歯科医師が事業承継やM&Aで開業をするときの注意点!

会社設立・独立・起業アドバイザーのごはんつぶ(@gohaotsubu)です。これまで通算1000件を超える会社設立や起業、さらには採用や社員教育・コーチングのお手伝いをしてきました。

コンビニよりも多いと言われている歯科医院ですが、もう一つの問題として院長の高齢化が挙げられます。

特に地域に根差して何十年も経営しているのに、後継者がいなくて悩んでいる歯科の先生も多いはずです。

病気やケガで急に院を経営できなくなったら、そこに関わる衛生士や助手などのスタッフを始め、患者さんも路頭に迷ってしまいます。

そこで若手歯科医師の独立・開業の一つの選択肢として事業承継やM&Aがあると思っています。メリットやデメリット、具体的にどうやって歯科医院を探せば良いのか?などについて紹介します。

この記事でわかること

・歯科医院のM&Aや事業承継による開業について。
・M&Aや事業承継できる歯科医院の探し方。

◆歯科医師がM&Aや事業承継をして開業するという選択肢

事業承継とは、後継者に対象の事業を引き継ぐことを言います。歯科医院のA院長が息子のBに歯科医院を引き継ぐことを事業承継と言います。

すごい噛み砕いて説明すると、事業承継の中でも全くの第三者に事業を引き継ぐかたちをM&Aと呼んだりします。

(1)新規開業と比べたM&Aや事業承継のメリット

歯科医院として独立するには、まったくのゼロから開業する方法と事業承継やM&Aが選択肢にあがってきます。

それぞれのメリットを比較して検討してみましょう。

1、新規開業と比べたM&Aや事業承継のメリット

新規開業はゼロから全てを立ち上げないといけません。テナントを探して、内装をして、機械を入れて、スタッフの採用・・・開業までにやることが盛りだくさんです。

その上で、いちから新規の患者を集めていかないといけませんので、売上が立ち上がるまでは数カ月の時間が必用でしょう。競争の激しい歯科業界であれば、計画通りの売上推移は達成しないかもしれないリスクすらあります。

これがM&Aや事業承継であれば、すでに存在する歯科医院を引き継ぐ形なので、基本的には開業にあたって大きな負担は無いはずです。患者さんも引継ぐので、よほどの問題がない限り、スタート時期で売上が上がらないということは考えられません。

しっかりとした情報を元に、M&Aや事業承継ができれば、開業にかかる大きなリスクを回避できる可能性があるのです。

2、居抜き開業と比べたM&Aや事業承継のメリット

居抜き開業は、すでに内装や設備は歯科医院向けに施されているので、よほど古い設備ではない限り大きな工事は必要ないでしょう。

ただしスタッフや新規の患者はゼロから集めないといけないので、歯科医院のM&Aや事業承継と比べて売上が立ち上がるスピードに違いがあるはずです。

M&Aや事業承継であれば、採用しにくい歯科衛生士や助手や受付がそのまま残ることが多いですし、患者さんもスタッフについていることもあるので、上手に引き継ぐことでリスクを削減できるはずです。

(2)歯科医師が事業承継やM&Aをして開業するときの注意点

なにも歯科医院の事業承継やM&Aが良いことばかりではありません。慎重に情報を精査して、必ず専門家にも相談しなければ、痛い目を見ることがあります。

最低でも数千万円のお金が動くことですから、すんなり手続きが進むことは少ないと考えていた方が良いでしょう。

1、適正な譲渡金額を見極める

歯科医院は個人事業主の場合が多いので、実は厳密に適正な譲渡金額を決めるのは難しいです。確定申告書を見て、所得がどれくらいか見ても、プライベートの経費が入っていたりすると正しい数字との乖離があるからです。

数年前から事業譲渡やM&Aを考えている人であれば、自分に有利に働くようにルールの範囲内で良く見せようとすることも可能です。だからこそ、買い手側であるこちらも専門家のサポートはあった方が良いと思うのです。

2、雇用をはじめとした各種契約関係に注意する

歯科医院を引き継ぐときは、基本的に同じスタッフでも自分のところで再雇用というかたちを取ります。

同じスタッフが継続して働いてくれることを前提に譲渡を決めたのに、その約束が反故されたりなんてことが無いように、事前にスタッフとは個別に面談して、細かい待遇などのすり合わせは必ず必要です。

