい感じもしますが、経営という実務にフォーカスされている役職です。比較的多くの人がCEOという役職や肩書きを認知してきたと思います。
(3)執行役員
執行役員とは役員と付いていますが、組織でいう取締役や理事のような経営に直接的に従事する人ではありません。経営サイドから依頼で事業部や部門のトップを担う立場の人のことです。
そのため執行役員はあくまでも社内での立ち位置を明確にするための肩書き・役職であると言えます。ざっくり言ってしまえば現場で行動する責任者という立ち位置になります。
(4)顧問・相談役
顧問とか、相談役は、専門的な知識や特殊な経験を持った人たちがアドバイザーという立ち位置で会社に貢献する立場の人です。社内の人だったり、社外の人を顧問や相談役に置く場合があります。
イメージとしては、あまり会社にはベッタリ関わるのではなく、ブレーンとしての高度なアドバイスや企業同士の仲を取り持つイメージが大きいです。
名刺作成に取り掛かる時は名刺のwhooが一番自分の好みにマッチしたものが多くお薦めです。
◆「名刺に書く肩書き・役職の一覧」まとめ
いざ名刺を書こうと思った時は仕事の進めやすさを第一に肩書きや役職を調整すれば良いと思います。
責任者や代表としての意味を持たせたい場合、自分の能力や資格を表現した方が効果的な場合、いろんな場面が想定できると思いますので自分にとってのベストを選んでください。
・株式会社は「代表取締役」「取締役」
・合同会社は「代表社員」「業務執行社員」「社員」
・一般社団法人は「代表理事」「理事」
・社会福祉法人は「代表理事」「理事」
・医療法人は「理事長」「理事」
・合名会社は「社員」
・合資会社は「代表社員」「社員」
・NPO法人は「代表理事」「理事」
・有限会社は「取締役」
・一般財団法人は「理事」
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