MENU
スポンサードリンク

名義貸しによる税金対策の事例とリスクを徹底検証

名義貸しで税金対策をする・・・その響きには悪い事をするイメージしか湧きませんよね。実際に名義貸しに関する事で良い話はほとんど聞きませんし、税金対策という文脈で名義貸しが出てくるのは脱税に近いものが多いです。

税金対策のつもりが、何もわからず名義貸しをしてしまって、知らず知らずの内に脱税に手を染める事の無いように、名義貸しによる税金対策のリスクや注意点をまとめてみました。

目次

◆【給与編】税金対策のために名義貸しするリスクと対策

名義貸しにまつわる税金対策に多いのが給与・給料に関する事です。大きく分けると支払ったと見せかけて実際は支払っていない見せ方と、一度支払って一部の給与を戻してもらう見せ方があるんですが、どちらも脱税という立派な違法行為なので気をつけて下さい。

1、税金対策のために名義貸しにより給与を払ったと見せかける方法

ある知り合いの社長から「謝礼で3万円あげるから自分の会社で働いているように見せかけるために名前を貸してくれないか?」と言われたら名義貸しによる税金対策をしようとしているので、簡単にOKしないようにしましょう。この手の税金対策方法は脱税ですから、いらぬトラブルに巻き込まれてしまいます。しかも、自分にもデメリットがあるので良い事ありません。

ごはんつぶ
トラブルに巻き込まれて、しかも自分にデメリットがあるなんて本当最悪だよねー。

(1)名義貸ししてもらった会社は給与を水増しして税金対策⇒脱税

この会社の税金対策の仕組みはシンプルで、本当は働いてもいない人に名義貸しをしてもらい、あたかも給与を払ったかのように見せかけます。会社が支払うお給与は経費になりますから、支払った(と見せかけた)給与の分経費にできるので、最終的に支払う税金が安くなるという仕組みです。これは経費の水増しですから脱税です。

(2)名義貸しした側も所得税・住民税・国民健康保険(or社会保険)でダメージ

謝礼3万円の甘い声に誘われて、つい名義貸しをしてしまったとします。実は名義貸しした側にもダメージがあります。本来もらっていない給与をもらっているという扱いになっているわけですから、収入に紐づく税金が高くなってしまうわけです。所得税と住民税、あとは国民健康保険か社会保険も収入に紐付いて料金変動があるので要注意です。名義貸ししてもらう会社側は、高くなる税金分も支払うよ!みたいな事を言ってくるかもしれないので、絶対に誘いに乗らないようにしましょう。

(3)名義貸しをした事でトラブルに巻き込まれる事も

名義貸しをしてもらって、脱税をした会社側が法に裁かれて当然です。名義貸しをした方も悪意があるのなら、一緒に裁かれるリスクがあるわけです。名義貸しをした人も法に裁かれるリスクがある事を考えると良い事は一つも無いですよね。

2、支払った給与の一部を戻すかたちで税金対策⇒脱税

こんな事するのはブラック企業ですけど、例えば50万円の給与を支払ったと見せかけて、支払った後で20万円もどしてなんてお話は脱税行為ですから、こんな事をする企業には要注意ですね。所得税も住民税も社会保険も受け取っている50万円で計算されるわけで、差額は会社側が払うなんて交渉してくるかもしれませんが、絶対にやめておいた方が良いでしょう。会社がやめた後にトラブルだってあるかもしれません。

ごはんつぶ
住民税なんかは1年前の収入で計算されるっていうよね。そんな事する会社辞めたとしても、1年遅れでやってくる住民税なんかで引き続き悩まされそうだね。

◆家族から名義貸しをしてもらって税金対策する時の注意点

例えば会社設立をする時とか、副業や兼業で事業をする時とかに、本業にばれたくないから奥さんの名前で会社設立をしたりなんて事は良くありますよね。税金対策のために家族から名義貸しを受けているって事なんですが、どこまで大丈夫なのか見ておきましょう。

