一人だけで株式会社設立をするメリットとデメリット!後悔しない会社の作り方

今は昔と比べてカンタンに会社をつくれるようになりました。

1円からでも株式会社を設立することができますし、一人だけでも会社設立をすることができます。これから会社設立を考えている人にはありがたい事です。

とはいえ、一人で株式会社設立をする事にどんなメリットがあるのでしょうか。

逆にデメリットもあるかもしれません。そこで今回は一人で株式会社設立をする場合のメリットとデメリットについて整理していきたいと思います。

◆まずは個人事業主と法人(株式会社など)の違いを比較!

ごはんつぶ
一人で株式会社設立することの良さを語ってもらう前に、ほら法人と個人事業主との違いについて教えてよ!

そうですね。起業といっても個人事業主としてスタートの仕方と、法人としてのスタートの仕方があります。

法人というのは株式会社や合同会社のことを指していて、世間一般に言う「会社」とほとんど同じ意味で使っています。

まずはこの個人事業主と法人(株式会社など)のメリット&デメリットを整理しておきましょう。

(1)個人事業主のメリット(株式会社設立のデメリット)

個人事業主というのは「個人で事業をする人」ですね。会社にすることなく個人で商売をしてお金を稼いでいる人を個人事業主と言います。

最近だとフリーランスという言葉が使われるけどフリーで働く人も会社を作っていなければ個人事業主です。ITのエンジニアやWeb関連のお仕事に多そうです。

他にも町の八百屋さんとか、小さな飲食店なんかも個人事業主としてスタートしているところが多いと思います。

ごはんつぶ
なるほどねー。でも法人で商売をスタートするのではなくて、個人事業主としてスタートするのはメリットがあるからだよね。

そうですね、個人事業主で事業をスタートするメリットを以下にまとめてみました。

個人事業主で事業を始めるメリット

1、最小限のリスクで事業をスタートできる
2、税金を納める金額も少なくて済む

1、個人事業主はリスクと手間を最小限にスタートできるのがメリット

株式会社設立は自分でやると30万円近くの費用がかかります。自分で会社設立を全部やろうとすると手間もかかります。株式会社設立にかかる費用の内訳は「格安で会社設立する方法を徹底調査」の記事で紹介しています。

その点、個人事業主は税務署に届出を一枚出すだけで大丈夫です。事業がうまくいかなければ、これも届出一つ出すだけで大丈夫です。

この手間と金銭的リスクの少なさが個人事業主のメリットですよね。カンタンに始められて、ダメならカンタンにやめることができる。

ごはんつぶ
そっかぁ。じゃあ小さな規模で起業をするなら個人事業主の方が良さそうだね。売上が軌道に乗ってきたら法人成りを検討すれば良いわけだしね。

2、個人事業主は利益が無いときはムダに税金を納めなくて済むのがメリット

次の個人事業主のメリットは利益が出ていないときはムダに税金を納めなくて良いことです。

株式会社でも合同会社でも、法人設立をすると利益が出なくても法人住民税という税金を7万円納めないといけません。

ごはんつぶ
なるほどー!思いつきで突っ走っちゃう人ほど、いきなり会社設立しようとしがちだけど、ちゃんと個人事業主として上手くいくかどうかの実験をするって事も大切かもね。

そうですね、事業はトライ&エラーで考えながら走らないといけないのは確かです。完璧な準備ができるまで待っていたら死んでしまいます。

見切り発車でも、リスクは最小限にする知恵を絞り出すのは大切です。それでは次に株式会社設立をするメリットに目を向けましょう。

(2)株式会社設立を設立するメリット(個人事業主のデメリット)

株式会社設立のメリットです。裏を返せば個人事業主のデメリットでしょうか。

株式会社設立で事業を始めるメリット

1、信頼を得やすい
2、株式会社設立した方が節税になる場合がある

1、株式会社設立をした方が信頼を得やすいのがメリット

同じ内容で同じ人が経営している二つの事業を想像してみてください。一つは株式会社で、もう一つは個人事業主です。

あなたなら、どちらが信頼感が強いと思いますか?

