個人事業主が法人成りするタイミングはいつがベスト?売上や時期から決算月まで徹底解説

個人事業主が法人成りする理由。

節税や取引先からの要望など、さまざまだと思います。

せっかく会社設立をするのだから、効果的なタイミングで法人化したいものです。

たとえば売上がどれぐらいなのか?決算月はいつが良いのか?損にならないタイミングはあるのか?調べ出したらきりがありません。

法人成りした方が良いかどうかの判断は、意外と複雑です。気持ちよく判断できるように、ポイントを整理していきましょう。

いざ会社を設立しようと思いたったら、自分でカンタンにできる方法も紹介しています。

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・個人事業主が法人成りするときの売上の目安
・個人事業主の法人成りに適した時期
・個人事業主が会社設立する時の注意点

目次

個人事業主が法人成りする売上の目安はいくら?

個人事業主が会社設立をする理由のナンバーワンは税金対策です。たぶん。

個人よりも法人の方が税金が安くなるなら、法人成りした方が良いはず。

まずは売上や利益がどれぐらいの時に、法人にした方が良いのか整理します。

売上が1000万円を超えたときが法人化を検討する時期!?

税金にも色んな種類があります。個人事業主と法人で税金の種類も違う。計算の仕方も変わる。

比べた結果、個人よりも会社の方が節税になるなら、法人化を検討するわけです。

税金の種類が複数なので、検討する切り口もたくだんあります。材料を全部並べて判断します。

まずは消費税。

・消費税課税免除期間をフル活用したい

事業を始めたばかりの人には、消費税を納めなくて大丈夫という特別ルールがあります。

たとえば私がコンサルタントをしているとします。月5万円の契約であれば、お客様に請求するのは消費税込みの5万5000円。

この消費税5000円は、お客様から預かっているだけです。決算をするときにまとめて計算して納めます。

単純化するために、5万5000円のうち、5000円を消費税として国に納める。これが基本ルール。

うまくいけば、最初の二年間は消費税は納めなくて良いよという特別ルールを適用してくれる。起業したばかりだから優遇してている。

これが消費税課税免除といったり、免除されている期間を消費税課税免除期間と言ったりするわけです。

・個人事業を法人成りする目安は売上1000万円超えてから二年後!?

今は消費税10%ですから、バカにできない金額です。

何十万とか、何百万とか消費税で納めないといけないこともあるんです。最初の二年間が免除されるのであれば、それをフル活用しないわけにはいきません。

もうちょっと詳しくお話すると、消費税は売上が1000万円超えた年の二年後から納める立場になります。

文字で理解が難しいんだけど、一年目の売上が1000万円を超えたら、三年目の売上に紐づく消費税を納めないといけない。

スグじゃないんすよね。二年後。これがわかりにくい。

だから個人事業主が法人成りを検討するとき、消費税課税免除をフル活用するのであれば、売上1000万円を超えた二年後に会社設立するようなスケジュールを組みたい。

この後説明するんだけど、消費税はお得でも、他の部分で節税にならなければ法人成りを待った方がいいこともあるから気を付けてくださいね。

利益が500万円を超えだしたら法人成りを検討し始めるタイミング!?

