副業解禁なんか言われ、サラリーマンでも副業を始める人が増えてきたように思います。サラリーマンと副業の組みあわせは税金だけでなく、社会保険料もおトクになるケースがあるので検討してみる価値は十分にあります。
これだけ副業が叫ばれる中、まだ副業禁止をうたう会社も少なくありません。せっかく副業が軌道に乗ったのに会社設立をしたら勤務先にバレてしまうのではないか。そんな不安を持ったサラリーマンのために勤務先にバレない会社設立方法を整理しました。
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・なぜ副業サラリーマンが会社設立をすると勤務先にバレてしまうのか?
・勤務先にバレない!副業サラリーマンのための会社設立方法
◆なぜ副業サラリーマンが会社設立すると会社にバレるのか?
絶対に会社にバレない会社設立方法を検討する前に、なぜ副業サラリーマンが会社設立をすると勤務先にバレてしまうのか?その可能性を探ってみてみましょう。
(1)社会保険の加入状況から勤め先に副業の会社設立がバレる
まずは会社設立をした後に、役員報酬を受け取るのであれば基本的に必ず社会保険に加入しないといけません。
1、会社設立をして役員報酬を受け取るなら必ず社会保険に入る
これは株式会社でも合同会社でも一緒です。取締役や業務執行社員として、役員報酬を1万円でも受け取るのであれば、社会保険に入らないといけないのです。
2、二つの会社で社会保険に加入すると情報が行き渡る
サラリーマンは本業で勤めている会社で社会保険に加入します。副業で会社設立した後には、新しい会社で役員報酬を受け取る分の社会保険に加入しないといけません。
設立した会社で受け取る役員報酬に紐づく社会保険料は、その割合分を按分して納めないといけません。そのためには、副業の会社で社会保険に加入しなくてはならなくなったら、複数の会社で社会保険に加入しているという届出を出します。
この届出を提出すると、本業の会社にもこの人は二箇所以上で社会保険に加入しているので、それぞれの会社の収入ごとに社会保険料を納めますという通知が行くのです。
二箇所以上で社会保険に入っているなんて通知がいっちゃったら、副業しているのがバレバレだね。
(2)住民税の通知から副業から収入があることがバレる
ほとんどの会社では住民税が天引きになっています。前年度の収入に応じて、住んでいる自治体から会社に、住民税の通知がいきます。その金額に合わせて会社がお給料から住民税を天引きして支払うのが基本スタイルです。
もし副業をして収入がグンっと上がると、その分、住民税も上がります。会社側もお給料に変化がないはずなのに、急に住民税が上がればおかしいと思う人お出てくるかもしれません。
会社の人が従業員全員の住民税に目を光らせているわけではないと思うけど、本業以外で収入があるのがバレるきっかけになる可能性はあるよね。
そこで副業収入があったりすると、確定申告の時に住民税は自分で納める選択をします。本業での収入に紐づく住民税は、会社から天引きしてもらいつつ、副業分の収入については自分で払います。そうすることによって副業がバレるリスクを最小限にします。
(3)自分で他人に会社設立した事を話してしまいバレる
以外に多いのが、自分の口から周りに副業や会社設立がバレることです。
人間は承認欲求が多いせいか、副業で収入があったり、会社設立をして社長とかになったりすると、どうしても自慢したくなります。
自慢するつもりはなくても、認めて欲しい気持ちから副業や会社設立のことを自分から話してしまう人がいるのです。中には、嫉妬から会社に告げ口のような形でバレるケースを見たことがあります。
副業や会社設立を、絶対に勤務先に知られたくない人は、何がなんでも他人には話さないようにしましょう。
◆会社にバレずに副業サラリーマンが会社設立する方法
副業や会社設立が本業の会社にバレるリスクは、社会保険と住民税と自分の口という三つの切り口が考えられます。
それぞれに対策を立てたとしても100%勤め先にバレない保証はありません。ただし最大限工夫をして会社設立することで、限りなくバレるリスクをゼロに近づけることはできると思います。
(1)会社設立しても役員報酬を受け取らずに配当を受ける
会社のバレない設立方法としては、会社の取締役や業務請負執行社員になったとしても役員報酬をもらわない方法です。
役員報酬が0円なら、たとえ会社設立をしたとしてもバレることは無いと思います。ただし役員報酬として経費にできるはずの金額が、会社の利益になってしまうので、最終的に会社が納める税金は高くなります。
税金を納めた後の残りのお金の一部を、出資者に配当として渡すことでお金が自分の手元に入ってくる算段です。
役員報酬をもらわない方法だと、税金も多くなるし、配当も利益の全部をもらえるわけじゃないから良く考えないといけんぞ。
1、役員報酬0円なら社会保険に加入する必要が無い
今のところ会社の役員になっても、報酬が0円なら社会保険に入る必要はありません。ただし役員報酬0円ということは、会社から自分の手元にお金を流すことができないという意味なので、本当にそれで副業の目的を達成できているのか要注意です。
2、役員報酬0円なら副業の会社で住民税は発生しない
役員報酬が0円であれば、副業に紐づく個人の収入は0円です。副業サラリーマンという立場での住民税は追加で発生しません。
今働いている会社に住民税の通知がいく危険もゼロなのでバレるリスクはありません。