ほとんどの人が株式会社と言うと思います。どうしても同じスペックで法人と個人事業主を横並びで比べたら法人の方が信頼を得やすいのです。

2、売上によって株式会社設立した方が節税になるというメリット

個人事業主は法人住民税が発生しないとお伝えしました。利益が出ていないようなら、個人事業主の方が圧倒的に有利です。

ただし、個人事業主としてある程度の利益が出ているのであれば株式会社でも合同会社でも良いので、会社設立した方が節税になる可能性があります。

少し難しいお話になりますが、個人事業主として売上が年間1,000万円を越えなければ消費税は納めないで大丈夫です。もし売上1,000万円越えていたら二年後には消費税を納める立場になるので、会社設立をした方が節税になる可能性が高くなります。

●個人事業主の利益がどれぐらいになったら会社設立すると良い?
詳細を知りたい方は「個人事業主が株式会社設立をする売上の目安はいくら?」の記事を参考にしてください。

●少し難しい消費税のお話を超噛み砕いて説明してみました。
事業する立場の人が考えるべき消費税についての詳細は「会社設立時の資本金を工夫して消費税納税を回避する方法」の記事をご覧ください。

◆一人で株式会社設立をする時のメリットとデメリット

ごはんつぶ
オッケー!個人事業主と法人のメリット&デメリットについては理解できましたよー!じゃあ本題の一人で株式会社設立する時のメリット&デメリットはどうなの?

そうですね。まずは会社設立の中でも「一人で」株式会社を設立するのにはどんなメリットがあるのか見ていきましょう。

(1)一人で株式会社設立するメリット

一人で株式会社設立するときのメリットはパッと思い付くのは以下の四つです。

一人で株式会社設立するメリット

(1)全部自分で自由に決める事ができる
(2)働く時間も自分の思うがまま
(3)他人の面倒を見なくて済む
(4)残りのメリットは複数で株式会社設立する時と一緒

一人会社のメリット1:全部自分で自由に決める事ができる

複数の人たちで会社設立をすると色んな人の思惑が出てきます。

時には役員同士の意見が対立するかもしれないですし、株主の意向に沿わないといけないこともあるでしょう。従業員に振り回されることもあるかもしれません。時には必要なのかもしれませんが、凄いストレスではないですか?

それに引き換え一人で株式会社を設立すれば取締役も株主も自分一人だけ。会社のことは全部自分で決めるので物理的にも精神的にもラクです。

一人会社のメリット2:働く時間も自分の思うがまま

ビジネスモデルや取引先、お客様によっては働く時間の自由さはないかもしれません。

ただ、一人会社で起業する人のほとんどが働く時間の自由が効くことが多いです。何時に仕事をスタートして、何時に終わるのか。土日を休みにしても良いし、平日を休みにしても良いのです。

ムダな会議なども必要ないですから働く時間も自由自在です。

一人会社のメリット3:他人の面倒を見なくて済む

従業員がいたりすると、その従業員や従業員の家族にまで責任を持たないといけないなーっと思ってしまいます。良い意味でも、悪い意味でも従業員がいることに対するプレッシャーやストレスは大きいです。

一人で株式会社設立をするのであれば自分の面倒だけを見れば済みますので、無駄な責任・プレッシャー・ストレスを感じる必要はありません。

一人会社のメリット4:残りのメリットは複数人で株式会社設立する時と一緒

残りのメリットは一人で株式会社設立するからというわけではなく、複数人で株式会社設立した時のメリットと同じです。「節税になる可能性がある」「対外的な信頼を担保できる」といった内容ですね。

株式会社設立するメリット(複数人で株式会社設立する場合と同じ点)

(1)節税になる可能性がある
個人事業主の時と比べて売上の大きさによっては株式会社設立をした方が納める税金が小さくなる可能性があります。税金の計算の仕方が違ったり、個人事業主では経費にできないものが経費になるといった理由で税金的なメリットがあることが多いです。

(2)対外的な信頼を担保できる
新規取引などをする時は個人事業主よりも株式会社設立した方が信頼できるという場合があります。法人でないと取引しないという会社もあるぐらいです。他には信頼度があるので採用の時に人が集まりやすいと言われることもあります。

ごはんつぶ
なるほどねー。誰からも邪魔されず自由に自分のビジネスしたいって人には一人会社設立が向いていそうだね。この調子で次は一人で株式会社設立のデメリットへいきまっしょい!

