個人事業主が法人成りする売上の目安は?法人化&会社設立のタイミングを見極めよう!

個人事業主が法人成りをする理由は、節税だったり取引先からの要望で仕方なく会社設立した・・・など様々だと思います。

もし節税が目的で個人事業主から法人成りを検討している時は、売上がいくらになったタイミングで会社設立するのが一番税金対策になるのでしょうか。無駄に多く税金を払いたくない気持ちはとてもわかりますし、会社設立をするならリスクを最小限にしたいものです。

今回はそうした個人事業主が法人成りするときの売上目安を調べてみました。

この記事でわかること

・個人事業主が法人成りするときの売上の目安
・個人事業主が会社設立する時の注意点

◆個人事業主が法人成り(会社設立)する売上の目安はいくら?

この項目のポイント

▼個人事業主としての利益が500万円を超えてきたら法人成りを検討し始めたら良い。
▼利益以外にも消費税を申告するかどうかなど、違う切り口で法人成りを検討することもある。

ごはんつぶ君
個人事業主が、その事業を法人にすることを法人成り・法人化って言うんだよね。さっそく個人事業主が法人成りした方が良い売上の金額を教えてくれ!
先生
一概にいくら!とは言い切れないんだけど、一般的には利益が500万円以上出ているなら税金が得になる可能性が出てくるよ。

(1)利益500万円超えた時以外で法人成り(法人化)するタイミング

ざっくりと個人事業主として売上から経費を差し引いた利益が500万円が法人成り(法人化)するタイミングです。本来は一つ一つ細かく丁寧にシミュレーションをした方が良いのですが、目安として利益500万円は知っておいた方が良いと思います。まずそれが一点。

それ以外で法人成りのタイングといえば以下の二点だと思います。

1、売上が1000万円を超えて二年後

法人成りを検討するのは個人事業主としての売上が年間で1000万円を超えた二年後です。実は売上が年間で1000万円を超えると、二年後から消費税を納めないといけないわけです。裏を返せば事業を開始して最初の二年間は消費税を含めた売上を受け取っても消費税を納めなくても良いわけです。さらには年間売上1000万円を超えない限りは、今の税金ルール的には消費税を収めるタイミングは来ないということですね。

整理すると、個人事業主としての売上が1000万円を超えたら二年間は消費税が免除されます。そこで三年目から法人にすることでさらに二年間消費税を納めなくて大丈夫になります。個人事業主として2年間、法人として2年間、合計4年間消費税を納めない状態を作ることで節税となるわけですね。

参考:「会社設立時の資本金を工夫して消費税納税を回避する方法」

2、取引先から法人成り(法人化)を求められたとき

ある時期、建築業界の人から会社設立の相談が多くなったことがあります。お話を聞くと、仕事をくれていた取引先が法人でないと取引を続けてくれないということでした。

特に大手企業なんかは安定しない個人事業主と取引するよりは、法人と取引をした方が安心感があるので法人でないと取引できないということがあるようですね。

そのため個人事業主として取引してくれる新しい取引先を探すか、法人成りして既存の取引先との契約を続けるかのどちらかです。

(2)なぜ個人事業主が法人成り(会社設立)すると節税になるのか?

法人成りのタイミングとして、利益が500万円ぐらいと一応の目安を付けてもらいました。そもそも個人事業主が会社設立をすることによって、税金対策になるのはなぜでしょうか。

1、個人事業主の税金の計算方法

個人事業主は毎年3月15日までに確定申告をすることで所得税を納税します。この所得税という税金は「累進課税制度」と言って、利益が増えれば増えるほど段階的に税率が上がっていく仕組みです。最大で45%も所得税率が上がるので、どこかのタイミングで会社設立(法人成り)をして法人の税金のルールに従った方が税金対策になると言われるわけです。

