税金対策のために学生アルバイトが知っておくべき控除に関する全て

日本では数多くの人が大学へ進学をします。そして、そのほとんどの学生がアルバイトをしているのではないでしょうか。そんな私も大学時代はいくつもアルバイトを掛け持ちしてお小遣いを稼いでいたタイプです。

その時に親から「税金の関係であまりアルバイトしすぎるなよ!」と注意を受けていました。当時はよくわからずに一定の金額を超えないようにアルバイトを調整していたのを覚えています。

実際にアルバイトしている学生自身の税金自体はそこまで大きな影響はないのですが、親に養ってもらっている間はアルバイトで稼ぐ金額によって家族全体で見たときの税金に大きな違いがあるのです。今、学生でアルバイトをしていてこのような税金対策の仕組みについてわからない方もいらっしゃると思いますので、なるべくわかりやすく説明が出来ればと思います。

◆学生アルバイトの税金対策を考える前に基本情報の整理

1、学生アルバイトの税金の考え方

税金対策の前に、まずは学生アルバイト生活だとあまり意識しない税金に関する情報から整理していきましょう。

・学生アルバイトは給与を毎月支給されているという前提

当たり前すぎて誰も気に止めたことは無いと思いますが、普通学生アルバイトはお給料を働いている会社からもらっています。例えば家庭教師のアルバイトをしていれば、家庭教師を運営している会社から月の働いた時間と時給にもとづいて月給をもらっているはずですし、今回の記事ではこのようなアルバイトで毎月お給料を受け取っているような学生を対象に考えています。

・給与額によっては税金が差し引かれているかも!

後半でも詳しく紹介しますが、給与の金額によっては学生アルバイトといえども税金がとられます。学生がアルバイトでたくさん稼いでいても直接税金を納めたことはないと思います。事前に会社がお給料から税金を差し引いて代わりに払ってくれているんですね。国が税金の取りっぱぐれが無いように先に差し引いちゃおうとしたわけです。これを最初(源)の給与から税金を徴収しているので「源泉徴収」と言ったりもします。税金差し引かれた残りのお金が手取りの給与として支給されるわけです。ちなみに差し引かれた税金は「所得税」として給与明細にいくら徴収されているか記載されています。

2、学生アルバイトの家族全体まで視点を広げてみる

学生個人のアルバイト給与に関する税金については理解できたと思いますが、次に視点を家族全体に広げてみたいと思います。

・お父さんもサラリーマンなら毎月のお給与から税金が取られている

学生であれば父親(もしくは母親)に養ってもらっている状態かと思います。一家の大黒柱であるお父さんも当然会社から給与を毎月もらっていて、毎月給与から税金が源泉徴収されているのです。

・お父さんには家族を養うことで税金が安くなる特別ルールが適用される

ただお父さんと、学生アルバイトと何が違うかといえば養っている側か、養われている側かの違いですよね。

実は家族を養っている場合で一定の条件をクリアするとお父さんの納める税金が安くなる特別ルールが適用されるのです。家族を養っている人と養っていない人を比べたら、養っている人の方が生活が大変だろうということで税金を安くしてくれるわけですね。

この特別ルールの事を「扶養控除」と言いまして、適用される条件の一つが扶養される人の年収が103万円以内というわけです。まずはこの学生アルバイトにおける扶養控除に関して詳しく見ていきましょう!

◆税金対策のために学生アルバイトは親の扶養控除について理解しよう!

養っている人がいれば税金が安くなる特別ルールを扶養控除とお伝えしました。扶養控除の当てはまる条件は以下の二つです。

1、扶養される人の年間の収入が103万円以内
2、一つ屋根の下、同じお財布で生活している家族であること(例外もあります)

1、養われる学生アルバイトの年間収入が103万円以内が第一の条件!

親から養われている学生であれば、アルバイトの年間収入が103万円以内であれば、養ってくれている親の税金が安くなる仕組みが扶養控除です。

まず、第一の条件として103万円を超えないようにアルバイトのシフト等を調整するようにしましょう。103万円を超えてしまうと、どう頑張っても後戻りできないので気を付けて下さい。

2、同じお財布で生活している家族であることが第二の条件!

ここでは、学生は親に養われているという事が言いたいのです。難しい法律の言葉では「生計を一にする」なんて書いていますが、要は同じお財布で生活しているということです。

実は仕送りを受けている場合でも、扶養家族としてみてもらえるのでポイントはやはり養ってもらっているかどうかという点になりますね。

◆130万円超で社会保険料控除が適用されなくなる悲劇!

学生アルバイトの稼ぐ金額の第一段階が103万円でした。これを超えると養ってくれている親が扶養控除というルールを適用できなくなって親が納める税金が高くなってしまうのですね。親の税金対策のためにも、学生である自分のアルバイトの収入を103万円以内に抑えておくのは一つの手です。

実はさらに次の段階として130万円の壁があります。その前に社会保険に関して少し確認しておきましょう。

社会保険とは?

まず私たちは怪我したり病院に行ったら支払うお金は3割だけで大丈夫です。これは日本は全員が健康保険に入っているからです。他には会社を引退して65歳以上になると年金をもらえるようになります。こうした健康保険が適用されたり、年金をもらえたりする制度を社会保険制度と言います。社会保険の中に健康保険と厚生年金があるといったイメージです。そして私たちが病院にかかっても3割しかお金を払わなくていいのも、年金をもらえるのも皆が社会保険料を払ってくれているからなわけです。

ちなみに会社勤めの人が入るのが社会保険で、勤め人でない例えば個人事業主なんかは個別に市区町村を通して国民健康保険や国民年金に加入しなければいけません。

社会保険にも扶養の制度がある

実はこの社会保険にも扶養の制度があるのです。子供のころ、病院にいくと親の健康保険を利用していたのを覚えている人も多いでしょう。

そして社会保険の扶養制度のルールが、養われている人の年収が130万円以内でなくてはいけないというものです。ですので、学生アルバイトが親の社会保険を使い続けたいのであれば収入は130万円以内にしておかなければいけません。

税金対策ではないけれど学生アルバイトは年収は130万円以内がお得!

