会社の作り方。今まで会社員だったりすると、会社設立とはほとんど縁がありません。
会社設立と法人登記って同じ意味なの?って思ったりもします。
そもそも会社といっても株式会社や合同会社もあるし、一般社団法人っていうのも聞いたことあるけど…という方なら混乱の極みですよね。
そこで過去記事を踏まえながら会社の作り方という切り口で情報を整理します。
会社の作り方だけじゃなくて、うまくいく会社を立ち上げるための方法も知りたいな。
確かに立ち上げたばかりの会社はすぐに潰れてしまうことも多いから、潰れない会社を作るというのは良い視点じゃな。
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◆潰れない会社を立ち上げるためにはどんな準備が必要?
(1)会社を立ち上げるための自己資金をコツコツ準備する
会社を立ち上げるにはお金が必要です。
個人事業主なら届出を出すだけでスタートできるのですが、会社となるとそうはいきません。
実は創業時の融資を受けるときも、自己資金が必要なんです。
そう考えると全くの無一文で会社を立ち上げようとするのは、意外と無謀なのがわかります。
会社設立のお話をしていて、まったくお金ないけどビジネスアイデアだけはあるから、融資もらって起業したいという人がいます。
抜群の事業アイデアなら興味を持った投資家が出資をしてくれるかもしれません。
ただし、金融機関は自己資金がないことや、思いつきで起業するような人には厳しいです。
そこで将来会社を作りたいなぁとおぼろげにでも思っているなら毎月1万円からでも良いので少しずつ貯金をおすすめしています。
ギリギリの生活で月1万円の独立用の貯金なんて無理という方も、楽天モバイルなどの格安携帯などに乗り換えるなど工夫のしようはたくさんあります。
(2)カンタンなもので良いから事業計画書を作る
次に独立前からカンタンな事業計画書を作っておいてください。
頭の中やメモ程度で事業アイデアを持っている場合は、なおさら事業計画というかたちに落とし込んでおくと良いです。
難しく考えすぎることはなく、ノートにカンタンなビジネスモデルを書くところから始めます。
1、カンタン事業概念の書き方
「あなたのサービスは何ですか?」「あなたのサービスを利用する人は誰ですか」「顧客にどんな経路で販売しますか?」
まずは、この三つの質問に対して絵を書いていきます。
「競合となる会社やサービスはどこですか?」「事業を進めるための協力者は誰ですか?」
この二つの質問の答えを絵に描き加えていきます。
こうやって自分の頭の中のビジネスモデルを全部紙の上で図式化して、なるべく振り返る頻度多くしながらブラッシュアップしてください。
2、カンタン数値計画の作り方
まずは事業を始めた月からの売上の計画を立てます。
詳細な売上計画を作るなら、一つずつ商品やサービスの単価を作っておき、それを月ごとの販売個数を出して売上計画とします。
経費については、事業を準備するためにスポットでかかる費用を全部出してください。
オフィスを借りるなら保証金や、内装や外装のお金、パソコン買うならその費用、設備にかかるお金全般です。
次に毎月経費として出ていくお金を計算します。少し多めに見繕った方が良いでしょう。
そして売上計画と重ねて、売上が毎月の経費を超える時期まで、いくらお金が足りないのかがわかります。
融資を受けるのか、自己資金でいくのか、事業スタートまでにいくら貯めておかないといけないのかが丸わかりになるわけです。
創業時の融資については、起業前の準備としてもっと詳しく紹介しています。
(3)会社を立ち上げるまでの間に必要な協力者とつながる
事業概念図や数値計画を紙に落とし込んだときに、たぶん今の自分に足りないものが見えてきたと思います。
お金が足りない、仕入先が足りない、経営のアドバイスしてくれる人が足りない、営業を手伝ってくれる人が足りない…などなど。
それがわかったら、会社を立ち上げる前段階で、その協力者を探しておくのです。
会社員であれば、会社関係の人で協力してくれる人を探したり、大学時代の友人に相談したり、交流会に参加したり、協力者を探す方法は無限にあります。
もちろん経営をしたら、必ず自分だけでは解決できない問題が山のように出てきます。
行き当たりばったりで起業するよりも、事前に準備できるものだけでも対策を講じておく方が精神衛生上も健全です。
◆いろんな会社の作り方(株式会社・合同会社・合資会社・一般社団法人)
会社といっても、株式会社や合同会社だけではなく、一般社団法人などたくさんあります。
それぞれ会社の作り方に関して、詳しく紹介した記事があるので当てはまるものを参考にしてみてください。
(1)株式会社の作り方
株式会社は、私たちが会社と聞いて思い浮かべるものですよね。
世の中的には、この株式会社が一番数が多いし、立ち上げる人も多いです。