2、法人は役員報酬として給与所得控除という特典が付いて税金がおトク

法人の場合は売上から損金という経費を引いて「会社の利益」を出してそこに税金を計算します。経費の中には、会社の役員に支払う役員報酬も含まれているわけですが、役員報酬には給与所得控除という特別ルールを適用することで個人事業主が所得税を計算するよりも税金が安くなる仕組みを使うことができます。

また、両親やパートナーを役員にした仕事を手伝ってくれた対価として役員報酬を支払えばそれぞれに給与所得控除を適用できるので、さらに節税の効果が高まります。

3、法人でないとできない税金対策方法がある

個人事業主では税金対策するための手法に限りがあります。法人成りすることで、節税のための対策をより多くすることができるので法人の方が節税になる可能性が高いです。たとえば役員の家を社宅にする税金対策や、生命保険も会社で入ることで経費にできる範囲が広がります。

節税専門の税理士がまとめた絶対節税の裏技という情報がありますので、税金対策についてより深く知りたい方には知っておいて欲しい情報です。

役員報酬の計算について

法人の経営者は役員と呼ばれます。株式会社でいうところの取締役、合同会社でいうところの社員のことです。この役員報酬には厳しいルールがあるので決める時は要注意。あとで後悔しないためにも「絶対に損をしない役員報酬の決め方」の記事もご覧ください。

◆個人事業主が法人成り(会社設立)する時の注意事項

この項目のポイント

▼社会保険料の負担が節税効果よりも大きくなる可能性がある。
▼会計資料の作成や、申告作業が個人事業主よりも難しくなる。
▼赤字でも発生する税金がある。

ごはんつぶ君
個人事業主が利益500万円ぐらいで法人成りを検討し始めると良いってのはよくわかったよ!でもスグ会社設立するんじゃなくて会社設立のリスクもよく知っておきたいな。
先生
わかりました。確かに税金対策のためだけに法人成りを検討してしまうと、それ以外のリスクが見えなくなってしまうから法人成りのデメリットについて整理しておきましょう!

(1)社会保険への加入義務があるので負担増!

会社を設立すると社会保険に加入しないといけません。社会保険料は半分は従業員の負担ですが、もう半分は会社の負担になります。従業員の人数が多ければ多いほど会社の負担が増えるわけですね。従業員がいない会社だとしても、役員は社会保険に加入しないといけないです。法人成りすることでどれぐらい負担が増えるのか事前に考えておきましょう。

だいぶ昔になりますが、内科を個人事業として経営している方が、医療法人を設立しました。従業員も10名以上いたのですが、法人にするときに税理士から社会保険の負担のことを聞いていなかったらしく手元に残る現金が少なくなったと嘆いていました。

中には会社設立したのに社会保険に入らない人もいますが、これは基本的にNGなので自己責任で判断してください。詳細は「会社設立をした後に加入する公的保険(社会保険・労働保険)について」をご覧ください。

(2)経理・会計関係の作業負担が大きくなる

個人事業主の時は自分で確定申告の作業をすることもできたかもしれませんが、法人化するとそれも難しくなります。そのために経理専門スタッフを採用したり、そこまでしなくても税理士や公認会計士に税務・会計業務をお願いすることになると思います。結果的にそこにかかる費用が発生します。

参考:「はじめての経理もこれで安心!会社設立をした後に最低限知っておくべき経理のイロハ」

(3)赤字でも法人住民税が発生する!

個人事業主の良いところは赤字であれば特に税金は発生しないので、低リスクで事業をスタートできる点です。

会社設立をすると、赤字だったとしても「法人住民税」という税金が最低でも年間で7万円発生します。だからこそ、事業が軌道に乗るまではできるだけ個人事業主で頑張ることをオススメしています。

◆「個人事業主が法人成りする売上の目安」のまとめ

まとめ

・個人事業主としての利益が500万円ぐらいになったら法人成りを検討しはじめる。
・法人成りするデメリットも全てクリアにした上で会社設立をする。

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