株式会社設立に必要な定款の雛形はどこで手に入るのか?

こんにちは、会社設立のコンサルティングや個人事業主の独立を支援しているごはんつぶです。

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株式会社設立で必要な定款の雛形はどこで手に入るのでしょうか?法務局や公証役場にも定款の雛形がありますが、内容が難しいこともあって、何をどうすればいいのか意味不明な点があるかもしれません。

株式会社設立で必要な定款の雛形をなるべく優しく解説しますので、自分自身で株式会社設立したい時といか、定款の雛形をもとに自分で作りたいなんていうときにお役立て下さい。

◆株式会社設立で必要な定款の雛形はどこに、どんなものがあるのか?

インターネットで検索すると多くのサイトに株式会社設立に必要な定款の雛形を見つけることができます。定款と一言で言っても厳密には少し内容も違ったりしますが、会社法で決められている内容に準じている必要がありますので、それを大きく逸脱していなければ大丈夫です。

▼法務局のホームページ

▼公証人役場のホームページ

まず、ここでは「取締役非設置会社」の定款をベースに考えていきたいと思います。

◆実際に定款の雛形をみていきましょう

それでは、法務局の方で紹介されている定款の雛形をベースに内容をみていきましょう。そのまま直接引用させて頂きました。

赤字の部分は法務局で用意されている雛形にある注意書きをそのままにしています。これだけ読めば基本的には株式会社設立にて必要な定款は出来上がる内容になっていますが、少しわかりにくい箇所もあったりしますので、次の項目でカンタンに解説していきます。

定款の記載例
(会社によっては、不要な事項がありますので、会社の実情に合わせて作成してください。)

○○商事株式会社定款

   第1章   総 則

   (商号)

   第1条 当会社は,○○商事株式会社と称する。
(注)商号及び本店が同一の会社が既に存在する場合には設立の登記をすることができませんので定款の認証を受ける前に,本店を管轄する登記所でそのような会社の有無を必ず確認してください。調査は,無料でできます。

   (目的)

   第2条 当会社は,次の事業を営むことを目的とする。
   1 ○○の製造販売
   2 ○○の売買
   3 前各号に附帯する一切の事業
(注)ローマ字による用語や専門用語等を使用する場合には,それらが一般に市販されている用語辞典に掲載されているなど,広く社会的に認知されているものでないときには,登記申請が受理されない場合もありますので,御留意ください。また,これらの場合には,ローマ字による用語や専門用語の後に括弧書きで当該用語を説明するなど,登記事項証明書を取得した方に理解しやすいものとなるように御留意ください。
事業等を行うことについて官公庁等の許認可,登録,届出(以下「許認可等」といいます。)等が必要な場合や登記事項証明書の提出が必要な場合等には,定款に定める目的に問題がないかどうかを当該官公庁等に事前にお問い合わせください。登記申請が受理された場合であっても,許認可等の関係で問題とされる場合がありますので,御留意ください。

   (本店の所在地)

   第3条 当会社は,本店を○県○市に置く。
(注)定款に定める本店の所在地は最小行政区画まででも構いません。ただし,その場合には,発起人の過半数により,「○丁目○番○号」等住居表示(未実施地域は地番)までの本店の所在場所を決定しなければなりません。

   (公告の方法)

   第4条 当会社の公告は,官報に掲載してする。

   第2章 株 式

   (発行可能株式総数)

   第5条 当会社の発行可能株式総数は,○○○株とする。

(株券の不発行)

第6条 当会社の発行する株式については,株券を発行しない。

   (株式の譲渡制限)

第7条 当会社の株式を譲渡により取得するには,当会社の承認を受けなければならない。

   (株主名簿記載事項の記載又は記録の請求)

  第8条 当会社の株式取得者が株主名簿記載事項を株主名簿に記載又は記録することを請求するには,株式取得者とその取得した株式の株主として株主名簿に記載され,若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人が当会社所定の書式による請求書に署名又は記名押印し,共同して請求しなければならない。

  2 前項の規定にかかわらず,利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令に定める場合には,株式取得者が単独で株主名簿記載事項を株主名簿に記載又は記録することを請求することができる。

   (質権の登録及び信託財産の表示)

   第9条 当会社の株式につき質権の登録又は信託財産の表示を請求するには,当会社所定の書式による請求書に署名又は記名押印したものを提出しなければならない。その登録又は表示の抹消についても,同様とする。

(手数料)