今はカンタンに株式会社を作ることができるようになったので、一人で会社を作るって人もいます。
1、法人の要件を決める
株式会社では商号や事業目的、本店所在地や資本金など設立するのに必要な要件をきめます。
2、会社設立書類を作り押印する
法務局に登記申請するための書類作成をします。決めた要件を書類に当てはめていきます。
会社設立書類の雛形は法務局のサイトからダウンロード可能です。
3、定款認証する
次に設立書類の一つである定款を公証役場で認証をします。
定款認証というのは、第三者から定款がちゃんとしたものだと公的に認めてもらう手続きのことです。
ちなみにマネーフォワードや会社設立freeeのサービスを使えば電子認証を使って安く設立の手続きができますよ。
4、資本金を振込む
定款認証が終わったら資本金を払込む手続きに入ります。
発起人の持っている個人口座へ、資本金を振込む作業です。通帳のコピーを払込を称する書面で閉じて法人印を押します。
5、法務局へ登記申請
これで全ての書類が準備できたので、残りの設立書類や取締役の印鑑証明書を添付して法務局へ登記申請をします。
すごいざっくりとした流れなので、詳しい株式会社設立の流れは別記事に詳しく書いてあるので、そちらを参考にしてください。
(2)合同会社の作り方
合同会社は法人の一つのかたちですが、最近やっとメジャーになってきた感じがあります。
株式会社よりも設立費用が安くすんだり、会社運営がラクということで人気が出てきました。
アップルジャパンやアマゾンも実は合同会社です。
一人だけの会社や、特に法人の形態にこだわらない人は合同会社を選ぶ傾向がありますね。
1、合同会社の要件を決める
株式会社と同じように商号や資本金、本店所在地などの要件を決めます。
2、設立書類を作成し押印
登記申請するための合同会社設立書類を作成し、該当箇所に押印します。
法務局で共有されている雛形を使って当てはまる項目を埋めていけばカンタンに作成できます。
さらにカンタンに合同会社の設立書類を作成できるのが、マネーフォワードの設立サービスだったり、会社設立freeeです。
これらが無料で使えるなんて凄い時代になりました。
3、資本金の払込み
合同会社の設立書類を作成し終えて、押印が終われば資本金を払い込んで払込証明書を作ります。
この書類に法人印を押印するわけですね。
4、法務局へ登記申請
これで合同会社の設立書類がそろいますので、代表社員の印鑑証明書を添付して管轄の法務局へ登記申請するだけです。
(3)一般社団法人の作り方
一般社団法人は営利型と非営利型の二種類があります。
社会貢献性の高い事業を行う人は、一般社団法人を選択する人がいます。
資本金は必要ないんですが、理事というかたちで2名以上いないと設立できなかったり実は少し条件的には面倒です。
1、一般社団法人の要件を決める
一般社団法人も商号や、事業目的、誰が理事になるのかなど決めないといけません。
2、一般社団法人の設立書類を作成して押印
一般社団法人も、これまでの会社と同じく設立書類を作成して押印です。
一般社団法人の設立書類の雛形は法務局のこちらのページを参考にしてください。
3、公証役場で定款の認証をする
株式会社と同じく、定款は公証役場で認証をしてもらわないといけません。
4、書類をそろえて管轄の法務局で登記申請
定款認証が終わって、設立書類がそろったら法務局へ登記申請をします。
(4)合資会社の作り方
合資会社はほとんど聞かなくなりましたが、今でも一つの法人の形態として存在します。
無限責任社員と有限責任社員を置くのが合資会社の特徴ですが、今は合同会社も存在するので、わざわざ無限責任社員を置いて合資会社にする必要性が低くなりました。
1、合資会社の要件を決める
合資会社の要件を決めます。商号や本店住所を決めます。
2、合資会社を設立するための書類を作成し押印
合資会社の設立書類を作成し、該当箇所へ押印です。
3、管轄の法務局へ登記申請
作った合資会社の書類を管轄の法務局へ提出します。
◆「会社の作り方」まとめ
会社の作り方といっても、株式会社・合同会社・一般社団法人・合資会社で流れは全然違います。
会社を立ち上げようと思い立ったら、自分のビジネスにとってどの形態の法人が良いのかメリットとデメリットを加味して選択します。
私の感覚ですが、準備をちゃんとしている人、いきなり大きく展開させずにスモールステップを踏んで拡大させている事業の方がうまくいっている気がしています。
世の中に会社が一つ誕生するということは、新しい価値を提供できる組織が一つ増えることを意味します。
準備が足りないとか、資金が足りないとかで、せっかくの起業の芽がつぶれないように丁寧な会社作りを支援していければと思います。
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