役員報酬と給与の違いとは?株式会社・合同会社を設立した後の絶対に損をしない報酬の決め方

会社設立・独立・起業アドバイザーのごはんつぶ(@gohaotsubu)です。これまで通算1000件を超える会社設立や起業、さらには採用や社員教育・コーチングのお手伝いをしてきました。

会社設立をしたら次に役員報酬を決めないといけません。役員報酬と従業員給与はルールが違うので気をつけないといけません。

間違えてお給料を支払う感覚で、役員報酬を対応していたら税金で損をしてしまう危険性があります。そこで今回は役員報酬と従業員給与の違いを明確にします。その上で株式会社&合同会社で損をしない役員報酬額の決め方を整理します。

この記事でわかること

・役員報酬と従業員給与の違いと注意点。
・株式会社と合同会社の役員報酬の決め方。

◆役員報酬と給与の違いとは?株式会社と合同会社での注意点

役員報酬と従業員給与の違いを知っていますか?そもそも株式会社と合同会社の中で、役員と従業員の線引きはどこかわかりますか?

まずは三つの切り口で役員報酬の正体を暴ていきます。一つ目は「株式会社と合同会社の役員の違い」、二つ目が「給与と給料の違い」、三つ目が「役員報酬と給与の違い」です。

(1)株式会社と合同会社の役員の違い

役員とは会社経営に携わる人たちのこと。役員報酬と従業員給与の違いを理解するために、株式会社と合同会社の違いを整理します。

1、株式会社の役員とは?

株式会社の役員として代表取締役と取締役を抑えておいて下さい。会社経営に直接携わる人が役員なのですが代表的な役職が「代表取締役」と「取締役」です。経営に従事する軸で考えると、監査役や執行役員や顧問などの立場の役員の範囲に含まれていきます。

2、合同会社の役員とは?

合同会社の役員は社員と言います。従業員という意味の社員ではなく、合同会社の経営に従事する人を社員や業務執行社員と言ったりするのです。その社員の中で会社を代表する人が代表社員と言います。

合同会社の代表社員や業務執行社員の違いを詳しく

意外とわかりにくい合同会社の役員についての詳細は「社員や代表社員や業務執行社員・・・何がどう違うのか徹底解説」の記事をご覧ください。

株式会社と合同会社の役員

・株式会社→代表取締役、取締役、監査役
・合同会社→代表社員、業務執行社員、社員

(2)給与と給料に違いについて

普段は全く意識しませんが、給与と給料の違いについても整理しておきましょう。

1、給与とは?

給与とは、その月に会社から受け取るお金すべてを指します。残業代も手当も交通費もボーナスも寸志も、みーんなひっくるめたものが給与です。会社から物をもらった場合も給与になったりするんですよね。現物支給って言います。

2、給料とは?

給料とは「基本給」です。え?基本給?って感じだと思いますが、言い方変えれば残業代やら手当やら余分に追加されるお金を削ぎ落としていって、最後に残るのが基本給。会社がこの仕事には、この金額と最初に設定しえいるお金が給料です。会社に入社する時に雇用契約結んでると思います。そこに書いてある基本給の項目の金額が「給料」です!

(2)株式会社・合同会社に関する役員報酬と給与の違い

それでは役員報酬と給与の違いについてです。

1、役員報酬と給与(従業員給与)の違いとは?

簡潔に言ってしまえば、給与は従業員に支払うもので、役員報酬は役員に対する報酬です。従業員は会社に雇われて働くいています。会社と雇用関係を結んでいるの、で労働に対する対価として給与をもらってます。

役員は会社を経営する立場です。会社から経営を任されているのが役員という立ち位置なわけです。そんなわけで経営という大きなカテゴリーに対して報酬をあげますというのが役員報酬なんですよね。

2、役員報酬は毎月同じ金額しか支給できない

役員報酬と給与の大きな違いは、役員報酬は毎月決まった金額でないといけません。

会社に関する税金のルールでいくと、基本的に役員報酬は損金という税金計算上の経費にはできません。ただし、毎月同じ金額であれば経費にできるというルールがあるのです。毎月手当などで給与を変動できる従業員とは違い、役員報酬は毎月同じ金額でないといけないという事を覚えておいて下さい。

◆代表取締役や代表社員の役員報酬を設定する時の注意点

役員報酬と給与の違いがわければ、代表取締役や代表社員の役員報酬の注意点がわかりやすくなります。

(1)代表取締役や代表社員などの役員報酬は定期同額給与じゃないとダメ!

すでに説明しましたが代表社員や代表取締役のなどの役員報酬は毎月同じ金額(定期同額給与)でないと経費にすることができません。

会社経営に携わる人は役員報酬を一度決めると基本的に一年間は変更することができないという厳しいルールがあるのです。

会社経営者が自分たちへの報酬を自由に増減できると、意図的に納める法人税を少なくすることができてしまうので、それを防ぐ目的があります。

役員報酬変更できないってどういうこと?

