会社設立時の住所・本店所在地の注意点&工夫点!

会社設立・独立・起業アドバイザーのごはんつぶ(@gohaotsubu)です。これまで通算1000件を超える会社設立や起業、さらには採用や社員教育・コーチングのお手伝いをしてきました。

会社を作る時に必ず決めないといけない項目の一つである本店所在地。本店所在地とはわかりやすく言えば会社の住所です。

会社設立の相談に乗っていると、この本店所在地に関する質問が多いので、会社住所に関する注意点を整理してみました。

この記事でわかること

・会社設立時の本店所在地の決め方&注意点

◆会社設立時の住所・本店所在地に関するキソ

まずは会社設立時の本店所在地の決め方についての基本事項を整理しておきましょう。最低限このルールを守っておけば会社住所として法人登記は可能です。

(1)同じ住所に同じ商号で会社設立をすることはできない

大原則として同じ住所に同じ会社名の法人を作ることはできません。昔は同じエリアに同じ商号の法人を設立できませんでしたが、今は少しだけルールが緩くなっています。

同住所に同じ商号の会社は作れない。これだけ抑えておけば第一段階はクリアです。バーチャルオフィスやレンタルオフィスだと同住所に数多くの会社が存在するので必ず類似商号の調査は実施してください。

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同じ住所に同じ会社名があるかどうか調べる方法は複数の種類があります。家にいながらパソコンを使って調べたり、直接法務局へ行って調べたり。現状に合った方法で類似商号の調査をしてみましょう。

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(2)会社設立時の住所・本店所在地に関する問題点

会社住所を決めるにあたり、問題点を明確にしておくことで後悔なく本店所在地を決めることができます。

1、本店所在地は誰でも見れる履歴事項全部証明書に載る

本店住所は登記簿謄本と呼ばれる履歴事項全部証明書という書類に掲載されます。これは会社の存在を証明する書類で、法務局に申請すれば誰でも手に入れることができる書類です。

第三者に自分の住所がバレたくないという理由で、本店所在地を自宅ではなくバーチャルオフィスなどにする人がいます。さらなる注意点としては、もし自分が会社の代表(代表取締役や代表社員)になる場合は、どっちみち履歴事項全部証明書には代表の住所が載るので隠しようがないという事になります。

2、本店所在地に設定した住所にたくさんのDMが届く

恐らく会社登記した情報を集めてリスト化している業者があるのだと思います。法人を登記すると次から次へとダイレクトメールが届くようになります。

数ヶ月経てば落ち着きはするものの、こうした状況が嫌な人は自宅以外の住所を本店所在地とした方が良いでしょう。

◆会社住所・本店所在地を決める時のメリット・デメリット

前の項目で紹介した、会社の本店所在地を決める時の選択肢3つに関してメリットとデメリットを整理していきます。

「バーチャルオフィス・レンタルオフィス」「自宅」「事務所・オフィス」といった三つのカテゴリーで見ていきましょう。

(1)バーチャルオフィス・レンタルオフィスを本店所在地にする注意点

バーチャルオフィスとは、住所だけを利用させてもらう仕組みです。業者に対して毎月手数料を払って、住所を借りて、その住所を使って法人登記するわけです。

レンタルオフィスとは、一つのフロアを小さく区分けして数名で利用できるようにしたオフィスのことです。

それぞれのメリット・デメリットを整理しておきます。

1、バーチャルオフィスは金額が安いが法人口座作成に要注意

バーチャルオフィスは住所を借りて会社設立できる便利な仕組みです。その分、悪いことに使う人も多いらしく、法人口座を作成する時には断られるリスクも多いのがネックです。必ず事前に法人口座の開設実績があるかどうか確認しましょう。

ただし、都心の住所で会社設立したいとか、自宅住所をなるべく公にしたくないなどの要望がある人はバーチャルオフィスは一つの候補になります。費用も安いので、注意点をクリアすれば使い勝手は抜群のはずです。

おすすめのバーチャルオフィスである全国展開のバーチャルオフィスKarigoなら安心して会社設立に利用することができます。

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2、レンタルオフィスで会社設立する時の注意点

レンタルオフィスとは、一つのフロアを数名で利用できるような小さな部屋で区切り、そのスペースを貸し出す仕組みです。バーチャルオフィスと違い実際にその空間で仕事をすることができます。

都心に個別でオフィスを借りるよりも、レンタルオフィスで借りた方が低コストで借りれることが多いです。レンタルオフィスも法人口座が作れない可能性があるので事前確認が大切です。

シェアオフィス・コワーキングスペースもあるよ

低価格でオフィスを借りる仕組みとしてバーチャルオフィスやレンタルオフィスを紹介しましたが、他にもシェアオフィスやコワーキングスペースも存在します。

シェアオフィスもコワーキングスペースもほとんど同じ意味です。一つの空間を複数の人たちで利用する仕組みです。ソファやテーブルやカウンターなど設備の中で自由にフリースペースとして使うことができます。

