認知が上がって来たとはいえ、まだまだ合同会社については「?」と思う人も多いかもしれません。特に名刺に書くような役職や肩書きがわかりにくい・・・。というか代表社員とか、社員とか少しダサい・・・。なんて思っている人もいると思います。
役職や肩書きのせいで合同会社ではなく、株式会社にしようと考えている方、ちょっと待って下さい!名刺に載せる合同会社の役職や肩書きを工夫して、信頼を担保できるかもしれません。
そこで今回は合同会社の代表社員が信頼を倍増させる肩書きや役職を工夫して名刺を作る方法についてまとめてみたいと思います。ぜひ自分に適した肩書きを世界中の名刺デザインが無料作成できるサービスで名刺作成に活用してください。
・合同会社の代表社員が名刺に役職や肩書きを書くときの工夫点
◆合同会社と代表社員の基本事項を整理
肩書きに関するお話に行く前にまずは基本事項として合同会社(LLC)の情報について整理しておきましょう。
※LLCとは合同会社を英語で表記したときの略字です。最近ではほとんどLLCという単語を使う人はいないのが私の実感です。
(1)合同会社と株式会社の違い
合同会社と株式会社の違いを最初に整理しておきましょう。ここでは理解しやすいように大枠の違いを紹介します。
1、設立にかかる費用が違う
2、お金を出資する人と経営する人が一緒かどうか
3、会社のルールを定款で自由に決めれるかどうか
4、運営にかかる費用が違う
5、認知度が高いか低いか
株式会社と合同会社の違いについては、こちらの動画もわかりやすくまとめてあります。
1、設立にかかる費用が違う
会社を設立するために登録免許税というお金がかかります。法務局に会社を登録してもらうための費用です。株式会社が15万円なのに対して、合同会社は5万円。
また、株式会社設立には定款認証という作業のために約5万円が必要です。合同会社設立には定款認証の作業は必要ないので0円で済みます。
会社設立の費用については登録免許税だけではなく他にも費用が必要な場合があります。費用ついて詳しくなれば、どこよりも格安で会社設立する方法も選択できるはずです。詳細は「最も安い金額で会社設立できる方法を徹底調査!株式会社・合同会社の格安設立方法」の記事をご覧ください。
2、お金を出資する人と経営する人が一緒かどうか
株式会社は基本的にお金を出資する人(株主)と経営をする人(取締役)を分ける事ができますし、同じに設定しても良いです。合同会社はお金を出資する人(社員)と経営をする人(業務執行社員)は同じでないといけません。
3、会社のルールを定款で自由に決めれるかどうか
会社の利益の配当など、株式会社は法律によって決められていて出資した比率(持っている株の比率)で決まります。合同会社は出資した比率ではなくて、定款で配分を自由に決める事ができるのです。
4、会社運営にかかる費用が違う
株式会社であれば役員(取締役)に任期があるので、数年に一回更新しないといけません。その更新に費用が1万円かかります。合同会社の場合は業務執行社員の任期は無いので1万円かけて更新という手続きは必要ありません。
5、認知度が高いか低いか
合同会社より株式会社の方が世間で知られています。営業活動や自己紹介の時に株式会社の方がやりやすさはあるかもしれません。また合同会社の代表は「代表社員」になるので、どうしても「代表取締役」と名乗りたいということで株式会社を選ぶ人もいます。
◆肩書きや役職とは一体なんでしょう?
[ad#co-2]合同会社設立を検討している人から「代表取締役という肩書きを使って良いのか?」「代表社員はダサいから違う肩書きはあるか?」という質問を受けることが多いです。
合同会社の代表社員のとして、肩書きをどこまで利用して大丈夫なのでしょうか?それを探っていくためにも、そもそも肩書きって何なの?という点から深堀りしていきたいと思います。
(1)肩書きや役職とは、自分の立場を相手に伝えるための記号
肩書きとは個人が第三者から見たときに、会社の中でどんな立場にいて、どんな役割を担っているかの記号になります。
例えば私が「社長」という肩書きで、営業活動をしていて初めて会う人と名刺交換したとします。名刺には社長と書かれているので、相手は「この人はこの会社の経営者なんだ」「決裁権を持っているから交渉が早く進むぞ」とか「偉い人だから無下な対応は出来ないぞ」とか色々と思うわけです。
自分が誰かを相手に知らせるものとして肩書きが機能しているということになりますよね。
(2)肩書きや役職には法律で決められたものorそれ以外!
