株式会社の設立をした時に、発起人がそのまま株主になったと思います。ところで、株主ってどのように管理するのでしょうか?
昔は株券を発行していたみたいですけど、今は会社設立時に株券を発行しているところなんて聞いたことはありません。それどころか、上場会社も株券の発行はしていないと言うじゃないですか。
そこで株式会社は、どのように株主を管理しているのか。株主名簿を作るとしたら、どうやって作るのかを解き明かしていこうと思います。
・株式会社設立した後の株主の管理の仕方。
・株主名簿の雛形の場所や作り方。
◆株式会社設立後の株主の管理はどうやってやるのか?
今は会社をつくる法律が変わって、基本的に株券は発行しないことになっています。定款と呼ばれる会社のルールブックには「株券は発行しません!」と書いていることがほとんどです。
ただし、もし定款に「株券を発行します!」と書いていれば発行はしますが、今では上場会社でも株券のペーパーレス化が進みました。
(1)なぜ株券は発行されなくなったのか?
なんで株券は発行されなくなったのでしょうか?株券は、持っている人を株主とみなす証拠の書類です。お金に変える価値もあるので、有価証券とも呼ばれますね。
しかも株主は、持っている株の量によっては、その会社に大きな影響を与えることができます。そんな大事な書類が紛失したり、盗難にあってしまい、悪用されてしまったら大変なことです。
そこで株券の発行は行わずに、代わりに会社側で株主名簿というものを作り、誰がどのぐらいの株を持っているのか明確にしたわけです。
(2)株主を管理する情報を株主名簿といいます。
株券の発行があろうが、無かろうが会社側は必ず株主名簿を作成しないといけなくなりました。
会社によって株の売買が行われることがあるので、そのたびに株主名簿を書き換えて常に最新の株主名簿を作っておきます。そうすることで、会社側が正確に株主の状況を管理するわけです。
株主名簿には「株主の名前」「株主の住所」「株主が保有している株の数」などが記載されます。このように株主名簿によってすべて管理するわけですから、株主名簿に名前がなければ、株主として扱われないことになってしまいます。
こうしたことを防ぐためにも、株を譲り受けた株主は、すみやかに会社側に「名義書換え」を依頼するようにしましょう。
◆株主名簿の作り方!雛形を使ってカンタン作成
法務局で用意している会社設立の雛形には、株主名簿が存在しません。つまり株主名簿は会社設立後速やかに自分で作らないといけないわけですね。
雛形などがあると便利なのですが、どうやって作っていくのか順を追って見ていきましょう。
(1)会社設立後に作成する株主名簿に載せる情報について
株主名簿の作成は、会社法121条で定められています。基本的には株主の名前や住所、保有する株の数などです。
・株主の名前と住所
株主名簿には株主の名前と住所は必ず必要です。この住所にあてて、株主総会の案内などがなされるためです。株主は人だけでなく、法人もなることができるので、記載するないようは人と同じ考え方です。
・保有する株の種類や数と出資金額
株主名簿には保有する株の数や、出資金額・株式の種類を記載するようにします。たとえば一株1万円の株を発行している会社で、株主Aが100株保有していたら、100万円を出資しているというわけです。他にも基本的に発行するのは普通株式というものですが、特別な種類株式というものを発行することも稀にあります。
一般的に株式会社設立をして発行される株は普通株式といわれるものです。たとえば株主総会の議決権はない代わりに配当をたくさんもらえる株式とか、一部の議案については議決権がない株式などを「種類株式」と言ったりします。
・株主が株式を取得した日付
株主になった人は法人口座などに該当の出資金額を振り込みなどで払い込むわけです。その払い込んだ日付が、株式を取得した日付となります。株式を取得した日付として株主名簿に記載しておくと良いでしょう。
少ないと思うのですが、もし株券を発行していたら、その一枚一枚に番号がふられています。株主名簿には、その株主がどの株券の番号に紐づいているのかも明確に記載するようにしましょう。
(2)雛形を活用した株主名簿の作り方
株主名簿は何か決まった書式で書かないといけないわけではありません。最低限の情報が載っていればなんでも大丈夫です。エクセルで作成したり、ワードで作成したり様々です。
インターネットで検索すればたくさんの雛形がありますから、それをダウンロードして作ってしまいましょう。
私がよく使うのはビジネスで必要な書類の書式がなんでもそろうビズオーシャンの株主名簿を使っています。
◆「株式会社設立後の株主名簿の作り方」まとめ
株主名簿は株式会社設立後には必ず作るようにしましょう。ときどき、株主は自分一人だけだから大丈夫!みたいに言う人がいますが、たとえばゆうちょ銀行で法人口座を作る時には株主名簿を求められることが多いです。
その他にも、公的な手続きをするにあたり、株主名簿を求められることがあるかもしれません。最初の一手間を惜しまずに、早いタイミングで株主名簿を作成しておき、株主に変更があれば速やかに株主名簿も変更するのが健全な会社を運営するコツです。
株主名簿を面倒臭がらずに作っておくことで、変動があった株主の履歴がしっかり残ります。結果的に無駄なトラブルを防ぐことにつながりますので、なるべく早めに作っておきましょう。
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