(2)自宅を会社住所・本店所在地にする時の注意点

次に自宅を会社登記する場合です。賃貸物件の場合は、不動産会社やオーナーに会社登記しても大丈夫か確認した方がその後のトラブルが少なくて済むでしょう。

1、賃貸物件を本店所在地・会社住所とする時の注意点

多くの不動産会社やオーナーが賃貸物件で会社登記を禁止しているのは、不特定多数の人が家に出入りされるのは近隣住民にとって迷惑ですし、セキュリティ上の問題によるところが大きいです。

そのため、もし賃貸物件を登記住所することを交渉する場合には、上記のような多くの人の出入りなどが発生せず、誰にも迷惑をかけることがないことを証明しながら交渉すると良いでしょう。

2、購入した自宅を本店所在地・会社住所とする時の注意点

基本的に購入した物件は、自分のものですから本店住所にしようがこちらの自由です。ただし、分譲マンションを本店所在地とする時には注意が必要です。

分譲マンションには、そのマンション毎に管理規約が存在します。その管理規約の中で法人の登記住所として利用することが禁止されていることがあるのです。交渉する余地はあると思いますが、NGのことが多いです。

その場合はバーチャルオフィスやレンタルオフィスを借りたり、実家を会社住所にするなどの工夫が必要です。

(3)事務所・オフィスを借りて会社住所・本店所在地にする時の注意点

創業当初から事務所やオフィスを借りるという選択肢ももちろんあります。設立後スグに従業員を雇ったり、許認可を得るにあたりオフィスを用意しなければいけないケースです。

その時に悩むのが物件を借りるタイミングです。これは直接、不動産会社と交渉になるのですが大きく二つのパターンがあると思います。

一つ目は個人で物件を契約して、法人登記が完了したら法人契約へ切り替えるものです。そのまま切り替えられるケースや、別途手数料が必要ばケースがあります。

二つ目は仮契約をして、その住所を本店所在地として使わせてもらった上で、会社設立後に本契約をするケースです。なるべく最初のコストは抑え目でいくべきなので、無駄な費用が発生しないように不動産会社との交渉を頑張りましょう。

◆会社住所・本店所在地と事業を行う場所が違う時の注意点

今まで紹介した以外で本店所在地としての登記は自宅で行い、事業を行う場所として違うところを設定することが考えられます。

(1)自宅や実家を本店所在地にしておけば無駄な住所変更リスクを避けられる

会社住所は、オフィスが変更すれば登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の情報も変更しないといけません。変更登記にはお金がかかるので、なるべく創業時のコストは下げたいところです。

そこで自宅や実家を本店所在地として登記しておけば、住所変更のコストを最小限に抑えることができるのです。

具体的には実家や自宅を会社住所として設定しておき、事業活動をする住所は別で用意するのです。たとえば自宅を本店所在地にした上で、営業所を都内の顧客へアクセス便利な場所に借りるといったイメージです。

規模や状況に応じて営業所を借り換えてもわざわざ登記情報を変更する必要はありません。

(2)法人住民税が二倍にならないように気をつける

自宅住所を登記して、事業を行うオフィスを別で借りる場合には法人住民税が二箇所で取られないように注意する必要があります。

法人住民税とは、会社が存在するだけで発生する税金です。私たちでいう住民税のようなものです。これが本店所在地の住所と、営業所の二箇所で事業を行なっていると認定されれば二倍取られる可能性があるという事です。

ただし、本店所在地で設定した自宅は、住所だけ設定していてそこで事業活動をしてないのであればほとんどのケースで二倍の法人住民税が取られるということは無いと思います。自治体によって考え方が微妙に違うことがあるので、心配な人は各市区町村に確認するようにしましょう。

◆「会社設立時の本店所在地」まとめ

会社設立時の本店所在地はメリット・デメリットがあるので工夫のしようがある分野です。

小さな規模で始める場合には、無駄にオフィスは借りずに自宅や実家を本店所在地にした方がコストを最小限にできるはずです。

本当に自宅を仕事場で使うのであれば、作業スペースを按分して一部を経費として見ることができます。(それよりも経費として計上する割合が大きいのが社宅として扱う仕組みです。)

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物件を法人で借りることができれば、社宅として経費計上できます。仕事スペースを経費計上するよりも節税になる可能性が高いので検討する余地ありだと思います。

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まとめ

・同じ住所に同じ名前の会社を設立することができない。
・本店所在地の選択肢として「バーチャルオフィス・レンタルオフィス」「自宅」「オフィス・事務所」の三つがある。
・自宅や実家を本店所在地として、事業活動は別の住所で行うという選択肢もある。