弁護士費用は経費計上して大丈夫?立退料に関する一時所得の確定申告

会社設立・独立・起業アドバイザーのごはんつぶ(@gohaotsubu)です。これまで通算1000件を超える会社設立や起業、さらには採用や社員教育・コーチングのお手伝いをしてきました。

この前居酒屋を経営する知り合いから、そのエリアの開発のため立ち退きを求められ立退料をたくさんもらったと聞きました。

立退料はなんと3000万円。一般人の私からすると目が飛び出るような金額ですが、何十年もそこで経営して、固定のお客さんが付いているお店からすると3000万円というお金では測れない価値があるのかもしれません。

そこで今年は大きな金額が手に入ったということで、その分も併せて確定申告をしなくちゃということでした。

興味があって調べてみると立退料にて確定申告するときは計算する上でルールが決まっているようです。経費についても、丁寧に対応することによってお得になるケースがありそうです。

この記事でわかること

・立退料をもらった時の弁護士費用は経費計上できるかどうか。

◆立退料は一時所得で特別ルールが適用される

確定申告するときの収入(所得)にはいくつか種類があります。どんな経緯で手に入れたお金なのかによって所得の種類がきまります。

事業所得とか、給与所得とか色々ありますが、立退料については一時所得となります。

(1)立退料は一時所得で確定申告

一時所得とは、読んで字の如く「一時的に手に入れたお金」です。立ち退きという人生に一回あるかないかのイベントで手に入れた金額です。来年も再来年も立退料はもらえるわけはありませんよね。

今年だけ何らかの理由で一時的に手に入ったお金なので一時所得というわけです。国税局のホームページでは一時所得の例として「懸賞や福引きの商品券」「競馬や競輪の払戻金」「生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等」「法人から贈与された金品」「遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等」などが挙げられています。

長い人生で、そうそうお目にかかることの無い収入だと思います。

(2)立退料の一時所得を確定申告するときの税金計算方法

立退料を一時所得とするなら、順を追って細かい計算をしないとけません。正しい一時所得を計算した上で、税額を計算するという流れです。

途中で細かいルールもあるので気を付けながら計算しましょう。

1、正しい一時所得を計算する方法

一時所得である立退料を計算するための計算式があります。

『立退料の金額ー立退料を得るために支出した金額ー特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額』

ここで頭を悩ませるのが立退料を得るために支出した金額です。一時所得を得るために発生した経費なのですが、これにどこまで含まれるのかが問題になりやすいです。

その収入を得るために、直接生じたお金が経費になると説明されます。言い換えれば、その支出がないと収入が発生しないようなイメージです。まぁちょっとは関係ありそうな支出だから経費に・・・というのは少し危険かもしれません。

2、一時所得が出たら税金を計算します

一時所得は、そう多く発生しない収入でう。でも一時的にどかんと収入が大きくなる可能性がありますよね。立退料も私の知り合いは一瞬で3000万円もの収入を手にしたわけです。

理由はどうあれ一時的な収入に対して大きな税金を課すのもかわいそうです。そこで一時所得の金額の2分の1して計算して良いことにしています。

計算して出した一時所得を、その年の収入(お給料/給与所得)と合計して、納める税金を計算します。

◆立退料を決めるために発生した弁護士費用は経費になるの?

一時所得を加えた、税金の計算方法を紹介しました。一時所得に関する経費ってどこまで含まれるの?というのがわかりにくかったと思います。

一つ一つをここで整理するのは難しいのですが、立退料に紐づく弁護士費用は経費にすることができます。

(1)立退料を決めるためにお願いした弁護士費用は経費にして大丈夫

一時所得の経費は「収入を得るために支出した金額」です。言い換えると、その支出がないと、収入が得られないと言うこともできます。

立退料とは、その物件の貸してが何らかの理由で、その物件から出て行ってもらうことで、それによって済んでいる人が受ける損害を補償するものです。

居酒屋をしている知人からしてみれば、何十年もそこで経営をしていたのに急に出ていけと言われても、場所を探さないといけないし、引越しにもお金かかるし、新しい場所で売上ちゃんと出るかわからないし不安がたくさんあります。

引越費用なんかは客観的にお金を出しやすいけど、他の金額ってそうそう決められるもんでもないですよね。そこで弁護士に間に立ってもらい、立退料の金額の交渉をするのです。つまり立退料は弁護士にお願いしたことによって、金額が決まったと言えるわけです。

そんな性質のある弁護士費用は、一時所得の経費に計算して大丈夫というわけです。

(2)弁護士費用を立退料の経費に入れた判例もありました

国税不服審判所の昭和54年6月29日採決では、立退料に紐づく弁護士費用を経費にしても大丈夫との判決も出ています。

請求人が支出したとする弁護士費用は、その支出の事実が認められ、かつ、本件家屋の所有者から提起された明け渡しを求める訴訟において、弁護士によって請求人の立場が有利になるように訴訟が進められ、和解に際し立退料の支払が行われたものと認められるから、その収入を得るために直接要した支出と認められる。

立退料の金額は、弁護士が間に入って交渉したらこそ決まるので、立退料を決めるためにかかったお金だから経費としてOKということですね。

◆立退料のような大きな一時所得が入ったときの税金対策

調べてみたのですが、立退料のように何千万という大きな一時所得が手に入ったときのウルトラC級の税金対策はなさそうでした。

できる税金対策をコツコツ行うイメージです。

(1)給与を上げすぎない・売上を上げすぎない

こんなこと言われても困ると思いますが、サラリーマンであれば所得を上げすぎないことです。一時所得によって爆上がりしたら税率で所得税を計算されてしまうからです。

個人事業主も同じですよね。売上を上げすぎても同じようにその年は高い所得税率で計算されてしまいます。

まぁ、給料を抑えろとか、売上抑えろとか、結構無理なお話ですよね。そんな時は次に紹介する所得控除や税額控除をフル活用しましょう。

(2)所得控除や税額控除をフル活用する

所得税を計算するときは、まずそれぞれ正しい所得を計算します。所得とは収入に近い意味なんですけど、ちょっと違います。

サラリーマンなら年間の収入から、給与所得控除なんかを差し引きます。個人事業主なら売上から経費を差し引いて所得を出します。

所得が出たら、そこに所得税率をかけるわけです。だけど、個々人の状況に合わせて所得から差し引いてOKというのが所得控除という特別ルールです。所得税率をかけた税額から、差し引いてOKという特別ルールを税額控除と言います。

この所得控除や税額控除は、たくさんあるのでうっかり適用を忘れた!なんてことが無いように気をつけましょう。医療費控除や住宅ローン控除もこの控除の仲間です。

◆「立退料でかかった弁護士費用を経費にする」まとめ

立退料をもらうなんてことは滅多にないと思いますが、大きな金額が手元に入ってくるのでしっかりと確定申告をしましょうね。

税金がもったいないということで、変な思いを起こさないように。税金対策も限られていますが、丁寧に所得控除や税額控除を行っていきましょう。ふるさと納税なんかも、ある意味効果的だと思います。

実際にふるさと納税をいくらぐらいできるのかは、税理士に相談するのが一番良いと思います。一時所得とか入ってしまうと一気にわかりにくくなってしまいます。その分野に強い税理士を気の済むまで探せる税理士ドットコムがおすすめです。

私の知人も手に入れた立退料で、新しい店舗を探しています。これを機に心機一転、また地域住民に愛される居酒屋を作ってほしいと思います。

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