家族からの名義貸しを受けて会社設立をする時の注意点

副業をしている人の中には会社にバレてはダメという事で家族名義で事業をしている人がいるかもしれません。妻や親を事業主として事業をしているということなので、確定申告は事業主の方が行うことになります。ただしこのような家族からの名義貸しによる方法は結構グレーなので以下の点に注意しておいて下さい。

・妻を代表にして役員報酬も妻に支払う

副業や兼業をしているサラリーマンで、どうしても会社ばれたくない人の場合、奥さんを代表にして会社設立をするケースがあると思います。本人は一切報酬はもらわず、奥さんが役員報酬を受け取るような仕組みです。まぁ、これだけであればスグに何らかの罰に問われる事は無いと思います。実際に、奥さんにも会社経営のお手伝いをしてもらう事もあるでしょうし、役員報酬がバカ高い金額でなければ問題になる事も少ないです。

・子供を役員にして役員報酬を支払う場合は?

これも状況によりけりで難しいところですが、子供を役員にして役員報酬を払う時には、未成年だったら結構微妙ですよね。実際にその会社で、どんな仕事に従事しているのか、それに見合う金額なのかも問題になります。非常勤役員について、こちらの動画も参考になると思います。

家族からの名義貸しを受けて個人事業をする時の注意点

副業で何か事業をしていて、それが個人事業主の場合のケースを見ておきましょう。他にも、例えばアフィリイトやFXにより副業の収入を得て確定申告はしているものの、自分一人の枠で確定申告するよりも家族から名義貸しをしてもらって、それぞれから確定申告をした方が控除の枠も広がって税金対策になるのでは?と考える人に関しても同様です。

・実質所得者課税の原則ってのがあるよ

税金の世界には実質所得者課税の原則というルールがあります。これは名義が誰であるかによらず実態として事業を誰が行うことによって得た収入かによって、その人に対して課税するという大原則のルールが税金にあるということです。

ブログやアフィリエイトで副業の収入を得ている場合、振り込み先などを家族名義にしていたとしても実際に家族は名義貸しだけをして何もしていないのであれば納税する義務を負うのは、実際に作業をしている本人になるというわけです。

事業の指示出しや取りまとめや経営管理的な部分を誰がやっているのかにもよりますが、あくまでも主体は名義人の家族であり、自分はそのお手伝いであるというように税務調査が入った際には合理的に証明できるようにしておく必要があります。

家族の名義貸しによる貯蓄のお金は相続財産にあたるのか?

たとえば妻や子どもが名義貸しをしたかたちで夫の財産を振り分けて貯蓄しておくことを名義預金と言うようです。家族の名義貸しによる預金講座に貯めたお金は相続の際に問題になってしまいます。専業主婦なんかが旦那さんから毎月一定の金額を受け取って貯蓄していた場合でも名義預金とみなされて相続財産の対象になってしまう危険性を拭いきれません。ですので、そういった場合には以下の点に注意しておくといいでしょう。

1、年間であずける金額は110万円以内にしておく。
2、お金を渡す人、お金を預ける人で贈与の契約書を交わしておく。
3、銀行の口座は通帳も印鑑も本人が管理しておく。
4、当事者がお互いにお金のやりとりの事実を把握している。

名義だけ息子にして実際は自分が使っている自動車は贈与になってしまう?

まず大前提として年間で110万円以上のお金や価値のあるものを特定の人に渡すと、贈与税という税金を払わなくてはいけなくなります。父親が子ども名義で自動車を購入してお金の支払いや、自動車の利用も父親のケースがあったとします。このように子どもが父親に名義貸しだけをして実態は父親が自動車を使っている場合でも贈与税の対象になる危険性が高いと言われています。子どもが父親から父親から自動車の贈与を受けたとみなされる可能性があるということです。

ただし、裁判の事例では子どもが本来の自動車の所有者ではなく名義貸しをしただけだという点を合理的に説明できる場合に限って贈与とはみなさないという事もあるようです。とはいえ、原則としてはこのような名義貸しのケースは贈与にあたるとされそうなので、無駄に危ない橋を渡るのは避けた方が良さそうです。

名義貸し詐欺というものにご用心!

