会社設立の作業を自分でやることができない時、専門家に代行を依頼するのも一つの方法です。
仕事が忙しすぎて時間が取れない、会社設立の手続きが難しすぎてわからない、事務作業が苦手だ、設立代行を検討する理由はさまざまだと思います。
会社設立の代行を依頼するなら、司法書士・税理士・行政書士などが候補にあがります。この中で、最初から最後までトータルでサポートしてくれるのは司法書士だけのようです。
会社設立の専門家である司法書士に、会社設立の代行を依頼したらいくらぐらいなのでしょうか?メリットやデメリットを含めて整理してみようと思います。
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・司法書士に会社設立の代行をお願いした時に支払う手続き費用の相場
・司法書士に会社設立の代行をお願いするときのメリット・デメリット
◆会社設立を司法書士に依頼した時の報酬の相場
会社設立の専門家である司法書士の先生について詳しく見ていきましょう。法人登記をお願いした時の費用や報酬の相場はどれくらいなのでしょうか?
・Googleで検索をして一ページ目にくる司法書士事務所を調べてみると株式会社設立の報酬の相場は7万円〜10万円でした。
・合同会社は株式会社よりも少し安く5万円〜10万円が司法書士報酬でした。
・ここで言う会社設立の司法書士報酬とは設立にかかる実費とは別に司法書士に依頼することで発生する手数料のことです。
(1)司法書士とは?会社設立の専門家ってどういうこと?
司法書士とは「司法書士法の規定に基づき登記および供託の代理、裁判所や検察庁、法務局、公証役場に提出する書類の作成、財産管理業務などを行う(Wikipediaより)」とあります。
ざっくり噛み砕くと会社設立や不動産登記の専門家で、裁判所や法務局や公証役場に提出する書類を代行して作成・提出する権限を持っている国家資格ということです。
つまり会社設立の手続きは法務局に対して行いますし、設立時の定款認証は公証役場にお願いしますが、それら会社設立の一連業務をすべて代行できるのが司法書士ということです。
ここでは会社設立の専門家が司法書士の先生である、ぐらいで把握しておいてください。
(2)司法書士に会社設立の代行を依頼した場合の平均相場
司法書士の先生に株式会社や同会社の設立をお願いした時の平均費用を整理します。念の為にGoogleで司法書士の会社設立報酬を調べてみました。一ページ目に掲載される司法書士事務所の報酬額をピックアップしてると以下のような感じです。
株式会社と合同会社では、手続きの複雑さが違うためか株式会社設立の方が費用を高めに設定されています。
・株式会社設立費用の相場:平均報酬額→約89,000円
(最小費用:70,000円・最大費用:108,000円)
・合同会社設立費用の相場:平均報酬額→約76,000円
(最小費用:54,000円・最大費用:108,000円)
この平均報酬額の相場は、あくまで司法書士報酬だけの金額です。この司法書士費用に加えて会社設立で必要な登録免許税などの実費が必要になります。
司法書士はやはり会社設立の専門家なだけあり、行政書士や税理士・公認会計士に比べると金額は高めに設定されているようですね。
(3)司法書士報酬以外で会社設立にかかる費用の実費について
上で紹介した司法書士報酬以外にも会社設立にはお金が必要です。株式会社と合同会社で、それぞれいくらぐらい必要なのか整理したので参考にしてください。
2、株式会社設立にかかる実費(20万2000円)
株式会社の設立には、実費として約20万2000円は必要と考えてください。これは登録免許税15万円と、定款認証手数料5万2000円を合わせた数字です。
登録免許税とは、会社設立の手続きをしてくれる法務局に支払うお金です。最低金額が15万円なので、資本金の額が多いと少し変わります。ただ、ほとんどの会社が1000万円未満の資本金で会社設立するので、15万円の登録免許税として考えて問題ないと思います。
定款認証手数料は、公証役場に支払うお金です。定款は会社を運営する基本的なルールをまとめてある書類ですので、ちゃんと法律にのっとって作られていなければなりません。それを公証役場が「問題ないですよ」とお墨付きをくれるというのが定款の認証手続きです。これに大体5万2000円ぐらいかかります。
ちなみに、登録免許税と定款認証手数料のほかに、紙の定款を認証するのに印紙税4万円も発生します。これは電子定款で認証すれば必要ないお金です。司法書士に代行を依頼すれば、必ず電子定款での対応になると思いますので、印紙税4万円はほとんど発生しないと考えて大丈夫です。
2、合同会社設立にかかる実費(6万円)
合同会社の登録免許税は6万円です。これも資本金の額の0.7%であり6万円に満たない場合は最低金額6万円という考え方です。
しかも合同会社は定款の認証をする必要がありません。つまり定款認証手数料の約5万2000円がかからずに済むわけですね。これだけでも合同会社設立が株式会社設立に比べて格安で設立できることがわかります。