   第10条 前2条に定める請求をする場合には,当会社所定の手数料を支払わなければならない。

  (基準日)

  第11条 当会社は,毎事業年度末日の最終株主名簿に記載又は記録された議決権を有する株主(以下,「基準日株主」という。)をもって,その事業年度に関する定時株主総会において権利行使すべき株主とする。ただし,当該基準日株主の権利を害しない場合には,当会社は,基準日後に,募集株式の発行,合併,株式交換又は吸収分割等により株式を取得した者の全部又は一部を,当該定時株主総会において権利を行使することができる株主と定めることができる。

  2 前項のほか,株主又は登録株式質権者として権利を行使すべき者を確定するため必要があるときは,取締役の決定により,臨時に基準日を定めることができる。ただし,この場合には,その日を2週間前までに公告するものとする。

  (株主の住所等の届出)

   第12条 当会社の株主及び登録株式質権者又はその法定代理人若しくは代表者は,当会社所定の書式により,その氏名,住所及び印鑑を当会社に届け出なければならない。届出事項に変更が生じた場合における,その事項についても同様とする。

    第3章   株主総会

   (招集)

   第13条 当会社の定時株主総会は,毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し,臨時総会は,その必要がある場合に随時これを招集する。

  2 株主総会を招集するには,会日より1週間前までに,議決権を行使することができる株主に対して招集通知を発するものとする。

   (議長)

   第14条 株主総会の議長は,代表取締役社長がこれにあたる。代表取締役社長に事故があるときは,あらかじめ代表取締役社長の定めた順序により他の取締役がこれに代わる。

   (決議)

   第15条 株主総会の決議は,法令又は定款に別段の定めがある場合のほか,出席した議決権のある株主の議決権の過半数をもって決する。

  2 会社法第309条第2項に定める決議は,議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し,出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う。

  (議決権の代理行使)

  第16条 株主又はその法定代理人は,当会社の議決権を有する株主又は親族を代理人として,議決権を行使することができる。ただし,この場合には,総会ごとに代理権を証する書面を提出しなければならない。

   第4章   取締役

  (取締役の員数)

   第17条 当会社の取締役は2名以内とする。

  (取締役の選任)

   第18条 当会社の取締役は,株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し,その議決権の過半数の決議によって選任する。

   2 取締役の選任については,累積投票によらないものとする。

   (取締役の任期)

   第19条 取締役の任期はその選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

   2 補欠又は増員により選任された取締役の任期は,前任者又は他の在任取締役の任期の残存期間と同一とする。

  (代表取締役及び社長)

  第20条 取締役を2名置く場合には,取締役の互選により,代表取締役1名を定める。

  2 代表取締役は,社長とし,当会社を代表する。

  3 当会社の業務は,代表取締役社長が執行する。

   (報酬及び退職慰労金)

第21条 取締役の報酬及び退職慰労金はそれぞれ株主総会の決議をもって定める。

   第5章   計 算

   (事業年度)

   第22条 当会社の事業年度は年1期とし,毎年4月1日から翌年3月31日まで

    とする。

   (剰余金の配当)

第23条 剰余金は,毎事業年度末日現在における株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に配当する。

   (配当金の除斥期間)

   第24条 当会社が,剰余金の支払の提供をしてから満3年を経過しても受領されないときは,当会社はその支払の義務を免れるものとする。

   第6章   附 則

   (設立に際して出資される財産の最低額)

   第25条 当会社の設立に際して出資される財産の最低額は,金○万円とする。

   (最初の事業年度)

   第26条 当会社の最初の事業年度は,当会社成立の日から平成○年3月31日までとする。

   (発起人)

   第27条 発起人の氏名,住所及び発起人が設立に際して引き受けた株式数は,次のとおりである。

         ○県○市○町○丁目○番○号 ○ ○ ○ ○

                        ○○株

     ○県○市○町○丁目○番○号 ○ ○ ○ ○

                     ○○株  

(注)発起人の引受株式数の記載が定款にあるときは,会社法第32条第1項第1号の事項に係る発起人の同意書を申請書に添付する必要はありません。この場合,申請書には,「○○は定款の記載を援用する。」と記載してください。

  (法令の準拠)

