私はもともとバリバリの営業畑の出身で、ひいき目に見てもイケてる営業マンとは言えませんでした。
毎月毎月達成できる見込みのない営業数字で朝起きるのも辛いし、これから仕事だというのにエネルギーが湧いてこない。
ひどい日には夢の中でも営業をしていて休めている心地もしなかったです。
その時は営業とノルマの違いなんて意識して仕事はしてこなかったんですが、今こうして伸び伸びと仕事ができているのも改めて整理してみると営業とノルマの違いをはっきりと区別して対処してこれたからだと思います。
そこで今回は目標とノルマの違いを理解してストレスなく仕事に向き合える方法を一緒に見ていきたいと思います。
◆目標とノルマの違いを明確にする
仕事をしていて目標とノルマの違いを明確にしている人なんているのでしょうか。あまり周りでは聞いたことはありません。
そんな私も営業という仕事をしていた頃はこんな違いに着目しようなんて思ってもみませんでした。
そんな事よりも死ぬほど営業電話!死ぬほど商談!死ぬほどアフターフォロー!みたいな感じで目標とノルマの違いなんてゆっくり腰を落ち着けて考えようという気持ちにはならなかったんだと思います。
とはいえ、人間がここまで進歩してきた一つのツールとして言葉というものがあり、言葉があるからこそ人は物事を認識して世界を形作ってきました。
物事を言葉によって区別することは、自分の世界に新しい意味付けや解釈を与えてくれる非常にクリエイティブで刺激的な作業でございますからまずは目標とノルマの違いを区別していきましょう。
(1)ノルマとは何?
ノルマと聞いてあなたはどんあんイメージを思い浮かべるでしょうか。
「プレッシャーのかかるもの」「すごいストレスを感じる」「達成しなければいけないもの」みたいな感じでしょうか?
色んなイメージが湧き出てくるはずですが、多分ポジティブなワードは出てこないかと思います。どちらかという胃に穴があきそうな言葉が並ぶような感じです。
・ノルマとは人から与えられた達成すべき基準
ノルマを簡単に言ってしまえば他人から与えられた達成すべき基準です。自分で設定していない点がポイントです。
人に与えられたものなのでどうしても達成できない時には他人のせいにしてしまいます。また、真面目な人であればあるほど達成しないと自分の存在価値がない・・・ぐらいの感覚でとらえている人すらいます。
(2)目標とは何?
目標というとノルマほどネガティブでストレスフルな意味として使う人は少ないんじゃないでしょうか。
目標にはノルマ的な意味あいで使われることもありますが、あえて違いを明確にする意図で考えると「自分で設定した達成したい基準」というのがしっくりくるのではないでしょうか。
・目標とは自分で設定した達成したい基準
ノルマとの色合い違いを際立たせるためにあえて違いを言えば「自分で設定した基準」である点です。さらに達成したいと思えるような前向きな響きがそこにはあります。
自分では無理だと思っているけど会社が求めてくるから仕方なく・・・みたいな基準は目標ではなくノルマなんだと考えてください。
自分が達成したい基準を自分が設定しているんだ、という主体性が必要です。前向きでエネルギーがあって、行動する動機がそこにはあります。
こんな具合に自分が今目の前にしているのがノルマなのか目標なのか明確に区別してみてください。
◆ノルマを目標にレベルアップしてストレスフリーの仕事術
目標とノルマの違いがわかりはじめてきたところで、自分がノルマだらけの環境にいることに愕然とした人もいるかもしれません。私もそうでした(笑)。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります。逆にやりたくもないことを、やっている時ほど時間を長く感じます。
例えば8時間ずっと立ちっぱなしで接客仕事をしている忙しい日にたった3分の時間はとても貴重な時間です。この3分はあっという間だと感じるに違いありません。逆にすごいお腹が減っている時にお湯を入れて3分間待つという行為は非常に長く感じるかもしれません。
つまり人は意味付けや解釈によって見える景色や体験の質が変わってくるんです。
実はノルマと目標の違いはあれど実はこの意味付けや解釈によるウェイトが非常に大きくて、工夫次第ではノルマも目標とシフトチェンジすることでストレスフリーの仕事生活を送ることだって可能なんです。
(1)目標をノルマだと捉えてしまう人の特徴
例えば営業で考えると目標をノルマと捉える人の特徴を考えることで新しい気づきやパラダイムシフトが起こるかもしれません。
意味付けや解釈を変えるには、今自分がどんな状態でどんな意味付けや解釈をしているのか理解するっていうのが一歩目になります。
・目標をノルマだと感じる人は犠牲者だと思っている
仕事の目標をノルマだと感じているあなたは自分のことを犠牲者だと思っていませんか?自分は頑張っているのに会社が無理な数字をおろしてくるのが悪いんだ!とか、自分が目標達成できないのはちゃんと管理していない上司のせいだ!とか。
言葉に出さないまでも、考えていないまでも、そんなような態度をとっていませんか?