後半で詳細を説明しますが、肩書きには会社法という会社のルールを定めた法律で決められたポジションがあります。
例えばよく使われる「代表取締役」なんて言葉は、会社法で誰が名乗れるのか決まっています。会社を運営していく上で重要な役割で、どんな権限を持つかなど決まっているわけです。
それに対して「社長」という肩書きはあくまでも会社の中でのポジションです。誰が名乗っても大丈夫というと語弊があるかもしれませんが、代表取締役ほど条件が厳しいわけではないんですね。
◆合同会社の代表社員は、肩書きや役職をどこまで表記可能?
[ad#co-3]本題である合同会社の代表社員の肩書きはどこまで表記して大丈夫なのでしょうか?法律で決められた肩書きやそうでないものを確認します。
(1)株式会社の法律で決められた肩書きや役職
合同会社との違いを明確にするために株式会社について法律で決められた肩書きを先に整理します。このようなオシャレな名刺を作成する時は、間違いのない効果的な肩書きを載せたいものです。
1、発起人
2、株主
3、取締役
4、代表取締役
1、発起人
株式会社の設立を企てる人を発起人と言います。会社設立時に資本金を準備したり、会社の条件を決めたり、書類作成など株式会社設立時に具体的に動く人たちのことです。株式会社設立後には株主となります(発起設立の場合)。名刺に肩書きとして書くことはほとんどありません。
発起設立と募集設立の違いについては「株式会社設立は発起設立と募集設立のどちらを選べば良いですか?」の記事をご覧ください。
2、株主
お金を出資してくれた人を株主と言います。株主総会では議決権という会社への影響力を持ち、大事なことを決める多数決で決めることのできる立場でもあります。肩書きとして名刺に書くことはありません。誰が株主なのかは会社ごとに株主名簿を作って把握します。
会社設立時の株主名簿(株主リスト)の作り方や管理方法については「株式会社設立時の株主名簿・株主リストの作り方&管理方法」の記事をご覧ください。
3、取締役
取締役とは会社の経営をする立場の人たちです。株主から会社の経営を任されています。会社の大事なことを決める取締役会(設置しない場合もあります)を開いたりしますし、取締役は株主総会で任命されます。名刺の肩書きでも「取締役」という役職を書く事が多いです。
4、代表取締役
取締役が複数いるときに選任するのが代表取締役です。複数の代表取締役がいても良いのですが、対外的に混乱を防いだり、信頼を担保するために、普通は一人の代表取締役を決定します。名刺にも代表取締役と書いて大丈夫です。
(2)合同会社の法律で決められた肩書きや役職
合同会社は設立時にお金を出資する人を社員と言います。私たちが日常で使う社員は従業員という意味での社員ですので注意が必要です。
そして、合同会社はお金を出資したら、基本的に会社を経営する立場にならなくてはなりません。経営する権利のことを業務執行権と良い、経営の立場にある社員を業務執行社員と言います。業務執行社員が複数いる場合は、代表社員を決めます。
1、社員
2、業務執行社員
3、代表社員
1、社員
合同会社設立時に資本金を社員と言います。従業員とは意味が違うので注意しましょう。合同会社の社員は基本的に、そのまま経営する立場になります。業務執行権を持つ社員ということで、業務執行社員と言います。特別に業務執行権を持たないという選択肢もあります。
2、業務執行社員
会社を経営する権利である業務執行権を持つ社員という意味で使います。また、業務執行権を持たない社員と区別するために業務執行社員と言ったりします。(かといって社員という言葉が業務執行権を持たない社員を指すわけではありません)。業務執行社員と名刺に書いている人もいます。
3、代表社員
社員(業務執行社員)が複数いた場合に、その中から代表する社員を選ぶことになります。複数いても良いのですが、基本的には混乱を避けたり、信頼の担保という意味で、一名を代表社員として選ぶのが一般的です。株式会社でいう代表取締役と同じ立ち位置の肩書きですね。名刺に「代表社員」と書く人、良くいますね。
合同会社における社員・業務執行社員・代表社員の違いについては「社員や代表社員や業務執行社員・・・何がどう違うのか徹底解説!」の記事をご覧ください。
◆信頼を倍増できる代表社員の役職・肩書きの書き方
[ad#co-4]合同会社の代表社員という肩書きに対して「なんかダサい・・・」と思った方も多いと思います。代表社員と書かれても、合同会社で一番エラい人ってイメージないですよね。
かといって合同会社の代表社員が、代表取締役と名乗るわけにはいきません。
そこで合同会社設立した方が、代表社員以外で効果的な名刺に書ける肩書きを整理してみました。
(1)株式会社でも合同会社でも両方の名刺に使える役職・肩書き
1、社長
2、代表
1、社長
この社長はあくまでも会社の中の役割というかポジションを表すものなので、株式会社でも合同会社でも使って問題ありません。社長は本来、会社の中で業務を指揮することの立場の人を言いますし、世間一般的に社長という立場はきっと会社で一番偉い人なんだなというイメージがあるので名刺に書くには便利な肩書きですよね。
2、代表
合同会社の代表社員の人がよく名刺に書きます。どうしても代表社員という表記がダサいという方が選んだりします。確かに、代表社員ということで、肩書きに「社員」と付いていると会社の代表者なんですか、イメージとして印象が弱くなってしまうような気もしてしまいますよね(笑)
(2)英語での表記で名刺の信頼を上げる!