3、譲渡後の資金のリスクを最小限に抑える

歯科医院の事業譲渡でも、院長が変わると売上が一気に下がることは珍しくありません。譲渡金額も大きなお金が一気に動くので、資金計画はかなり丁寧に立てた方が良いです。

金融機関から融資を受けるためだけの資金計画よりも、実際に事業を引き継いだ後に、どこまで資金的なリスクがあるのかを固めに読み解くためにも専門家の手を借りながら計画を立てることが必用だと思っています。

◆どうやって歯科医院を売りたい人を探すのか?

歯科医院の事業譲渡案件は、ほとんど表に出て来ることは少ないです。まだ、あまりメジャーじゃないからかもしれないので、M&Aや事業譲渡による開業を考えている場合は、種まきが必用です。

(1)歯科医院の事業承継・M&A案件をポータルサイトで探す

最近ではM&Aや事業承継向けのマッチングサイトが数多く出ています。ネット上で確認できる情報に限りはありますが、そこから歯科医院を探すことができます。

TRANBIは数多くの案件を取り揃えているので、最初に探すには良いサイトだと思います。とはいえ基本的に歯科医院案件は絶対数が少ないので、多くのマッチングサイトで同時並行で探すのが良いと思います。

(2)歯科医師の転職マーケットで事業承継・M&A案件を探してみる

かなりイレギュラーな探し方ですが、歯科医院の求人情報から事業承継・M&A案件を探すという方法もあります。

比較的、事業承継による歯科医院開業がうまく行っているのは、ある程度の期間を副院長として働いた上で、引き継ぐパターンです。

患者さんにも顔が効くし、スタッフとの信頼関係もできた状態でスタートできます。高齢の院長の中には、引き継げるスタッフを探している人も一定数いるはずです。

1、ポータルサイトで探す

歯科医師向けのポータルサイトで案件を探しつつ、サイトには事業を引き継ぎたいなどの情報が無いですから、直接面談の時に相談するしかありません。

2、ハローワークで探す

高齢の歯科医院だと、ネットで求人するよりもハローワークで求人することが多いです。郊外や地方だと顕著ですが、開業したい地域のハローワークを探してみるのも一つの方法だと思います。

3、人材紹介会社で探す

人材紹介会社では一人一人にエージェントが付いて転職のサポートをしてくれます。事業承継案件を持っているケースは稀かもしれませんが、高齢で跡継ぎがいなくて困っている歯科医師はいないか相談してみると良いかもしれません。

(3)地域に根差した金融機関で探してみる

地銀や信用金庫、信用組合なんかは地域に根差した金融機関なので、様々な情報を持っていると思います。

歯科医院も開業するときには、融資が必用なので、そういった金融機関に事業承継で困っている歯科医院が無いか相談してみると良いでしょう。

(4)会計事務所や税理士事務所に相談してみる

歯科業界に特化している会計事務所や税理士事務所であれば、数多くの医院と取引きがあるので事業承継ニーズがあるかもしれません。

(5)大学の教授や友人に直接紹介を依頼してみる

事業承継案件を幅広く探すという観点に立てば、可能性は低いかもしれませんが、大学の教授や友人に声をかけておくのも一つの方法です。

どこでご縁が繋がるかわからないからこそ、探している時はたくさんの所から情報を集めておきましょう。

◆「歯科医院の事業承継・M&A開業」まとめ

歯科医院の開業方法は、ゼロからの新規開業にこだわらず居抜きや事業承継まで選択肢に入れると幅広く面白いと思います。

事業承継となると、規模の問題だったり、スタッフとの人間関係がうまくいくかどうかという不安から敬遠されがちです。

ただし、事前の資料や情報を丁寧に取得して、客観的に正しいプロセスで見極めるのであれば、開業当初から売上をある程度見込めるかたちでスタートを切れるはずです。

このような事業承継、M&Aの専門家として数字部分で安心して相談できるのは、この分野に強い税理士だと思います。税理士ドットコムなら、納得がいくまで税理士と面談することができるので、税理士探しでお困りなら一度連絡を取ってみて良いかもしれません。

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