  第28条 この定款に規定のない事項は,全て会社法その他の法令に従う。

    以上,○○商事株式会社の設立のため,この定款を作成し,発起人が次に記名押印する。

       平成○年○月○日

           発起人 ○ ○ ○ ○   

                            発起人 ○ ○ ○ ○   

(注)公証人の認証を受ける必要があります。
(参考) 定款の記載事項
絶対的記載事項  (必ず記載しなければならない事項
(1)目的
(2)商号
(3)本店の所在地
(4)設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
(5)発起人の氏名又は名称及び住所
相対的記載事項  (効力を生じさせようとするには必ず定款に記載しなければならない事項)
(例)
(1)現物出資をする者の氏名又は名称,出資の目的たる財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の種類及び数
(2)会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
(3)株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称(4)株式会社の負担する設立に関する費用
  任意的記載事項(定款には,会社法の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項で会社法の規定に違反しないものを記載することができる。)

この項目の最初の方でもお伝えしましたが、これだけで基本的には定款は作成できてしまいます。とはいえ、わかりにくい表現等もあるかと思うので次の項目で詳しく解説していきます。

◆株式会社設立に必要な定款を作成する時のポイント

それでは、上の方で引用させて頂いた法務局の定款の雛形を元に解説していきたいと思います。

株式会社設立時の定款の雛形を使って、自分で定款の作成に挑戦してみましょう!

・第一条:商号

まずは商号です。ここでは○○商事株式会社となっていますが、自分の設立する株式会社の名前を入れるようにしましょう。同じ住所に同じ名前の会社だけ作れない点に注意しましょう。

・第二条:目的

ここは仕事内容を記載します。事業目的に記載していない仕事内容はすることが出来ないので、今すぐやらなくても、将来的にやるかもしれない仕事内容は全て書くようにしましょう。また、許認可などが必要な仕事の場合は、事業目的の書き方が正しいかどうか管轄の官庁などに確認しながら進めるといいでしょう。

・第三条:本店所在地

本店所在地は詳細まで書く必要はないですが、例えば東京都江戸川区に置くとか、神奈川県横浜市に置く、という情報を残す必要があります。

・第四条:広告の方法

株式会社設立をすると、決算についてや役員の変更など、会社にとって重要な情報を告知しなければなりません。その方法をここで決めますが、フォーマット通り「官報に掲載してする」で大丈夫かと思います。

・第五条:発行可能株式総数

将来にわたって増やせる株の数の上限を決める項目です。株式会社設立時の株の数と間違える方が多いですので注意して下さい。

・第六条~第十八条

今回の株式会社設立の説明における、こちらの定款の雛形を利用する場合には、基本的に共有されているフォーマット通りの内容で作成して頂いて構いません。

・第十九条:取締役の任期

取締役会非設置会社で株式会社設立をする時には、取締役の任期を1年~10年の間で選択することが出来ます。

この取締役の任期とは、例えば内閣総理大臣の任期のようなもので、ざっくりと説明すると何年に一回は選挙して取締役を決め直します!という者です。

同じ人が引き続き取締役になる場合でも、再任の手続きということで法務局に変更登記の申請が必要で、お金を支払わなければなりません。

・第二十条~第二十一条

この株式会社設立における定款の雛形については、フォーマット通りお使いいただいて問題ないかと思います。

・第二十二条:事業年度

事業年度を設定する項目です。こちらの定款の雛形に準じて、事業年度を記載して下さい。

※事業年度に関して、こちらも参考にしてみてください。

・第二十三条~第二十四条

こちらも定款の雛形通りの内容で株式会社設立については、特に問題ないかと思います。

・第二十五条:設立に際して出資される財産の最低額

定款の雛形では難しく書いていますが、ここでは株式会社設立時の資本金を記載します。

※資本金については、こちらも参考にしてみてください。

・第二十六条:最初の事業年度

株式会社設立から一期目の事業年度を決める項目です。一年以内であれば自由に事業年度を決めて大丈夫ですが、大体は一年間を設定します。

※事業年度に関して、こちらも参考にしてみてください。

・第二十七条:発起人

今回の株式会社設立における発起人を記載する箇所です。定款の雛形にあるように、発起人の住所、氏名、取得する株式の数を記載して下さい。

・第二十八条:法令の準拠

定款の雛形にある通りです。

◆まとめ

いかがでしたでしょうか。株式会社設立時に必要な定款について、雛形はあれども、何を使っていいのかわからないし、どこに何を書けばいいのかわからない、という状態は解消されたかと思います。

定款の雛形を使って作成が終わったら、次は公証人役場への認証の手続きに入ります。

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