(2)一人で株式会社設立をするデメリット

一人で株式会社設立するのは決して良いことばかりではありません。ちゃんとデメリットと向き合った上で、どのようなスタイルで起業するのか決めていきましょう!

考えられる一人で株式会社設立するデメリットは以下の通りです。

一人で株式会社設立するデメリット

(1)新規開拓に限界があるかもしれない
(2)代表取締役に何かあった時のリスク回避が難しい
(3)自分の弱い部分を解決できない
(4)自分を律する事ができないかもしれない

一人会社のデメリット1:人間関係による新規開拓に限界があるかも

スタートダッシュが上手くいく会社は準備がしっかりと出来ている会社です。

特に一番最初の仕事は人間関係で生まれる事が多いと思います。すると、一人だけの人間関係よりも株主や取締役や従業員など直接会社に関わる人数が多いほど新規開拓のチャンスは多いかもしれません。

あくまで一般論ですが、一人会社設立だと人間関係の広がりに限界が生まれる可能性が高いというのがデメリットとして考えられます。

一人会社のデメリット2:代表取締役に何かあった時のリスク回避が難しい

一人だけで株式会社設立した状態だと代表取締役に何かあった時のリスク対策が難しい場合があります。

一人だけで事業を回しているので本人がいなければ完全にストップしてしまいます。考えられるリスクは「代表が死亡してしまった場合」「病気による長期入院」「冤罪で長期間拘束されるような事案」です。

こんな時は代わりがいれば対策を立てやすいですが一人で起業する場合は、自分に何かあったら事業がストップするリスクを考え、対策を準備しておく必要がありそうです。

一人会社のデメリット3:自分の弱い部分を解決できない

最初から完璧な経営者はいません。足り無い部分を一緒に働く人たちで補い合って、チームだからこそ達成出来る大きな成果があるかもしれません。

そうした自分で解決できない部分は一人会社だと補いきれないかもしれません。ただ、この点は外部のパートナーと協力しあう事で十分解決出来る課題であるとも言えます。

一人会社のデメリット4:自分を律する事が難しいかもしれない

一人で株式会社設立すると自由さが増す一方で、自由だからこそ自分を律することが難しい可能性があります。働く時間についてもそうですが目標達成へのこだわりなど、ある意味で己に克つ力がより必要になるわけです。

人間は基本的にラクな方に流されたい生き物です。複数人で会社を立ち上げたらお互いに刺激を仕合いながら高いモチベーションを維持しやすいのではないかと思います。

一人で事業を立ち上げるからこそ自分一人でも諦めない覚悟や、最後までやり切る胆力が必要です。自分を律することが苦手、自分に対して甘い人はちゃんと仕組みづくりをしないと一人会社設立するのは厳しいかもしれませんね。

一人会社のデメリット5:残りは複数人で株式会社設立する場合と一緒

その他のデメリットは、複数の人と株式会社設立する時と同じです。

「社会保険料が高くつく」「経理・会計処理が複雑になる」「税理士などに依頼する費用がかかる」「利益が出ていなくても納める法人住民税がある」などですね。

一人で株式会社設立するデメリット(複数人で株式会社設立する場合と同じ)

(1)社会保険料の負担が発生
今は所得税などの税金よりも社会保険料の負担の方が大きいです。一人で株式会社設立したとしても、役員報酬を受け取るのであれば必ず社会保険に加入しないといけません。