(2)一緒の財布で暮らしている妻や両親を役員にする
役員報酬を受け取りつつ、会社にバレる可能性をゼロにできるのが一緒に生活をしている妻や家族を役員にする方法です。
会社設立時には自分は発起人として出資だけします。100%出資者は自分です。そして役員に妻や両親を入れて役員報酬を支払うわけです。
通常の生活では、お財布が一緒なはずですから自分に収入が入ろうと、妻や家族に収入が入ろうと変わらないはずです。
自分や役員報酬0円です。もちろん役員にならなくても良いです。その代わり妻や家族に対して適正な役員報酬を支払います。
1、配偶者や扶養家族を扶養に入れているときの注意点
配偶者や扶養家族に役員報酬を支払う時には、金額によって扶養を外れる可能性があるのでトータルで損か得かを考えて報酬額を決めましょう。
配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除を使っている人は吟味が必要です。
2、常勤役員で役員報酬もらうなら月1万円でも社会保険に入る
普通の役員報酬は、月1万円でも受けると社会保険に加入しなくてはいけなくなります。
一緒に住んでいる妻や家族を役員にするなら会社にバレるリスクを少なくできると言いました。例えばもし、妻が年収130万円以内で社会保険の扶養に入っていたとします。
妻が役員報酬をもらってしまうと、年収130万円以内だから夫の社会保険の扶養に入れるわけではないんですね。
夫の社会保険の扶養より、会社役員として報酬を受けることによる社会保険加入の方が優先度が高いんだね。
3、両親に役員報酬を払う場合は年金との兼ね合いに注意
もし年金をもらっている家族に役員報酬を支払うときは、年金との兼ね合いに注意です。
どんな年金をどれぐらいもらっているのか、によりますが役員報酬の額が大きいと受けとる年金額が少なくなってくる可能性があるからです。
もし両親などを役員にする可能性があるなら、お近くの年金事務所に相談しながら年金額を決めるようにしてください。
(3)非常勤の役員として報酬を受け取り社会保険に入らない
役員だったとしても、非常勤役員で報酬をもらう場合は社会保険に入らなくても大丈夫なケースがあります。
現状は大丈夫というだけで、今後は非常勤役員でも社会保険に加入しろと急に言われる可能性もあるので、手放しで喜べるわけではありません。
常勤は普通の役員です。やるべき業務内容や責任の範囲が明確です。
非常勤役員は、非常勤というぐらいですから決まった仕事時間や明確な仕事内容は設定されていません。
一般的には正社員の4分の3未満の労働時間であることと、一ヶ月の勤務数が正社員の4分の3未満であることが一つの基準となっています。
◆副業は個人事業と会社設立のどちらが良いのか?
副業は個人事業主で始めることが多いです。軌道に乗って売上が順調に伸びてきたら節税のために法人成りするといった感じです。
中には、取引先との関係でいきなり会社設立しないといけない事があります。
会社設立だと副業禁止の企業に勤めている人は、今回紹介したような点に注意しながら進めてもらわないといけません。
個人事業主の場合は、違う点で注意しないと会社にバレてしまいます。
(1)個人事業だとしても会社に副業がバレる危険はなくならない
個人事業主で副業を始めたとしても、住民税の切り口で会社にバレてしまう可能性が出てきます。
副業の場合は年間で20万円以上の利益が出ていれば確定申告をしないといけません。確定申告をすると、会社の収入と副業の収入を合わせた金額で住民税を計算されます。
1、住民税は勤めている会社のお給料から天引きされる
この住民税の額を勤めている会社に、お給料から天引きしてください、というかたちで通知が行くのです。会社側からしたら、同じ給料で働かせている人の住民税額が違ったら怪しいということになるかもしれないのです。
2、確定申告時に副業分の住民税は個別で納める設定にする
副業をバレないようにするためには、確定申告をするときに住民税を自分で納めるように手続きをします。
会社に通知がいって、まとめて天引きされる仕組みを住民税の特別徴収と言います。副業分を個別に納める方法を住民税の普通徴収と言います。確定申告書には必ず普通徴収で納める欄にチェックをいれてください。
(2)法人化した方が個人事業主と比べ節税になる可能性がある
考え方の問題ですが、個人事業主として事業が拡大していくとどこかで法人化を検討します。
売上によっては法人の方が税金が安くなる分岐点があるからです。個人事業主として会社にバレる危険を最小限に抑えていたのに、法人成りすることで会社にバレるリスクが出てくるので、今回の工夫点を参考にしてもらえればと思います。
売上がどれぐらいになったら、個人事業主から法人成りしたら良いのか調べてみました。
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◆「勤務先にバレずに会社設立」まとめ
副業解禁が多くのメディアに取り上げられ、これからサラリーマンで副業に挑戦する人たちは増えていくと思います。
副業禁止の会社に勤めている場合は、個人事業主でも会社設立でもバレないように一手間が必要です。
法人の役員は妻や代表にしたり、個人事業主は住民税を普通徴収にしておくといった工夫です。
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