小学生のなりたい職業に「YouTuber」という言葉が出てくるほどYouTube動画を投稿して収入を得ること、さらにそれが職業になり得ることは、あたらしい仕事が世の中に誕生することを目の当たりにしているかのようです。
YouTubeで動画を作成して投稿するために使う経費は、実は事業にひもづくものと、プライベートなものと分けにくいというのが実情です。上手に経費に計上してYouTubeを利用する方が確定申告する際に税金対策する方法について整理してみましょう。
ちなみに自分自身で税金対策(節税)を行うには、どうしても限界があります。税金のプロである税理士の方が秘密にしておきたい裏技を余すところなく教えてくれている情報がありますので、興味のある方は以下をご覧ください。
◆YouTubeで収入を得る仕組み
最近話題のYouTuberなんかは人気の人になると何千万円も稼いでいるというから驚きです。基本的にYouTubeから収入を得る仕組みは動画を投稿して、広告が掲載されるように設定しておきます。動画を閲覧されると自動的に広告動画が流れたに、画面の下の方に広告画面が表示されるので、動画の再生回数やクリックによって収入を得られます。
このYouTubeからの収入が毎月指定した口座に振り込まれるわけですね。
[ad#co-1]◆YouTubeからの収入で税金対策をする時の注意点
大きい小さいに関わらず実際にYouTubeから収入を得たら申告をして税金を納めないといけません。人気YouTuberに限らず、もし大きな広告収入を得るようになっ
たら税額も大きくなりますので、税金対策を検討することにもなると思います。
YouTubeからの収入を税金対策するときの注意点について整理しておきたいと思います。
確定申告するのはYouTubeで年間でいくら稼いでから?
少しでも収入を得たらなんでもかんでも確定申告をするわけではなくて、年間でYouTubeから稼ぐ金額や状況によって確定申告をしなくてはいけないか、そうでないかが決まります。確定申告をしなければいけない人は以下になります。
1、会社から給与を2,000万円以上受け取っている人
これは会社勤めの人が対象で、特にYouTubeで稼ぎ少ない人でも本業の給与が2,000万円超えていたら確定申告が必要です。
2、二ヶ所以上から給与を受け取っている人
こちらは会社勤めで給与をもらっていたら一ヶ所目、他の会社に勤めたりアルバイトしたりなどしてそこでも給与もらっていたら二ヶ所目ということでこの人は確定申告をした方がいいです。
3、給与収入以外で20万円以上の所得がある人
お給料以外で、たとえば副業などによって収入から経費を差し引いた利益の部分が20万円を超えるのであれば確定申告をしなければいけません。YouTube動画で収入を得る人たちは、副業をしている方ほとんどだと思いますが、その利益が20万円を超えていたら確定申告をするように気をつけましょう。
4、学生や主婦など収入がない人が38万円以上稼いだ場合
他で働いていなく収入がない人がYouTubeなどで収入を得たら、その利益が38万円を超えたら確定申告をした方が良いです。個人的には38万円を超えていなくても、青色申告の場合は赤字を3年間繰り越すことが出来るので、赤字でも確定申告をしておいた方がのちのち黒字が出たときに相殺できるので長い目でみて税金対策になるのではと思っています。
YouTubeの確定申告で税金対策をする方法は大きく2つ
YouTubeでの収入を税金対策しようと思ったら、「控除を活用する」「経費を大きくする」の二つが王道になるかと思います。
・控除を活用する
確定申告の大きな流れとして以下になります。ちなみに控除の意味は「差し引く」ぐらいにとらえておいてください。
1、収入から経費を差し引いて所得(利益)を確定する。
2、所得(利益)から所得控除を差し引いて最終的な所得を出す。
3、最終的な所得から所得税率をかけて出てきた数字から税額控除を差し引いて所得税が決まる。
このように最終的な所得税額を決定するまでに、所得控除と税額控除という二段階で条件に当てはまれば税金が安くなるチャンスがあります。こちらの控除をもれなく活用するというのが確定申告の税金対策の第一歩となるでしょう。
ちなみにこれら確定申告の控除関連について条件やルールは複雑だったり、たくさん種類がありますので、こちらの「安心して暮らせる貯蓄を手に入れる控除を活用した税金対策の仕方」の記事をご覧ください。
・経費を最大限活用する
まず個人事業主が確定申告をする時に収入から経費を差し引いて所得(利益)を算出します。この時に経費が多ければ多いほど所得(利益)が小さくなるので、所得税も小さくなるという考え方です。
まずは漏れなく経費になるものを計算します。この時、経費として計上できるのはあくまでも事業のために使ったお金であり、YouTubeからの収入についていえば動画を作成したりロケしたりするための費用が考えられると思います。
危険なのは、いくら動画のために使うといえどもプライベートとの境界がグレーになるようなものは経費として認められない危険性を孕んでいることを忘れないでください。こちらに関しては後半でも改めて詳しく整理させて頂きます。
個人事業主が税金対策をする方法としてこちらの「個人事業主が経費を最大限活用して税金対策する方法」に詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。
[ad#co-2]◆YouTubeで稼ぐ人が税金対策をする時にどこまで経費計上が可能?