名義貸しについて調べていると名義貸し詐欺なるものがあるようです。「カード会社の覆面調査」という名目でアルバイトを持ちかけられてカード契約をするとそのまま第三者に借り入れをされてしまうという詐欺の手口です。名義貸しをしてしまった場合の責任はこちら側にあるので勝手に借金をされてしまったら騙された人が返済しなければいけません。

◆名義貸しや脱税をした時の罰

名義貸しによる税金対策はかなりリスクが高いということはご理解いただけたかと思います。そうすると具体的にどのような罰則があるのか、念のため確認しておきましょう。

脱税とは

節税は法律に乗っ取り適切な方法を駆使して納める税金を安くすることです。脱税はそれが行きすぎて本来あるべき姿とはかけ離れたでっち上げの状態で無理に税金を安くさせる行為と理解していただいてそんなに大差はないと思います。本来払ってないものを経費にしたり、本来あるべき売上を隠したりなどすることは脱税であり法律違反となります。

罰則の規定について

それでは脱税といわれる行為だったり、税金に関するペナルティについて簡単に見ておくことにしましょう。

・刑事罰

刑事罰に処されるのは脱税に関する罪のみです。検察庁に脱税を告発されて有罪判決を受ければ様々な税金に関する法律(所得税法や法人税法など)によって決められた罰則を受けます。一般的には10年以下の懲役と1,000万円以下の罰金となるようです。

・延滞税

税金には納めるべき期限があります。この期限を過ぎてしまうと基本的には延滞税と呼ばれる追加の税金が取られるペナルティがあるわけです。2ヶ月以内であれば納税額の7.3%で、それを過ぎると納税額の14.6%となります。

・加算税

加算税はペナルティとして納めるべき税金以上の税金を払ってもらうことです。内容によって4つの種類があり、脱税の場合は一番重い重加算税が課せられるというわけです。

(1)過少申告加算税

本来申告すべき税金の額より少なく申告した場合に加算される税金のことです。基本的には追加される税額の10%となっています。

(2)無申告加算税

申告自体しないなど期限内に申告書を提出しない場合に課される加算税が無申告加算税です。基本的には納付税額の15%を加算税として支払わなければなりません。

(3)不納付加算税

源泉徴収税を納めなかった時に課される加算税です。納税額の10%ですが一ヶ月以内に納付できれば加算されません。

(4)重加算税

脱税などの重たい罪に関して課される加算税です。追加本税の35%から40%が重加算税として課税されます。

◆名義貸しによる税金対策の事例とリスクを徹底検証、のまとめ

いかがでしたでしょうか。簡単な気持ちで行う税金対策のための名義貸しはもしかしたら大きなリスクを孕んでいる可能性が十分あるわけですね。知らず知らずのうちに脱税に手を染めぬよう気をつけましょう。怪しいお話の裏には、良い事はひとつも無さそうです。

1、サラリーマンが税金対策を考えた時にできる内容まとめてみました 

サラリーマンが税金対策や節税を考えた時、やはり方法は限られてしまいます。その内容をできる限り網羅しておきましたので、こちらの記事をご覧下さい。

2、副業をしているサラリーマンは税金対策する時は気をつけて下さい

副業をしているサラリーマンならではの税金対策方法があるのですが、気をつけないと知らず知らずの内にルール違反になってしまう可能性もあります。こちらの記事で詳細を説明していますので、参考にして下さい。

3、これからリスクなしで起業を考えている人はいますか?

これから起業を検討する全ての人に向けた起業アイデアをまとめてみました。主婦に向けたアイデア集ですが、そうでない人も参考になる情報が詰まっていると思います。こちらの記事をご覧下さい。

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次
閉じる