よく問題解決の手法として「目標と現状のギャップ」という話題が出てきます。
効果的な問題解決の打ち手を出すためには、適切な問題の設定が大切だからです。こちらで認識した問題がブレてしまうと解決策もブレて効果的でなくなってしまいます。
そのため問題解決のために現状とあるべき姿(目標)のギャップを把握して効果的な打ち手を考えていくわけですね。
これは目標達成にも効果的だと考えています。
そこで今回は目標と現状のギャップを明確に把握して目標達成を加速させる!ことについて考えていきたいと思います。
◆目標と現状のギャップという考え方を明確に理解!
まずは問題解決の手法として使われる現状とあるべき姿(目標)のギャップについて整理しましょう。
問題と課題を明確に理解することで、その考え方を目標達成のノウハウにも応用できるはずです。
(1)問題と課題の違いについて
よくありがちなのが、問題と課題をゴチャゴチャにしてしまう事です。私もドヤ顏で勘違いして使っている事もありました。
まずは問題と課題の違いを整理して、目標と現状のギャップについて考えていきましょう。
・問題とは
問題を定義すると「目標と現状の差異」です。つまり目標と現状のギャップを問題というんですね。しっくりくるような、こないような曖昧な感じでしょうか。
問題とは「あるべき姿(目標)ー現状=ギャップ(問題)」という式が成り立ちそうです。
広辞苑での意味は以下のようなものです。
1.問いかけて答えさせる題。解答を要する問い。
2.研究・論議して解決すべき事柄。
3.争論の材料となる事件。面倒な事件。
4.人々の注目を集めている(集めてしかるべき)こと。
問題と聞くと真っ先に試験問題が思い浮かぶのですが、それは1の意味で使われているんですね。でも、問いを答えさせることで、授業を受ける前と受けた後のギャップを明確にするという意味ではまさに問題ですね。
目標達成といういう枠組みでは問題をギャップの事として捉えて問題なさそうです。あ、問題ないって事も認識のギャップがないって事だね。
・課題とは
問題と似ているのが課題という言葉です。
「事務作業をできないのが私の問題です」「事務作業をできないのが私の課題です」とどらも同じような感じで使いがちです。
でも課題をよくよく調べてみると「現状と目標(あるべき姿)のギャップをなくすための行動」という事がわかりました。
つまり前の例文でいくと「事務作業をできないのが私の課題です」というのは少しニュアンスが間違っていますよね。
課題という言葉を使うのであれば、「事務作業をミスなく行うことが私の課題です」となるはずです。まぁ、この例文でも具体的な解決策を行動で示せてないので微妙な感じがあります。
「事務作業をしたら再確認する事が私の課題です」が使い方としては良いですね。この場合は事務作業ができないという問題に対して原因が確認していないことに関する課題なわけです。
つまり、課題とは「問題(ギャップ)を起こしている原因をなくすための行動」と言えるわけですね。
(2)目標と現状のギャップについて
問題と課題を説明するにあたり、今回のキモの部分は語り尽くした感じがありますね。
改めて目標と現状のギャップについて整理しておきましょう。
まず、目標とは将来の自分のあるべき姿(理想の姿)という事を抑えておいてください。
現状は今の状態のことです。今この瞬間という点で見るだけではなく、今の状態がずっと続いて手に入る状態という時間軸も含まれます。
つまり毎月貯金を5万円している人が、目標来年までに貯金60万円です!と言ってもそれば目標(あるべき姿)ではないです。だってギャップ(問題)が全然ないわけです。
それよりも毎月貯金5万円の人が目標来年までに貯金120万円です!と言った方が目標(あるべき姿)までのギャップ(問題)が60万円出てきますよね。
すると毎月追加で5万円を貯金しなくてはいけない!という課題が出てくるわけです。
◆現状・目標・ギャップから導かれる最短目標達成方法
これで現状と目標のギャップを使いこなせるようになったと思います。さらには、そのギャップ(問題)から課題を明確にることで、より効果的な目標達成ができそうですよね。
より効果的に最短で目標達成するために、この現状・目標・ギャップをどのように活用して効果的な行動が取れるのか考えていきましょう。
(1)目標と現状のギャップを整理して問題を明確に理解する
最初に目標と現状のギャップを正確に理解しましょう。定量的な数字を使って目標も現状も洗い出します。
例えば現状として体重100キロだとします。これを半年で体重80キロにする事を目標にした場合をみておきましょう。
現状が100キロで目標が80キロということはギャップ(問題)は20キロという事です。具体的には課題としてどんな事を考えれば良いのか順を追って見ていきましょう。
1キロあたり減量するためには7200kcalを消費しないといけません。
すると20キロ減量するには14万4000kcalを消費しないといけないわけです。6ヶ月で考えると180日あるわけですから一日あたり800kcal消化すれば良いんですね。
(2)問題の原因を正確に読み取って精度の高い行動をとる
この1日800kcal消費するための行動が課題となるわけですね。そして、この課題には様々な方法があるので、一番効果的な方法を選んでいくわけです。
でもその前にそもそも100キロの体重で目標体重80キロとのギャップが20キロも生まれた問題の原因を明確にしないと適切な課題を起こせません。ただ1日800kcal消化すれば良いということでもないんですね。
体重が20キロもオーバーしているのは不摂生な食事かもしれないし、運動不足かもしれない。病気の可能性だったゼロではありません。色んな可能性を考えて、明らかに20キロも体重がオーバーした原因を整理していきましょう。
たとえば一人暮らしを始めて、家で食事を食べることがなくなって三食外食になってから体重が20キロも増えてしまったのであれば原因は食生活にありそうです。できれば毎日の摂取カロリーを計算します。
成人男性の基礎代謝が1500kcalということです。これに一日どれぐらい運動するのか、とか歩くのかとか考えて通勤なども考えると一日の消費カロリーを2000kcalとします。
すると食生活を考えた時に1日1200kcalです。運動も加えて2時間のウォーキングをした時の消費カロリーは約500kcalですから、1日1700kcalの食事でも大丈夫になります。
あとは地道に1日の摂取カロリーを考えて食生活の改善を愚直に行う事がギャップを埋めるための行動になるわけです。その他にも自分のモチベーションなどを考えながら、運動を追加したり、基礎代謝を高めるための筋トレを実施したり自分の状況に合わせた改善行動をとるようにするだけですね。
◆まとめ
現状と目標のギャップを整理することができれば、効果的な目標達成のための行動が簡単にとることができそうです。特に問題と課題の違いを明確に理解して使うことで、より精度の高い行動をとることができると思います。
ビジネススキルとしても、この現状と目標のギャップから問題解決の行動を選択するという考え方はよく使いますので覚えておいて損はないと思います。
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