社会保険に加入となると一気に負担が大きくなってしまいます。将来の保障は充実するとはいえ、今まで支払っていなかった社会保険料は大きな負担です。

(2)経理・会計処理が複雑になる
個人事業主の時は確定申告は自分でできたかもしれませんが、一人株式会社の場合でも経理や会計処理は難しくなります。経理の人を雇用したり、外部の専門家に依頼するなど対策を立てる必要があるかもしれません。

(3)税理士などに依頼する費用がかかる
経理・会計処理が複雑になるので外部の専門家(税理士)に依頼する会社がほとんどです。税理士や会計士に依頼をすれば安心感はありますが、それなりの費用が発生します。これも今まで発生していなかった負担ということでデメリットに感じるかもしれません。

(4)利益が出ていなくても法人住民税がかかる
個人事業主の場合は利益が出ていなければ税金は発生しないですが、会社になると利益が出ていなくても法人住民税(最低7万円)を払わないといけなくなります。

◆一人で株式会社を設立する時に注意したい事

最後に、今まで紹介した以外に一人で株式会社設立する時の注意点をみていきましょう。これから一人で株式会社設立する時に参考にしてください。

一人で株式会社設立する時の注意点

(1)一人だけの株式会社でも社会保険に加入しないといけない
(2)一人で株式会社設立した時の役員報酬の注意点
(3)経理や会計処理の事務作業を工夫して生産性を上げる

(1)一人で株式会社設立した時の社会保険の注意点

会社設立をしたら社会保険の加入は必須です。中には社会保険に加入したくないと言って入らない方を時々見ますが、悪質とみなされると遡って払えと言われることもあるみたいなので気をつけてくださいね。

一人だけで株式会社を設立した場合でも法人であれば必ず社会保険に加入しなければなりません。ただし、代表取締役に対する役員報酬の扱いによって社会保険の加入・非加入が決まります。

管轄によって違いがあるかもしれませんので、年金事務所には事前に確認しておきましょう。

●社会保険をふにゃふにゃに噛み砕いて説明しました。
「会社設立をした後に加入する公的保険(社会保険・労働保険)について」の記事をご覧ください。

(2)一人で株式会社設立した時の役員報酬の注意点

役員報酬を決めるときにはいくつかルールがあるので注意が必要です。税金に関わる分野なので勝手に決めずに税理士の先生などに相談する必要も出てくると思います。

1、役員報酬は一年間変更する事ができない

役員報酬は一度決めると基本的に一年間は変更できません。利益が出たから賞与を役員に出そうと思ってもNGなのです。かといって売上がどうなるかわからないのに多めに支払うのもリスクが大きいです。

●ちょうど良い役員報酬の決め方は

・所得税や社会保険料を考えて役員報酬を決める

役員報酬を多めに設定しすぎると所得税や社会保険料が高くなってしまいます。逆に会社に利益が残りすぎると法人税が高くなるので良い塩梅を役員報酬として設定するようにしましょう。

●損をしない役員報酬の考え方は以下が役に立つかもしれません。
「即実践!適切な役員報酬をシミュレーションして税金対策する方法」をご覧ください。

(3)一人で会社設立するなら事務作業の効率化は必須

一人で株式会社設立をした後に悩ましいのが事務作業を含めて全部自分でやらなくてはいけないことです。

実際に動いてみるとわかるのですが、誰がやっても変わらない事務的作業を時間をかけてやるほど苦痛なことはありません。誰かに任して自分は経営や営業など売上に直結することに時間を使いたい!と思ってきます。

ただ、スタートアップの時期はなるべくコストを抑えるべきなのも事実です。

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◆まとめ

国は日本の起業家をどんどん増やしたいと言っています。今は会社設立する要件も下がっていますし、各企業も複業やパラレルワークを容認する動きもあるようです。

そのため一人で会社設立するなど小規模で事業を立ち上げる人も増えてくるのではないでしょうか。

その時は今回紹介したような一人で会社設立する場合のメリット&デメリットを加味して自分の状況に合わせた起業方法を模索してください。

▼株式会社設立自体のメリット・デメリットを整理したい方はこちらの「完全版!株式会社設立のメリットとデメリットわかりやすく整理」が参考になると思います。