例えば私が株式会社の代表取締役として、設立した後に役員報酬を月50万円と決めたとします。原則として一年間(一事業年度)は変更できないので、毎月50万円で固定で支払い続けないといけません。途中で予想外に売上が伸びたからといって、しめしめとボーナス(賞与)でも支給しようなんてすると、そのボーナス(賞与)分は経費にすることが出来ないのです。

代表取締役・代表社員などの役員に賞与を出す方法

株式会社の代表取締役や、合同会社の代表社員など、会社役員に賞与を出す方法があります。これは事前に賞与を出す旨を税務署に届け出ていればOKです。

ただし、税務署には賞与として「時期」「金額」などを詳細に伝えることになります。それが少しでもずれると基本的に経費として認めてくれませんので結果的に、役員報酬を決定する時に役員に支払う金額をすべて決定していることに変わりはありません。

(2)役員報酬はいつまでに決めなければいけないのか?

会社設立をしたあとに役員報酬を決めないといけない時期があります。従業員の給与のように、自由に変動できるのであれば、仮で設定してその後じっくり決めるのですが、役員報酬は変更できないので慎重に決めないといけません。

会社設立後の役員報酬決定時期については二つの考え方があります。

1、会社設立日から三ヶ月以内に役員報酬を決める

基本ルールとしては会社設立日から三ヶ月以内に役員報酬を決定します。1月1日の会社設立日であれば3月末までには決めないといけないという事ですね。

2、社会保険加入する時は仮にでも役員報酬を決めておかないといけない

会社設立後に社会保険に加入するときは、加入手続きの中で役員の報酬を決めておかないといけません。もしスグには役員報酬が決まらない場合には、社会保険加入時に仮で役員報酬を決めておきます。会社設立日から三ヶ月以内に最終的な役員報酬を決定しますので、大きく変動した場合は社会保険の月額変動届を出して正しい社会保険料に修正をします。

新しい事業年度に役員報酬を変更する時の手続きと注意点

役員報酬はずっと変更できないわけではありません。新しい事業年度が始まるタイミングで役員報酬の変更はできます。詳しくは「役員報酬を変更する手続きと具体的手順とポイントを整理!」をご覧ください。

会社設立したらスグに税務署に届出を出そう!

会社設立をしたら、なるべく早く税務署に対して届出を出しておきましょう。青色申告や設立届など多数あります。

その中でも「源泉所得税の納期の特例に関する承認申請書」を忘れないようにしてください。これは役員報酬(もちろん給与も)を支払うときに差し引いておく所得税を、半年分を一度に納めるという特別ルールを適用するための届出です。これを出しておかないと毎月所得税を細々納める面倒な作業が発生します。

実はこれをしておくことで役員報酬を決める時期をもう少し後ろ倒せるかもしれないのですが、詳しくはお付き合いのある税理士先生に相談してもらった方が良いです。もしまだ税理士が付いていない場合はこれを機に相談してはいかがでしょうか。納得がいくまで税理士を無料で探せるのは税理士ドットコムというサイトです。

(3)同族の株式会社・合同会社は「みなし役員」に注意!

株式会社の代表取締役や合同会社の代表社員などの役員報酬は一年間変更できないのですが、従業員なら月に変動があって大丈夫なわけですよね。

すると役員である自分は毎月同じ額でいいけれども、一緒に住んでいる妻を従業員にしてそこに対して給与を支払い、売上がグンと伸びればボーナス(賞与)でも出して、思ったよりも売上が伸びなければ給与の額も下げて、調整し放題で利益の調整がラクなのでは?という狡猾な人もいるかもしれません。

・妻を従業員にして自由に給与渡す・・・は通用しない!

確かに妻を従業員にすれば・・・とも思うのですが、税務署も過去にそんな案件とたくさん立ち回ってきたのでしょうか、ここでいう代表社員の妻を従業員にして給与を自由自在に調整することに制限を設けているのです。

どういうことかというと、同族会社における役員の妻は従業員なんですけど、みなし役員とされるのです。つまり読んで字のごとく「役員とみなされる」わけです。

・みなし役員の給与は普通の役員報酬と同じルールが適用される

役員とみなされた妻は給与も一年間同じ額しか支給することができないですし、仮にボーナス(賞与)を支払おうものなら、そのボーナス(賞与)分は経費にならないわけです。何とか税金を払いたくない経営者からしてみると、なんとも頭の痛い話です。

◆株式会社・合同会社を設立後で絶対に損をしない役員報酬の決め方

役員報酬が自由に変更できないとなると、一番初めに設定する役員報酬がめちゃくちゃ大切なのがわかります。ただ設立したばかりの法人で、向こう一年の売上額や使う経費の額がだいたいわかります、なんて神がかった人には中々出会うことがございません。

(1)代表取締役や代表社員など経営層の役員報酬の決め方

そこで会社設立してスグの役員報酬の決め方についてのアイデアを紹介します。

1、株式会社や合同会社を設立した初年度は必要最低限の役員報酬

立ち上げたばかりの株式会社や合同会社のほとんどが売上の見込みが立たないという前提でお話をさせて頂きますが、設立した初年度の役員報酬は、代表取締役や代表社員の人が最低限生活できる金額が良いのではないでしょうか。

もし、ある程度の売上見込みがあるなら、その分を見越して上乗せするのもありですが、結果的に会社が赤字になるぐらい上乗せしちゃうのは注意したいところです。

2、株式会社や合同会社の設立時は頑張って事業計画書・数値計画書を立てよう!