他にも最近では英語の表記で会社のトップを示す役職・肩書も一般的となりました。役割によって、英語で表記する役職や肩書きを名刺で利用するなんていうのも良いですね。
1、CEO
2、COO
3、President
1、CEO(Chief Exective Officer)
最近はCEOという言葉を良く聞くと思います。これは「Chief Exective Officer」の略で、日本語にすると最高経営責任者と言ったりします。会社の実務における責任者のことを指します。会社の役職や立場を表すものなので、肩書きとしてつけるにあたり、明確な要件は特にありません。代表社員でもCEOと呼んで名刺にCEOと書いても差し支えないと思います。
2、COO(Chief Operations Officer)
COOもCEOと同じく英語で役員を表す言葉ですが、CEOより下の立場に位置するのがCOOといったイメージです。日本語にすると最高執行責任者です。社長がCEOなら副社長がCOOという風に使うようです。COOも代表社員が名刺に表記して問題ない表現です。
3、President
社長という言葉をそのまま英語にしたのがPresidentですね。日本語での社長と同じ意味ですし、だからこそ合同会社の代表社員が名刺に表記しても誤解を与える内容ではありませんのでご安心ください。
(3)その他の役職について(執行役員・専務・常務・部長など)
全部が全部、合同会社の代表社員として名刺に使えるわけではないのですが、知識整理のために執行役員や専務、常務、部長、課長など日本で会社に勤めていると多く出て来る役職・肩書についても整理しておきましょう。
1、執行役員
2、専務
3、常務
4、部長
1、執行役員
執行役員は法律で決められた役職ではなく、あくまでも社内でのポジションの呼び方ですので、合同会社の代表社員を執行役員と呼んでも大丈夫です。もちろん執行役員と名刺に書いても問題ありません。執行役員の役割は業務執行社員が決定した経営事項を実行する役割を担う人です。
2、専務
専務も執行役員と同じく、あくまで役割の呼び方ですので、代表社員が専務と名乗っても言い訳で、名刺もOKです。立ち位置的には次に紹介する常務よりも、この専務の方が立場が上の事が多いです。専務の役割を大まかに説明すると、会社の意思決定などで社長を補佐する役割の人、という事です。
3、常務
常務は立ち位置的には専務より下の事が多いのですが、会社によって変わります。もちろん代表社員は名乗ってOKですし、名刺もOKです。常務の役割は日常的な業務の執行を行い、社長を補佐する役割、とされています。
4、部長
部長はあくまでも組織の中での管理職の位置づけですので、合同会社の代表社員が部長と名乗るのは兼務している以外ではふさわしく無いと思います。合同会社の代表社員の下で働く部長がいるといったイメージの方がすんなりきますよね。
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◆「合同会社の代表社員の役職・肩書き」まとめ
合同会社の代表社員だとしても、ある程度幅のある表現で名刺に肩書きを書けそうです。ただ、合同会社であるにも関わらずに代表取締役という肩書きを名刺に書いてしまうのは相手を混乱させてしまうかもしれないので、控えた方がいいかもしれません。
名刺や肩書きのために会社を立ち上げるなんて人は稀だと思いますので、それよりも本来の原則に立ち戻ってパワフルに事業を推進できるように肩書きを利用すると良いでしょう。
法人の種類は合同会社や株式会社だけではありません。一般社団法人やNPO法人など様々。それらの肩書きについては「名刺の肩書き一覧!すべての組織や法人の役職・肩書きを完全網羅」の記事をご覧ください。
・合同会社の代表社員は肩書きとして代表取締役は使わない方が良い。
・代表社員に多い名刺の肩書きは代表とか社長である。
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