会社設立の準備には「会社に関する情報を検索するスキル」があると便利です。
たとえば…。
「同じ住所に同じ会社があるかどうか調べたい」
「謄本を取りにいきたいけど登記完了しているか知りたい」
と思ったときに、インターネット上で調べることができたら便利です。その他にも調べることができる情報がたくさんあります。
今回は効率的に会社設立を進められるように「会社に関する情報をネットで検索する極意」をご紹介します。
>会社設立freeeを使って無料で会社設立をする方法があります。
・同じ住所に同じ商号が存在するかどうか検索して調べる方法
・会社の設立日を検索して調べる方法
・設立した会社が登記完了しているかどうかを知る方法
・会社の代表者や役員を検索して調べる方法
・法人番号を検索して調べる方法
・会社の株主を検索して調べる方法
◆会社設立時に必ず行う会社名・商号の検索方法とは?
会社名を決めるときの最大のルールは「同じ住所に同じ会社名を付けることができない」ということ。
そこで同じ住所やエリアに同じ商号が存在しないか検索して調べるスキルが求められるわけです。
商号を検索するには二つの方法があります。それが「登記情報提供サービスを利用する」「国税庁の法人番号検索を利用する」です。
(1)登記情報提供サービスを利用して商号を検索
インターネット上で法人登記情報を閲覧できるサービスがこちらです。登記情報というのは、会社の戸籍謄本のようなものです。
登記情報提供サービスというサイトで商号を検索することができます。右上にあるログインのボタンから会員情報を入力すれば「商号+地域」を検索することができます。
画面左側にある一時利用のボタンから必要最低限の情報を入力すれば仮のIDとパスワードが発行されますのでそちらでログイン可能です。
ログインすると、このような検索画面が出てくるので「商号・名称」の箇所に希望の商号(会社名)を入れて、設立する住所を指定します。
検索結果画面の一覧に何も出てこなければ同じ住所に同じ商号が無いということですので、安心してください。
検索結果画面にいくつか会社が表示されたとしても、住所が全く一緒でなければ会社設立は大丈夫だよ。
(2)国税庁法人番号公表サイトで商号を検索
国税庁が管理する「国税庁法人番号公表サイト」というものがあります。これか会社一つ一つにマイナンバーのようなかたちで番号が付与されているので、その番号を検索するためのサイトです。
この検索画面から商号や地域を絞って検索すれば存在する会社が住所と一緒にピックアップできるのです。
ここに商号と住所が表示されるので、あとは同じエリアに同一商号がないかどうかチェックするだけですね。
◆会社設立日と登記完了日の確認・検索方法
会社設立日と登記完了日は違うので注意しましょうね。
会社設立日は、会社がこの世に生まれた日。この日から対外的に活動しても大丈夫です。登記完了日は、登記簿謄本が出来上がる日。この二つを一緒にしてしまうと混乱してしまうので、気をつけましょう。
(1)会社設立日は設立書類が届いた日を確認
法務局に会社設立書類を受け取ってもらった日が会社設立日です。法務局に直接書類を渡した場合は、その日が会社設立日になります。
もし郵送で法務局に書類を送った人は届いた日を必ず確認しましょう。追跡サービスのついている送付方法を選ぶと良いと思います。代表的なものは以下でしょうか。
●日本郵便の追跡調査サービス
●クロネコヤマトの荷物お問い合わせシステム
●佐川急便のお荷物問い合わせサービス
到着確認ができれば、その日が会社設立日です。
他に会社設立日を確認する方法があるとしたら、直接管轄の法務局に確認をしても大丈夫です。電話で郵送で送った旨を伝えると書類が届いたかどうか確認できます。書類が届いた日が会社設立日になるわけです。
(2)登記完了日を確認する方法
会社設立日がわかると約一週間で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することができるようになります。この日を登記完了日と言うのです。
ここでは登記完了日を確認する方法について紹介します。
1、法務局で登記完了予定日を確認
会社設立日が明確になったら都道府県ごとの法務局HPから登記完了日を確認しましょう。
法務局トップページから大体右側のメニューに登記完了予定日の項目があるのでそこから確認することができます。
自分の管轄の法務局をクリックすると一覧が見れるようになります。法務局の繁忙期によって多少前後しますが会社設立日から約一週間後が登記完了日です。
年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなど連休のときなどは、登記完了まで一週間以上かかる時があるから注意するんじゃぞ。
2、登記情報提供サービスで検索して登記完了を確認
もちろん登記完了予定日にほとんどが登記完了されます。多少の前後して少し早めに終わることもあるのですが、その場合は登記情報提供サービスを使うと良いでしょう。
商号を検索する方法で紹介しましたが、登記が完了するとこちらのサイトにも反映されます。そのためなるべく早く登記簿謄本が欲しい人は登記完了予定日の数日前から登記情報サービスで検索して自分の会社が載るかどうか見ると良いでしょう。
3、国税庁法人番号公表サイト
国税庁の法人番号公表サイトもネット上で会社が存在するかどうか確認できます。国税庁法人番号公表サイトについては、登記完了してから4営業日後ぐらいに反映されるみたいなので、上で紹介する方法よりも時間差があります。
すぐに登記完了しているかどうかを確認するには適していませんが、ゆったりと法人登記完了しているかどうか知りたい場合には法人番号公表サイトで検索することで登記完了を知ることもできます。
◆登記された法人の代表者に関する情報を検索して調べる方法
代表者の情報を集める術はあるのでしょうか?