◆司法書士に会社設立をお願いする時のメリット・デメリット
司法書士に会社設立を依頼すれば報酬としての手数料が10万円近くかかります。それでも、お願いすることにメリットがあるわけで、この点を整理しておこうと思います。
(1)会社設立を司法書士に依頼するメリット
最初に司法書士の先生に会社設立をお願いする時のメリットを網羅しておきます。
1、複雑な会社設立をお願いする時に安心してお任せできる
世の中はシンプルな会社設立だけではなくて、少し複雑なケースがあります。その時は司法書士に依頼をした方が結果的にラクだと思います。
たとえば外国人が会社設立するときに、日本に住んでいない外国人だと、そろえる書類が少し複雑になります。それをいちいち調べながら対応するのは、少し骨の折れる作業です。
未成年が会社設立をするときも、前例が少ないので正しい情報を集めるのが大変です。法務局で用意していない書類の雛形が必要だったりするのです。
また、株式会社を設立するときに、将来上場することを考えていたり、大手企業に売り渡すことを検討していると特別な株式を発行することがあります。定款の内容もフォーマット通りではなく、工夫して書くような場合は、その分野に強い司法書士の協力を仰いだ方がいいでしょう。
2、会社設立書類を作成する手間なくスピード感を持って対応できる
司法書士のホームページを見ていると最短1日で会社設立します!と書いてあるところがあります。
さすがに1日で会社設立するとなると、いろんな条件が付くと思うのですが、それでも自分でやるより設立までのスピードが早いのは確かです。
会社設立の専門家だからこそ、行政書士や税理士よりもスピード感は早いのではないでしょうか。ただし、これは依頼するところのキャパなどの問題もありそうですね。
3、定款認証時の印紙税4万円がかからずに済む
専門家にお願いするときの、メリットとしてわざわざ書くほどの事でもないんでうが、念のため伝えておくと司法書士にお願いすると電子定款で認証してくれるので印紙税4万円がかからずにすみます。
これは行政書士や税理士でも同じく電子定款の方で会社設立しているようなので、条件は一緒で差別化ポイントほどではないかもしれません。
(2)会社設立を司法書士に依頼する場合のデメリット
最後に会社設立を司法書士にお願いする時のデメリットがないか整理してみました。
1、会社設立を依頼する司法書士の報酬が高い
一番のデメリットは司法書士に支払う報酬が高いということでしょうか。冒頭で触れた通り、株式会社でも7万円から10万円しますし、合同会社でも5万円から10万円が相場と考えて良いでしょう。
自分で会社設立を行うケースと比べて、定款認証時の印紙税4万円がかからずに済むとはいえ、大きな出費になります。そのため、専門家にお願いすべき大きな理由がなければ司法書士に依頼する人は少ないのではないでしょうか。特にメリットの部分でお伝えした複雑な会社設立パターンは自分でどうにかできるレベルでないと費用を払ってでもプロにお願いした方が良さそうです。
2、設立後の会社運営の手続きはすべて自分で行う必要がある
司法書士にお願いできるのはあくまで会社設立の手続きのみです。会社を運営するということは立ち上げ後に様々な手続きが待っていますので、それらを自分でやるか他の専門家に依頼する必要が出てきます。
たとえば税務・会計を自分で行う場合は会計ソフトを準備して必要であれば簿記の知識を養いながら対応していかなければなりません。今はクラウド会計ソフトfreeeなんかは知識が少なくても、自動記帳などの機能を使って比較的カンタンに対応できるようになりました。
もし税理士を探す場合は長い付き合いになりますから、納得がいくまで探した方が良いです。自分で一つ一つ探すのも大変なのですが、今は税理士ドットコムで手間を最小限で多くの税理士を検討することが可能になりました。このようなツールを活用して司法書士に依頼した後の業務をスムーズに進めていく工夫をしていきましょう。
◆「司法書士の会社設立費用・報酬・手数料」まとめ
司法書士は会社設立のプロフェッショナルですから設立代行の依頼をすれば結構な報酬が必要となります。今は自分でも登記手続きができるようになりましたが、そんな時間を捻出できない人は代行業者を含めた外注というかたちで会社設立を依頼することになるでしょう。
司法書士の高い報酬を払ってでもお願いした方が良いケースはもちろんあります。複雑な会社設立が必要な人にとっては司法書士にお願いをして安心して準備をした方が良いと思います。
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・司法書士は会社設立の専門家であり依頼する時の報酬も高くなりがち。
・複雑な会社設立をする場合は司法書士にお願いをした方が安心。
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