欧米の開業率に比べ、日本の開業率が低いため国としてはどんどん開業する人が増えて欲しいとの事で、起業家を後押しする取り組みを毎年行っています。ここで開業というのは会社設立案件で計算されているので、個人事業主の開業を含めると少し数字が変わるかもしれませんが、欧米に比べて起業する数が少ないのは事実だと思います。
とはいえ、今はインターネットの発展や技術革新によってひと昔前よりも格段に起業しやすくなったのも事実です。起業ブームなる声も聞こえてきますし、副業という働き方も政府が推進するような昨今ですから、一般の人たちの受ける印象は起業か簡単なもの、と思われてしまうのではないかなと危惧しています。
果たして起業か簡単な事なのでしょうか。ある情報によると起業の失敗率は90%以上にも及ぶと言われています。果たしてそんなに起業の失敗率はそんなに高いのでしょうか。もしそうであれば失敗率を下げるために出来ることはあるのかを調べてみたいと思います。
[ad#co-1]◆起業をするという事はどういう事か
まず失敗率について見るまえに起業をする事はどういう事かを考えていきましょう。大きくは個人事業主としてスタートする事と、会社設立をしてスタートする事の二つが挙げられます。
個人事業主として起業をスタートする
個人事業主として開業届けを出してビジネスをスタートする事も開業として位置づけられます。個人事業主は、会社勤めの人が副業としてスタートしたり、小さなビジネスを実験的に始めるのに適していると思います。個人事業主として開業して上手くいけば会社設立をすれば良いし、ダメだったら廃業届けを出せば良いだけです。
会社設立をして起業をスタートする
起業には会社設立をしてビジネスをスタートするという方法もあります。個人事業主よりも会社設立をして起業スタートした方がメリットがある事もありますが、それと同様にリスクという面でデメリットもあります。自分がどのような状況・環境で起業を考えているのかによって違うので良く考えて決めるようにしましょう。
会社設立をした方がいいのか、それとも個人事業主としてスタートした方が良いのかは、こちらの「完全版!株式会社設立のメリットとデメリットを完全整理!」をご覧下さい。
[ad#co-2]◆起業の失敗率を調べてみた
起業した人の失敗率を中小企業白書で調べてみた
・中小企業の廃業率
毎年中小企業庁の出してくれる中小企業白書は、中小企業の様々なデータを出してくれています。最新の2017年度版のものを見ると中小企業の廃業率がありました。その時点で存在する起業ん数のうち、廃業した会社の割合を見ることができます。ある意味で、起業した人の失敗率として考える事もできるかもしれませんが、2017年のデータでは4%が企業の廃業率として算出されていました。
・中小企業の企業生存率
中小企業白書では企業生存率という数値が紹介されています。我が国では起業後5年間で18.3%の退出にとどまっているようです。
こちらの図は欧米の企業の生存率を比べた図ですが、比較すると日本の企業の生存率は高いようです。裏を返せば起業したら失敗率は比較的低いということが見てとれます。
起業した人の失敗率は一体どれぐらいなのか
起業の失敗率を調べようと思ったのですが、他にもたくさんの情報が出てきましたので、一つずつ紹介していきたいと思います。
・他のサイトで紹介されている企業生存率
あるサイトでは企業の失敗率ではなく生存率という形で情報が提示されていました。参考に引用させて頂きます。
・1年:40%が生存
・5年:15%が生存
・10年:6%が生存
・20年:0.3%が生存
・30年:0.02%が生存
この数字を元にすれば一年で40%の起業家しか生存していない。つまり、1年で60%が起業した人の失敗率と言うことが出来ると思います。
それにしても10年で考えれば90%以上もの失敗率は驚異的な数字です。
・設立した会社の中で上場までいく企業の数字
他のサイトでは会社設立した起業家の中で、上場できる会社の割合が載っていました。
ある調査によると、新規に設立された会社の中で、最終的に株式市場に上場できる会社の数の割合は、1580分の1だそうです。
また、ある税理士の報告によると、会社を作っても、10年もつのは全体の5%程度だと言われています。
上場しない事が失敗というわけではないですが、会社設立して上場まで行き着く会社は物凄く低い確率です。ここでも会社設立後に10年継続する企業の割合は全体の5%と言われているので、失敗率が95%という事にもなりますね。ここでもかなり高い数字です。
・アメリカの起業家養成スクールの数字
あるサイトでは、アメリカの起業家養成スクールの数字を紹介していましたので、引用させて頂きますね。
アメリカの起業家養成スクール「Yコンビネーター」の創業者、ポール・グレアム氏によれば、スタートアップの成功は7%しかなく(成功の定義は最低40億円以上の企業価値をつけること)、DropboxやAirbnbなどのように大化けする確率は0.3%ほどしかないそうです。
成功の定義がめちゃくちゃ高い気もしますが、スタートアップの成功は7%ですから、失敗率は93%と、やはり高い数字です。
・独立起業した人の成功率・失敗率
また他のサイトでは以下のような独立起業の成功率として以下のような数字が紹介されていたので、引用させて頂きます。
独立起業して生活していけるのは約60%、そのうち約半数が勤務していたときより実質的な所得が多い。 ただし、年収が5,000万円を超えるような大成功は一握り。 起業が失敗した人は起業して1~2年以内で廃業する。
独立起業して勤め時代よりも収入が多くなっている事を成功のボーダーラインにしていますが、約60%の成功率だとすれば、失敗率は40%という事ですね。
・Googleの明かす起業の成功率
また、別のサイトではGoogleの立ち上げたベンチャーキャピタルの出している数字を紹介していましたので、引用します。
fastcompany.comの記事によると、Google Venturesのアナリストは、VCから出資を受けた起業家が成功する確率は15%になると発表したそうだ。ちなみに一度失敗して再起したときの成功確率は16%で、一度成功して二度目の起業をした場合の成功率は29%とのこと。
ベンチャーキャピタルから出資を受けた企業が対象ですが、厳しい審査を通って資金調達できた会社でも成功率は15%なんですね。失敗率で考えたら85%という厳しい数字のようにも感じます。
◆起業の失敗率90%以上!?起業家の失敗率を調べてみました!のまとめ
いかがでしたでしょうか。起業家の失敗率は90%以上というお話もあれば、中小企業白書での企業生存率でいくと日本の失敗率は低いという捉え方も出来るかもしれません。
もしこれから起業を考えている人が、失敗率が高いから悩むというのであれば、それは自分の失敗率をさらに高めてしまう結果になってしまうかもしれません。
何のために起業をするのか?諦めない理由がそこにあるかどうかが失敗率を引き下げる大きなポイントになるのだと思います。
起業で失敗しないためにも、様々な情報にアンテナを立てておくのは大切な事です。すべての経験を自分の成長につなげるという意味で、こちらの「起業で大切なノウハウや方法論は本が全て教えてくれた!起業時に読みたい本」の記事をご覧に下さい。
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