・目標をノルマだと感じる人はすでに諦めている
あなたは会社からノルマを与えられた瞬間にすでに諦めていませんか?
例えば営業職だとして上司や同僚からは部署としてこの目標がんばりましょー!おー!とか言っているのにどこか心の中では「こんな数字無理だよなー、先月の数字を知ってこの目標立ててるのかなぁ」とか思ってたりするわけです。
会社の目標をノルマと感じた瞬間に自動的に脳みそは諦めモードに入ってしまい、目標達成のためのアイデアもエネルギーも湧いてくるわけがありません。
・目標をノルマだと感じる人は自分だけでなく他人にも否定的
目標をノルマだと感じる人は自分でも知らず知らずのうちに否定的な感情で内面がいっぱいになっています。
やっかいなのは自分の内面に止まらず、溢れ出てしまって周りにいる他人にも否定的なエネルギーで関わってしまうんです。
たとえば隣で会社の目標達成に向けて一生懸命頑張っている人がいます。すると「なにあんなに頑張っちゃって、そんなに上司からの評価が欲しいのかな・・・」とか、「あの人は最近できちゃった結婚したからお金がどうしても必要で、だからあんなに必死なんだよ」とかもう聞くに絶えない
(2)「何のために?」という質問が持つ無限のパワー
どうすればノルマと感じていた数字が、主体的に取り組もうと思える目標へと変化するのか?ある意味で壮大で永遠のテーマかと思います。
私が実際に効果があったのが「なんのために?」という事を追求することです。すぐに答えは出ないかもしれまえんが、考え続けることに意味がある質問です。
どしてもこの質問に対して頭が働かないという方は色んな角度からアプローチするのも良いですよね。山の頂上を目指すのに道筋は一つではありません。もしかしたら「人生の目標を失った時の処方箋」という記事が参考になるかもしれません。
・人生の責任者であるという立場を持つ
鈴木博さんの書いた「自分が源泉」という書籍に詳しいのですが、自分の人生に起きるあらゆる事は自分が選択した結果であるという視点を持つと責任感とエネルギーが蘇ってきます。
誰のせいにもしないで、自分を人生の責任者とすることは、別に真実がどうとか現実がどうとかじゃないんです。今ここで自分が責任者であると言えるかどうか。自分が責任者だと思えるかどうか。自分が責任者という立場で行動が取れるかどうかなんです。
自分が人生の責任者であるという言葉の意味がわかると、あらゆる事が鮮明に目の前に飛び込んできます。そこに犠牲者的な発想が入り込む余地は一切ありません。その瞬間にノルマが温度を伴った目標となるんですよね。
・仕事と思うな人生と思え
「仕事と思うな人生と思え」これは原田隆史さんの言葉です。元体育教師で目標達成に関する書籍を多数だしている人です。実はこの原田さんもノルマを温度感のある目標に変えるヒントを豊富にくれる方です。
特に仕事と思うな人生と思え・・・という言葉は強く重たい言葉です。仕事で人のせいにして、諦めて、否定ばっかする人は自分の人生全体でも同じことをやっているんですよね。じゃあ、どうすれば良いか。
原田式目標達成シートというものがあるんです。あのメジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手も原田さんの目標設定ツールを活用しています。
原田さんの書籍もたくさん出ていますが、まずは「達成する人の法則」という本が今なら無料で手に入るので、こちらから読み始めて自分の肌に合うようであれば他の書籍で深めていくのが一番リスクが少ないと思います。
◆まとめ
目標とノルマの違い。それは一見、主体性があるか主体性がないかの違いぐらいにしか思いませんが、さらに深堀していくと「仕事と思うな人生と思え」という言葉に集約されるように自分の人生すべての事に関わる重要な考え方なんです。
今の会社での目標が少しでもノルマのような感じで不健全なプレッシャーを感じているようであれば、一度ここで紹介している方法を試すでも良いし、原田隆史さんの本を読むでも良いので、今までとは違う行動を試してください。
今までと違う行動が、今までと違う結果をもたらしてくれます。他に役立つ情報として「逆境を乗りける成功哲学」という記事が参考になると思います。
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