株式会社であれば代表取締役や取締役、合同会社であれば代表社員や業務執行社員の情報は検索して調べることができます。
(1)代表者の情報を調べるには登記簿謄本を取得するしかない
登記簿謄本という言い方が蔓延していますが正確には登記事項証明書と言います。
謄本とは役所に手書きで残された情報の写しという意味で使われます。今は電子データで保存されたものを検索して取り出すだけですから、謄本とは言わずに登記事項証明書と言うんですね。
登記事項証明書の中でも履歴事項全部証明書を取得すると、その法人に関する履歴も全部まとめて手に入れることができます。
1、登記簿謄本(登記事項証明書)は法務局で手に入れる
すでにお伝えしましたが登記簿謄本は法務局で手に入れることができます。窓口で交付申請書に商号などを記入して手に入れることができます。
2、登記情報提供サービスで手に入れることもできる
一番手軽なのが商号を確認する時や登記完了したかどうか確認する時に使った「登記情報提供サービス」です。
こちらはクレジットカードを利用して会社を検索すればウェブ上で登記簿謄本を取得することができます。ウェブ上で全ての情報を閲覧できるので、手軽でカンタンです。
3、登記・供託オンライン申請システムで謄本を手に入れる
法務省で運営している登記・供託オンライン申請システムを使えば、ウェブ上から登記簿謄本の申請ができます。
システムをダウンロードして対応する方法もありますが、面倒なのでウェブ上で申請できる「かんたん証明書請求」の方が使い勝手が良いでしょう。
そこから履歴事項全部証明書を手に入れて代表者を調べることができます。
(2)登記簿謄本には代表者のどんな情報が載っている?
登記簿謄本に掲載される代表者の情報は名前と住所が乗ります。役員は名前だけが載り、住所は載りません。
たとえば株式会社であれば代表取締役は名前と住所が登記簿謄本に掲載され、取締役は名前だけが載ります。ちなみに株主の名前も住所も謄本には掲載されません。
(2)登記簿謄本には代表者の情報以外に何が載っているのか?
最後に登記簿謄本には代表者以外の情報としてどんなものが載っているのか確認しておきましょう。
登記簿謄本の中でも履歴事項証明書は過去にその会社が会社名を変更していたりとか全ての履歴が全部載っている謄本のことです。
株式会社の場合ですと、履歴事項証明書には以下の内容が掲載されています。
・会社法人等番号:これは国税庁が発行する法人番号ではなくて、法務局の方で管理している法人番号です。
・商号:会社の名前ですね。
・本店所在地:登録されている会社の住所です。普通は番地までの記載で、ビル名やマンション名、部屋番号まではわかりません。
・公告をする方法:官報で公告としている会社がほとんどです。
・会社成立の年月日:会社設立日のことです。
・事業目的:仕事内容を記載しています。
・発行可能株式総数:将来にわたって増やせる株の数の上限です。
・株券を発行する旨の定め:今は株券は発行しないとなります。
・資本金の額:資本金の金額です。
・株式の譲渡制限に関する規定:普通は制限するとなっています。
・役員に関する事項:役員の名前が記載してあります。
代表取締役は名前と住所が、登記簿謄本に記載されているけど、取締役は名前だけが記載されているんだね。
◆会社の株主を検索して調べる方法
次に株式会社の場合には、株主を調べる方法はあるのでしょうか?
上場会社の場合には「有価証券報告書」を調べれば主要な株主を確認することはできます。
しかし上場していない会社は、有価証券報告書なんてものはなく、株主を知ることは不可能に近いというのが結論です。
(1)株式会社は株主をどのように管理しているのか?
株主は現在、株主名簿というもので管理されています。どこの誰がどれぐらいの株式を保有しているのかわかるものです。
しかし、この株主名簿は誰でも見られるものではありません。赤の他人が「株主名簿見せてください!」といっても門前払いです。
しかし、会社の株主や、会社にお金を貸している人であれば株主名簿を見せてと伝える権利があります。
なので唯一株主を調べる方法があるとしたら、その株主になるぐらいでしょうか。
(2)株主名簿以外で株主を調べる方法はあるのか?
基本的に株主名簿以外で正確な株主を調べる情報はありません。
会社設立時に作成する原子定款というものには、設立時の発起人を記載しています。発起人は会社に出資していますので、その出資額がそのまま株の出資割合になるはずです。
ただし、会社設立後に株の譲渡が行われたり、増資がされていたりしたら、原子定款に記載される発起人の情報はただの過去のものです。
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◆「登記法人の情報を検索する方法」まとめ
会社を設立する時にこの登記情報を検索するノウハウは役に立ちます。会社設立後も何かと法人番号は何だっけとか、検索しないといけない場面があるかもしれないので参考にしてください。
・同じ住所に同じ商号の会社がないか検索するスキル
→登記情報提供サービスのサイトを利用
(法人番号公表サイトでも代用可能)
・会社設立日を検索するスキル&登記完了日を検索するスキル
→法務局のサイトから登記完了日を確認
→登記情報提供サービスから登記完了しているか確認
(法人番号公表サイトでも代用可能)
コメント
コメント一覧 (2件)
会社設立日の調べ方はどうすればよいですか?宜しくおねがいします。
コメントありがとうございます。
会社設立日は、法務局に登記申請をした日(法務局に書類を受け付けてもらった日)になります。
正確な会社設立日の調べ方は、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)を取得し、その中にある「会社設立の日」を確認することです。