消費税の話がわかりやすいので、先にそっちの話をしてしまったけど、本来は所得税や法人税のルールが違うから節税になるわけです。

めちゃくちゃ乱暴な説明をすると、個人事業主は所得税。会社は法人税。

さらにイメージだけで理解するなら、個人事業主の所得税で計算するよりも、会社にして法人税で計算した方が節税になるから法人化するわけです。

この理解を前提に、もう少し詳しく整理しましょう。

・個人事業主の所得税は累進課税

個人事業主が納めるメインの税金は所得税。

売上から経費を引いた金額が利益。すごい省いて説明すると、この利益に所得税率をかけることで所得税が計算される。

この所得税率は累進課税といって、利益が増えれば増えるほど税率が高くなる。税率が高くなれば、納める所得税は大きくなる。

事業が順調に成長していけば、多額の所得税を納めるタイミングがくるかも。その時に法人化をすれば節税になるってことですね。

正確には利益ではなく所得

わかりやすいように利益と言いましたけど、正確には所得に所得税率をかけるんです。

所得っていうのは、利益から税金を算出するために色んな控除なんかを差し引いて、最終的な所得税率をかけるための数字です。

わかりにくいよね。

・法人成り後の税金は法人税に社長の所得税とその他もろもろ

これが法人になると、会社の売上・経費を計算して法人税をだします。法人税率は所得税率よりも低くなれば節税になるってわけです。

話はもうちょっと複雑で、法人の経費には役員のお給料も入っている。

私が会社の社長で年収1000万円もらっていれば、この金額に紐づく所得税を収めないといけない。

でも個人事業主の所得税とはちがって、お給料の所得税を計算するときには「給与所得控除」というすごい特典がある。

働いている人は個人事業主のように経費みたいな概念ないから、所得税計算する前にちょっと差し引いてあげるね!っていう感じのもの。

だからこの、役員報酬にかかる所得税も加味して、法人成りが得か損か判断しないといけない。まぁ、これだけじゃないから泣けてくるんです。

・法人成りすると社会保険料かかるよ!

法人成りが節税になるかどうかの判断って、消費税とか所得税とか法人税だけでは終わらいのです。

さらに社会保険料も較べないといけない。

社会保険ってのは、健康保険や年金のこと。少子高齢化で社会保険料の負担は目ん玉が飛び出るぐらいのインパクトがある。

個人事業主の場合は、国民健康保険と国民年金。これが会社になると健康保険と厚生年金。会社で入る社会保険の負担が大きくなりがちです。

しかも社会保険料の半分は会社が負担しないといけないから、そりゃもう一人で会社を立ち上げた場合は涙が出てきます。

そうでなくても、従業員の社会保険料も半分は会社負担ですから号泣ものです。

この社会保険料の負担も加味して、手元に現金が残るのかどうかを判断しないといけないわけです。こうなると自力で計算するのは不可能。

よく利益500万円ぐらいになったら、法人成りした方が節税になるよと言われますけど、売上や経費に状態とか、役員報酬いくらに設定するとかで変わってくる。

だから自動計算してくれるサイトを頼りましょう。

>法人成りの税額診断してくれるサイト

これでも完璧じゃなくて、従業員の人数とか消費税のことなど加味されない。

そこら辺も含めて正確にシミュレーションを取りたいなら、もう税理士にお願いするしかないです。

たぶんその規模感なら顧問税理士ついているでしょうから、法人成りシミュレーションを依頼しちゃってください。

税理士ついていない方、税理士探しつつ相談ベースで専門家に話を聞きましょう。

>後悔しない税理士の探し方・決め方はこちらで公開

法人成りの注意点もあるので、次の項目で整理します。

個人事業主が法人成りする時の注意点

法人化の判断をするとき、数字だけで本当に判断していいのか?

一度会社にしたら、そうカンタンには個人に戻ることはできない。個人事業に戻ることはできるんだけど、手間やリスクがハンパなくかかる。

だから法人成りする前に、あらゆることを検討しておきたい。ポイントを整理しておきましょう。

長い目でみて事業が成長し続けるかどうか

点で判断せず、線でみる。

この瞬間に節税なったとしても、将来的に現状維持か成長は見込めるのか?

一時的な収益増で法人にしてしまっても、あとから個人事業主の方が良かったなんてことになりませんよね?

法人化したあとの事業の成長ぐあいって当たり前だけど大事。

・消費税の課税免除は最初の二期間

消費税が法人化することで免除になる、みたいな話を最初にしたけどこれも最初の二年間だけですからね。

売上が1000万円を超えていれば三期目から消費税を納める立場になるわけです。

消費税を納めるのが嫌だから、という理由だけで法人にするんじゃなくて、総合的に判断です。

やっぱり継続的に事業が成長していけるか?っという観点は法人成りするときには大事。

会社設立をして消費税課税免除にするには、細かいハードルがあるので詳細は以下を確認してください。

>会社設立をして消費税課税免除にする方法

社会保険加入での負担増は本当に大丈夫?