立ち上げたばかりの会社だけでなく事業を進めていくのであれば、無理してでも会社の年間での売上予測を立てると良いかと思います。現状見えている数字と、おそらくここまで行くだろうという数字を厳しめの観点でシミュレーションします。反対にかかる経費も気持ち多めに設定しておくことで、売上が下振れてもどこか多めに見ていた経費で相殺されるかもしれませんのでオススメです。その上で、全額代表社員の役員報酬にするのであれば、利益分を十二カ月で割って毎月の報酬額を出せばいいでしょう。

3、代表取締役や代表社員へ多額の役員報酬の支払いにはご用心!

会社の利益がすごい出てるから、じゃんじゃん役員報酬を上げれば良いのかといえばそういうわけにもいきません。役員報酬を上げれば上げる程、そこに紐づく所得税という税金や、社会保険料が多くなってしまうからです。

所得税は累進課税と言って、収入が増えれば増えるほど税率も上がって最大で45%!(住民税も含めれば55%!)も取られてしまって、税金のために働いているのかもしれない・・・という錯覚に陥ります。

役員報酬を決めたらこの所得税や社会保険料の計算が面倒なのですが、この点については無料でお試しできる人事労務freeeというソフトで管理することができます。従業員の給与計算含めた労務関係もカンタンに対応することができます。まずは無料お試しがオススメです。

(2)代表取締役や代表社員の役員報酬で得するための工夫点

最後に代表社員の役員報酬で、ほんの少しお得になるかもしれない技について紹介しておこうと思います。

1、小規模企業共済を活用する

小規模企業共済は中小企業の経営者の老後を支えるために、一定の金額を積み立てていき退職する時に退職金(または年金)のような形で受け取る事ができるんです。この小規模起業共済の凄いところは、積み立てているお金が全額所得控除されるんです。所得控除っていうのは所得税を安くしてくれる仕組みです。

2、ふるさと納税を活用する

ふるさと納税は、寄付の一部ですが、支払った金額から2000円を差し引いて残りの金額が所得税や住民税から控除されます。その上で、寄付した自治体からお礼の品をもらえるので、2000円で特産品をもらえると考えるのであればお得な制度ですよね。

ふるさと納税に関する詳細

ふるさと納税の詳細については「絶対に損をしない!ふるさと納税を100%活用した税金対策をする方法」をご覧ください。

3、社宅家賃を検討する

役員、たとえば役員が住んでいる家を法人が契約を結べば家賃の50%から90%ぐらいは会社が経費として支払う事ができます。つまり会社が経費として支払う分の家賃はわざわざ役員報酬に上乗せしなくても良いのです。役員報酬を家賃分安く設定してその分所得税や社会保険料を抑える効果があるわけなんですね。

役員の社宅を利用する場合の注意点

会社経営者が社宅を使って税金対策をする時の詳細は「会社設立をしたら社宅家賃を経費にして税金対策!節税のためのメリットや注意点!」の記事をご覧ください。

4、生命保険×退職金×経営のリスク管理

長期的なライフプランを考えると同時に、経営上考えられるリスクに全てに対して対策を考えておくことは大切です。株式会社や合同会社として生命保険に入るのか、個人で生命保険に入るのか、病気やケガで働けなくリスク、会社の資金繰りのリスク、それらを保険でカバーできることができるかどうかも十分検討するのは大切です。

(3)事業を成功させるために絶対にしてはいけないこと

最後にすでに会社経営をしている方も、これから会社経営をする方も知っていて欲しいのは「事業を成功させるために絶対にしてはいけないこと」です。

それは「誰がやっても変わらない作業は絶対に経営者はしてはいけない」という事です。一人だけで会社経営をしていたり、最低限の人数で会社を運営している方であればなおさらです。

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◆「役員報酬と給与の違い・注意点」まとめ

株式会社の代表取締役や合同会社の代表社員は役員報酬という給与体系になり色んな制限を受けることになります。特に一年間、役員報酬を変更できなくなるという基本ルールは覚えておいてください。

だからこそ、最初の役員報酬を慎重に決めないといけないので今回ご紹介した方法を試してみてください。

その上で税金対策を考えるのであれば保険や小規模企業共済、社宅家賃などを工夫していくようにしましょう。ここでは書けない税金対策の方法も、節税専門の税理士が監修している「絶対節税の裏技」という情報サービスもあるので参考にしてみて下さい。

まとめ

・役員報酬と給与では会社経費にするためのルールが全く違う。
・役員報酬は一度設定すると基本的には一年間変更することができない。

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