所得税を安くして税金対策できる103万円以内の扶養控除と、親の社会保険を適用できるかどうかという社会保険の扶養と、同じ扶養という言葉を使って、103万円以内とか130万円以内とか似たようなルールのため混乱しやすいので気を付けておきましょう。

◆学生はアルバイト代からとられている税金を取り戻そう!

次に学生アルバイトにとって本格的な税金対策といった感じが出てきますが、状況によって確定申告をするとアルバイト代から差し引かれている所得税が戻ってくる場合があります。

学生アルバイトは年間130万円までは学生自身に税金はかからない

学生がアルバイトで稼ぐ金額には年間130万円まで税金はかかりません。理由は控除があるから。具体的な控除について紹介します。控除ってのは簡単に説明すると税金の対象となる収入に対して一定の金額を差し引いてくれる特別ルールのこと。各個人の状況に合わせて税金の負担がなるべく平等になるように工夫されています。

1、基礎控除38万円

まずは、どんな人でも一律で差し引いてくれる控除が基礎控除です。学生だけでなく全ての人が対象です。

2、給与所得控除65万円

会社や事業に勤めて給与を受け取る立場の人に適用されるのが給与所得控除です。学生のアルバイト代も給与として支給されますから、給与所得控除が適用されます、

3、勤労学生控除27万円

学生アルバイトで、副業収入も10万円以下で給与の収入も130万円以下なら対象となります。

源泉から税金抜かれるのは毎月の給与額から

冒頭では毎月の給与から金額によって税金が差し引かれて支給されるとお伝えしました。状況によって変わりますが、基本的には月8万8,000円を超えるあたりから税金が差し引かれはじめます。もしかしたら、この税金は取り戻せるかもしれませんので、詳細について確認していきましょう。

・月によって稼ぐ月や稼がない月がありますよね

学生でもアルバイトをしていたら、学校のテスト前や長期休暇などで全然働けなくて稼げない月と、たくさん働けて稼げる日がありますよね。たくさん働いて稼いだ月が8万8,000円を超えたら税金が差し引かれる可能性がありますが、ちょっと待って下さい。単体でみたらその月だけは超えるけど、そのほかの月は超えない日だってあるはず。あれ?税金がかかるのって学生アルバイトなら年間130万円を超えたらではなかったですか?

・とりあえず国は取りっぱぐれがないように、事務手続きがラクになるように

確かに年間で130万円を超えなければ税金はかかりません。ただ、基本的なルールとしては国は取りっぱぐれが無いように月でみて8万8,000円を超える人には給与を支給する前に会社側であらかじめ差し引いといて下さいね、となるわけです。他にも最初は一律のルールで手続きしておくと作業がラクってのもあります。でも学生アルバイトなら130万円なら返してよ!となりますね。

・年末調整という作業で本来は集めすぎている税金は返ってくる

そこで12月ぐらいに実施される年末調整という作業が肝になってくるわけです。とりあえず取りっぱぐれないように、手続きがラクなように皆一緒のルールで税金集めてたけど、個別にみていくと家族のいる人や、家のローンを払っている人、学生アルバイトの人、税金の特別ルールを適用される人がいるわけです。そういった個別の事情に合わせて税金を年末の12月に調整する作業をします。これが年末調整です。学生アルバイトもここで取られすぎている税金は戻ってくるんです。

・年末調整時期に会社にいなかったら?

人によっては年末調整時期にアルバイト辞めてたりして、本当は税金かからないのに支払っている人もいますよね。その時は自分で税務署に行って確定申告をして、税金を取り戻すしかありません。そのままにしていても税務署は税金を返してくれませんので。

◆学生アルバイトの税金対策に関するQ&A

1、アルバイト代が年間103万円を少し超えても言わなきゃバレないですよね?

いえいえ、親の扶養控除になる基準の103万円を超えている場合は、親の勤めている会社の情報が行きますのでバレちゃいます。アルバイトでもなんでも会社は誰にどれぐらいお給与を払っているか税務署に報告します。それと照らし合わせて親が103万円以上の稼ぎのある子どもを扶養控除に入れていれば親の会社に連絡が行く仕組みにちゃんとなっているわけです。悪いことは出来ないですね。

2、103万円以下というのは交通費も含まれるんですか?

基本的に学生アルバイトの税金を計算するときの収入は交通費を含めなくて大丈夫です。ですから、ここでアルバイト学生自身も所得税を納める必要がないし、親の扶養家族にも入れるしメリットあるよね!となるのは交通費を抜いた収入が年間103万円以内と考えておきましょう。

◆税金対策のために学生アルバイトが知っておくべき控除関する全て、のまとめ

いかがでしたでしょうか。がっつり税金対策のお話ではなかったですが、どのように学生アルバイト税金が優遇されているのかは何となくでもつかめていただけたのではと思います。私も学生の頃は、とにかく稼ぐことしか頭になく税金対策なんて観点はほとんどありませんでした。学生のうちから、アルバイトという立場だったとしても税金対策に関する知識をつけておくのは、その後の社会人人生でもきっと役立つはずです。

今回おお話ではたくさん控除という言葉が出てきたとおもいますが、まだあまりつかめていないという方はこちらの記事も参考になるかと思います。「安心して暮らせる貯蓄を手に入れる控除を活用した税金対策」も良かったらご覧ください。