奨学金を返せない大学生が問題になっているように、金銭面の問題でアルバイトをしている大学生を大勢いると思います。
お金を稼げば、当たり前ですが税金がかかります。なるべく税金対策をして、納める金額は少なくしたいものです。
扶養の関係で、親からアルバイトで稼ぎすぎないよう念を押されている学生もいるかもしれません。
そこで学生アルバイトが納める税金について、しっかり理解し、何をどこまで稼いで良いのか線引きを明確にできるようになりましょう。
・学生アルバイトが納める税金の詳細。
・どうしたら学生アルバイトは税金対策ができるのか。
◆学生アルバイトが税金を納める仕組み
今まで税金について勉強する機会がなかったので、どんな風に学生アルバイトの税金が徴収されるのかわからなくて当然です。
学生アルバイトとして税金対策をしたいのであれば、まずは自分が納める税金の詳細を理解するところから始めましょう。
(1)学生アルバイトがお給料をもらえば所得税を納める
学生アルバイトとしてお給料をもらえば、収入に対して所得税が発生します。普通は毎月支給されるお給料から天引きされているはずです。
受け取るお給料の金額が小さい場合は、所得税は発生しないので、会社からもらう給与明細を確認してみてください。
所得税は、もらい損ねることがないように、会社に命令してお給料から天引きします。これを源から差し引くので、源泉徴収と言ったりします。
「所得税をお給料から源泉徴収する」みたいな使い方ですね。
学生アルバイトであれば、受け取るお給与が一定金額を超えたら所得税が源泉徴収されると覚えておいてください。
(2)二ヶ所以上でお給料をもらっている学生アルバイトは確定申告
確定申告って知っていますか?一年分の収入を税務署に申告する作業です。本当はお金を稼いでいる一人一人が確定申告しないといけないんですが、そんなことをしたら税務署職員が何人いても足りません。
1、普通のサラリーマンは確定申告ではなく年末調整で所得税を確定
そこで、お給料をもらっている従業員は、会社の方で年末調整という作業で所得税を確定させます。
毎月、源泉徴収で所得税を天引きしておいて、12月に一年分を最終調整するのです。これが年末調整です。
一ヶ所からお給料をもらっている人が対象になります。
2、二ヶ所以上でアルバイトしている学生は確定申告
この年末調整は、一ヶ所で働く人限定の取り組みです。アルバイトをする学生なら二ヶ所以上で働いていると思います。
二ヶ所以上からお給料をもらっている人は、年末調整をすることができません。少し面倒臭いけど、個別に確定申告をして、正しい税金を計算することになります。
(3)その他に学生アルバイトが納める可能性のある税金
少し余談になりますが、学生アルバイトに関係のある税金をまとめてみたいと思います。お給料から天引きされているのは所得税でした。他にも、学生アルバイトが納める可能性がある税金が存在します。
1、住民税
住民税は、住民が払う税金。学生アルバイトでも収入があれば住民票のある自治体に納めるのが住民税です。
地域によって差があるみたいですが、基本的に年間の収入が100万円を超えなければ住民税は発生しません。
2、消費税
10%に上がり何かと話題の消費税はみんなにかかる税金です。ものやサービスを買ったり、消費したりすることにかかる税金。
子どもから大人まで、ある意味で平等な税金のようにも思います。学生アルバイトの人が特に気にしたり、税金対策するようなものではなさそうです。
3、健康保険料・国民年金保険料
病院とか、歯医者にいくと、健康保険証渡していますよね?あれのおかげで自己負担が3割で済んでいるんですけど、ぜんぶ健康保険に加入しているからなんです。
学生アルバイトであればお父さんの扶養に入っているかもしれないから自分で何かしてるってことはないかもしれません。
国民年金も、おじいちゃん、おばあちゃんになった時に年金を受け取るための仕組みです。20歳になったら国民全員加入しないといけません。
でも学生だったら、社会人になるまで支払いをストップできます。大学生で成人を迎えたら忘れずに役所へ行って手続きしましょう。
◆学生アルバイトが税金を払うケースと払わないケース
学生アルバイトに関係のある税金の全貌が見えてきたら、それでも納めてる税金と、そうでない税金があるはずです。