YouTubeによる収益を確定申告する時にどうやって効果的な税金対策をするかといえば、より多くの経費を計上することが考えられると思います。普通は事業で使うお金については、ある程度明確に事業で使った経費かそうでないかは線引きがしやすいです。
ただ、YouTubeで高級時計を購入した動画を投稿するとか、多額の宝くじを購入する動画を投稿した時にはそれが経費となり得るかどうかはグレーであると言わざるを得ません。
YouTubeで売上を立てた時に経費計上できると考えられるもの
具体的に事業としてYouTube動画で収益を立てた時に売上と直接関係する支出として考えられる経費は以下のようなものがあると思います。
・動画を編集したり作業するためのパソコン
・動画編集ソフト
・ビデオカメラやマイク、ライトなどの撮影機材
・撮影スタジオを借りた場合のお金
・ロケ撮影時の交通費
・打ち合わせをした時などの会議費
・撮影にしようした消耗品
など
インターネットビジネスで経費にすることが否認された事例
YouTube動画を投稿して収入を得る上で、どこまでが経費となるかがポイントです。過去にインターネットサービスで経費ついて争われた事例があります。
これはインターネット上でライブチャットというサービスで収入を得た方が平成19年から平成23年まで確定申告をしていなかったとして税務署から申告をしなさいと処分を受けた事例です。
過去に遡って確定申告するにあたり、あれもこれもと様々なものをインターネットの事業に必要経費として計上できるか確認したところ、ことごとく認められなかったというものでした。
・この事例ではどんな経費が否認されたのか
過去に収入があるのに確定申告して下さいよ、と言われたのですがそれ以上に経費を使っていたから問題ないでしょ!と言って争われた事例ですが、一体何が認められなかったのでしょうか。提出した書類は以下のようなものです。
A 平成25年5月29日提出の必要経費に関する書類
(A) インターネットショッピングサイト(R等)の購入履歴
(B) 領収証、納品書、お買い上げ明細書及びご注文内容明細書等の伝票
(C) 商品購入店からのメール文書
(D) 商品名及び金額が記載された商品リスト
(E) インターネットショッピングサイト(S等)の商品ページを出力した書類
(F) 金額が記載された商品画像の印刷物
(G) 商品の取扱説明書や保証書の写しに手書きで金額が記載されたもの
要は「コートやジャケットなどの衣服類」や「バックや時計などの装飾品」、「スーツケースやミシンなどの洋服関連商品」、「登山靴やスキーウェア、カーキャリアなどの屋外撮影用の道具」、「化粧品やダイエット商品など自分を綺麗に見せるためのもの」などを上記書類と一緒に提出しました。
これに対して異議審理庁と呼ばれるところは、結果的に今回のインターネットサービスを提供する上で認められる経費としてはウェブカメラやパソコン関連商品の一部と衣装代だとしました。
それ以外の経費は、対象となるインターネットサービスによる収益を得るにあたり、「関連性があるかどうか」や「仕事をする上で必要なものかどうか」が明らかでないので、認められないということになりました。
・無理なこじつけの経費は返って災いの元かもしれない
この事例では、ありとあらゆることをインターネットサービスと関連させようとして理由を述べられていますが、異議審理庁からは、以下のようにバッサリと切られています。
以上のことからすれば、請求人の本件各費用の業務関連性に関する各答述は総じて終始場当たり的であって一貫せず、不自然かつ不合理な内容や本件必要経費書類によって確認できない内容を無理に関連付けて述べるものと認められるから、全体として到底信用することはできない。
納税者の言っていることは信頼に足りないので、認めることができないと言っているわけですね。
過去分の収入の確定申告をして税金を納めなさいといきなり言われたわけで急いで経費になる資料を集めて、無理やりに事業で使ったというストーリーをでっち上げてしまったのでしょう。中には本当に事業に関わる経費もあったと思いますが、それすらも否認されてしまったのではないかと思います。
このように無理や無茶のある経費は、どこかでボロが出ますし、それによって信頼を無くして厳しく税務調査をされるようなら、最初からしっかりと準備をした上で税金対策をした方が良かったのかもしれませんね。
YouTubeでの経費を認めさせるために準備しておきたいこと
これまでの情報から、YouTubeでも経費を考えようによっては幅広く計上できそうですが、税務調査などで厳しい追求にも太刀打ちできるようにしっかりと現段階から準備をしておく必要があるのは確かです。
・YouTubeから得た収入で税金対策をするために準備すること
ポイントは合理的で一貫性のある情報を残しておくことに尽きます。
1、YouTubeの動画作成や動画の準備にひもづく直接的な関連性を証明できるようにしておく。(いつ、どこで、何の目的でその費用を使ったのか)
2、嘘はなく、一貫性のある説明を出来るようにしておく。(どこかで辻褄が合わなくなるのは一番だめです)。
3、たとえば物を購入したとしてYouTube動画に使うのは一時的で、そのあとは継続的にプライベートで使うものなどは、事業用とプライベート用の使っている割合を計算して按分して経費に入れるようにする。その際の割合の根拠も合理的な数字で計算する。
4、毎月、何にどのような経費を付けているのかは記録として綺麗にまとめておくこと。
まとめ
いかがでしたでしょうか。YouTubeから収入を得るという、これまでに存在しなかったビジネスモデルであり、かつその事業の特徴から事業とプライベートの経費を明確に分けることが難しいため、それが経費であることの証明はかなり慎重に情報を整理しておく必要がありそうです。
いきなり過去に遡って、この経費の情報は?なんて聞かれても覚えているはずがないですから、毎日の丁寧な情報整理と資料作りが大切なのでしょう。
経費はしっかりと証拠を残しておく事が自分を守るためにも大切です。領収書をどのように残せばいいのかなど後悔しないための工夫点などをこちらの「領収書をしっかり経費にして税金対策」の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
高級品は経費にできるかどうか?という切り口で税金対策についてまとめた「高級時計を経費にして税金対策をすることは可能でしょうか?」という記事は今回の件に関連して参考になるかと思います。
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