株式会社を設立する要件の一つに「発行可能株式総数」があります。
これは将来的に発行できる、株数の上限を決める項目です。この上限を超えて株を発行することができないわけです。
でも、何で発行できる株の上限を決める必要があるのでしょうか?今まで会社経営に関わったことのない人からするとチンプンカンプンです。
中には勘違いをして間違った数字を設定する人がいるので、わかりやすく整理しておきたいと思います。
発行可能株式総数は、なるべく多い方がいいと聞いたことがあるな。
特殊な会社を作るわけじゃないなら、発行可能株式総数はいくつでも設定して大丈夫じゃから、なるべく多くするのは王道じゃな。
発行可能株式総数について
発行可能株式総数・・・?という方に向けて、概要を整理します。
具体的な決め方を考える前に、発行可能株式総数の全貌を明らかにしていきましょう。
ときどき、発行可能株式総数と、会社設立時に発行する株数を勘違いしている人がいるので要注意です。
(1)会社設立時には発起人が株主となる
株式会社を設立するときに、発起人(ほっきにん)と呼ばれる一番最初に会社を作ろう!という立ち上げメンバーがいます。
この立ち上げメンバーである発起人が、最初に会社の資本金を出し合います。設立後には、この発起人がそのまま株主となるわけです。
発起人が、そのまま株主になるような設立の仕方を「発起設立」と言います。発起人以外にも、いろんな人から出資を募る方法を「募集設立」と言います。
世の中の会社設立のほとんどが、発起設立のパターンです。
株主は、会社に出資する金額の割合によって、会社への影響力を持つことになります。
100%の株式を持っていれば、すべて自分でコントロールできる会社ですし、複数人で株式を持っているのであれば、その割合によって影響力が違います。
(2)発行可能株式総数とは?
発行可能株式総数を一言で乱暴に説明すると、「将来増やせる株数の上限」です。
会社設立時に設定した、この上限を超えて株を増やすことはできないことになります。
そのため、発起人がそのまま株主になるような、ほとんどの人が行う設立パターンは、なるべく多めに発行可能株式総数を決めておくと良いです。
株主は持っている株数(出資している比率)によって、会社へ与える影響力が変わってきます。
そのため無尽蔵に出資を集められる状態にしてしまうと、結果的に自分たちの不利になることも考えられます。
株主が増えすぎたらもらえる配当金が少なくなってしまうかもしれないし、議決権も割合が減って会社へ与える影響力も少なくなってしまうかもしれんな。
このように株主の権利を守るため、あらかじめ会社設立時に増やせる株の上限を決めておくわけです。
これが「発行可能株式総数」ということになります。
発行可能株式総数はいくつにすると良い?
発行可能株式総数は、いくつでも良いとは言われても、実際どれぐらいにすれば良いのでしょうか?
(1)なるべく多めの発行可能株式総数にする
発行可能株式総数はなるべく多めに設定しておくことがセオリーです。
もちろん途中で発行可能株式総数は変更できるのですが、会社設立後に変更するときには変更登記代として費用がかかります。
無駄なコストをかけないためにも、なるべく多めに設定しておくってのが良いんだね。
(2)一株の金額を意識して発行可能株式総数を決める
たとえば一株の金額を1万円に設定したとします。資本金を100万円に設定するということは、100株発行するということです。
事業が順調に成長して、資本金を増やしたいと思ったときに発行可能株式総数を超えて増やすことができません。
発行可能株式総数が1000株だったら、1000株以内にしないといけないわえけです。そう考えると、そんなに増やす予定はないけど、一応多めに設定しておくか・・・ぐらいのテンションで決めてしまった方が良いわけです。
けっこう1万株ぐらいの上限に発行可能株式総数を設定する人が多い印象です。一株1万円なら1億円まで資本金を増やせるという設定なわけですね。
株式会社設立時に一株の金額をいくらにするのかを決めます。
今は特にルールはなく、一株1円からでも設定できます。あくまでも個人の感想ですが、一株1万円とか5万円で設定している人が多い気がしています。
一株の金額がいくらかによって、発行可能株式総数との組み合わせで、資本金の上限が変わりますので、上手に組み合わせて考えるようにしましょう。
まとめ
発行可能株式総数とは、その会社が発行できる株の数の上限です。
ここで決めた数より多くの株式を発行することはできません。株式を発行できないということは、その分の金額以上に資本金を増やせないのと同じ意味です。
この発行可能株式総数を途中で変更はできますが、変更登記にお金がかかるので、なるべく会社設立時には多めの数に設定してきましょう。
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