もし学生アルバイトとしてお金を稼いでいるのに支払っていない税金があるとすれば、国の特別ルールや養ってくれている家族のおかげかもしれません。
(1)学生アルバイトが所得税を納めなくて良い特別ルール
学生アルバイトが所得税を払わないパターンがいくつかあります。
1、年間で103万円以下であれば所得税はかかりません
基本的にトータルの収入で考えると年間103万円未満であれば所得税は発生しません。
もしお給料から所得税を源泉徴収される月があったとしても、トータルで103万円を超えていないようなら年末調整で戻ってくることになりますね。
2、勤労学生控除が27万円加わり年間130万円まで所得税はかからない
年間103万円までなら、どんな人でも所得税は発生しません。学生なら追加でプラス27万円まで所得税がかからないようにできるのです。
学生アルバイトは合計130万円は大丈夫ということですね。
学生の特典として年130万円まで所得税がかからないというお話ですが、103万円超えると親の扶養から外れてしまうので要注意です。
学生である自分は何も影響はありませんが、親が納める税金が高くなります。親の扶養に入っている人は自分の収入を報告した方が良さそうですね。
(2)学生アルバイトが住民税を納めなくて良い特別ルール
住民税の特別ルールも見ておきましょう。住民税は年間100万円までは発生しません。学生アルバイトとしても年収100万円以下なら納めることはなさそうです。
ちなみに住民税の金額が決定して、徴収する流れは他の税金と少し違います。
毎年12月に、その年の収入が確定します。その情報を会社から市区町村が受け取ります。そこから一人一人の住民税を計算すると、だいたい半年後の6月に決定するわけです。
そこから一年間かけて集めていくので、私たちは住民税を毎年6月から翌年5月までかけて支払います。
去年の収入によって税金が決まるって良く聞くのは、この住民税のことを言っているんだね。
扶養家族については、要件など複雑なので、ここで整理してください。
[kanren postid="番号"]
(3)学生アルバイトが健康保険料を払わなくて良い特別ルール
税金ではないのですが、バカにできないのが健康保険料です。国民年金保険は、大学生であれば支払いをストップできますが、健康保険は加入しないと医療費が全額自己負担になっちゃいます。
でも学生時代に健康保険に加入した覚えはありますか?私はありません。実は親の健康保険の扶養に入っていたからなんですね。
私の場合は親はサラリーマンでしたから社会保険に加入していました。社会保険であれば、家族の収入が130万円未満であれば、扶養家族として親が入っている健康保険に一緒に加入できてしまうわけです。
そのため、もし学生アルバイトとして130万円を超えてしまったら親の社会保険の扶養家族から外れてしまいます。
その時は自分で役所に行って国民健康保険に加入しないといけません。
◆「学生アルバイトの税金対策」まとめ
学生アルバイトでも、一定の収入があれば税金を納めます。
所得税であれば130万円以上(一般の人は103万円以上)。住民税であれば100万円以上(地域によって多少の違いあり)。社会保険料であれば130万円以上です。
特に所得税と社会保険料は要注意です。
所得税の場合は、両親の扶養に自分が含まれているときは103万円は超えない方が良いでしょう。あなたの親は年収103万円未満の子どもを養っているという理由で、税金が安くなっているからです。
同様に、社会保険料についても、親がサラリーマンで社会保険の扶養家族に入っているときは年収130万円を超えない方が良いでしょう。
親が加入している社会保険には、年収130万円の家族は扶養家族として健康保険を使わせてもらえる特別ルールがあるからです。これが適用できなくなれば、自分で国民健康保険に加入して毎月結構な健康保険料を払わないといけなくなります。
▼大学生は税金を学ぶ機会が少ないからこそ、できるところから税金の仕組みを理解していきましょう。必ず社会に出てから役にたちます。
▼もし収入が年間で103万円を超えそうだったら必ず両親に相談しましょう。その上で収入を抑えた方が良いのか、税金などを払った上で103万円以上払った方が良いのか考えると良いでしょう。(その家庭ごとのお金や学業への考え方があるため。)
コメント