会社設立を自分でやろうと色々と調べていると、法務局の提出資料に「OCR用紙」なるものがあり、混乱したことはありませんか?
ほとんど使われることのないOCR用紙ですが、そもそもどんなものか知らないと何だか気持ち悪いですよね。そこでOCR用紙について調べてみました。
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・OCR用紙とは何か?
◆OCR用紙とは何なのでしょうか?
会社設立に限らず、世の中のOCR用紙の全貌について調べていきたいと思います。
(1)一般的な用語としてのOCR用紙とは何か?
OCR用紙のOCRとは「Optical Character Reader」の略でして、光学的に文字を認識する入力システムの専門用紙とのことです。光学文字読み取り装置とでも言うのでしょうか。
マークシートや注文書などに使用され、機械やコンピューターで読み取る専門の用紙といえると思います。
そういえばボクも試験の時に、マークシートとか書いたことあるけど、あれもOCR用紙ってことなのかな。
そうじゃな、ああいうOCR用紙に記入された内容を、専用機械で読み取って処理するわけじゃな。
文字などの情報をデータに自動的に読み込むことのできるOCRの技術ですが、昨今の生産性向上の観点からも注目されています。
特に文字データなどは正確性に課題があったのですが、AI等による技術革新により人の手によるデータ入力作業がもの凄いスピードと正確性で対応できると言います。
(2)会社設立に出てくるOCR用紙とは何か?
「会社設立でOCR用紙って聞くけど一体何ですか?」こんな質問を受けるのですが、会社設立でOCR用紙が出てくるのは「登記すべき事項」という内容を提出するときに出てきます。
しかし、今は「登記すべき事項」を作成する時はメモ帳のテキストデータで作ってCD-Rに保存して提出してしまいます。そのため、登記すべき事項をOCR用紙に書いて出すなんてことはほとんどありません。
会社設立の流れの中で「登記すべき事項」という文言が出てきたら、登記簿謄本(登記事項証明書)に記載する項目のことです。
会社名とか、会社の住所とか、代表取締役とか、登記簿に記載される会社の情報を「登記すべき事項」としているのです。この登記すべき事項を設立書類と一緒に出して、法務局で謄本を作ってくれるわけですね。
◆OCR用紙を使った会社設立は現在どうなっているのか
法務局ではOCR用紙の取り扱いはなくなったようです。
OCR用紙を利用する代わりに、オンラインの登記申請やCD-Rに登記すべき事項を記載して提出することを推奨しています。
(1)OCR用紙ではなくオンライン申請等を利用する
まずはオンラインで登記申請をする方法です。オンラインでそのまま登記申請する方法と、オンライン上で登記事項を提出する二つの方法が勧められています。
1、オンライン登記申請を利用する
オンライン登記申請を行えば、法務局に行かずに会社設立の手続きをできます。ただし、電子署名をできるようにする作業環境を整えるのに少しコストがかかりますので、準備の手間などを比較検討して対応するようにしましょう。
2、オンライン申請システムによる登記事項の提出
オンラインによって会社設立のためのオンライン登記申請もできますが、登記すべき事項だけをオンラインで提出することもできます。
申請書総合ソフトをダウンロードして、登記事項をオンラインで提出します。この場合は電子署名などの面倒な手続きは必要ないのが良い点です。
1、提出した際の登記すべき事項の情報を利用して、登記申請書を簡単に作成することができます。
2、電磁的記録媒体(CD-RまたはDVD-R)を用意する必要がありません。
3、オンラインによって、受付番号、補正、手続終了等のお知らせを受け取ることができます。
4、電子署名及び電子証明書の添付は必要ありません。
(2)CD-Rで登記すべき事項を提出する
もう一つの登記すべき事項の提出方法については、パソコンのメモ帳機能で登記すべき事項を記入したら、それをCD-Rに保存して提出するのです。
提出する際のフォーマットは決まっていて、法務省で共有されているのは以下の内容です。引用させて頂きますね。
内容としては、取締役会設置会社での「登記すべき事項」です。(株式会社には大きく、①取締役会設置会社と②取締役会非設置会社に分けられるのですが、詳細はまた別の機会で説明させて頂きますね。今回引用させていただく登記すべき事項は取締役会設置会社のものだということを知っておいて下さい)
「商号」○○商事株式会社
「本店」○県○市○町○丁目○番○号
「広告をする方法」官報に掲載してする。
「目的」
1○○の製造販売
2○○の売買
3前各号に附帯関連する一切の事業
「発行可能株式総数」800株
「発行株式の総数」200株
「資本金の額」金1000万円
「株式の譲渡制限に関する規定」
当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を受けなければならない。
「株券を発行する旨の定め」
当会社は株券を発行する。
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」法務太郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」法務一郎
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」法務次郎
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「住所」○県○市○町○丁目○番○号
「氏名」法務太郎
「役員に関する事項」
「資格」監査役
「氏名」法務花子
「取締役会設置会社に関する事項」
取締役会設置会社
「監査役設置会社に関する事項」
監査役設置会社
「登記記録に関する事項」設立
上記の内容を自分の会社の実状に合わせて書き換えて、オンライン申請をしたり、電磁記録媒体(CD−RやDVD−R)に保存したり、OCR用紙に印字して提出することになります。
◆「会社設立に必要なOCR用紙」のまとめ
OCR用紙による会社設立はなくなり、オンラインの申請かCD-Rによる方法が勧められています。
オンライン申請を法務省のサイトでは推薦していましたが、専用のソフトウェアをダウンロードしたり、株式会社設立におけるオンライン申請のやり方などをゼロからマニュアル見て行うというのは以外と面倒な気もしています。(私が、こうした手続きが面倒だからなのかもしれませんが)。
ですので、上の「登記すべき事項」を自分の設立する会社に合わせて書き換えてメモ帳で保存して電磁記録媒体(CD−RやDVD−R)に保存してそのまま法務局に提出するのが一番ラクなのではないかという気がしています。
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