何度も言いますけど、社会保険料の負担が法人成りの邪魔をします。

ときどき、法人成りしてもスグに社会保険入らなくても良いでしょ?みたいな人いますけど、ダメですからね。

社会保険料は負担が大きいし、半分は会社の負担だし、従業員の社会保険料の半分も会社の負担なんです。

だいぶ昔になりますが、内科を個人事業として経営している方が、医療法人を設立しました。

従業員も10名以上いたのですが、法人にするときに税理士から社会保険の負担のことを聞いていなかったらしく手元に残る現金が少なくなったと嘆いていました。

表に出てきにくいコストやリスクは大丈夫?

なかなか見えにくんですけど、法人化による細かい注意点を最後にみていきます。

・個人事業主よりも法人の方が色んな費用が高くなりがち

法人成りすると、色んな費用が高くなります。税理士への依頼も個人事業より法人の方が高いです。

他にも通信費やオフィスを借りるときの諸費用なんかも法人の方が高くなりがち。

・赤字でもかかる税金が法人にはある

個人事業主は赤字だと税金かかりません。だけど、法人になると赤字でも法人住民税として最低でも約7万円はかかります。

・個人事業主に戻るのにも手間とコストがかかる

とりあえず法人成りしてみて、途中でダメだったら個人事業に戻ればいい。

でなくはないんですけど、やるにはお金と手間がやっぱりかかる。

会社なんて休眠しちゃえば費用ほとんどかからないでしょ?って思うですけど、個人事業を法人にして、それを個人事業に戻すんだったら休眠状態とはいえ法人が存在しているのってちょっとおかしいですよね。

ちゃんとやろうと考えると、やっぱり個人事業主に戻るときには法人は精算の手続きを踏んどいた方がいいと思います。

その手続きには弁護士や司法書士に依頼するのに費用はもちろんかかります。

個人事業から法人にスムーズに事業を引き継ぐには?

これまでは主に節税とか売上いくらって観点から法人成りのタイミングを探ってみました。

もうちょっと具体的に、実際に個人事業から法人に事業を引き継ぐとはどういうことかを見ていきましょう。

節税に関する注意点にもつながるので大事です。

法人成りするってことは個人から法人に事業を引き継ぐってこと

法人成りするとは、会社設立をして終わりではありません。

会社を作るってことは、あくまでも会社の器を作っただけ。

会社としての営業開始日を決めて、個人事業を引き継がないといけません。引き継ぎといっても儀式的なものではなくて、会計の情報を変えたり、個人事業の廃業届を出したりといった感じ。

会社設立日や営業開始日となると混乱するけど、以下の記事に詳細を整理しときました。

>会社設立日と営業開始日の違いとは

理想の法人成りスケジュールは1月1日に事業スタートするタイミング

個人事業主の事業の区切りは1月1日から12月31日までです。

この1年間の実績を計算して、翌年3月15日までに正しい税金を計算して納めることを「確定申告」と言うわけです。

そうすると、新しい期が始まる1月1日から法人としての活動がスタートするのがスムーズじゃないですか?

12月31日までが個人事業主で翌日の1月1日が会社みたいな感じ。

・会社設立日に設定できるのは法務局が営業している日

ここで問題になるのが、会社設立日に設定できるのは法務局があいている日だけなんです。

土日祝日は会社設立日にできない。すると1月1日は元日ですからもちろん法務局はやっていない。

最短で設立日として設定できたとしても、1月4日ということになってしまいます。

・1年の途中で法人成りすると決算や確定申告はどうなるの?

そこまで心配はしなくて良いんですけど、ここで法人成りした年って個人事業の確定申告や法人の決算が混在して混乱しやすいです。

具体的な日付で整理してみましょう。

たとえば私が、ずっと個人事業をしていたとして2021年7月に会社を設立することにしました。わかりやすく2021年7月1日が会社設立日です。営業開始も同じ日。

会社の事業年度はふるで12ヶ月にしたので決算月は6月です。

※事業年度の仕組みがよくわからない人はこちら
>会社設立時の事業年度と決算月の仕組みと決め方

2021年の営業状況はこんな感じ。この区切りの業績に対して税金を計算するってイメージです。

・個人事業主:2021年1月1日〜2021年6月30日の営業→2022年3月15日までに確定申告

・法人:2021年7月1日〜2022年6月30日の営業→2022年8月30日までに決算申告

くどいようだけど、この例でいえば、私は2021年1月1日から6月30日まで個人事業主として営業していました。

この半年分の売上や経費は個人事業主の器での活動なので、翌年3月15日に確定申告しないといけません。

個人事業が2021年6月30日に終わって、翌日2021年7月1日から法人としての営業スタートです。

事業年度は12ヶ月なので、そこから翌年2022年6月30日までの業績を整理して税金の計算をします。

会社の決算の締め切りは2ヶ月後なので2022年8月30日までに決算申告するスケジュールです。

・1月4日を法人成りするときは少しだけ注意

話は少し戻るけど、1月1日を会社設立日に設定できないから、最短でも1月4日の会社設立日のくだり、覚えていますか。

このスケジュールを適用すると理論上は1月1日から1月3日までは個人事業主で、1月4日から12月31日までが法人の事業年度になるわけです。

この1月1日から1月3日の間に契約上の売上が発生したり、仕事を受けたことで売上が発生するということであれば翌年3月15日までに、その分の確定申告をしないといけません。

ちょっと面倒ですよね。

ですので、1月4日の設立スケジュールで法人成りしたいって人は、この三日間に契約書上や実際のお仕事として売上が発生しないかどうか確認するようにしましょう。

消費税課税免除期間ギリギリで法人成りするときはタイミングに要注意

個人事業主が法人成りする時の、事業を引き継ぐタイミングが仕組みのイメージはなんとなくつかめたかと思います。

ここで問題なのが、消費税課税になる間際の人が法人成りする場合です。

・事業の引継ぎに消費税がかかる場合がある

個人事業から法人成りをして、事業を引き継ぐときに資産も引き継ぐことになります。価値ある資産であれば、個人から法人に売るという手続きですね。

消費税課税免除されている時期なら、売った資産に消費税は課税されません。

でも消費税課税期間に売った資産には消費税が課税されてしまうので、注意が必要というわけです。

・1月4日を会社設立日・営業開始日にしない方が良いケース

個人事業主として最初の2年間は消費税課税免除というお話をしました。正確には二年前の売上が1000万円を超えているかどうかが今年消費税を納めるかどうかの基準になります。

そのため、消費税課税免除期間が2021年12月31日までだったとすると、2022年1月1日から消費税課税される立場になることがあります。

そのため、2022年1月4日に法人成りしたときに、2022年1月1日から1月3日が消費税課税期間となると、翌日の法人成りのタイミングで資産を譲渡することに消費税が課税されてしまうわけです。

たった3日間が存在するだけで、このような対応になってしまうので注意してください。

・解決するには12月中に会社設立をして翌年1月1日から営業開始とする

この問題を解決するには、私の場合は2021年12月中に会社設立をしておきます。

そして翌年1月1日に営業開始をするとして、消費税課税期間が発生せずにスグに法人に引き継げるような状態にすれば良いのです。

こうすれば、引き継いだ資産にかかる消費税は免除されるので、安心して法人化ができるはず。

まとめ

法人成りするタイミング、わかりましたか?

良いか悪いかは、売上や利益の状況だけでは決められない。

節税という観点なら、無料シミュレーションサイトを使って調べれば良いし、複雑なら税理士に相談すると良い。

考えれば考えるほど、法人成り時期も混乱してしまう。

最終的には判断するための材料を並べて、自分で決断するしかない。

未来のことなんて、誰にもわからないんだから法人成りをするんだったら腹を決めて自分の選択が正解だったと後悔しないように頑張るだけ。

低リスクで法人化をしたいなら、無料サイトを使って自分で会社をつくるって方法もあります。

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